やっつけ小ネタ集   作:アキ山

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 先生とジャパニメーションネタを書いていると、突如、天から降って来た。

 やっつけ仕事ですんません。


一発ネタ『装甲騎兵・グランドオーダー』

 それは偶然が招いた大きな転換であった。

 

 異聞帯ロシアにおいて、カルデアのマスター藤丸立香に召喚されたサーヴァント、キャスター・アヴィケブロン。

 

 ゴーレムマイスターである彼が、シャドウボーダーに戻った際に立香のコレクションを目にした事で、全ての運命は大きく変わることとなる。

 

『マスター、君の新しい礼装を開発したよ』

 

 アヴィケブロンの言葉にシャドウ・ボーダーを降りた立香を迎えたのは、全高約4mの鋼の巨人。

 

『特殊騎兵礼装、アーマード・トルーパー・スコープドックだ』

 

『…………むせる』

 

 藤丸立香(ロボゲー30段)、運命との出会い。

 

 

 

 

『調子はどうかな、マスター?』 

 

『……左のターンピックの調整が甘いな』

 

 アヴィケブロンの言葉に、コクピットの中で事もなげに答える立香。

 

 しかし、その様子を見ていたマシュやパツシィは戦慄していた。

 

 彼の駆るモスグリーンの機体の周りには百を超えるオプリチニキの死体が転がっている。

 

 だが、彼等の心胆を寒がらせているのはこの事ではない。

 

 この程度、サーヴァントであるならば誰でもが無しえる事だ。

 

 問題は、その全てが眉間への一射によって絶命しているという事だ。

 

 ローラーダッシュによって敵部隊の中を縦横無尽に駆け巡りながら、その全てを弾丸一発で仕留めるその手腕。

 

 まさに規格外としか言いようのない物だ。

 

『化け物め……っ!?』

 

 パツシィの零した言葉は吹雪の中に消えていった。

 

 

 

 

 アタランテを救わんと処刑場に乗り込んだ立香達だったが、カドックの罠にかかりミノタウロスの迷宮へと閉じ込められてしまう。

 

 複雑怪奇な迷宮を踏破した先で待ち構える魔獣を前に、立香の駆るスコープドッグは単身戦いを挑む。

 

『グゥオオオオオオオオオオオッ!!』

 

 咆哮と共に両手に携えた巨大なハルバードを振り回すミノタウロス。

 

 その姿からはかつての純朴で心優しかった仲間、アステリオスの面影など微塵も感じる事は出来ない。

 

 そして、その事実は立香の迷いを払拭する。

 

 迷宮の通路を後退しながらヘヴィマシンガンの斉射を浴びせるが、ミノタウロスは斧の刃を盾として強引に距離を詰めて来る。

 

 スコープドッグに備わった近接武装は、前腕部に内蔵された炸薬によって拳を撃ち出すアームパンチのみ。

 

 接近戦に持ち込まれれば、騎兵礼装がそのまま鉄の棺桶に化けるのは想像に難くない。

 

 だがしかし、耐圧服に身を包んだ立香の顔に焦りは見えない。

 

 まるで鉄面皮のように表情を変える事無く、冷徹に網膜投影モニターに映る敵影を捉えている。

 

 そうして、心を凍らせるような鬼ごっこは、立香が袋小路に追い込まれる事で終わりを迎える。

 

 袋のネズミとなった獲物に舌なめずりをしながら斧を振り上げるミノタウロス。

 

 しかし、これこそが彼の命取りとなった。

 

 その一瞬の隙を見逃さなかった立香は、スコープドッグの足を壁に付けるとターンピックを打ち込み、ローラーダッシュを全開にする。

 

 甲高い駆動音と共に加速する装甲騎兵。

 

 しかし彼が駆けるのは床ではない、迷宮を支える高い壁だ。

 

『~~~ッ!?』

 

 埒外の一手に声なき叫びをあげる迷宮の魔獣。

 

 しかし、彼が打った手は止まらない。 

 

 振り下ろされた大斧が床を抉った時には、死神の鎌はその首に掛かっていた。

 

『化け物退治は慣れている。……お前は知らないだろうがな』

 

 側頭部を捉えた銃口から放たれた対魔獣用の特殊強壮弾は、一撃でミノタウロスの頭を吹き飛ばした。

 

 

 

 

 イヴァン雷帝に対抗する為、ミノタウロスの迷宮を素材に自身の宝具『王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)』を作る事を提案するアヴィケブロン。

 

 しかし、彼が『王冠・叡智の光』の炉心としてその身を捧げる事を知った立香は、アヴィケブロンの提案を却下する。

 

『あんたにはこいつの整備をしてもらわないといけない。勝手に消えてもらったら困る』

 

 傍らにそびえるスコープドッグを叩きながら、立香は言う。

 

 だがしかし、雷帝の強大さをカドックから聞いているアヴィケブロンは首を縦に振ろうとしない。

 

『だがしかし、これ以外にイヴァン雷帝に対抗する手立てはない』 

 

『雷帝戦には俺がこいつで出る』

 

 立香の言葉に思わず言葉を詰まらせるアヴィケブロン。

 

 自身とダヴィンチの技術で出来ているとはいえ、イヴァン雷帝に比べればスコープドッグなど、文字通りネズミとかわらないだろう。

 

『無茶だ! そんな事は自殺行為でしかない!』

 

 アヴィケブロンが思わず放った叫びを受けても、人類最後のマスターだった男の鉄面皮は崩れない。

 

『無茶・無理・無謀、そんなものは人理修復で嫌と言うほど踏破してきた。それに言ったはずだ』

 

『化け物退治は慣れている、と』

 

 そう言ってスコープドックの中に戻るマスターを、そこにいたメンバーは誰も止める事が出来なかった。

 

 

 

 

 ついに姿を現した『異聞帯ロシア』の支配者、イヴァン雷帝。

 

 マンモスと融合し山の如き体躯を持つ神獣は、自身の支配を揺るがそうとする反逆者を撃滅せんと、暴風と雷を撒き散らす。

 

 だが、そんな破壊の嵐の中を駆け抜ける一騎の装甲騎兵がいた。

 

 藤丸立香の駆るスコープドックだ。

 

 万物を砕かんと牙をむく破壊の嵐の中を走破する彼が無事なはずは無く、モスグリーンの機体には大小様々な傷が刻まれている。

 

 それでも彼のローラーダッシュは衰えることは無い。

 

 降り注ぐ落雷をターンピックを巧みに使って回避しながらも、猟犬は巨象の急所へ牙を突き立てんとその身体を駆け昇って行く。

 

『何故だ! 何故死なぬ!? 如何に礼装を纏おうと、我が雷撃を浴びれば死は免れんはずだ、人間ならば!?』     

 何度振り払おうとも、破壊の嵐を超えて迫りくる緑の影に戦慄を憶えるイヴァン雷帝。

 

 彼の目に映るその姿は、戦闘当初のネズミではない。

 

 自身を噛み殺す牙を持った巨大な獣だ。

  

 雷帝の怒りと恐怖を呼び水に降り注ぐ万の雷霆、しかしそれすらもスコープドックを撃墜するには足りない。

 

 まるで亡者の叫びのようなローラーの軋みを上げて、黒煙の向こうから死神はその姿を現す。

 

『貴様は人間ではない!! 人間などでは……っ!?』

 

『…………』

 

 至近距離からの斉射によって、王冠と一体となった本体は瞬く間にひき肉となった。

 

 頭脳を破壊され倒れ朽ちていく巨象を一瞥した立香は、言葉一つ掛ける事無くその場を後にした。

 

 

 

 

 イヴァン雷帝を廃した事で世界樹を根付かせ、自身のサーヴァントであるキャスター・アナスタシアを皇帝に据えようとするクリプターの一人、カドック・ゼムルプス。

 

 だがしかし、皇女の放つ氷牙は深緑の猟犬を捉えることは無く、守護精霊ヴィイの魔眼も開くと同時に強壮弾を叩き込まれる事で潰えた。

 

 雷帝戦で破損したアームパンチの代用品として装備されたパイルバンカーによって急所を貫かれたアナスタシア。

 

 彼女を庇おうと前に出たカドックの眼前で、ヘヴィマシンガンの銃口が剣呑な光を放つ。

 

『……まだだ。まだ終わってない! 僕は、彼女を皇帝ツァーリにすると約束した! この世界でダメなら、異なる世界を構築する……! その違う世界で、彼女を皇帝ツァーリにする! 諦めるものか! 絶対に諦めるものか! 僕だって……、君みたいにできるはずだ……!!』

 

『つまらん話をする余裕があるのか? 俺はお前と口を利く気などない』

 

 カドックの叫びをこう切り捨てた立香は、迷う事無く引き金を引いた。

 

 エーテルとなり消えていくアナスタシアとひき肉となったカドック。

 

 二つの屍に目を向ける事無く、立香は機体をシャドウボーダーへと向ける。

 

 立香にとって、これは初めての殺人であった。

 

 だがしかし、その心には後悔も罪悪感も入り込む余地はない。

 

 何故なら、自身が死線を超えて護った世界を破壊された時点で、藤丸立香は覚悟を決めていたからだ。

 

 この戦いは、クリプターを名乗る七人のマスターとの戦争なのだと。

 

 この異聞帯で得た情報が確かならば、汎人類史を復活させる為には、これからさらに6つの世界を滅ぼす必要がある。

 

 ならば、一人を手に掛けた程度、気にする暇など何処にあるというのか?

 

『俺は生き延びる。誰も俺を縛る事は出来ない』

 

 自身に言い聞かせるように呟き、立香は相棒であるスコープドックを加速させようとした時、再び大地に激震が走る。

 

 どうやら、この戦場はまだ終わりではないらしい。

 

 鉄面皮の口元を少しだけ釣り上げ、人類最後のマスターだった男は手にしたレバーを前に倒した。

 

 

 

≪簡易解説≫

 

 

 ぐだ男

 

 生粋のロボットオタクにしてロボゲー三十段の腕前を誇る、人類最後のマスター。

 

 地元ではリアル・ニュータイプと言われていた。

 

 リアル・スコタコの登場に荒ぶりすぎて、現在キリコ・ロールプレイ中。

 

 イヴァン雷帝戦の所為で、何気にガチのPSに目覚め始めている。

 

 

 マシュ

 

 スコタコ登場からオペ子へとジョブチェンジ。

 

 専用装備であった霊基外骨格・オルテナウスを先生が無断でスコタコの材料にしたので、よほどの事が無い限り戦場には出ない予定。

 

 位置的にはフィアナポジなのに、これからどんどん影が薄くなる。

 

 

 アヴィケブロン先生

 

 スコタコ専属メカニックにて、全ての元凶。

 

 ぐだ男のコレクションでボトムズを見てむせた人。

 

 あっという間に『最低野郎』の仲間入りを果たし、ダヴィンチちゃんを巻き込んでスコタコを作った。

 

 この後、異聞帯が進むごとにスコタコをチューンナップしていくと思われる。

 

 

 

 

 このぐだ男とフレンドになると、オルナテウスを代償にスコタコ礼装が手に入る。

 

 ただし、スコタコ礼装を使うと戦闘が3Dロボアクションになるので注意。

 

 合言葉は『こいつの肩は赤く塗らねぇのか?』 

 

 

 

 

 次回予告

 

 ロシアを抜け、バルトアンデルスと合流を目指すカルデアを待っていたのは、また地獄だった。

 

 ラグナロクが訪れることなく、北欧の神々が未だ残る異質な世界。

 

 巨人や戦乙女が守護するこの異聞帯を舞台に、ローラーダッシュの軋みに乗せて、ぐだ男&フレンズ(レッド・ショルダー)の蹂躙が始まる。

 

 次回「無間氷焔世紀ゲッテルデメルング」 

 

 来週もぐだ男と地獄に付き合ってもらう。

 

 

 

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