それでは、本編をどうぞ。
ー機動六課 食堂ー
ラッキー達と小太郎の歌が終わり、まだ先程の余韻が残っていたところを再度小太郎がマイクを持って話し始めた。
小太郎「ありがとうございます。さて、ここで重大発表があります。ラッキー!」
ラッキー「おう。」
名前を呼ばれたラッキーが再度ステージに登壇した。
小太郎「皆さんは何故ラッキーを呼んだのか疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。彼はキュウレンジャーの一員だけのはずと・・・ですが、ラッキーには驚くべき身分があります。それは、元の世界では88星座系の1つシシ座系惑星カイエンの王様だということです。」
小太郎のその言葉を聞いた途端、グラスを持っていた全員がテーブルの上に置き謁見するかのように恭しく頭を下げた。
それを見たラッキーは・・・
ラッキー「皆、やめてくれ。皆は家来じゃないからな。俺たちの大事な仲間だ。」
その一言を聞いた食堂に集められた六課のメンバーは頭を上げた。
はやて「小太郎君たちは知っとったんか?」
小太郎「うん、僕たちも最初聞かされた時は、六課の皆さんと同じ反応をしたからね。」
はやて「そうなんや。」と感心する一方で、はやてはこんなことを思っていた。
はやて(スパーダさんの料理の腕に完敗や。 は~料理には自信あったんやけどな・・・ん?ちょい待ち。もし付き合えたらスパーダさんからいろんな料理を教わるチャンスやなかろうか。絶対にモノにしてやるで!)
一方、なのはも相手は違えど同じことを考えていた。
なのは(ラッキーさんが王様ってことはお父さんは引退したってことだよね。皆を引っ張っていくことの大変さは私には分からないけど、せめて隣でラッキーさんのお手伝いがしたいな。)
と考えていたことをラッキーとスパーダが知ることになるのは、もう少し後の話である。
とここで小太郎が真面目な表情をした。既にラッキー達も支給された管理局の制服に着替えている。
小太郎「皆さんを呼んでもらったのは、他でもありません。僕たち自身について皆さんにお話しする為です。」
その言葉を聞いた六課の面々は先程までの和やかな雰囲気から一転して緊張が走った。
小太郎「まず、最初に僕たちは元々この世界の住人じゃないんだ。」
ティアナ「どういうことなの?」
小太郎「僕たちは古代遺失物(ロスト・ロギア)レリックの力でこの世界に飛ばされたんだ。」
ティアナ「レリック!?まだ残ってたの?」
その質問に答えたのはなのはだった。
なのは「うん、1ヶ月前に八神部隊長がラッキーさんたちを保護した際に元の世界で拾ったみたいでね。おまけに皆が訓練で戦った機械生命体は、ラッキーさんたちが元居た世界からこの惑星を消滅させるために飛来したみたいでね。」
スバル「惑星の消滅!?それが起こるとどうなるんですか?」
ラッキー「惑星の消滅はプラネジュームを完全に吸い取られると起こる爆発だ。」
エリオ「プラネジューム?」
ハミィ「惑星を構成しているエネルギーの事だよ。これを全部吸い取られた惑星は爆発し、文字通り宇宙の塵になってしまうんだ。」
フォワード「宇宙の塵に!?」
ラプター「そうならないように私たちはモライマーズを破壊もしくは停止させているんです。そうすれば、プラネジュームの吸収は止まりますから。」
キャロ「モライマーズって何ですか?」
スパーダ「プラネジュームを集める為の瓶みたいなものかな。」
小太郎「キュータマについては僕とハミィから説明するね。キュータマはキューエナジーが集まって出来てるんだ。」
なのは「キューエナジーって何なの?」
小太郎「その星座に息づく生命エネルギーって言ったら分かる?」
なのは「つまりその星座を構成する命そのものってこと?」
小太郎「うん、大体そんな感じにとらえてもらって構わないよ。キュータマはそのキューエナジーが集まってこんな風に天球儀みたいな形で現れるんだ。」そう言いながら小太郎はポケットに入れたキュータマを取り出しながら説明した。
ハミィ「88の星座系に1つずつあって、数が多いから大きく分けて2種類に分けられるの。」
小太郎「なのはさんたちは訓練場で見たと思うけど、僕たちが変身に使っていたのがチェンジキュータマで、戦闘や日常生活の補助の役目を担ってくれているのが、スキルキュータマなんだ。」
ラッキー「スキルキュータマがチェンジキュータマに変化するってパターンもあるけどな。」
そう言うと、キュウレンジャー一同は一斉にショウの方を見た。
ショウ「確かに、ボクちんのリュウキュータマは元々スキルキュータマだったしね。」とショウは自分のチェンジキュータマであるリュウキュータマを取り出しながら説明した。
スバル「つまり、キュータマは88個存在するってことですか?」
スティンガー「いや、88個以上存在する。」
ティアナ「そんなにあるんですか?」
小太郎「うん、全部あげちゃうとキリがないけどね。」
スティンガー「そして一番肝心な話である宇宙幕府ジャークマターについてだが、これは俺から説明させてくれ。」
エリオ「スティンガーさんから?」
スティンガー「ああ、俺は一時期ジャークマターにスパイとして潜入してたから、内部の事情には少し詳しいんだ。」
ラッキー「そーだな。俺たちよりも潜入してたスティンガーの方が、詳しい説明もできるだろうし、説明を頼めるか?」
スティンガー「オッキュー。高町たちには保護してもらった時に話したと思うが、ジャークマターは、宇宙そのものを支配している。」
シャーリー「支配って宇宙全体を!?」
スティンガー「ああ、ジャークマターは階級制で一番下から戦闘員>ダイカーン>カロー>フクショーグン>そして、一番上がショーグンという風に上がっていくんだ。」
スバル「じゃあ、そのショーグンが一番強いってことですか?」
スティンガー「ああ、奴は強かったからな。」
ラッキー「俺も、過去に行った時に戦ったけど、全く歯が立たなかった上に死にかけたからな。」
ラッキーがそう言うと、機動六課のメンバーは、一斉にラッキーを見た。
はやて「ラッキーさんが死にかけたってそれホンマなん!?」
スパーダ「Si.本当だよ、はやてちゃん。」
はやて「でも、現にラッキーさんは生きてるし、どうやって・・・?」
ツルギ「それは、俺様の力だ。」
ティアナ「ツルギさんの?」
ツルギ「正確には、俺様の持つホウオウキュータマの力でだがな。」
ティアナ「どういうこと何ですか?」
ツルギ「俺様が持つホウオウキュータマは生命を司っているんだ。俺様もホウオウキュータマの力に助けられたからな。 その力を使ってラッキーを蘇生させたって訳だ。」とホウオウキュータマを取り出しながらツルギが説明した。
はやて「そうやったんか。そう言えば肝心なことを聞いとらんかった。そのジャークマターのショーグンの名前は?」
スティンガー「ショーグンの名はドン・アルマゲだ。」
はやて「ドン・アルマゲ・・・」
エリオ「あの、質問良いですか?」と手を挙げたのはエリオだった。
スティンガー「何だ?」
エリオ「話に出てきたカローって何体いるんですか?」
スティンガー「カローは各星座系に1体しかいないから、すべて合わせると88体存在してる。」
エリオ「そんなにいるんですか!?」
スティンガー「ちなみにフクショーグンはカローの1つ上の階級でこの地位にいるのは3体だけだ。」
ラッキー達の話を聞いた機動六課一同は、改めてこの星の消滅を阻止してみせると決意した。
いかがでしたか?前話の前書きで5部作と言いましたが、うまく収めることに成功し、4部で収まりました。この調子で書いていくので今後も応援や栞、感想などお待ちしてます。
それでは次回の本編でお会いしましょう。