設定がハチャメチャです。
私には文章力なんぞ存在しません。
ご高覧の際にはご注意下さい。
私は紅 美鈴、紅魔館の門番だ。今日は、皆に私の1日を紹介しようと思う。
太陽が姿を見せ始める頃、目覚まし時計が部屋に鳴り響く。それを止めて二度寝の誘惑と戦う事5分、今日は勝った。寝ぼけまなこでベッドから起き上がりカーテンを開けると、日差しが部屋に入ってくる。
夜に雨でも降ったのだろうか。草木には水滴がついており、それらが太陽光を反射してキラキラと輝く景色は、見事に私の眠気を追い払ってくれた。
「よし、今日も元気に行きますか!」
寝巻きから普段着に着替えて歯を磨き、寝癖などを直して身だしなみを整える。貴重品をポケットにしまい込んで忘れ物がない事を確認すると部屋を後にする、朝食をとる為だ。廊下を進んでいると、夜間の見回りをしていたロボットを見かけたので倉庫へ行くよう指示を出す。
昔は夜間も妖精メイドや私が見張っていたのだが、あまりにも居眠りやミスが多かったのでロボットを使う事になったのだ。まぁそんな事はどうだっていい。
台所へ着くと、すでに朝食担当が料理を完成させており各自適当に座って食べていた。ダイニングルームはお嬢様達が使う事になっているので私や咲夜さん、そしてメイド達は台所で食べるのだ。ついでに言うと、食べ終わった食器は自分で洗うのがルールだ。
「咲夜さん、おはようございます」
「おはよう美鈴、今日は二度寝しなかったのね?」
「まぁ、どうにか…あはは」
「ったく、3日に一回は寝坊するんだから…たいした問題じゃないとは言え、直す努力はしなさいよ?」
「前向きに検討します……」
「それ絶対やらない時に言う台詞じゃない……それじゃ私もう行くから。皿洗い任せていい?」
「あ、はい。大丈夫です」
「ありがとね、じゃあよろしく」
「さて、ちゃっちゃと食べて門番しますか」
まぁ、門番するって言っても特にやる事ないんだけど……。
「ん?なんか言ったかー?」
「ううん、何でもないよ。唯の独り言だから」
「なら大丈夫だな!よーし、今日こそは勝つぞー!」
「チルノちゃん頑張れー!」
「さっこい!」
門に立ってしばらくするとこんな感じで氷精が絡んでくるので、弾幕ごっこの相手をしてやるのが日課みたいになっている。勿論、普通にやれば瞬殺しちゃうからいくらか手加減してます(笑)
私の手加減ぐあいが上手いのか、はたまたチルノが手加減されてる事に気付いてないだけなのかは知らないけど、本人が毎日楽しそうに挑んでくる当たり
"あたい進化してる!"
とか思ってそう……でも大妖精には気づかれてるし、私も手加減してるって伝えてるから多分チルノが気づいてないだけかな?
今日は"グレイズのみ"縛りだったから結構退屈しのぎになって万々歳。
「ぬおー!負けたー!次は絶対勝つからなー!」
「あ、ちょっとチルノちゃん!置いてかないでよー!」
「はっはっはー、いつでもどうぞー……。
よし、ウォーミングアップ完了」
実はこの弾幕ごっこ、縛りを追加したおかげで"ラジオ体操"のように身体を起こすいい準備運動になる法則を発見したので、あの子達が去った後に流れで太極拳を一通りこなすまでが本当の日課。別にやらなくてもいいんだけど、やるとやらないで調子が変わってくるから、時間稼ぎも兼ねてね?
それでも暇になったら、パチュリー様からお借りした漫画本を読む。今日はこ○亀の36巻〜40巻までだ。でもそれは後回し。
視界の端に人影が見えたので漫画を閉じると、青いフード付きのパーカーに白いTシャツ・それと黒いズボンという組み合わせの自転車バカさんがやってきた。
「こんちわーす、美鈴さん」
「こんにちは、自転車バカさん。今日も咲夜さんですか?」
「いや、別件っす。一応レミィさんに言ってあるんすけど……通っちゃダメっすか?」
「そういう事でしたら構いませんよ、どうぞどうぞ」
門を開けると、自転車バカさんは会釈をして入っていった。
(別件かぁ、何なんだろう?)
たわいもない想像を膨らませてると、昼の鐘が鳴った。
咲夜さんに昼食を届けて貰うと、このタイミングで必ずある人物がやってくる。私の命よりも大切な人だ。ユーザー名はふざけてるけど。
キャーイクサーンって何よ、絶対RPGの主人公に付ける”ああああ”と同じノリで付けたでしょ。
「よ、今日もサンドイッチか?せめて具はチャーシューでないと信じたいな」
「あれは私好みにして貰ったものだったんですから、貴方の口に合わなくて当然ですよ」
開口一番でこの態度、まるで貰えるのが当然だと言わんばかりだ。
魔理沙かお前は。
「おいおい、口に合わねえとは言ってねえぞ?つか、合わねえ訳ねえだろーが。
どんな料理屋もここの飯には敵わねえかんな、しかもそれがタダで食えるとなりゃあ言うこと無しだろ」
「昼食担当は咲夜さんが手塩をかけて育てたメイドですからね、美味しいに決まってます」
「だな、このカツサンドめっちゃ旨え」
「あ、ちょっとぉ〜!」
全くもってふてぶてしいが、この人と一緒に食べるご飯は……いや、この時間は格別だ。正直、お嬢様達と食べるより美味しいかも知れない。
「おい、手にマヨネーズ零れてんぞ。取ってやる、手ェ出せ」
「あ、ありがとうござ……
ッ!?」
「うむ、これはこれでアリだな」
「……直接手から食べないで下さいよ///」
色んな意味で。
食べ終わってしばらくは談笑をしていたのだが、平穏というのは長く続かないらしい。
突如、限りなく黒に近い緑色の球体が林の陰から姿を見せた。しかし、完全に黒ではないのでルーミアでは無い。
これは自転車バカさんだ。ミサイル事件で見た、本気を出した自転車バカさんだ。
ある程度近づくと球体がシャボン玉を割るように消え、中に居る自転車バカさんが見えてきた。
手には指先まで覆うタイプの黒いグローブをはめ、イエローグリーンと呼ばれる靴を履いている。それ以外は今朝見た時と同じ服装だ。
「お、二人揃ってたか。ちょうど良かった」
「自転車バカさん……何かご用ですか?」
「そんな警戒しなくとも、用があるのはアンタの後ろに居るそいつだけなんで」
「……俺?」
「彼に何の用が?」
「そいつを殺しに来たんすよ」
『なっ!?』
「だから美鈴さんがそこに居ちゃ殺りにくいんだよ、どいてくれ」
彼に目をやるがあまりにも動揺している、まともに会話すら出来なさそうだ。余り人の事は言えないけど。
視線を戻し、ファイティングポーズを取る。
「……退きません、彼を殺したいなら私が相手になります」
「ふっ、そうこなくっちゃ」
自転車バカさんの目は本気だ。でもどれだけの強さなのかは知らない、まずは様子見に
「虹符 "烈虹真拳"」
一気に間合いを詰め、気を纏った右ストレートを浴びせにかかる。そこら辺の妖怪はこれで倒せるけど……どうやら、そう簡単には行かないようだ。
自転車バカさんが左手を突き出して展開したシールドに、ものの見事に封じ込められた。
それどころか、殴った衝撃が反射して帰ってきた。右腕に電気が走る。
「!?」
「……この程度、か」
「くっ!」
詰めた間合いをバックステップで開ける。視線を逸らさず、手を握ったり開いたりを繰り返す。よし、まだ大丈夫みたいだ。
「……普通止めますか?今の。大概は綺麗に喰らってノックダウンしてくれるか空の彼方へ飛んで行くんですけど」
「でも"ならなかった"……これで分かっただろ、本気で来い」
「ッ、上等!」
◇
「自転車バカさん大丈夫かなぁ?上手くやってるといいんだけど……」
「早苗?詠唱で疲れてるんだから動いちゃ駄目って言ったでしょ?安静にしてなきゃ」
「諏訪子の言う通りだよ、奴に奇跡を起こす為とはいえ二時間も呪文詠唱してたんだから」
「……じゃあ今日の炊事はお任せして良いですか?」
「任せな、って神奈子が」
「私かよ」
◇
「はぁ…はぁ…くっ!」
マズいな、やられ過ぎて立ってることすら出来ないや……。
地面に片膝を付き、おぼろげな視界で確認する自転車バカさんは、まだまだ余裕そうだ。
それもそうか、向こうは攻撃を防いだだけだし。こっちはその威力をシールドに全部跳ね返されたんだから、自分で自分を痛めつけたようなものだ。
それでも立ち上がろうとすると、彼が駆け寄ってきた。
「美鈴!もう止めてくれ!これ以上やったらホントに死んじまうぞ!俺の事は良いから…もう止めてくれ!」
「気持ちはありがたいですが、下がっててください……危ないですよ。私なら、大丈夫ですから……」
「しかし……!」
「ほら、立てよ。アンタの力はそんなもんじゃない筈だ」
そう言うと、自転車バカさんが私に包帯を投げ渡してきた……なんの真似なんだろうか?
「ッ、お前は一体何がしてーんだ!何でこんな事出来んだよ!答えろ!」
「やなこった、知りたきゃ俺を殺してみるんだな」
「上等じゃねえか……!」
立ち向かおうとする彼の腕を掴む。
「美鈴……?」
「貴方にそんな真似はさせません……私がやります。奴は、私の相手です」
「そんなの」
「関係あります。それに、貴方が向かっても駄目ですよ……私ですらこのザマなんですから」
「…ちっ、わぁーったよ。ぜってー倒せよ?」
「勿論です」
「美鈴さんよぉ。アンタそいつに気を配るあまり、動きが鈍くなってるの気づいてるか?」
「……バレてましたか」
「そんなヘタレモヤシほっとけよ、バカップルに相応しく、天国行きのペアチケットやるからさ」
その時、私の中で何かが切れた。立ち上がり包帯を巻きながら、言葉を返す。
「おあいにく様、私の辞書にはキリスト教なんて無いんでね……お返しします!」
出来る限り高速で気を飛ばし、自転車バカさんの近くで炸裂させて煙幕を張る。それに気を取られている間に懐まで接近して、上空へと蹴り飛ばそうと試みる。
オーラを纏った両腕で防がれはしたが、宙に浮いてしまえば此方のもの。追い打ちをかけるように飛び上がり渾身の蹴りを入れると、シールドを打ち破る事が出来た。地面に叩きつけると、轟音が轟き砂埃が舞い上がる。
そのまま止めを刺そうとしたのだが、いかんせんやられ過ぎて身体が思うように動かない。膝をつくような格好で着地する。
「美鈴!」
「来ないで!」
「……ッ!」
「大丈夫だって……言ったでしょう?」
「だが…!」
「…ご安心を。奴は貴方に指一本触れられません。龍星の門番の名に懸けて、私が一生涯、お守り致します!」
「美鈴……!
めぇぇぇぇぇりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんーーーーーー!!」
自転車バカさんの息の根を止めるべく、再度接近する。
「はぁああああああああっ!!」
「はいストップ」
「!?」
何かが足に引っかかり、視界がぐるぐると回る。仰向けに倒れた私が見たのは
「お、お嬢様!?」
「咲夜?今の美鈴の台詞、録音出来たかしら?」
「ばっちりです」
「あら、あんだけ派手にドンパチやってたのに門は無傷なのね」
「”門に傷つけたら殺す”とは言ったけど本当にやってのけるとは・・・!」
「あの、フラン様?何ちゃっかりハードル上げてるんです?
”多少は仕方ないけど出来れば無傷が良い”
って言ったの聞いてなかったんですか?」
「ちょ、ちょっと待て!何がどうなってんのか説明しろ!」
「そ、そうですよ!出てくるタイミング完璧過ぎるでしょ!ってか何で全員集合!?」
「簡潔に言うと、全部仕込みだったのよ」
「……?」
「自転車バカが今朝私たちに言ったの、
”美鈴とキャーイクサーンをくっつけたいから知恵を貸して欲しい”
って」
「くっつける?私たちを?」
「そうよ。アンタ達の奥手っぷりは相当だからね……告白だってなぁなぁで済ませたくらいだし」
「ちょっ!今それ関係無いじゃないですか!///」
咲夜さんに反論しようとするも、こぁちゃんに日傘を持たせたフラン様に指を射して封じ込められた。
「ありますー!このままだったらプロポーズだってなぁなぁで済ませて結婚式なんて絶対挙げないでしょ!」
「うっ、痛いトコを……」
目が合ったこぁちゃんも、にっこりと笑って追撃してきた。
「だからこの作戦を組んだんです、美鈴さんがプロポーズくらいはちゃんと出来るように♪」
「プロポーズ…あっ!」
──…ご安心を。奴は貴方に指一本触れられません。龍星の門番の名に懸けて、私が一生涯、お守り致します!
「で、プロポーズが出来たから止めに来たという訳だ」
「あの発言はこのボイスレコーダーで録音したし、何かあったらこれを流せば良いですわね♪」
「お願い咲夜さん今すぐ消して-!」
「それよりも、”龍星の門番”って何?貴方ってそんな二つ名あったの?」
「ちょっ、パチュリー様、笑っちゃ駄目ですって。確かに凄いネーミングセンスですけど」
『あーっはっはっはっはっは!』
「いやああああああ!」
こんな感じで皆が私をいじって遊んでいると、フラン様が声を張り上げた。
「お姉様大変!自転車バカが息してない!」
『な、何だってーー!?』
「いや今そういうの良いから!求めてないから!寧ろ助け求めてるのコイツ!
早くどうにかしないと!」
「私に任せなさい!」
「お嬢様!私が永遠亭まで…!」
「それよりも早い方法があるのよ、いいから任せなさい」
「レミィ、どうする気なの?」
「こいつの装置であそこまで飛ばすのよ、操作方法は分かってるから問題ないわ。
咲夜!紙とペンとセロハンテープ持ってきなさい!」
「畏まりました……これでよろしいですか?」
「上出来よ、これをこうして…よし、転送!」
彼の身体が虹色に発光し、光の粒となって雲散した。
「ふう……これでとりあえずは大丈夫ね」
「でもお姉さま、当人を送っただけじゃ向こうも困るんじゃない?」
「それもそうね……じゃあ代表で私が行ってくるわ」
「お嬢様が行かれるのならお供します」
「そういえば最近外に出てないわね……私も行くわ。こぁもついてきなさい」
「はい、パチュリー様!」
「ちょっとぉ、ここに居る怪我人置いてくつもり?行こう、めーりん。私が付き添ってあげるからさ♪」
「何よ、結局全員じゃない…ふふっ」
◆
とまぁ和やかな雰囲気で永遠亭に向かった私達だが、着くや否や永琳先生に診察室へ連れられてメッチャ怒られた。
「あのねぇ、妖怪のユーザー殺しは
”この世界で絶対に犯してはならない最大の禁忌”
なのよ?それをそんな馬鹿げた理由で…」
『さ、さーせん…』
「まぁ一命は取り留めたから良かったけれど、後少しでもここへ来るのが遅かったら本当に手遅れになってたわよ?」
『……』
「大体ねぇ、いくら奇跡と装備で身体能力を上げていたとはいってもあの子は唯の人間なのよ?妖怪の一撃をまともに受けたのによくもまぁ悠長にしてたわね、え?」
『返す言葉もございません……』
「謝罪する相手間違えてるわよ、私じゃなくあの子にしなさい。もう意識が戻ってるでしょうから」
『はーい……』
「おら、はよ行かんかい!」
『は、はーい!』
永琳先生に案内され病室に向かう雰囲気は、御通夜そのものだ。引き戸を開け病室に入った私達は、目の前の光景が信じられなかった。
何せ右手に点滴を打ち、両腕は包帯で巻かれ三角巾で固定し、酸素マスクを着けベッドに横たわる彼が居たのだから。
言葉を失う私達を他所に、永琳先生はベッドに近づいて彼に要件を伝えた。
「ねぇ自転車バカ。貴方に謝りたい人が来てるんだけど、どうする?」
「……ベッド起こして貰っていいすか、俺も言いたい事あるんで」
「分かったわ。首に力入れないように気をつけてね」
リモコンのボタンを押し、ベッドが唸るような音を立てて起き上がり正面を向く。
どう声を掛けたものか迷っていると、お嬢様が真っ先に両脚両手を床について深々と首を垂れ、謝罪の意思を口に灯した。慌てて私たちも続く。
ありきたりだけど心から謝り、最後は全員で声を揃えて謝った。
『本当にごめんなさい!』
どんな罵倒が来るか怯えていたが、彼が言ったのは正反対な言葉だった。
「……そんな事しないで下さい、こっちは命と引き換えにあなた方を幸せにするつもりだったんですから。それが死なずに済んだんですよ?もういいじゃないですか、顔を上げて下さい」
『!?』
思いがけない言葉に、全員が顔を上げる。永琳先生も、彼を見て驚いていた。
お嬢様が疑問を口にする。
「もしかして貴方、死ぬかも知れないと分かってて依頼を受けたの?」
「……当たり前じゃないですか。妖怪相手に唯の人間が喧嘩売ったってのに、死なない保証が何処にあるんです?」
その言葉に涙腺が崩壊しかけた私達ですが、気が済まないので何か償いをさせてくれないかと頼むと、自転車バカさんは少し考えてからこう言いました。
「これから先、何があっても仲間や旦那を危険から守ると誓って下さい。お客様の幸せを支えるのが、我が社の使命ですから……良いですね?」
『……はい!』
明日も、明後日も、私はここで立ち続ける。ここに立って、侵入者を撃退するのが務めだからだ。
私は紅 美鈴、紅魔館の門番だ。
続く。
おまけ。
永琳「心肺停止・両方の鎖骨並びに両腕の複雑骨折……よくこれで済んだわね」
自転車バカ「にとりさんと早苗の効果すげえな」
永琳「まぁ一ヶ月もあれば完治するから病院ライフを楽しみなさいな」
自転車バカ「もっと凄いのが居た」
ちょっとpixivで書きたい物が出来たので、そっちを優先します。終わり次第更新を再開します。