千恋*万花 〜神の暇つぶしによって作られたもう一つの可能性〜 作:ギルヴィニア
私、4月2日に就職しました。後はわかるな?仕事が忙しいのでござるよぉ……まぁ、少しは仕事に慣れてきたので、また投稿していきたいと思います。最低でも月1投稿を目指していきます。3月と4月に投稿していないので今月中に2話を投稿できるように頑張っていきたいと思います。(……というかこれ読んでる人いるのか……?感想くれる物好きが1人居たけど……多分もうこれの存在忘れてるだろ……)
将臣「……ま、そんな事があって俺が穂織に派遣された訳だ……あんな脅しを使うのは流石に卑怯だと思わないか?」
全くもって汚い親だ。多分、あの母親が借金をしてしまい、借金を返す為に船上でジャンケンゲームをしたとしてもいい成績を残すぞ、きっと。
芦花「ちょっとね、でも全然顔を見せにこなかったまー坊も悪い。よってドロー」
将臣「まぁ……確かにご無沙汰だったかも知れんがな……」
芦花「まー坊はこれから志那都荘に行くの?」
将臣「ん、その予定」
……そういえば志那都荘ってどこにあったっけ?行き方忘れた……はっ!?まさか俺は新手のスタンド使いの攻撃を受けているのか……!?
芦花「じゃあアタシも行こっかね久しぶりだからもうちょっと話そうよ」
そんなことは多分無かった。
お?丁度いいからこのまま道案内してもらうか。……あ、だが……
将臣「俺としては嬉しい限りだけど、アンタは時間は大丈夫なのか?」
芦花「平気平気、それじゃあ行こ」
4年も会ってなかったにも関わらず……芦花姉は──
将臣「……」
──あんま変わってねぇな
芦花「ん?なんだがまー坊あたしをずっと見てる気がする?そんなに見つめられるとお姉さん照れちゃうよー。なになに?もしかして見惚れちゃってる?それとも顔に何かついてるかな?」
選択肢:
正直に言う
誤魔化す←
将臣「ん?いや、別に何も?ただ目の下にゴミがついているが指摘しない方が良いのかなーっと思ってな」
芦花「これはホクロ!」
将臣「そう怒るなよ……冗談だ、冗談」
芦花「人の身体的特徴で冗談を言うのは良くない」
将臣「悪ぃ気にしてたか?久々に会えたもんで調子に乗ったわ」
芦花「で?本当の所は?何か気になる事があるの?」
芦花姉ジト目で聞いてくる。
将臣「まぁ、そんな大した事じゃねーよ、昔からそんな服着てたなー、と思っただけだよ」
芦花「ん?どこか変?そりゃ、他の人達みたいなフリフリした服じゃないとは思うけど……」
芦花姉の表情は本当に不思議そうで、その服……と言うか着物?に疑問を抱いている様子は無い。
これは芦花姉の変わった趣味とかではなく、穂織で生まれ育った人間なら(当然例外はあるが)全員だ。
いわゆる民族衣装の様な物と考えれば分かるだろうか?
……とは言え、日常的に着ているのはかなり少ないと思うがな。
外の世界を忘れさせてくれる特別感があって、この服も人気の要因らしい。
将臣「ただの照れ隠しだよ。よく似合ってんぜ、本当に他意は無いから」
芦花「ならいいけど。やっぱり外を知らないと色々不安なこともあるんだよね」
将臣「……確かアンタ、もう学生じゃ無かったろ?外で就職しようとは思わなかったのか?」
芦花「それは考えたけどこのご時世、就職先がなかなか無くてね……」
将臣「あーなる程ね……んじゃあ今はお袋さんと親父さんの甘味処手伝ってるのか?」
芦花「うんそうだよ、今は実家の手伝い……と言うか、経営に携わっているの」
芦花姉すげぇな……社畜コースまっしぐらじゃん。
芦花「ただ、最近は外国からのお客さんも増えてね。昔のままじゃ問題もあるんだよ……で、良く分からない事も増えて『お前に任せる』って押し付けられちゃったって訳」
将臣「へー……え、それならこんな所で俺と一緒にのんびりしてていいのか?」
芦花「身分を隠して街を歩いてお客さんの本音を聴く。これもお仕事スケイルマーケティングって奴だよ」
将臣「スケイルじゃなくてステルスの間違いだろ?なんだその硬そうな宣伝は……まぁ、俺も話し相手が居てくれる方が楽しいからいいけども」
……芦花姉は昔はこんな間違いしなかったはずなんだがなぁ……
将臣「……所で、芦花姉さんよ。いくら春休みとは言えなんか観光客が不自然な位多くないか?」
道には人が溢れており、大きな荷物もあるので自分のペースで歩く事は出来そうにない。
将臣「……昔からこんなもんだったか……?もーちょい少なかった気がするんだがなぁ……」
気のせいか……?俺がここを訪れていた頃よりも観光客が多い気がするが……
さっきのタクシーの運転手の様に、付近で育った人間はあまり寄り付かないはずなんだが……?
後、心做しか外人の姿がチラホラと見えるが……
芦花「全体的にお客さんが増えているのは事実だよ、ネットで気軽に色んな噂が広まるからね穴場の温泉地として外国のサイトに載って、口コミで広がってるんだって……後は、春祭りだから。それが目的の人たちが多いんじゃないかな?」
将臣「ああ、春祭りか!……なる程、春祭りね……てか俺って春祭り初めてだわ」
芦花「あれ?そうだっけ?」
将臣「こっちに来るのは微妙に繁忙期をずらしていたからな……春祭りってそんなに人気なのか?」
芦花「んーそこそこ?割合的には、欧米の人達のお客さんが増えるね、春祭りってね男の人が甲冑を身に付けて馬に跨って街中を練り歩くから」
将臣「確か……戦国自体の戦いが祭りの始まりなんだっけか?」
芦花「コホン。遡る事数百年前、野望を抱く者達が乱立する戦乱の世に、とある怪しげな女がおりました」
なんか突然、芦花姉劇場が始まった。
芦花「その女は権力者に擦り寄り、寵愛を得て、男を狂わせ、乱を起こす妖怪だったのです」
良し、5秒経ったからスキップ……出来ないですかそうですか。
……つーかそれ、タダのハニトラの原点では?
芦花「妖怪にそそのかされてしまったのが、穂織の隣国の大名。野望の為に穂織の土地に攻めん込んで来るではありませんか!」
成程。メロメロとあやしいひかりを同時に喰らったんだな。ただの害悪だな。怯みがないだけましだが。
芦花「妖術を使う相手に大苦戦!落城寸前で諦めにも似た思いで祈祷を行うと、あら不思議」
なんだ、
『いのりはてんにとどかなかった』
の展開じゃないのか。つまらんな。
芦花「なんと妖怪に対抗する刀
ムラサメ……アイテム欄で使ったらプ〇テスが使えるF〇4のエ〇ジの武器だったか。と言うかアレ刀じゃなくて短刀の筈だが。
芦花「その刀で妖怪を退治すると、隣国の兵たちは敗走。こうして穂織の土地に平和が訪れましたとさ」
その刀を持った奴は英雄だな。アレ?刀を持った英雄……それはまさかセフィr
芦花「ちゃんちゃん♪」
芦花姉劇場、唐突に終了。
芦花「その勝利を祝ったのが春祭りの元。戦に勝利して戻ってきた兵たちを模して、甲冑武者の練り歩きが行われてるの」
将臣「( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー」
芦花「で、最後に神社で巫女様が舞を奉納するんだよ」
出た、俺が個人的に一番興味無い部分。俺が小さい時にチラッと見た事あるけど何が面白いのか全く理解出来なかったアレ。……今見たら少しは良い印象が変わるのかね……?
芦花「あーそうそう。ちなみに、妖怪との戦いで温泉が湧き出したとも言われてるね」
将臣「いや、いくらなんでも流石にそれは盛りすぎだと思うだが」
その話を信じる奴はきっと詐欺に引っかかるに違いない。
芦花「あはは、まーね。確かにこの話を信じてる人なんて居ないだろうね」
だろうな、小学生でも信じるかどうか微妙なレベルだし。
芦花「でもこういうわかりやすい話しって重要だったりするんだよ?とくに海外の人にはね」
将臣「分かりやす過ぎて逆に胡散臭くなってる件について」
芦花「神秘の国オリエンタル日本♪」
将臣「うわ、頭悪そ」
芦花「世の中、こんな感じの観光地なんて沢山あるからね……おも〇なし武〇隊とかご当地レンジャーとか……でもどれだけしょっぱい武器だとしても、無いよりマシでしょ?」
将臣「そりゃそうかも知れんけどな……地元民がそれ言ったら世話無いな」
芦花「重要なのはその取っ掛かりをどう活かすかをアイディアでカバー、性能の違いが決定的差ではないって昔の偉人も言ってたし」
将臣「……まぁ確かに赤い彗星は偉人ではあるけども……」
芦花姉ってU〇Wとかは知らないのに昔のは知ってるのか……?
芦花「とにかくね、外から人を呼び込む事が重要ってことだよ」
将臣「やっぱ……ここら辺の人間は寄り付かないのか?」
俺の質問に、芦花姉は苦笑いを浮かべながら首を振った。
芦花「寄り付かない所か、タクシーで目的地を言うと嫌な対応をされるって不満も上がるくらい」
将臣「あーあれね……俺もついさっきやられたよ」
芦花「路線バスの本数も全然増えないしね……色々と申請はしてるんだけど……相変わらずの対応ばっかりだよ」
将臣「……」
運転手『わざわざイヌツキこ土地に祭りを見に来るなんて、不心得者が増えたもんだよ、全く……』
不意に、あの言葉が蘇る。
偏見が残っている穂織の土地は周りから敬遠されていたりする。
迷信深かった昔なんてさらに酷く、爪弾きされていたらしい。
それは主に、芦花姉がさっき説明した妖怪の伝承がその理由だな。
妖怪の恨みが残っているから下手に近づけば呪われて命を落とすぞ〜と先祖代々言い伝えられている訳だ。
最初俺がこの話を聞いた時、
将臣『……じゃあ海外の人達呪われまくってんじゃん』
とか思ったけど。
まぁ、その呪いを逆手に取って宣伝に利用している訳だが。
あの『イヌツキ』は''犬憑き''という意味。この地に対する嫌味の言葉。
何故こんなに不便なままなんだ?
まるで時代から切り離された様な土地じゃねぇか。
全ては、周りから力を借りるどころかロクな交流も出来ず、自主独立で生きるしかなかったからだろう。
効能のおかげで、昔から湯治客が絶えないとはいえ、当時の客は顔を隠して温泉に来ていたとか。
イヌツキのお湯に浸かったことがバレると、都合の悪いこともあったらしい。
そういう印象も徐々に薄れてはいるのだが……まぁこの辺で生まれ育った地元民はまた別の話だな。
芦花「まあまあ、久々にあったんだからそんな寂しい話は無しの方向で」
ま、確かにそうだな。久しぶりにあったのにこんな嫌な話はしたくない。
芦花「せっかくだからまー坊も練り歩きを見てく?」
将臣「だからその呼び方は辞めてくれよ……まぁ、特に興味は無いからパス。それより先にじーさんに挨拶しておくよ」
それに今日から仕事を始める可能性だってあるんだからな。
まずは顔を見せておくのが筋というものだろう……タブンネ。