千恋*万花 〜神の暇つぶしによって作られたもう一つの可能性〜 作:ギルヴィニア
そうして芦花姉と雑談をしながら歩く事約10数分。
将臣「懐かしいな……昔のまま変わってないなぁ……」
俺は芦花姉と志那都荘に到着した。
芦花「結構人気なんだよ、玄十郎さんのお宿。接客も丁寧で、ご飯も美味しくて」
それは旅館の前提条件だと思うがね。
芦花「建物も古風な感じで、外人さんにも大人気」
にしても……
将臣「……」
じーさんに挨拶……か
普通にしてるだけでも威圧感がある人だからどーも苦手なんだよなぁ……
下手をしたら『挨拶』が『I殺』になりかねん……
まぁ、とりあえず昔の事は今は置いておくか。
まずは、じーさんにIs……じゃなかった。挨拶をする事からだ。
将臣「こんにちはー」
???「はいただ今まいります」
え?この声は……まさか!?
旅館の人「お待たせ致しました。ご予約のお客様でしょうか?」
うん、予想通り知らない人だった。
将臣「あーすみませんね、私は客ではないんで。
旅館の人「失礼ですが……?」
旅館の人は俺を困った表情で俺を見る。
まぁ、当然の反応だろう。客でも無い人間が旅館のトップの人を訪ねてくるなんてのは怪しまれて当然だ。
それも高齢者ならまだしも俺のような学生ならばなおさらだろうな。
将臣「今日からここで働くことになったので挨拶に来ました。有地将臣です」
旅館の人「大旦那さんのお孫さんですか、話は聞いております。遠い所から御足労頂き誠にありがとうございます、大旦那さんは建実神社のはずですよ。実行委員ですから」
芦花「あ、そっか玄十郎さん、春祭りの実行委員になってたんだ」
芦花の姉さん……忘れんなよ……
旅館の人「予定通りでしたら練り歩きがそろそろ神社に到着している頃ですね」
芦花「それじゃあ、神社から離れることは出来ないかな」
将臣「さいですか……あの、俺が今すぐ手伝えることはありますか?」
旅館の人「お気遣いありがとうございます、ですが今の所は大丈夫ですからぜひ今日は春祭りを楽しんで下さい」
将臣「そうですか……ありがとうございます」
旅館の人「お荷物、預かりましょうか?」
将臣「ならお言葉に甘えるとしますかね。よろしくお願いしますわ」
旅館の人「確かにお預かりしました」
そういって旅館の人は旅館の中に入って行った。
将臣「所で芦花姉、じーさんは相変わらず元気か?」
芦花「そりゃもう。風も引かない、背筋もシャンとして足腰もバッチリ」
何処のユニオンのボスだそれは?
芦花「竹刀の素振りも毎日欠かしていない見たいだよ」
将臣「そっか……元気か……いや、元気なのはいい事なんだけども……な」
芦花「まー坊は?元気に剣道してる??」
将臣「悪いけどもう辞めたよ、竹刀も2年近く握って無いな」
その代わりよく道端に落ちてる木の棒ならよく握ってるわ。
しかもあれ結構いい長さのがたまにあるお陰で俺の厨二心がくすぐられるんだよな……そのせいで再現可能なテイルズ技は殆ど習得したんだよな。まぁ、瞬迅剣とか虎牙破斬とか爪竜連牙斬とかの簡単なのばっかだけど(ユーリ式爪竜連牙斬は流石に無理)。
そして魔神剣も当然無理。
芦花「あれま、どうして?」
将臣「言われて始めたことだからな。健康の為にやれってさ」
俺にとってはじーさんは鬼みたいな人だったからな……その鬼から離れたら嫌でも気が緩む。
将臣「でも穂織を……いやじーさんから離れてなんか続ける理由を失ってな……それからは勉強やら何やらで、竹刀を握らなくなってそのまま」
芦花「なんか自然消滅する男女みたいだね」
将臣「あーまさにそんな感じだわ……ま、そんな訳で、じーさんとは顔を合わせずらくて……ね」
芦花「流石にとって食われたりはしないよ」
過度に怖がる必要が無いのはわかってる。優しさも持っている人だということも知っている。
……だが、ガキの頃に好みに刻み込まれた恐怖心がなぁ……
『中途半端にしよってからに!』とか言って起こられるかも知れない。
──
境内は人で溢れかえっていた。
肘と肘をぶつけ合わせながら、神楽殿に視線を向ける人々。
中にはカメラやスマホを掲げている人も何人か居る。
芦花「お、丁度今から巫女姫様が舞を奉納してるみたいだね」
将臣「じーさんは裏にいるのか?(真顔)」
芦花「まー坊、まー坊。そんなに興味なさげにしてないで、ちょっと位舞を見て見ない?」
将臣「興味無いね」
芦花「巫女姫様の舞は凄いんだよ〜」
俺の名言を無視して無理やり引っ張って行く芦花姉。おい、人の話を聞けよ!首根っこ掴むな!
芦花「ほらほらここからでもまー坊の背丈なら見えるでしょ?」
言われて俺も、渋々みんなが見つめる先に視線をやる。
すると──
将臣「……」
目を奪われた。
……いや、写輪眼じゃなくて比喩ね。
舞っている巫女さんは恐らく俺と同じ位の歳だろうか?
綺麗な姿勢と優雅な手の振り。
ふわりと広がる髪、翻る袖。それら全てに美しさを感じてしまう。
見ほれているのは、俺だけでは無いのから周りから音がどんどん引いていくようだ。
観客の声も、玉砂利を踏む音でさえも。
舞台の鈴の音が妙に響き渡るみたいで、徐々にエコーがかかったかのような感覚に陥る。
それほど彼女の舞は美しく、1秒たりとも目が離せない。
まるで催眠術にでもかかったかの様だ。
本当に、不思議な力を宿していると言われても信じてしまいそうだ(信じるとは言っていない)。
将臣「……」
これは確かに見る価値あるな……けどこれを小学生に理解しろってのはやっぱり無理があると思うがね……
優雅に舞うその姿はまるで天女か何かの様にでも見え──
将臣「ん!?!?!?」
は!?何だ……あれは!?
頭に……耳!?
え?なんで?俺エルーンそんなに好きだったっけ?
さっきは確かに犬か狐の様な耳が生えた気がしたんだけど……今は見えない。
目をゴシゴシ擦って、改めて確認する。
が、やはり耳なんて見えない。
……いや、見えないのが普通なのだが。そうだな、第一人間にあんな物が生えている筈がないしな。可能性があるとしたらカチューシャを着ける事くらいだが、そんな事を舞の奉納中にやる意味が分からないし、そもそも、やったとしても何故それを一瞬で外す?不可解な点が多すぎる。よって俺の見間違い、QED。
まぁ、乗り継ぎも含めて電車に2時間近く乗ってたんだ。そして2時間全てグラブルやってた上、パーティがヘルナル・スーテラ・・コルワのエルーンパだったからね、ゼノ・ウォフマナフ討伐戦で更に疲れてたから幻覚が見えても仕方ないな。うん……つか俺実はエルーン好きだろ?
芦花「まー坊?」
将臣「いや、何でもない」
言えない……自分の性癖的な物を考えていたとか口が裂けても言えん……
芦花「どうだった?巫女姫様の舞は?」
将臣「すごい綺麗だったな。最初から見てなかったことをちょいと後悔したわ」
芦花「巫女姫様の舞は春祭りのだけじゃなくて、祭祀でも披露されるから機会はいくらでもあるよ」
芦花「さてと、それじゃあ玄十郎さんの所に行く?」
将臣「あーそうだったわ……
芦花「まだここにいると思うんだけど……あ!」
芦花「廉太郎ー!小春ちゃーん!」
廉太郎?「うん?なんだ、芦花姉」
小春?「どうしたの、お姉ちゃん」
芦花姉の声を聞いた2人がこちらを振り返る。
廉太郎?「って……あれ?お前将臣か?」
小春?「あ、本当だ!お兄ちゃん!」
俺を見て驚いているのは、
2人ともじーさんの孫、つまりは俺の従兄弟。
嫁入りして外に出たお袋の兄が2人の父親、俺の叔父に当たる人だ。
余談だが、叔父は長男であるが宿を継がずに他で働いているらしい。
……まぁ、会ったことないが。
将臣「久しぶりだな、2人とも」
廉太郎「本当に久しぶりだな!珍しいじゃないか!最近は全然顔を見てなかったのに。どうしたんだ?」
将臣「じーさんの宿の手伝いに駆り出されたんだよ」
小春「お兄ちゃんが?てっきりいつもみたいに叔母さんが来るんだと思ってた」
将臣「随分とこっちに来てなかったからな。顔ぐらい見せて来いって脅迫されてな……(遠い目)」
小春「本当に久しぶりだもんね。全然帰ってこないんだもん」
小春ちゃん知ってるかい?帰ってこないのはおじいちゃんが怖いからなんだよ?
小春「すっごく背が伸びてるから最初誰か分からないかった」
将臣「ま、数年も会ってなかったらそりゃ人間だし背も伸びるさ……それに小春だって昔に比べたら成長してるぜ?」
小春「ほ、本当?えへへ……そう言ってもらえると嬉しいな」
廉太郎「お世辞に決まってるだろ。その胸の何処に成長があるんだよ」
小春「あ、あるもん!きょ、去年と比べて0.2mmも育ってるもん!」
廉太郎「んなモン誤差だ、誤差」
小春「廉兄、うるさい!ちょっと黙っててよ」
昔と比べてあんまり変わってないなこの2人は……
将臣「廉太郎は毎日顔を合わせてるから、気づかないだけじゃないのか?」
小春「お兄ちゃん、優しい……なんていい人……!」
いや、この程度でいい人なんて思うな。そのうち詐欺に遭うぞ。
小春「こんなバカ兄じゃなくて、お兄ちゃんが本当のお兄様だったらどれだけ良かったことか」
廉太郎「こんな憎たらしい妹じゃなく、キュートでバリボーな妹だったらどれだけ良かったことか」
小春「なにさジュード!」
廉太郎「なんだよ司波深雪!」
小春「バーカバーカ」
廉太郎「ブースブース」
芦花「はい、ヤメヤメー兄弟のじゃれ合いはそこら辺で」
将臣「そういう所は本当に変わらないな、お前ら……」
しかも、ちゃっかりネタ挟んでるし。
俺は理解出来たけど芦花姉は分かったんだろうか?
芦花「それよりも玄十郎さんはどこにいるのかな?」
廉太郎「祖父ちゃんなら今は中にいるよ」
小春「ほら、例のイベントが行われてるから」
芦花「あーアレねー」
将臣「……?例のイベントってのは?」
小春「伝説の勇者イベント」
将臣「……伝説の勇者の伝説のイベント?」
廉太郎「いや、それは伝説の勇者違いのイベントだ」
芦花「この建実神社の御神刀の事だよ。話ぐらいは聞いたことあるんじゃない?」
将臣「御神刀……( ̄-  ̄ ) ンー……あ、あれか……話は知ってるけど実物は見たことないんだよな」
建実神社にはちょっと特別な刀が奉納されている。
他ではお目にかかることは出来なくてそれを利用したイベントが今行われてるらしい。
廉太郎「そりゃ無関係な観光客はな」
あ、なる程ね……イベントを邪魔すること無くじーさんに挨拶をするだけなら問題ないって事か。
将臣「んなら行ってみるか」
……いつものネタのキレがぜんっぜん出ねぇ……半年のブランクは以外にも大きかったか……たった半年でこんなにもキレが無くなるんだから3年も契約精霊を使役していなかったカミトが弱くなるのも当然だな!そして今回より少し書き方を変えました。それは伏字を使わない事です。これ→〇
他の作品を読んでいると伏字を使っていないのも結構あるんで私も伏字は使わない方向で行こうと思いました。しかし流石にこれは伏字を使わないと不味いと思ったものは使わせて頂きます。あと先に言っておきますがキーブレードの勇者が出てくるあのゲームの住人達は伏字も無ければ名前なんて絶対に使わないのでそこの所はご了承ください。
それとこのアニメ・ゲームをネタに使ってほしい!等の意見があれば感想で言ってくれればなんとか使ってみようと思います。私が知っていればの話ですが基本的になんでもネタに使いますので。アニメ・ゲーム・R-18ゲームでもバッチコイ。