Fate/Nilotpalagita Synopsis 作:時雨
本日2回目の投稿です。いよいよ物語が動き出します。
数年後、ある日の会話
パラシュラーマに弟子入りしてから数年、私はまだ子どもと呼ばれるような年齢だが、それでも人並みに武術を身につけることができた。
彼の修行は過酷で、素人の私は何度も挫けそうになったが、血を吐くような努力のおかげで最近では、彼の攻撃を防ぎ、彼から一本取ることができるようになった。
彼が私に武術を教えるにあたって、見いだした才能は四つ。一つは剣術。女ということもあり筋力は弱いが、ある程度鍛え上げたのと、とある方法を用いることで問題なく彼の重い一撃を受け止めることができる。二つめと三つめは弓術と馬術。弓術も腕の筋力が必要だが、これも剣術同様、問題はない。馬術は単に馬の扱いが上手かったからで、特に特別なことはしていない。
そして四つめは
師匠曰く、『お前は言霊が人並みより優れている』とのこと。なので、他の人が唱えるよりも効果が強く出るらしい。ちなみに普通の言葉にも霊力(魔力)を乗せても効果があるようで、これを応用して私は自分の筋力や身体能力を強化している。もちろん、真言に頼りすぎないように自分で毎日鍛えているが……。
「なんで筋肉があんまりつかないんだろう……」
そう、いくら鍛えても私のこの細い腕はなかなか筋肉がついてくれない。この前なんて友人ならぬ友鳥のラクタパクシャには『友の腕は
「おい、シャストルラ。ちょっと話があるんだが」
「何ですか師匠。また追加の鍛錬メニューをやれ、とか言うつもりですか」
森で一人、彼から貰った片刃刀を持って素振りをしていると、後ろから彼に声を掛けられた。周囲の気配には気を配っているので、彼が来てもすぐに反応することができた。
「いや、そうじゃない。なんで最近、俺に対する当たりが強いんだ。反抗期か?反抗期なのか?」
前までは素直で可愛かったのになぁ、とぼやくパラシュラーマ。あなたは私の父親か、いや義理の父親ではあるけれど。
「はいはい、そういう茶番はいいんで。話ってなんですか」
「お前なぁ……まあいい、話っていうのは王家の主催する競技会に参加してみないか、ということだ」
「競技会?」
「そうだ、ちなみに飛び入り参加可能だ」
「行きます」
思わず即答する。師匠以外の人たちと腕試しをしてみたいし、何より久しぶり町に行ける良い機会だからだ。ただひとつ、気になることがある。それは──
「師匠、あの、王家主催って言いましたよね」
「確かにそう言ったな」
「相手はクシャトリヤですけど、私なんかが行っても大丈夫ですか」
そう、あの
「大丈夫だろう。それに、お前は少し俺以外の人間と関わったほうがいいと思ったからな」
「……その心は?」
「競技会で自慢げに武術を披露している奴等の面目を潰してこい」
「ですよね」
とても良い笑顔で言い切ったよこの人。そして、師匠のクシャトリヤ嫌いは相変わらずですね。
私は自分が纏っているマントのフードを深く被る。一応、胸が目立たないように布を何枚か巻いておく。競技会に出るからには“女”の格好で行くのはまずいだろう。一人称は……そのままでいいか。“男”でも『私』っていう人いるし。声もまあ、大丈夫だろう。顔を隠せば女とは判らないと師匠から言われたし。
そして最後に彼から貰った片刃刀と、自分で作った弓を携えて、久しぶりに町に行く。
「では、行ってきます。大会の状況によっては、帰りが遅くなるかもしれません」
「おう、分かった。行ってこい、楽しんでやれよ」
ヒラリと片手を上げて彼は私を見送る。ここから町まではだいぶ遠いからなぁ、仕方ない。走ろう。
地面を勢いよく蹴って、走り出す。なだらかな下り坂が続いているので、結構スピードが出る。……もしこれで間に合わなかったらどうしよう。
不安になりながらも、私は町まで急いだ。このとき、私は気づいていなかった──自分が参加しようとしている競技会が、