それでは本編をどうぞ。
ー機動六課 医務室へと向かう廊下ー
ラッキー達の話を聞き終えた機動六課の面々はそれぞれが残された業務をするために、各々の持ち場へと戻っていった。なのは、フェイト、はやての3人はラッキー達を伴いなのはの先導で医務室へと向かっていた。ラッキー達に魔導師の魔力の源であるリンカーコアの有無の検査をするために。
廊下を歩くこと10分・・・
なのは「着いた、ここが医務室だよ。ここで皆には魔法を使う人の事を魔導師って言うんだけど、その魔導師の魔力の源であるリンカーコアが存在するか、存在するのであれば、皆がどの程度魔法を使うことが出来るのかを医務官の先生に検査してもらうね。」
そう言うと、なのははドアの前に立ち入室を求めるブザーを鳴らす。すると中から「どうぞ。」という返事が返って来たのでなのは達は医務室に入った。
なのは「シャマル先生、お願いしていた検査って出来ますか?」と尋ねた。 実は医務室に向かう前になのはは、予めシャマルに「ラッキーさんたちのリンカーコアの有無の検査をしたい。」という旨の通信をしていたのだ。
シャマル「できますよ。でも、その前に・・・」そこでいったん言葉を切ると、ラッキー達に歩み寄り挨拶をした。
シャマル「初めまして、機動六課主任医務官のシャマルと言います。六課の皆の健康管理が主な仕事なので皆さんも病気やケガや、何か困ったことがあれば遠慮なく私に相談してくださいね。」とシャマルが挨拶を終えると、キュウレンジャーを代表してラッキーが挨拶を返した。
ラッキー「俺たちの方こそ、宜しく頼むな。」
シャマル「さて、皆さんにはこれから、魔導師の魔力の源であるリンカーコアがあるかどうかの検査をさせていただきます。魔導師が魔法を使う上で重要になってくるのがこのリンカーコアです。皆さんにリンカーコアがあれば、魔法を使うことができますし、リンカーコアがなくても、前線のバックアップや後方での力仕事など、みなさんの得意分野を生かせることもありますよ。」
ラッキー「へーそーなのか。」
シャマル「はい。 では、検査を始めましょうか。12人いるから2人ずつそこのベッドへ横になってもらえますか?」
ラッキー「ああ、分かった。誰からでも良いのか?」
シャマル「はい、誰からでも構いませんよ。」
ラッキー「分かった。少し話し合わさせてくれ。」
そう言うとラッキー達は、円陣を組んで話し合いを始めた。
小太郎「誰から行く?」
ハミィ「ラッキーは一番最後にしてもらった方がいいと思う。シシ座だけじゃなく、オリオン座の血も流れてるんだから、何があるか分からないし・・・」
ラッキー「そーだな。じゃあ、ツルギから逆順で行くか。」
ハミィ「うん、賛成。」
ハミィの一言を最後に話し合いは終わり、ラッキーが言った。
ラッキー「話し合いの結果、ツルギから逆順で行かせてもらおうと思う。」
シャマル「分かりました。逆順というと・・・」
ラッキー「最初はツルギと小太郎からだな。」
小太郎「うん。」
ツルギ「俺様たちが一番最初か。」
シャマル「分かりました。では、お2人とも靴を脱いでそこのベッドへ横になってください。」
ツルギ・小太郎「オッキュー。」
そう言うとツルギと小太郎の2人は、靴を脱いで、ベッドに横になる。その隣へシャマルが立ちモニターとホロキーボードを展開して行った。
シャマル「じゃあ、検査を始めますね。」そう言うとシャマルは、ホロキーボードを操作してツルギと小太郎の体を調べて行った。
シャマル「2人とも、終わりましたよ。」シャマルの声でベッドから起き上がる。
シャマル「リンカーコアの有無に関しては、お2人とも存在が確認出来ました。それから魔導師としてどのくらいの力量があるのかも同時に調べていたのですが、それは全員の検査が終わってから発表しますね。」
その後も順調に検査が進み、残るはラッキーとスティンガーのみとなった。
シャマル「最後の2人ですね。ベッドへお願いします。」
ラッキー・スティンガー「ああ。」
そう言うと2人はベッドへ横になる。
シャマル「お2人にもリンカーコアが存在しています。魔導師としての力量は・・・へ!?計測不能!?」
ラッキー「あー、やっぱりか。」
なのは「どういうことなの?」
ラッキー「俺は、シシ座の生まれなんだが、同時にオリオン座の血も引いてるんだよ。最も俺も過去に行くまで、自分にオリオン座の血が流れてるなんて知らなかったけどな。」
はやて「そうなんか。」
フェイト「本来だったら、能力限定で抑えなきゃいけないんだけど、ラッキー達はあくまで協力者という立場だから、正規の局員である私たちと違って能力限定がかけられない・・・」
小太郎「はやてさん、能力限定って何?」
はやて「具体的に言えば、リミッターのようなものや。皆も後から持つデバイスが主に対象になるんやけど、人に用いれば保有している魔導師ランクを下げることが出来て、1つの部隊に優秀な魔導師を多く所属させられる。まあ、裏ワザ中の裏技やね。」
フェイト「1つの部隊で保有できる魔導師ランクの総計規模というものがあるんだけど、六課はそれを優にオーバーしちゃってるんだ。だから、前に出て戦う人たち・・・フォワードって言うんだけどそのフォワードの隊長、副隊長と後方支援のはやてには魔力の出力リミッターをかけてるんだ。」
小太郎「はやてさんも能力限定の対象なの?」
はやて「うん、元々の魔導師ランクが高いからな。」
シャマル「とりあえずリンカーコアの有無の検査結果から発表するわね。これから名前を呼ぶ人は全員リンカーコアの存在が確認されました。 ラッキーさん、スティンガーさん、ガルさん、バランスさん、ナーガさん、ハミィさん、スパーダさん、ショウさん、小太郎君、そしてツルギさん。 以上の10人よ。」
小太郎「バランスにも存在してたんだ。機械とは言え生命体だから?」
バランス「どーなんでしょ~。」
チャンプ「我輩はロボットだからな・・・」
ラプター「私はアンドロイドですからね・・・」
シャマル「2人とも気を落とさないで。リンカーコアがないからと言って魔導師になれないと決まったわけじゃないわ。私たちの中にも魔導師じゃない一般局員が多数いるから、その人たちはそれぞれ自分の得意分野で仕事をしている人たちもいるの。」
ラプター・チャンプ「私(我輩)たちの得意なことでお手伝いを・・・?」
シャマル「ええ。」
ラプター「そうですよね。皆さん、情報収集は引き続き私にお任せください。」
バランス「僕も、リンカーコアが存在してるけど情報収集ならお任せだよ~ン。」
チャンプ「我輩もこう見えて筋力トレーニングは欠かさずにやっているから、力仕事をするなら吾輩を頼ってもらっても構わねーぜ。」
なのは「ありがとうございます。」
シャマル「次に魔導師としてのランクと陸戦魔導師か空戦魔導師かの適性検査さらに魔法の術式に関する検査もリンカーコアの有無の検査と一緒にやってたんだけど、全員が陸戦魔導師という結果が出ているわ。」
ラッキー「魔法の術式って何なんだ?」
小太郎「僕が説明するよ。」
なのは「小太郎くん、分かるの?」
小太郎「うん、文字だけじゃなくて魔法の術式だったり、なぜ魔法が使われるようになったかの歴史とかも特別講習で教えて貰ったんだ。」
なのは「そうなんだ。」
小太郎「うん。 さて、説明するね。」
ラッキー「頼む、小太郎。」
小太郎「魔法の術式は大きく分けてミッドチルダ式とベルカ式の2種類が存在するんだけど、ベルカ式は古い時代から生きている人達と、今を生きている人達が使ってる魔法陣が同じなんだ。だから、古い時代から生きている人達が使うベルカ式を古代ベルカ式、今を生きている人達が使うベルカ式を近代ベルカ式というふうに分けているんだ。」
ラッキー「さっきの検査で俺達が使う魔法の術式も調べてた訳か。」
シャマル「ええ。魔法の術式は、小太郎くんが説明してくれたようにミッド式、近代ベルカ式、古代ベルカ式の3種類。先ずは、最もメジャーなミッド式から発表していくわね。 ラッキーさん、ガルさん、バランスさん、スパーダさんの4人よ。」
ラッキー「この4人がミッド式魔法が使えるってことなのか?」
シャマル「ええ、次に近代ベルカ式のメンバーをこれもまとめて発表していくわね。 スティンガーさん、ナーガさん、ハミィさんの3人よ。」
ハミィ「私たち3人が近代ベルカ式を使えるって訳だね?」
シャマル「ええ。」
スティンガー「あと呼ばれていないのは・・・」
ラッキー「司令に小太郎にツルギだけだよな。」
シャマル「ええ。この3人は全員古代ベルカ式の魔導師という結果が出ているわ。 それから、今から名前を呼ぶ人は魔力変換資質を持っているわ。スティンガーさん、小太郎君、ツルギさんの3人よ。それぞれスティンガーさんが毒、小太郎君が凍結、ツルギさんが炎熱の変換資質を持っているわ。」
ラッキー「魔力変換資質って何だ?」
小太郎「魔法で電気や炎、僕だったら凍結を発生させるためには魔法を変換させるために変換プロセスを踏まなきゃいけないんだけど、変換資質を持っていたら、変換させるためのプロセスを踏むことなく直接攻撃に付加させることが出来るんだよ。」
シャマル「小太郎君、正解。そしてこれは珍しい属性でもあるの。」
ラッキー「珍しい?」
シャマル「炎熱と電気の変換資質は2人ずついるんだけど、凍結と毒は変換資質を持っている人がいないの。」
ラッキー「凍結と毒の変換資質を持ってるやつっていないのか?」
シャマル「ええ。リインちゃんが凍結の魔法を使ってるんだけど、あれは、六課の中に使い手がいないから自分から学んでリインちゃんの魔法にしてるから魔力変換資質と言う訳ではないの。」
ラッキー「そーなのか。」
シャマル「ええ。最後に魔導師ランクを発表するわね。これは魔導師の力量をアルファベットで表したもので、普通は一番下のGから上がっていって最高はSSSで終わるんだけど、検査の結果とんでもないことが発覚したの。」
ラッキー「とんでもないこと?」
シャマル「他の皆さんは正常な範囲内の検査結果だったんだけど、ラッキーさんあなただけ計測不能なのはさっき言った通りよ。」
ラッキー「どうするんだ?」
シャマル「本来なら能力限定をつけてもらうんだけど、はやてちゃんラッキーさんたちの事はどうなっているの?」
はやて「異世界渡航者やから、元の世界に帰れる方法が見つかるまで管理局で保護という事にしてる。」
シャマル「じゃあ、私達正規の局員と違って能力限定をかけられないわね。」
はやて「提案なんやけど、ラッキーさんの魔力に耐えられる頑丈なデバイスにするっちゅうのはどうやろう?」
シャマル「それは良いアイデアです、はやてちゃん。デバイスが頑丈なら魔力の暴発が起こることもありませんし、それにデバイスだけになら出力リミッターをかけられますしね。」
なのは「私も、はやてちゃんの意見に賛成だよ。」
シャマル「っと話がそれちゃったわね、ランクの話に戻りましょうか。」
はやて「そうやった、魔導師ランクの発表してないのにデバイスの話をしてもしゃーないやんか。」
シャマル「AAランクからまとめて発表するわね。 AAランクはガルさん、ハミィさん、ショウさん、小太郎君の4人よ。次にAランクの人たちはスティンガーさん、バランスさん、ナーガさん、スパーダさんの4人よ。そして、今名前を呼んだ人達より上の魔導師ランクの持ち主が2人いるわ。 ラッキーさんとツルギさんよ。」
小太郎「ラッキーは大声が出てたから何となく分かるけど、ツルギまで僕達より上なの?」
シャマル「ええ、検査の結果Sランクの値が出てるのよ。」
小太郎「Sランクって言うと・・・」
シャマル「AAAランクの1つ上よ。」
小太郎「流石、伝説の男・・・」
シャマル「そして、Sランクのツルギさんよりもさらに上のランクはラッキーさんただ1人よ。」
ハミィ「流石、オリオン座の子孫・・・」
シャマル「本来なら2人には能力限定をつけてもらうんだけど、協力者という立場上能力限定がつけられないので、デバイスを頑丈なものにして、魔力の扱い方を覚えてもらいます。」
はやて「皆は、元の世界で戦っとったというのは保護した時にも聞いたし、歓迎会の場でも聞いた。そやから6人ずつの分隊を2つ新たに設けようかと思っとるんやけど、どうやろうか?」
なのは「つまり、前線の分隊を2つ増やすってこと?」
はやて「その通りや、なのはちゃん。」
フェイト「となると、分隊分けがいるよね?どういう風に分けるの?」
ラッキー「12人いるからな6人ずつとなると、俺からナーガまでが俺の分隊でハミィからツルギまでがもう1つの分隊のメンバーって感じでどーだ?」
なのは「なるほど、数の前半、後半で分ける形だね。」
フェイト「その方が一番シンプルかも。」
ラッキー「バランスに関しては普段は後方メンバーとして動いてもらうが、有事の際は俺の分隊のメンバーとして動いてもらうってことでどーだ?」
バランス「その振り分けに賛成で~す。」
はやて「チャンプさんとラプターさんに関しては、ロングアーチに確定ってことでええかな?」
チャンプ・ラプター「はい(ああ)。」
なのは「じゃあ、メンバーが決まったところで分隊名と隊長、副隊長も決めちゃおっか。」
ラッキー「おう。」
フェイト「デバイスに関しては、シャーリーが資格を持ってるからシャーリーを呼ぶね。」そう言うとフェイトは通信画面を呼び出し、副官のシャリオを呼び出した。
なおラッキー達は6人ずつに分かれて誰が隊長、副隊長をするかの話し合いをしている最中である。
なのは「誰が隊長になるか決まったかな?」
ラッキー「ああ、ついでに言えば副隊長と分隊名もな。」
なのは「そうなんだ。隊長は誰がやるの?」
ラッキー「隊長は俺で副隊長をスティンガーに任せようと思ってる。そして分隊名は俺の生まれたシシ座の一等星から取ろうと思ってるぜ。」
なのは「シシ座の一等星って確か・・・」
ラッキー「レグルス。」
なのは「思い出したレグルスだ。つまりレグルス分隊か、良い響きだね。」
ラッキー「だろ。」
なのは「ラッキーさんたちはこれで決定?」
ラッキー「ああ。」
ラッキーのその言葉を聞くと、なのははもう一方のグループへと状況を尋ねた。
なのは「そっちのグループの皆はどうかな?」
小太郎「こっちは、僕が隊長をすることになり、副隊長をスパーダにお願いしたんだ。」
スパーダ「他の皆じゃ上手くまとめられないだろうし、司令だとテキトーで頼りないからね。」
ショウ「えー、僕ちんじゃ頼りないの?」
キュウレンジャー「うん、頼りないもん(ぜ、です、からな、)!」とキュウレンメンバーから普段のテキトーさを肯定されたショウは・・・
ショウ「僕ちんじゃ頼りないのね・・・」と落ち込んでしまった。
小太郎「まあまあ、司令も普段は後方メンバーとして動いてもらうけど、有事の際は僕の分隊のメンバーとして動いてもらうから。」
ハミィ「確かに、このメンバーの中で一番常識があるのは小太郎とスパーダそれからラプターくらいだもんね。人選は正しいと思うな。」
小太郎「分隊名は僕が変身するコグマ座の一等星から取ろうと思ってるんだ。」
なのは「コグマ座?私たちの世界では聞いたことがないよ。どんな星座なの?」
小太郎「コグマ座は北半球では、1年じゅう見ることが出来る星座で一等星のポラリスが最も明るい星座なんだ。」
なのは「へえ、そうなんだ。」
そこへ、フェイトの通信を聞いたシャーリーが医務室へとやってきた。
シャーリー「デバイスに関することは私にお任せください。」
小太郎「シャーリーさん!そっか、メカニックってことはデバイスに関する資格も持ってるってことだもんね。」
シャーリー「うん、自己紹介の時も言ったけど、皆のデバイスの開発や調整も担当するから一回皆でデバイスルームまで来てくれる?」
キュウレンジャー(チャンプ・ラプターを除く)「オッキュー。」
デバイスルームに行くと聞いたシャマルは、後方でデータをまとめていたがまとめ終わるとシャーリーに渡してこう言った。
シャマル「シャーリーこれを一緒に持って行ってくれる?デバイス製作に役立つはずよ。」
シャーリー「これは魔導師ランクの検査結果ですね。ありがとうございます。」
そう言うと、シャーリーはシャマルから魔導師ランクの検査結果のデータを受け取り、デバイスルームへと歩き始めた。
魔導師ランク検査から分隊分けまで書くことが出来ました。
いかがでしたか?それでは次回の本編でお会いしましょう。