「君の名は。サヤチン」   作:高尾のり子

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Bルート最終話

 

 早朝、私は手首を引っ張られて目が覚めた。寝るとき、右の手首を結んだはずなのに、起きたら左だったから、入れ替わって私は私の身体になってる。

「何、この紐?」

 四葉の声。

「四葉なの?」

「何も見えないし。目隠し? お姉ちゃん、そこにいるの?」

「うん! お姉ちゃんだよ! 宮水三葉! 四葉は宮水四葉だよね?!」

「その言い方……お姉ちゃん、もしかして、入れ替わりの経験があるの? っていうか、目隠し取ってよ」

「すぐ取ってあげる」

 目隠しを取ってるうちに、サヤチンもサヤチンの身体で起きた。

「う~ん……寝返りできなかったから、背中が痛い。あ、おはよう、四葉ちゃんは、四葉ちゃんなの?」

「サヤチンさん……もしかして、サヤチンさんとお姉ちゃん、入れ替わってた経験が?」

「「あるよ!」」

「ハモった……この二人だと、わかりにくいかも。いつから?」

「「半年くらい前から!」」

「………そんなに長々と…。とりあえず、紐も解いて」

 二人で四葉の手首を解放した。

「なんで、こんな拘束されてたの? 私、暴れたりした?」

「暴れなかったけど、おっぱいモミモミしたり、おしっこ漏らしたり、いろいろされてたよ。四葉を守るために、こうしたの! 大丈夫、四葉はバージンだよ!」

「……漏らしたの……って、そんなことより…」

「おっぱいの方が問題だよね」

「それも、どうでもいいから」

「わかってる。バージンは確実に守った」

「………うん……ありがとう。まずは、お礼を言うよ。次は、私の話を聴いて。真剣に。黙って、聴いて」

「「……はい」」

「私が入れ替わっていた人は立花瀧、東京の高校生だった」

「「………」」

 それは知ってるから黙って頷いた。

「でも、私が行った世界は今から3年先の未来だったの」

「「未来っ?!」」

「お姉ちゃんたちは時間はズレてないみたいだね」

「うん、っていうか、未来って?!」

「2016年の世界だよ」

「……今年って何年だっけ?」

「くっ……2013年!」

「はい、そうでした。すいません。話の腰を折って、どうぞ、続けてください」

「私は入れ替わって、とりあえず学校を休んで状況を調べてるうちに、立花瀧のスマフォで糸守町の奇跡について知ったの」

「「奇跡?」」

「今日の夕方、この町のここ、この神社にティアマト彗星の一部が分轄して落ちてくるの。けど、それを事前に知っていたかのように、宮水俊樹は臨時の避難訓練を発動して、奇跡的に誰も死なずに災害を乗り切るの」

「お父さんが……」

「つまり、私が彗星落下を伝えて、お父さんに避難訓練の実施をさせないといけないの。手伝って」

「………?」

「待って、四葉ちゃん。それって歴史を変えることにならないの?」

「なりませんよ」

「「………」」

「私が知ってきた未来は奇跡的に、みんなが死ななかった未来。だから、その奇跡の避難訓練を実施しないと、歴史は変わってしまうけれど、実施すれば歴史は変わらない。矛盾は生じない。おそらく、私は、この未来を知るために入れ替わったんだと思う」

「………入れ替わりに目的とかあるの?」

「ない場合もあるかもしれませんね」

「「………それって私たちのこと?」」

「いえ、きっと、お姉ちゃんたちの入れ替わりにも意味があるはず。たとえば、今、私の話を、かなり簡単に信じてくれてますよね?」

「「あ……」」

「普通、入れ替わりなんて言っても相手にしませんから。まして未来」

「「………たしかに…」」

 私たちは四葉がウソを言ってるとも思わずに信じてる。そして、すぐにお父さんを説得に行った。町役場に出勤してきたお父さんへ私たちは駆け寄った。

「「お父さん!」」

「町長さん!」

「三葉、四葉…それに、名取さんまで…」

「お父さん! 大事な話があるの! 時間をください!」

 四葉が真剣な顔で言うと、お父さんは頷いた。

「わかった。町長室へ来なさい」

 町長室で、四葉は私たちへしたのと同じ話をした。

「入れ替わりか……3年、未来……その話を信じろと?」

「はい」

「…………」

 お父さんが難しい顔をして考え込む。四葉のことを信じたいけど、信じられないって顔になっていく。

「「お父さん、お願い」」

「…………」

「町長さん、私と三葉さんも入れ替わっていました」

「名取さんと……三葉が?」

「はい」

「……そんなことも起こっていたと信じろと?」

「それを信じてくだされば、娘さんが不法施設で中絶するような愚かな女ではなく、ただ不幸にも悪い友人に、そうさせられたのだと確信することができませんか?」

「…どういう意味だ?」

「入れ替わって、お互いの身体を自由にできる。だから、あのとき病院で強制的に行かせたと私が言った意味は、本当に手足を縛る以上の強制です。三葉ちゃんは途中で引き返すことも、施設の不衛生さを見て中断することもできなかった。そして、私は私と関係のある男性の子供を妊娠している三葉ちゃんを、何としても中絶させたかった。女が、どのくらい、こういうことに汚い手段を使うか、町長さんの年齢なら男性でも少しは感じ取っていただけませんか?」

「君は……君が…三葉を……」

 お父さんの顔に驚きの後から怒りが現れた。あの怒り方は他でも見た。身内、肉親を他人に傷つけられたとき、心の底から湧いてくる強烈な怒りだ。サヤチンのお姉さんも、そうだったし、私だって四葉を傷つけられそうになったら、そうなる。そういう怒り。

「町長さんは娘が愚かな女でないと、信じられませんか? 三葉さんは軽々しく妊娠して、親に黙って中絶するような子ですか?」

「…………」

「しかも、あんな汚い闇診療所で。あのとき、三葉さんの身体を動かしていたのは私です。だから、三葉さんが知らない詳しいことも私が知ってる。あそこは動物病院の上にあって、元々スナックだった店舗を、ろくに改装もせずに前科者の精神科医がタバコを吸いながら手術しているようなところです」

 言い募ってるサヤチンの脚が震えてる。

「正直、私が私の身体だったら、途中で引き返してました。自分の身体じゃないから、できた。帰ってから具合が悪くなっても救急車を呼ばなかったのも、そう! 隠すため! いよいよ死ぬかもしれないほど悪化するまで、私は三葉さんから電話を取り上げてまで、隠し通そうとした。でなければ、あそこまで悪化しないでしょう? もっと早く病院に行っていれば、三葉さんの身体は取り返しのつかないことにはならなかったかもしれない! すべては私の仕業! 三葉さんは何も悪くない! ただ、不幸でかわいそうなだけ!」

「……君はっ、……貴様はっ!」

 お父さんがサヤチンの胸倉をつかみあげて睨んだ。

「お父さん、やめて!!」

 お父さんがサヤチンを殴ると思ったけど、お父さんは手を離した。

「なるほどな……だから、自分の腹を刺したのか……、あそこまで思い詰めるのは、おかしいとは思っていた……」

 お父さんがイスに座ってタメ息をついた。

「わかった。信じよう」

「ありがとうございます!」

「「お父さん! ありがとう!」」

 お父さんとサヤチンと四葉のおかげで、彗星の一部は本当に落下してきたけど、誰も傷つかずに奇跡の町、糸守は有名になった。ネット検索で、すぐに見つかるくらい有名に。そして、家が吹っ飛んで避難生活を体育館での雑魚寝状態で始めることになった私は高校を卒業するまでの一年半で38人も彼氏ができてエッチを楽しめたし、コンドームを使わなくても妊娠せずに済んだから人気者だった。もちろん、彼氏が両手の指で数え切れないくらいになってから、それは彼氏って言わない、ってことも一般論としては気づいていたけど、想うことは大切だって信じてるから大丈夫。ただ、ときどき彼氏の名前が思い出せなくて、つい。

「君の名は? なんだっけ?」

 って訊いてしまうことは多かった。

 

 

 

 私たちが大学4年生になっても、三葉ちゃんとの入れ替わり現象は続いてた。四葉ちゃんは、たった一回だったのに。今夜は私が、また三葉ちゃんの身体で、そして三葉ちゃんが私の身体で、さらに事情をすべて話した克彦と飲んでる。

「内定、おめでとう! 早耶香! 三葉!」

「「ありがとう!!」」

「「「乾杯!!」」」

 高校3年生になっても入れ替わりが続いてた時点で、東京の同じ大学の同じ学科に進むことにして、さらに去年から、同じ会社へ就活するようにしていて、お互い数社の内定を得たけど、とうとう二人とも同じ会社で入社してもいいかな、ってところに内定をもらい、今夜は三人での飲み会だった。

「え~っと、……今日は、こっちが早耶香?」

 克彦が三葉ちゃんの身体を指してくれたから頷く。

「そうだよ」

「あいかわらず、ややこしいな。まあ、見た目でOKだから、オレはいいけど」

 そう言って私のおっぱいを揉んだから三葉ちゃんが嬉しそうによがる。

「あんっ♪ テッシー、乱暴」

 克彦との関係はルールを決めてある。抱いていいのは私の身体、中身は問わない。三葉ちゃんの身体は触ってはいけない。たとえ中身が私でも。

「まあ、それはいいんだけどね。三葉ちゃん、この身体も、そろそろ彼氏を絞ってくれない? 街を歩いていて、視線を感じること多いよ。挨拶されても、誰だっけ、ってことも多いし」

「だいぶ、絞ったよ」

 高校卒業時に、すでにビッチとか、ヤリマンと言われても、ぜんぜん気にしていなかったし、私もクラスメートや上級生、下級生とのエッチを、この身体で楽しませてもらったけど、糸守町と東京では安全面が、ぜんぜん違った。性病、という意味で。

「また入院するのは、勘弁ね」

「わかってるって」

 大学1年の夏休み後半は病院のベッドで過ごした。入院生活の半分は私が経験させられて。とくに憧れの東京に来てからは、ひどかったから。入れ替わると、だいたい知らない男が隣に寝てた。だんだん名前を覚えないようになって、もちろん大学内でも有名になって、それでも妊娠しないのをいいことに避妊無しでエッチを楽しんできたけど、東京で性病の洗礼を受けてからは、ちょっとは学習してくれた。幸いして完治する性病でよかった。

「最近は、新しい彼氏つくっても絶対、性病じゃないよ。そういう彼氏を狙ってる」

「……中学2年の男子を狙うようになったね」

「だって中2の男の子って、超かわいいんだよ」

「はいはい」

「初々しくてね。おっぱいとか押しつけると真っ赤になってくれるし。おチンチンの毛とかも、生えそろってなくてエッチのとき恥ずかしそうにしてくれるし。しかも、すっごく感じやすくて、すぐイクの。私がアンアンって感じてるフリすると、もうウウって、で、私が残念そうな、物足りない顔すると、すごく申し訳なさそうになってね」

 熱く語りながらグイグイと私の口がビールを飲んだ。あんまり下品な話を私の口で大声で話さないでほしいけど、まあ、東京だから大丈夫、だいたいは他人。糸守と違って、みんな知らない人、この開放感はいい。

「で、もう一回、勃たせてあげるね、って言って、お尻の穴に指を入れてあげると、すっごい恥ずかしがってパニックになる子もいるよ。でも、前立腺をグイグイしてあげると、みんなビンビンに勃起しちゃって。トコロテンになる子もいて。そのあとはノーマルに再チャレンジさせてあげてもいいし、ペニバンで責めてもいいし。すっごい楽しいよ」

「それ、そのうち逮捕されるよ。学生のうちは、いいけど、社会人になったら、やらないでね」

 だいたいの手口が通学中の男子中学生を狙ってる。通学中だから同じ時間帯に同じ列車に乗ることが多いから、お目当ての子に狙いをつけると、混雑をいいことに、おっぱいを押しつける作戦から入って、見た目が美人なのを武器に、あっという間にデートの約束をして、デートの帰りには食いつく。

「三葉ちゃんの中学生好きは、性癖なのかな?」

「どうかな? けど、基本やっぱり年下かな」

「中学生は下過ぎるよ、私たちの歳を考えようよ」

「制服を着てる子って、なんで、あんなに、かわいいのかな。最高だよ」

「オヤジか、お前は」

 克彦が引いてる。

「テッシーは、もうサヤチンで固定なの?」

「その予定だ。まあ、今日は中身が、三葉みたいだけど」

「三葉ちゃん、入社したら社内での恋愛は気をつけようね。東京といえど、社内は村みたいなもんらしいから」

「ふーん……まあ、もう浮かれるのは、やめるよ。社内は避ける。向こうから声をかけてこない限り」

「……はてしなく不安……」

 あまり長く勤務しないで、さっさと克彦と結婚して寿退職しようと決めつつ、ビールを飲み干した。

 

 

 

 いよいよ今日、克彦との結婚式、いろいろあったけど幸せな気分で東京の一流ホテルの更衣室で純白のドレスを着付けしてもらってると、スマフォが鳴った。

「イヤな予感………せっかく、私が私で結婚式に……」

 けっこう悩んだ。結婚式の日取りは。でも、幸いにして、今日、この日、このとき、私は私。なのにスマフォが鳴ってる。

「三葉ちゃんも二次会に呼んであるのに」

 スマフォの着信表示が、神奈川県警生活安全課なので、もう予想がつく。

「また捕まったんだ………これで何度目……」

 どれだけ言っても中学2年の男子に手を出すのを止めなかったから、社会人になって2年目に逮捕された。身元引受人として警察に呼ばれたのは私だった。一葉さんは高齢だったし遠方、同じく遠方で町長を続けてる俊樹さんも拒否した。それで血縁はないけど、近郊で成人してる私に連絡がきた。取調室に行ったとき、机の上にはペニスバンドがあってビニール袋に入ってた。そして被害に遭った男子中学生の写真が数枚。三葉ちゃんは悲しそうに、すべて同意の上での性行為だったと主張したけど、相手が18才以下なので青少年健全育成条例違反で罰金を何度もくらってる。

「同意があってもダメなんだよ……男女、逆で考えようよ。25才の社会人が14才の女子中学生とエロエロしてたら、捕まって当然でしょうに。同意があっても」

 スマフォが鳴り続けてる。ほっとくと、翌日あたり私が留置所で過ごすことになる。

「はぁぁ……ハワイと留置所を行き来するのか……」

 新婚旅行はハワイ2週間の旅、ちょっと贅沢に長く取ったのは、どのみち半分くらいは三葉ちゃんがもっていくから。

「もしもし、名取です」

 仕方がないので、電話に出た。名取って名乗るのも、あと何回かな。

「神奈川県警生活安全課です」

「いつもの、あれですか?」

「はい、あれです」

 すでに東京と神奈川県の警察では、中2喰いのミツハ、は有名だった。まあ、同意があって金銭の授受が無いから、だいたい罰金で済んでるけど、そろそろ起訴されるんじゃないかな。最近では、以前に関係した男子が高校2年生くらいになったのを狙って再会して、また肉体関係をもったりしている。朝起きると、ペニバンと男子高校生が目に入ることもあるし、たいてい中2の頃に半年ほど関係してから、飽きるのか、一方的に連絡を絶つから、放置された男子の方は心残りだったりする。それを探し出して、偶然を装って再会して、あの味が忘れられないでしょ、アナルの、等と言いつつ、食いついたりしているらしい。どっちにしても18才以下だから犯罪なんだよ、それは。

「名取さん、来ていただけますか?」

「実は、私、今から結婚式なんですよ。自分の」

「そ…それは……おめでとうございます、というか、なんというか……」

「ありがとうございます。それで、式の後は成田からハワイなんです」

「そ…そうですか……そうですよねぇ……他に身元引受人は?」

「………残念ですが………すみません。ハワイから戻ったら連絡します」

「わかりました。よいハネムーンを」

 招待しておいた二次会に、もちろん三葉ちゃんは現れなかった。三葉ちゃんが来なかったことを、私と克彦の親族は喜んでくれたけど、それも微妙。そしてハワイの半分は三葉ちゃんが堪能してくれて、私は新婚早々に留置所で過ごすことになった。そして、帰国したら起訴されていたし、一回目の裁判所は私が被告として出席させられた。何より、私が寿退職する日と、三葉ちゃんが懲戒免職になる日が同じで、しかも入れ替わっていたから、私は淋しく会社を去った。

 

 

 

 執行猶予中の私は新婚生活中のサヤチンの身体で、顔を出しにくい妹が再建した新宮水神社に来た。自分の身体だと、即追い返されそうで、とりあえず様子を見るためにサヤチンの身体で来たけど、四葉は一目見るなり、言った。

「性犯罪者は、この鳥居より内に入らないでください。心身共に勅使河原早耶香さんのご参拝は歓迎いたします」

 落ちてきた隕石を新たな御神体に加えて再建された神社は、とても立派で、しかも四葉の予言や占いが、すごく当たるということで全国でも有名な神社に成長してる。新築された家も大きい。

「ぐすっ……会社もクビになったの……四葉、……行くところがないの……私」

 お給料は、だいたい交遊費に使い切ってたから、もう東京での生活は維持できないし、糸守に帰ってくる交通費も無かったから、結婚して実家の仕事を継ぐために帰るテッシーとサヤチンの車に乗せてもらって帰ってきてる。でも、今夜、寝るところがない。心苦しいけれど、妹に頼りたいのに、四葉は冬の糸守みたいに冷たい。

「よしよし、いい子、いい子♪ あっち、見ちゃダメですよ。変なオバさんがいますから」

 四葉は3才になる女の子を抱いてる。よかった、幸せそうで。四葉が子供をつくってくれたから一安心だよ。

「四葉の子供かわいいね。お名前は?」

「これを、あげるから、どこかに行って」

 四葉は神社の前で掃き掃除してた男性を指した。

「え? オレ?」

「もう、いらないから、ここから出て行って。それが、当家のしきたり」

「え……でも、この人……四葉の旦那さんじゃないの?」

「うちは代々、婿は途中で追い出すから。Y染色体さえもらえば、あとはいらないの」

「……そういえば……お父さんもお婆ちゃんが追い出して……。……お爺ちゃんも見たことない……」

「これ持っていって。支度金で100万円あげるから」

 無一文の私に、四葉は用意していたみたいに封筒をくれた。

「………でも……四葉……この人………好きだから結婚したんじゃないの?」

「ううん、糸守の湖で、入水自殺しようとしてるとこ拾っただけだから。なんか、就活しても内定が一つももらえなくて、テキトーに電車を乗り継いで、ここに辿り着いたらしいよ。まあ、これでもいいかなって子供はつくったけど、もう、いらないから、もっていって」

「「そんな……」」

 二人して追い出された。

「君、名前は?」

 四葉の結婚式には呼んでもらえなかったから、この人の名前も知らない。

「宮水瀧です」

「……瀧……う~ん……瀧……どこかで聴いたような……」

「っ…あ…あ、……あのときの!!」

「え? 会ったことある?」

「っ………」

 瀧さんが思い出してほしくなさそうに顔を伏せてる。

「う~ん………見たことないなぁ……」

「……………」

「とりあえず、今夜、どうしよう? エッチしたい? 私と? あ、この身体はダメなんだ。ごめん、今の無し」

「…………」

「せめて仕事と住むところを」

 サヤチンの身体は、もちろん新築された勅使河原の家に住めるけど、私の身体に行くところがない。少し歩くと、私の身体が居心地悪そうに公園のブランコに乗ってた。

「ごめん、やっぱり四葉のところは追い返された。おまけつきで。でも100万円もらえた」

 瀧さんを指した。瀧さんは、私の身体を見て、また何か思い出したみたい。

「あ…あなたは、あのときの!」

「え? ………どのとき?」

 サヤチンも見覚えがないみたい。けど、私の時は思い出してほしくなさそうだったのに、今回は頼るみたいに見つめてる。

「オ…オレです。…瀧です。……た、立花瀧って言えば、思い出してもらえますか?」

「「…………?」」

「えっと……あのとき、四葉様の入れ替わっていた高校生です」

「「………ああっ!!」」

 私もサヤチンも思い出した。そうだ、あのとき四葉に入ってた高校生の名前が立花瀧だった。

「あのときのボクなのね」

 サヤチンが私の口で言うと、すがるみたいに瀧は私の足元に駆け寄った。

「なんか、その人、そっちになついてるね。私のこと避けてるみたい」

「あ~……それは、あれだよ。あのとき、思いっきり脅したのが名取早耶香の身体で、一応かわいそうだからフォローしたのが宮水三葉の身体だから」

「あ、なるほど。まあ、どうでもいいや。それより、仕事と住むところ探さないと」

 三人で、あてもなく糸守町を歩く。サヤチンが言ってくれる。

「最悪の場合は私の家、というか、克彦が建ててくれた家に泊めてもいいけど。っていうか、泊めないと明日の私が路頭に迷うから」

「あ!」

 歩いていて、私は古い2件のスナックを見つけた。

「ニューマザー……割愛……まだ、あったんだ」

 表で、お婆ちゃんと同い年の女将さん二人が掃除してる。

「あの……このお店って、求人してませんか?」

「「………昨日で廃業だよ」」

「………………」

「「もう足腰がね」」

「……そうですか……お疲れ様でした……」

 私は諦めたけど、サヤチンが質問する。

「廃業されて、このお店は、どうされるんですか?」

「「決まってないよ。しばらく空き家になるね」」

「じゃあ、私たちに貸してもらえませんか?」

「「どっちの店舗を?」」

「お家賃によりますけど……、できれば両方! 私、専業主婦になるからカフェをやってみたくて! あと、そのままスナックをやるのにも向いてると思うから!」

 サヤチンが上手に交渉して、もともと地価の安い糸守町だから、すごく安価に借りてくれた。おかげで、宮水三葉はスナック・分かち愛を、名取早耶香はカフェ・ニューマダムを始めることになった。ついでに瀧も二人で使うことにして。

 

 

 

 私を軽蔑していた妹もスナック・分かち愛とカフェ・ニューマダムの10周年記念パーティーには来てくれた。

「どうぞ、四葉様」

 カウンターから瀧が水割りを差し出すと、四葉は静かに飲んだ。この頃は宮内庁からも神事を依頼されてる四葉は凛とした雰囲気があって、もう半分は神さまみたいに感じる。次の1200年に向けての計画とかを練ってるらしくて、もう私たちとは見ている世界が違う気がする。

「姉さん」

「はい」

「来年は風営法の取り締まりが厳しくなるから、露骨な売春は控えなさい」

「…はい…」

「福祉の方に力を入れて」

「うん! そうするよ!」

 スナックの営業という実益を兼ねて、男女を問わず性的なお相手してきたけど、最近では昼間に出張で男性障害者のお相手をしてる。ヤリマンとか、ビッチって呼ばれた私だけど、今では天女とか、天使様、アワビ様って呼んでくれる人もいる。

「脳性マヒとか、ダウン症の人って、すっごく、かわいいよ。私が相手すると超喜んでくれる。手を合わせて泣いて拝んでくれる人までいるよ。その人のお母さんも、すっごく感謝してくれるし。同級生で、私のことビッチって大声で罵った子も、お兄さんが障害者で童貞卒業させてあげたら、あのときは、ごめんって謝ってくれた」

「そう、よかったわね。人の役に立つ仕事は立派よ。巫女も古くは巫娼と言って、人々に喜びを与えることもあったから」

「へぇぇ……あ、最初の巫女はストリッパーだもんね」

「そうね。でも、姉さん。糸守中学の男子に手を出したら、お母さんとお婆ちゃんに会わせるよ」

「わ、わかってるよ!」

「なら、いいわ。10周年、おめでとう。ごちそうさま」

 四葉が席を立って帰っていく。サヤチンがサヤチンの身体でカフェ・ニューマダムのパーティーを終了したから、こっちに合流してくれた。

「「乾杯」」

 二人で飲んで、ゆっくり話し合う。

「三葉ちゃんも、そろそろ子作りする? その気なら子宮を本気で貸すよ。私、安産だから遠慮しないで」

「う~ん……実質、サヤチンの子供を半分は育ててるような気もするし」

 勅使河原家には5人もお子さんができて、この子育てはなかなか大変で、しょっちゅう名前を呼び間違える。出産も私が2人、経験してるから陣痛も知ってるし、おっぱいあげる喜びも知ってる。カフェ・ニューマダムも当初に計画したような都会的なカフェじゃなくて、子連れOKの子育て相談カフェになって、サヤチンのお姉さんが町の予算をつけて半分は児童施設みたいになってる。隣が水商売だから、きっちり5時に閉店、そして宮水三葉のスナックは6時オープン。

「私とサヤチンの入れ替わり、ぜんぜん終わらないね」

「そうね。もう慣れたし、むしろ私も二種類の人生を楽しめて、一粒で二度美味しいかな。いろんな男とのセックスも楽しかったわ」

「あ、そろそろ瀧のショーが始まる時間だから、着替えてくるね」

 私は糸守の男性から受けのいい、糸守高校の女子制服に着替えると、カウンターから瀧を連れ出した。私が提供する口噛み酒の生原酒と、巫女の聖水も人気あるけど、瀧のショーも一部の客層から根強い人気があるから、人の趣味と好みは色々だって本当に思う。

「さて、みなさん、本日のショー、瀧の滝」

 私は無線小型マイクをつけて司会しつつ、瀧のズボンを脱がせた。

「ご覧ください。さきほどまで涼しい顔をして、みなさまにお酒をつくっておりました瀧ですが、実は、こんな小学生女子が着るような女児パンツを身につけていたのです」

「ぅぅぅ…」

 瀧が恥ずかしそうに呻くと、お客さんたちが一気に盛り上がってくれる。本当に人の趣味は色々だよ、瀧のショーを見るために福井や新潟から来てくれる人までいる。東京では男性のショーを見られる店も探せばあるけど、こんな地方だと皆無だから。

「かわいいパンツですね。ボク」

「……ぅぅ…」

「10周年を記念して、私が刺繍もしてあげました。さてさて、このパンツを着たまま、ボクはおもらししちゃいます。恥ずかちいですね?」

「…ぐすっ…」

「泣き出してますけど、コイツ、本当はコレで興奮してる変態ですから。しかも、縛ってほしいんでちゅよね?」

「……はい…」

 いろいろ試したけど、結局のところ瀧は、これで本当に興奮する。変な癖をつけてしまった原因は私にあるから、まあ責任を取って面倒みてあげるよ。両手を後ろにして縛って目隠しもしてからテーブルに立たせた。

「はい、ボク、もうシーしていいでちゅよ。さあ、みなさん、ご覧ください。コイツ、男のくせに、おしっこ前に飛びませんよ。真下にジャーって滝みたいに漏らします。おチンチンの膨らみもないですね? もしかして、おチンチン無いのかな?」

 常連さんは知ってるけど、瀧の股間に男性としての膨らみがないのには仕掛けがある。

 ジョワァッァ……ピチャピチャ…

 瀧が漏らした。仕掛けがあるから、本当の女子みたいに真下におしっこが落ちていく。

「…ぐすっ…うぐっ…ぅうっ…」

 目隠ししてる両目からも、おもらしを始めた。瀧の涙は毎回キレイで人気がある。普通、水商売を始めると、だんだん慣れてきて羞恥心とか無くなるのに、瀧はプライドを失わないタイプなのかな、いつも本気で泣く。でも、その涙の半分は嬉し涙でもある。

「どうですか? 本当に女の子みたいですね。スナック・分かち愛、名物、瀧の滝。パンツをおろして、どうなってるか、見てみましょう」

 私の手で瀧の女児パンツをおろしていく。ぽろっと、おチンチンが出てしまうと、公然わいせつ罪で、お父さんにも迷惑をかけるけど、そうはならない。女児パンツをおろしても、おチンチンは出ない。お客さんから歓声があがってる。

「あらあら、おチンチン無いですね?」

 瀧の股間はツルツルに剃ってあって小学生みたいで、しかも、あるべきものが見えない。女の子みたいに、何もない。これは私が東京の新宿2丁目で性同一性障害者から教えてもらった股間女装っていうテクニックで、人体用のボンドを使って、瀧の棒と玉を体内に押し込んで、陰嚢をボンドで固めて、本当の女の子みたいに整形してるから。うまく整形できると、陰嚢が閉じた陰唇に見えて、説明されないと性転換したのか、もともとの女の子かと思うほど、男じゃなくなる。おしっこのために小さな穴を開けてあるから、基本的に瀧には、この状態で生活させてる。

「では、みなさん、お待ちかねの競売コーナー、瀧のおもらし女児パンツへの入札をお願いします! 収益の20%は障害者福祉へ寄付されますので、ふるって応札ください!」

 私の刺繍も加わってたからかな、男性同性愛者だけじゃなくて、私のファンも競ってくれて、今夜は10周年ってこともあるからか、いつもの8倍くらいの値が付いた。

「お次は、立ちバナナ瀧、です」

 女児パンツを売られて下半身裸になってる瀧のそばに、スタッフの女の子が市販の浣腸を何個も置いてくれる。

「さあ、今夜の瀧は何個まで耐えられるでしょうか? 見事、当てた人にはスナック・分かち愛のサービス券をプレゼント!」

 五年前に賭博で逮捕されそうになってから、警察の指導を受け入れて現金での賭けはやめてる。サービス券は表向きは飲食の割引だけど、私とのエッチにも使えたりするから、けっこう盛り上がってくれる。しかも、何個まで耐えるかで、瀧にあげるお小遣いが変わるから、瀧も頑張って我慢するし、今夜は10周年だから無理矢理10個の浣腸をした。

「ううっ! もう無理です! オムツはかせてください!」

 おねだりする瀧を見て、みんなが笑う。すぐにオムツを着けないとテーブルを汚されそうだから、手早くオムツを着けた。

「ああぁぁああぁぁ…」

 情けない声を出して瀧がオムツを膨らませてる。立ったままバナナを産むから、立ちバナナ瀧もマニア受けと、瀧の表情が可笑しいから一般受けもする。

「今夜も大きなバナナを産んだようですよ。ご有志の方、瀧のオムツ交換をお願いします」

 こんなことをお金を払ってまでしたいって人がいるから世の中は不思議だよ。すぐに買い手がついて、瀧とカフェ・ニューマダムの方へ移動してもらう。さすがに店内でされると臭いから、そっちのマニアじゃないお客さんがドン引きするから、サヤチンのお店を借りる。ニューマダムは町の予算のおかげで改装されて、児童施設にもなってるから、ちゃんとしたオムツ交換台があって、そこを使えるのもマニア受けがいい。瀧が一旦、退場したから、別のショーを始める。

「今夜は新人が3人も入ってくれましたよ! 今年、糸守高を卒業したばかりのピチピチ女子です!」

 糸守町には働き口が建設と観光と神社くらいしかないから、あぶれた女の子は都会に出るか、嫁に行くか、うちに来る。まあ、三ヶ月続く子は10人に2人、一年続けてくれる子は1人いるか、いないかで、寿退職も多いから回転は激しい。おかげで、名前を覚えにくい。つい、名前を訊いてしまうくらいだけど、さすがに新人紹介のときはネームプレートがあるから大丈夫。源氏名を紹介して、初競りに出す。

「では、三人とも口噛み酒の生原酒をつくってね」

「「「…はい」」」

 ちゃんと酒税法違反にならないようアルコール発酵前の作りたてを競りにかけた。やっぱり新人の若い子が造った口噛み酒は高値で売れる。代金の20%が福祉、30%が本人へってシステムだから、ご家庭が貧しい子は頑張って愛想良く売ってる。

「あ、瀧が戻ってきましたよ」

 オムツ一枚で瀧が戻ってきた。もう目隠しや手縄は解かれてる。いよいよ私の出番もあるから、制服のスカートを脱ぎ捨てて、ショーツの上からペニスバンドを装着した。あまりリアルなペニスバンドだと公然わいせつ罪に引っかかるから、三つの葉っぱが装飾されたバナナ型のペニスバンドをショーのときは使ってる。

「さてさて、お次は瀧の滝ホワイトをお見せします」

「………」

 黙ってる瀧をお店の中央に連れて行って、オムツを剥ぎ取った。これで完全な全裸になるけど、股間女装のおかげで犯罪にならない。

「おねだりしなさい、瀧」

「は…はい…」

 瀧が私に背中を向けて、お尻を突き出すようにして立って、観客に顔を晒して言う。

「……ボ……ボクの……ケツマンコに……三葉様の、おチンチンをください」

「よく言えました」

 私はヨダレを垂らして瀧のお尻とペニスバンドを濡らしてから挿入する。

「うぅっ…」

「ご覧ください。もう感じておりますよ、このチン無し男」

「…ぅ…ハァ…ハァ…」

 前立腺は完全に開発済みだから、どうイかせるも私の腰振り次第。

「あぅ…んんぅ…ハァ…はぅ…」

「女の子みたいな喘ぎ声だね。ほらほら、えいっ♪ えいっ♪」

「んぅう!」

「イかせますよぉ! コイツ、乳首を同時に責めると、三擦り半ですからね。ほら、巫女の巫女擦りくらいなさい!」

 ピストンしながら手を伸ばして乳首も摘んであげると、瀧は絶頂した。

「ぁあああ!」

 とろとろ…ぽたぽた…

 瀧の股間から白い滝が滴る。トコロテンになったから、おしっこのおもらしと同じで漏れてくる。

「「「おおおっ!」」」

 観客から拍手をもらえた。

「まだまだ、もっと責めてあげる!」

 さらに精神的にも責めるために、恥ずかしいことを言わせて追い詰める。私は忙しく腰を使ってるから、スタッフの女の子が用意しておいたメッセージボードを瀧に見せる。そこには恥ずかしいセリフが書いてあって、瀧のノルマは大声で読み上げること。私に突き続けられてイキ続けながら。

「んぅ…ハァハァ…三葉様に…ハァハァ…ケツマンコ犯されるの…ハァハァ…最高です! お尻の穴、気持ちいいの! ハァ…ぅぅ! またイク! …んんぅ…」

 話しながら喘ぐから瀧がヨダレも垂らしてるし、また白い滝も垂らしてる。

「んぅ! みなさんに見られながら…ハァハァ…女児パンツに、おもらしして…ハァハァ…ケツマンコを三葉様に突かれながら…んぅ! アヘ顔晒して…ああ! イク! ボクが、こんなになったのは、…ハァ…ハァ…ママが離婚してボクを捨てたから…ぅう…ボクは、こんな情けない……内定もらえないくらいで自殺未遂しちゃう、ヘタレ男になったんだよぉ! あああぁ…またイク! イクイク! アンアン言いながら、三葉様にイかされるの、最高ですぅぅ! ママぁ、ママぁ、ボクは、こんな情けない男になったよぉ!」

 そこまで言い終わって体力と精神的な限界が来たみたいで瀧が前に崩れた。お尻の穴がヒクヒクしてるし、前からも白いのを垂らしてる。

「さて、そろそろ男のショーにも飽きてますよね。ラストは自由恋愛のコーナー!」

 そうだよ、これは自由恋愛で売春じゃないんだよ。

「今夜は10周年だから、私の前は5人、後ろも5人で」

 いくら私がヤリマンでも一晩にできる限界はある。摩擦で痛くなるし。

「ゴックンは38人まで。逆アナルは希望者全員に。新人、スタッフとは交渉次第! お店には50%入れてくださいね。恋愛スタート!」

 楽しい夜が始まって、そして終わった。サヤチンがお金を管理していてくれて、東京でOLしてお給料をもらってたのがバカバカしくなるくらいの売上が集まってた。

「ありがとう、サヤチン」

「私こそ、三葉ちゃんと、いろいろ楽しい人生で、ありがとう」

「また、明日ね」

「うん、明日は三葉ちゃんだと思うけど、おやすみ」

 サヤチンと別れて、お店の片付けを監督してると、瀧が隅っこで泣いてるのに気づいた。

「いつもは30分くらいで立ち直るのに……今日は、やり過ぎたかなぁ……」

 せっかくの10周年だから人気のある瀧に滝のような涙を流させようと思って、今までは言葉責めでも使わなかった離婚した母親のことまでエグったのは、やり過ぎだったかもしれない。

「瀧、そろそろ泣きやみなよ? もう閉店だよ」

「ぐすっ…ひっぐ…」

 あ、ヤバイかも、瀧の目が死にかけてる。この目は間違って水商売に入ってリストカットしたり、翌日には逃げるように退職する、新人の目と似てる。今すぐ優しくしないと、ダメになる気がする。

「瀧……」

 そういえば、瀧とは10年いっしょに暮らしてるけど、普通のエッチをしたことが無いかもしれない。とっくに四葉とは正式な離婚が成立してるから不倫にならないし、たまには優しく挿入させてあげようかな、いつも挿入されるばっかりだと、男だってことを忘れちゃうかもしれないし。私は人体用ボンドを溶かすための溶剤を持ってきた。これが無いと瀧のおチンチンは封印されたままでオナニーもできないから実質、私が瀧のおチンチンを管理してたりする。

「大好きだよ、瀧」

 営業で使う声で慰めながら、おっぱいを押しあてるように頭を抱きしめたら、泣きながら喜んでくれたから、私も濡れてきた。出会ってから何年になるのかな、とりあえずエッチしてみた。そろそろ私もポニーテールって歳でもないから、明後日、髪でも切ろうかなって想いながら。

 

 

 

副題「糸守で神社でなくスナックを継ぎました」

 


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