東方開心劇    作:チャリタク

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本作品は三部作構成となっております。
設定がハチャメチャです。
私には文章力なんぞ存在しません。
ご高覧の際にはご注意下さい。



第22話「変化」

(さて、今日は何を……お!結露がない!これで3日連続かぁ、そろそろ雑巾の出番おしまいだな)

 

 

窓を見て春の訪れを感じる自転車バカ、ふと思い出したように机の引き出しを開ける。

 

 

(えーっと、確かこの辺に……あった。よしよし、後はアイツに電話だ)

 

 

電話を掛けた相手はチルノだ。霧の湖でルーミア・大妖精の二人と遊んでいる最中にスマホが鳴った。

 

 

「もしもし、久しぶりだなー!」

 

〈久しぶり、今大丈夫か?〉

 

「大丈夫だぞー」

 

「誰から電話なのかー?」

 

「自転車バカから」

 

「自転車バカさん?」

 

〈……話していいか?〉

 

「あ、どうぞどうぞ」

 

〈ちょっと渡しときたいものがあるんだ、今からそっち向かうけど変に移動して迷子になりたくないからさ。出来れば紅魔館で待ってて欲しいんだけど〉

 

「紅魔館ね、いいよ!」

 

「わたし達ちょうど紅魔館の近くに居るんです。すぐ来て頂いて問題ありませんよー」

 

「あ、本当だ」

 

「ぬお!いつの間に?」

 

「み、見えなかったのかー・・・!」

 

「2人とも大げさ、マイページから飛んで来たんだから見えなくて当たり前だよ?」

 

『そーなのかー?』

 

「そーなのだー」

 

「わはー♪」

 

「……とまぁ冗談はこれくらいにして」

 

「渡したいものって何だ?」

 

「これだよ、はいどうぞ」

 

「……シード?」

 

 

手渡されたチケットの文字を眉をひそめて読み上げる。

何で寺子屋通ってるのにカタカナしか読めないんだお前は。

と突っ込もうとすると、横から覗き込んだ大妖精が代わりに驚いてくれた。

 

 

「コレ……弾幕舞踏会の予選シード権だよチルノちゃん!やったね!」

 

「おぉ!シード権!凄い……あれ?チルノちゃんって俳句モデルに選ばれたっけ?」

 

「カレンダーだよ、チルノの写真を掲載した1月分の売り上げが基準を超えてさ。本当はもっと早くに渡しとくべきだったんだけど遅れた、メンゴ」

 

「カレンダーも選考対象に入るんですか?」

 

「入る入る。ついでに言うとXanaduの表紙に選ばれた人も選考対象」

 

「そうなんですか、これは色んな人にチャンスがありますね」

 

「ねぇ自転車バカ、これがあったら予選に出なくていいの?」

 

「そういう事。因みに下級妖怪組ではお前が一番乗りだ。良かったな」

 

「凄いよチルノちゃん!」

 

「これは記念撮影しなきゃだね!」

 

「えっへん!あたいってばサイキョーね!」

 

『よっ、待ってました!』

 

「あ、そうと決まれば私フランちゃんに言いに行かなきゃ!喜んでくれるといいな〜♪」

 

「あ、思い出した。俺も咲夜さんの様子見っていう任務があるし、一緒に行くわ」

 

「どうするチルノちゃん、私たちもついて行く?」

 

「ここまで来ればついでだ!行くぞ大ちゃん!」

 

「うん!」

 

 

美鈴に事情を話して門を開けて貰い、中へと入る一行。何気なく見渡すとにとりを見つけたので、チルノらを先に行かせて挨拶。

 

 

「にとりさん、こんな所でどうしたの?」

 

「あぁ、君か。結界装置の定期点検に来てるんだ。何かあったら私の首が飛ぶからね……物理的な意味で」

 

「お、お疲れっす……。

一応話があるんだけど、忙しいなら後にしようか?」

 

「……そうしてくれると助かる」

 

「分かった、じゃあ後で」

 

 

例の如くセグウェイを借り、ルーミアに先導されて一同は部屋へと着いた。

部屋に入るや否や話を切り出す。

 

 

「……って事なんだよ!」

 

「え、凄いじゃん!お姉様から聞いたけどあれって選ばれるだけでもかなり競争率高いらしいよ?なのにシード権だなんて……!」

 

「妖精最強は伊達じゃないよ!」

 

「さすが、⑨インテットのリーダーだね!」

 

「いいなー私もまた出たいなー。今度はネタ枠じゃない方で」

 

「えー?フランちゃんの踊りすっごい盛り上がってたよー?」

 

「まぁ曲は"物凄い狂っとるフランちゃんが物凄い歌"だったけど」

 

「それがヤなの!せっかくカッコいい曲見つけたのに……どうしてこうなった!」

 

 

フランに寄り添うようにベッドに座っている皆が笑いだし、抗議の目は壁に寄りかかって立っている自転車バカに向けられた。

 

 

「んな事言われてもフランちゃん結構ノリノリだったじゃん。ってか文句あんなら選曲した姉に言おうぜ」

 

「お姉様に?」

 

「そのお姉様から言われたんだよ、

"どうせ来年も開催するなら今年はネタ枠で良い"

って」

 

「そこまで見抜いてたとは……。

ってことは今年も出場を狙ってるんだね、ここの主は凄いなぁ……チラ」

 

 

ルーミアに視線を向けられ、動揺しながらも威張るフラン。

 

 

「と、当然でしょー?お姉様は凄いんだから!」

 

「……あたいら何しにきたんだっけ?」

 

「しっかりしてよ、これから記念撮影に行くんじゃない」

 

「……記念撮影だったらウチでする?」

 

『え、良いの!?』

 

「チルノちゃんはルーちゃんの友達でしょ?そしてルーちゃんはアタシの親友。だから良いの、お姉様に頼んでみる!」

 

「じゃあみんなでレッツゴー!」

 

『おー!……チラ』

 

「……え?俺もいく感じ?」

 

 

 

 

「ねぇ、いいでしょ?お姉様」

 

「そうねぇ……」

 

 

姉が一息入れたタイミングで話を持ちかけるフラン、側では皆が待機している。どうしたものか考えていたレミリアだが妹の顔を見ると観念したのか、ため息をつきながら笑みを浮かべる。

 

 

「愛する妹にそんな顔されちゃ断れないわね、許可するわ」

 

 

それを聞いて待機していたルーミア達は即座に喜ぶが、言い出しっぺのフランは両手を頬に当てて身体をクネクネさせている。いわゆる照れ笑いだ。

 

 

「あ、愛するだなんて……ヤダなぁもうお姉さまったらぁ!」

 

「危ねっ!」

 

 

照れ隠しに左手に持ったレーヴァテインで姉を引っ叩こうとしたが、咄嗟に危険を察知したレミリアが突き出した右手で破壊し事なきを得た。

破壊され細かい粒状の弾幕となったレーザーが部屋中にばら撒かれ、唯一避けきれなかった自転車バカは被弾した。

 

「ちょっ何するのよ!」

 

「ご、ごめんなさい!嬉しくてつい……」

 

「ったくもう……まぁいいわ。

仕事(という名のデスクワーク)もひと段落ついた事だし、咲夜?」

 

「はい、何でしょう」

 

「衣装部屋にある服を一通り持って来なさい、宴会用のコスプレも含めて全部よ」

 

「畏まりました……サイズが合いそうにない物は除外しましたが宜しかったでしょうか?」

 

「流石の手際ね、良くやったわ」

 

 

「ぬお!いつの間に!?」

 

「ごめんチルノちゃん、そのくだりはもう良いや」

 

「み、みえな」

 

「乗らんでよろしい」

 

 

「この中から好きなの選んで良いわよ」

 

『わーい♪』

 

(あ、これ着替えるパターンだ。外出ないと…)

 

 

およそ五分後、窓の外をぼんやりと眺めていた自転車バカに声がかかる。

 

 

「は、入っていいよ〜///」

 

 

ドアを開け中に入る。

チルノとルーミアは、それぞれ青と黒を基調としたセーラー服を着用。チルノはスカートも青だが、ルーミアは赤だ。大妖精はワイシャツと黄緑色のスカートだ。

尚、三人ともスカートはチェック柄である。

堪らず感嘆の声を上げる。

 

 

「おぉ〜!」

 

「ど、どうですか…?」

 

「自信持とうよ大ちゃん!これ絶対イケてるって!」

 

「す、スカートだからスースーするぅ…///」

 

「チルノちゃん普段ドロワだもんね。まぁ我慢我慢♪」

 

 

三人がはしゃいでいるのを眺め

尊いですなぁ……

などと悦に入っていたが、レミリアによって現実に引き戻された。

 

 

「どうよ、咲夜の見立ては?」

 

「あ、咲夜さんが選んだんすか?」

 

「だって凄い迷ってたんだもの、決まりそうになかったから咲夜が自主的に」

 

「センスあるなぁ……」

 

「咲夜、衣装はそのままで良いから撮影セット一式持って来なさい。ここで撮るから」

 

「えっ良いの?ここお姉様の仕事部屋でしょ?」

 

「だからこそ、よ。殺風景で尚且つ無駄に広い部屋なんてこういうのにピッタリじゃない」

 

「さ、三人とも撮るからこっちいらっしゃい」

 

『はーい!』

 

 

咲夜に誘われるまま、プリクラのノリで撮り始める。

 

 

「あんな格好してるとただの小学生にしか見えないわね」

 

「確かに」

 

「……アリスさんとパチュリーさんはどうしてここに?」

 

「妖精メイドが面白い事やってるって言ってたから」

 

「見に来たの」

 

「パチェ、あのニンニク野郎はどうしたの?」

 

「ガーリックなら魔理沙の相手させてる、コソ泥退治にはもってこいだから」

 

「絶対"いいようにこき使われてる"って分かってないわね、あの笑顔は」

 

 

雑談や撮影で盛り上がる皆を少し離れた位置から眺めている内に、ある事を思い出した自転車バカ。

 

 

(……そういえばにとりさんはどうなったかな。流石に終わっただろうし、見に行くか)

 

 

庭園をセグウェイでうろつきながら辺りを見渡していたが、紅魔館と倉庫の間に(二つの建物に比べると)小さなプレハブ小屋を発見した。

 

電気は点いていないが、何かしら音がするのは聞き取れたので物は試しと寄ってみる。すると、にとりの姿が確認出来た。

 

 

(お、居た居た。こんな小屋で何を……ッ!?)

 

 

セグウェイを乗り捨て、小屋へ駆け寄る。ドアを開けようとするが、固定されてあるのかビクともしない。

 

 

(くっそ、このまま粘ってりゃ開きそうなんだけどな……!でも早くどうにかしないと!ったくあの野郎!いや、女性だから野郎じゃないか。いや、そうじゃなくて!

あのどこも見えてない目つきと手に持った包丁、窓に映ってたパテ……間違いないな)

 

 

ドアにかける力を増し、悪戦苦闘する自転車バカ。中のにとりは気づいていないのか、包丁を高々と上げて窓から見える景色を眺めている。目は死んだままだ。

 

 

「へぇ、空って意外と青かったんだ……

 

 

                          もう、良いよね」

 

 

包丁を握る手に力を込め振り下ろそうとしたその時、ドアの金具という金具が外れ倒れた。

しかしその音すら届いていないのか、包丁の先端はにとりの首へ近づく。

 

 

「ッ、させるかぁ!」

 

 

間一髪でにとりの手を掴み、小屋の中に立ち込めていた有毒ガスを能力で浄化する。突然の事に驚きを隠せないにとりを余所に、およそ1・2分程度でガスは完全に浄化された。

にとりが持っていた包丁は手を掴んだ勢いで地面に刺さっている。ガスを吸い込んだからか、当の本人は身体全体が震えている。手を離しても大丈夫なのだろうが、彼女の手を握ったまま話を始める自転車バカ。

 

 

「…あの日、俺は誓ったんだ。"何があっても守り抜く"ってな」

 

 

引きつった作り笑いのまま、震える手で自分を指さすにとり。

頷いて更に続ける。

 

 

「あの人が帰って来た時、出迎える人達は沢山居るよ。あの人はみんなに好かれてるからな。

でもさ、そこにアンタが居なかったら果たして喜ぶかね?」

 

「……」

 

「前にも言ったけど、人生を共にするって決めたんだろ?

どのくらい一緒に居られるかは分からなくても、一緒に歩むって決めたんだろ?

だったらさ、あの人が"此処"に居る間は一緒に居ようよ」

 

「…ど、して…、ここ…が?」

 

「お前と知り合ってから何ヶ月経ったと思ってんだ、様子が普段と違うくらいお見通しなんだよ……。

いやまぁ、ここまでは予想してなかったけど」

 

「……ッ」

 

 

うな垂れたにとりを見て、そっと手を離す。

 

 

「…で」

 

「うん?」

 

「何で止めたのさ!どうして……どうして放っておいてくれなかったんだ!

私は"盟友"に捨てられたんだよ!?アカウントは消えたんじゃない、盟友自身が消したんだ!それなのに……何で"帰ってくる"なんて言えるの!?どうして私なんかを守ろうとするんだ!」

 

「……」

 

「言ってよ!黙ったままじゃ分からないよ!誤魔化さないで、私の目を見て、答えてよぉ……!」

 

 

そう言って膝から崩れ落ちるにとり。震えを抑えて無理に喋った反動が来たのか、全身が細かく震えている。

 

 

「……復活したからだよ」

 

「…?」

 

「トムさんのアカウント、復活したんだ」

 

「……ッ!?」

 

「実はアカウントが消えた次の日に、ボケて本来の世界でトムさんを見つけてさ。話もしたんだ。そうしたらトムさんは

"今はまだ帰りたくない……でも必ず戻るから、待ってて欲しい"

って。ほら」

 

 

腕の装置を操ってトムのマイページを見せる。すると、安心した為かにとりが泣き出した。

 

 

「不安なんだろうなってのは分かるけど、これで死んだらマズいっしょ。本人帰ってくるて宣言したんだし、ね?」

 

「ご、ごめん…っな、さい…わ、私…とんでもな」

 

 

言葉を遮るようにして、にとりを抱き寄せる自転車バカ。

全身に纏ったオーラをにとりに移して彼女の体内を浄化する為だ。誰が何と言おうと浄化する為だ、決してやましい事は有りません。

作業が終わると、彼女から少し離れて喋りかける。

 

 

「奴は必ず帰ってくる。だからそれまで、俺がお前を保護する。文句ないよな?」

 

「うん!」

 

 

 

 

「……とまぁ、こういう面倒くさ〜い事が起こってたわけでして。チラ」

 

「なんかもう、色々とごめんなさい」

 

「よくドア開けられたわね、何したの?」

 

「原理はさっぱり分からんけど多分……や、ごめん分からん。なんか出来た」

 

「アバウトな……」

 

 

チルノ達を撮影していた部屋で、諏訪子のコスプレをさせられアリス・咲夜・にとりに囲まれてしゃべる自転車バカ。

撮影終了後、その場のノリが災いして皆で衣装交換やらコスプレをする流れになっていたのだ。そこへ入ったので巻き添えを食らったという訳。

 

 

「まぁ何にせよお疲れ様です。酒…は飲めないのよね、三ツ◯サイダーで良かったですか?」

 

「お、ありがとう。頂きやーす」

 

「あ、全然関係ないけど思い出した。去年は1ヶ月ちょいでやってたのに、今年は弾幕舞踏会の準備もう始めてるのね?」

 

「まあね、前回は乱入ありきで持ってた所があったし。今年はもうちょっと真面目にやろうかなーって」

 

「どちらにせよ宴会のノリが抜けない様子が何故か見えるんだが……大会っぽくはするのかい?」

 

「しない!去年と同じくグダグダ〜っと行く方針」

 

「でも今から準備って、楽しみにし過ぎじゃないですか。あのノリ去年やって気に入ったの?」

 

「まぁ……元々宴会は好きだけどね、最近は楽しみで仕方がないんだ」

 

「どうしてですか?」

 

 

何故か燗に入れて三ツ〇サイダーを持ってきた咲夜が、おちょこに注いで手渡しながら尋ねる。

くすっと笑い、答えた。

 

 

「泣いてばかりだったあんた達3人が、笑うようになったからだよ」

 

『……///』

 

 

この後、三人にグーで叩かれまくった。

 

 

 

 

「ヤレヤレ、今日モ平穏ニ終ワッテ何ヨリデス」

 

 

無機質な声で呟き、閉館後の"ボケて歴史博物館"を見回るのはガイドロボ。毎日の勤めに含まれているのだ。誰も居ない館内を進み、ある部屋で動きを止める。

 

 

「……ソウ言エバ、アノ落書キハドウナッタノデショウカ」

 

 

部屋に入り、球体からアームを出し本をめくって落書きを探す。

 

 

「……オヤ、更新サレテマスネ。何ノ数字カ知リマセンケド」

 

 

ロボが見る赤い字の落書きは、こうなっていた。

 

復活まで、残り14

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く。

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