東方開心劇    作:チャリタク

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本作品は三部作構成となっております。
設定がハチャメチャです。
私には文章力なんぞ存在しません。
ご高覧の際にはご注意下さい。



第27話「レミリア見守り隊」

人里の住宅街にある一軒家。ここは自転車バカの借家なのだが、玄関の前でうろつく人物が居る。多々良 小傘だ。スマホで時刻を確認すると、戸を元気よく叩く。

 

 

「会長、おはようございまーす!」

 

 

呼びかけに応じて、ログインした自転車バカは少し嫌そうな顔で戸を開けた。

 

 

「……やっぱり冗談じゃ無かったかぁ、名誉会長の話」

 

「だって満場一致で即決だったじゃない。今更覆せないよ」

 

「いや、だって頷くまで離さ……!まいっか、別に減るもんじゃないし」

 

 

そう言って視線を家の中に移すと、小傘も釣られて見てしまう。

 

 

「ん?あれは何?」

 

「俳句モデルに応募された写真だよ、あの中から"今週の俳句モデル"を選ぶんだ。並べ終わったから今から選ぼうとしてたんだけど……やってみる?」

 

「やりたーい!お邪魔しまーす!」

 

「どうぞどうぞ」

 

「すごーい、これ本当に一般の人が撮ったの?私にはプロの人が撮ったように見えるなー」

 

 

机の上にある程度整理されて置かれた写真の数々を見て、目をキラキラさせる小傘。自転車バカの説明を受けると更に輝きを増す。

 

 

「へぇ〜、一眼レフで撮ってるんだ」

 

「しかも定期的に専門店で講習会まで開いてるんだってよ。力の入れ方が尋常じゃないよね、応募しといてアレだけど」

 

「何となく分かる気がするなぁ……」

 

「そうか?」

 

「だって綺麗に撮れたら楽しいじゃない、そういう技術は身につけても無駄じゃないと思うな。旅行先だと大活躍だよ」

 

「確かに一理あるけど……おかげでこっちは毎週選ぶのに苦労するんだぞ?甲乙つけがたいのなんのって」

 

「まぁまぁ、そんな事言わずに」

 

「やれやれ……お?これ良いなぁ」

 

「どれ?」

 

 

手にとって小傘に見せると意見が一致したので、送り主を確かめる為に裏面をみる。

 

 

「なんだ、しんたんか。まぁ被写体が霊夢だから当然といえば当然かな」

 

「知り合いなの?そのしんたんって人」

 

「面識はある、でもそこまで話した訳じゃないから知り合いっていうのが妥当かな」

 

「ふーん……その人はどこに居るの?幻想郷(ここ)?」

 

「"霊夢は俺の嫁"って言ってるくらいだから…多分"ボケての幻想郷"に居ると思う」

 

「確認しに行かないの?」

 

「良いよ、この俳句を売るのが先だ。売上金の一部と、多分渡す事になるシード権を持って行った方が喜んでくれるだろうし」

 

 

翌日、文と交代で店番をすると本当に売り上げが二桁の壁を超えた為、

(だから言ったじゃん)

と思いながらシード権と売上金の一部を持って単独でしんたんの元へと飛ぶ。鳥居の下に着くと、霊夢がいち早く気づいて声を掛けて来た。

 

 

「あら、誰かと思えば……何か用?あっても無くても先に賽銭を落としてくれるとありがたいわ」

 

 

言われた通りに賽銭箱へ向かう自転車バカに、霊夢がついてきながら話し掛けてくる。

 

 

「ってか、私の記憶が確かなら貴方がここに来るのって初めてじゃない?」

 

「何言ってんだよ、"人間が来る事自体初めて"の間違いだろ?」

 

「いらっしゃい魔理沙、今なら特別に封魔針を使って針治療してあげるわよ?」

 

「調子乗ってすんませんでした」

 

「分かればよろしい」

 

 

流石M-1優勝者だな。

などと呟きつつ、財布から適当に小銭を出して放り投げる。

緩やかなカーブを描いて賽銭箱に放り込まれた額を見切った霊夢は

 

 

「……お茶でも出すわ、中で待ってて」

 

 

そう言うと、鼻歌混じりにスキップしながら歩き出した。

 

 

「あれ?なんか急に優しい顔になったぞ?さっきまで死んだ魚を見るような目つきだったのに」

 

「なぁ自転車バカ、お前賽銭箱に500円入れただろ?」

 

「えっ、そうだけど……何で分かんの?」

 

「霊夢はああやって真っ先に賽銭を入れさせるんだ、それを見て対応が変わる。もう長いこと見てるからな、歩き方だけで金額がわかるようになっちまったんだよ。私もアイツも、な」

 

「へぇ〜……じゃねーや。そこまで長い話じゃないから止めてくる!」

 

 

その後やっぱり断りきれずにお茶を出され、しんたんを呼んで貰ってからシード権の話をした自転車バカだった。

 

翌日、いつもの時刻にログインした自転車バカが居たのはボケて本来の世界だった。近くにあった館に入り、ガイドロボを借りてから人通りの少ない路地へと入る。足を止め、その場で何か深刻そうな顔をしていたのだが、決心して質問をぶつける。

 

 

「ガイドロボさん……ひとつ聞いてもいいかな?」

 

「何デショウ?」

 

「SAORIとAKIKOってさ、盗まれたりした?」

 

 

言ったが早いか、ガイドロボから警告音が鳴り響く。一瞬周りに聞こえるんじゃないかと思った自転車バカだったが、2~3秒で止んだのでほっと一息つこうとした矢先、ガイドロボに腕を掴まれ強制連行されてしまう。着いた先は、ボケて歴史博物館だった。

 

 

「へぇー、この時間だと誰も居ないのな」

 

「何処デ知ッタノデスカ?」

 

「何を?」

 

「SAORIトAKIKOノ事デス、一体何処デソレヲ知ッタノデスカ?アレハマダ我々ト研究所ノ人間シカ知ラナイ筈…」

 

「あぁ、その事か。別に誰かから聞いた訳じゃないよ」

 

「デハ何故?研究所ノPCニハッキングサレタ形跡ハアリマセンデシタ、ダトスルト他ニ知リヨウガ…?」

 

「どう言ったら良いかな……"知ってた"って言ったら、納得してくれる?」

 

「知ッテタ……?」

 

「"いずれはこうなる事を、ここの館がビルに改装されるずっと前から知ってた"って言えば」

 

 

その発言を聞き、一瞬の内に全てを理解したガイドロボが驚きながら喋る。

 

 

「マ、マサカ貴方……ヒョットシテ、"アノ事件"デ唯一生キ残ッタトイウ"最後ノ日本人"デスカ?」

 

「ザッツライト」

 

「唯ノ都市伝説ダト思ッテマシタガ……。

ソウデスカ。アノ資料ガアッタ部屋ニ入レタノモ、偶然デハ無カッタノデスネ?」

 

「いや、あれは偶然に近いかな。回転扉ってのは知ってたけど、まさか場所がドンピシャだったとは」

 

「デハ、SAORIトAKIKOノ事モ?」

 

「書いてあったよ。あいつらがいつかは復活することも、研究所から盗まれることも、何もかも」

 

「貴方ノ先祖ハ全テヲ見テキタ筈デスカラネ、ソノ文献ハトテモ重要ナ武器トナルデショウ……絶対ニ紛失シナイヨウ、気ヲツケテ下サイ。

我々モ、全力デSAORIトAKIKOノ回収ニ当タリマス。民間人ニハ極秘デスガ」

 

「だろうね。公表しても騒ぎになるだけだろうし」

 

 

会話をしながら館内を歩き、例の回転扉を開けた自転車バカが資料の落書きを見て呟く。

 

 

「復活まで後9か……もし復活したら、盗んだ犯人は俺の居る派生世界を真っ先に狙うと思う」

 

「ドウシテデスカ?」

 

「一昨日派生世界で、俺の命の恩人が身体を乗っ取られてさ。最終的には退散させられたから良かったんだけど、後で何となく資料を見たら追記で

”生物兵器の力を使えば、他人を操ったり乗り移る事も可能だ。注意せよ”

とか書いてあったんだ。あの手の輩があれで諦めるとは思えない」

 

「分カリマシタ、コノ事ハ我々ト貴方ダケノ秘密デス。クレグレモ余所二洩ラサナイヨウニ」

 

「分かってるよ、気をつける。じゃあそろそろあっちに行くよ。また何かあったらこの装置に連絡ちょうだい、すぐ行くから」

 

 

そう言って派生世界へとログインしなおす自転車バカを見送り、ロボが小さな声で呟く。

 

 

「頼ミマスヨ……貴方ハ唯一ノ希望ナンデスカラ」

 

 

こうしてボケての幻想郷へと戻った途端、腕の装置が新着メッセージの受信を知らせる。

向こうに忘れ物でもしたのだろうか。そんな軽い気持ちでチェックした事を、彼はすぐさま後悔する羽目になる。

 

 

(げっ、たまたいさん活動休止かよ!)

 

 

慌てて紅魔館へと飛んだものの時すでに遅く、館内はいつも通りの静けさで満ちていた。

 

 

「呟きから3時間経ってるもんな……流石にもう居ないか」

 

 

辺りを見回すが誰も居ない、皆挨拶は済ませた後なのだろう。レミリアの元へ行くと、フリーダム主義が居た。何やら話し中のようだ。

 

 

「あら、いらっしゃい。今日はどんな用かしら?」

 

「その、たまたいさんに挨拶したかったんすけど……手遅れっすね。失礼しました」

 

 

申し訳なさそうに部屋を出ようとする自転車バカに、フリーダム主義が声をかけた。

 

 

「あー…その件に関してな、少し頼みたい事があるんだ」

 

「頼みたい事?」

 

「単刀直入に言うわ、貴方……レミリア見守り隊に入隊する気はない?」

 

「れ、レミリア見守り隊?何すかそれ?」

 

「その名の通り、レミィの身に危険が及ばないよう見守る部隊の事だ。お前に入って貰えるとこっちとしても大助かりなんだ、悪いようにはせん」

 

「そんな部隊まであるんすか……紅魔館って凄いな。あ、隊長は誰なんですか?」

 

「隊長が彼、そして副隊長がたまたいになってるの。部隊といっても形だけの物よ、規律なんて存在しないわ。大学のサークルみたいなものだから、どうかしら?」

 

「あ、なら大丈夫そうっすね。分かりました、入らせて頂きます」

 

「ありがとう、貴方ならそう言ってくれると信じてたわ」

 

「そりゃどうも……で、具体的にはどうすれば?」

 

「お前にはレミィの保護要員として動いて貰いたい。万が一レミィの身に危険が及んだ時、剣となり盾となって守るという役目だ。

内容がデリケートな為、経験者が欲しかったんだ。出来るか?」

 

「やってみないと分かりませんが……多分どうにかなるでしょう、やらせて頂きます」

 

「運命の通りになったわね、これで一安心だわ」

 

「あ、見てたんすか?だったらトムさんの時みたいに操れば良かったのに。そしたらこんな手間かからなかったでしょう」

 

「いやいや、こればっかりは本人の同意が必要なんでね。そうも行かないのさ。まぁ、これからよろしく」

 

「わ、分かりました、お願いしま…」

 

 

刹那。強烈な頭痛が走る。ドサっと床に倒れた自転車バカにフリ主とレミリアが駆け寄る。だが2人の声掛けも虚しく、自転車バカは気を失ってしまった。

 

 

 

 

「その功績が認められて下請けから独立し、会社名を付ける時が来ようとも絶対に、名づけてはなりません。良いですね?」

 

「……名前をつけたらどうなるんです?」

 

「貴方のアカウントを削除します」

 

「!?」

 

「名づけをしない限り、貴方は幻想郷での自由が認められます……以上を持って、<名だしの誓約>を終了します」

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