宇宙の救世主と魔法少女 改稿版   作:如月スト

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アリスです。今回はいよいよなのはにピンチが訪れます。ラッキーの因縁の敵とは誰なのか。それは、本編を見てのお楽しみです。

それでは本編をどうぞ。


12話 なのはに迫る危機 後編

ー聖王教会 カリムの執務室ー

 

はやて「カリム、ご無沙汰や。」

 

なのは・フェイト「お久しぶりです、騎士カリム。」

 

小太郎「初めまして。民間協力者の佐久間 小太郎です。」

 

カリム「なのはさん、フェイトさん、はやても久しぶりね。そしてあなたは初めましてですよね?聖王教会 教会騎士団騎士 カリム・グラシアと申します。そして、私の隣に座っているのが・・・」

 

クロノ「時空管理局 本局提督 クロノ・ハラオウンだ。」

 

小太郎「ハラオウン?もしかしてフェイトさんの?」

 

フェイト「うん、クロノは私のお兄ちゃんなんだ。」

 

カリム「皆さん、座ってください。お茶しか用意していませんが・・・」

 

小太郎「お菓子は僕が用意してます。」

 

はやて「ホンマに!?」

 

小太郎「はい、スパーダ特製マドレーヌです。」

 

なのは「料理だけじゃなくお菓子作りも?」

 

小太郎「うん、元の世界でも作ってたから味は保証するよ。」

 

それから小太郎によって出されたマドレーヌを食べたカリムとクロノは・・・

 

カリム「美味しい。」

 

クロノ「確かに。これだけ美味しいと店が開けるな。」

 

小太郎「ありがとうございます。シェフも喜びます。」

 

全員がスパーダ特製のマドレーヌを食べ終えるとカリムが話し始めた。

 

カリム「今回、あなたたちを呼んだのは他でもありません。緊急の預言が出た為です。」そう言うとカリムは、紐で束ねた紙束を持って立ち上がった。

 

小太郎「預言?」

 

カリム「小太郎君は初めて見ると思うから説明するわね。私には古代ベルカの稀少技能(レアスキル)預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)という能力を持っています。これは最短で半年、最長で数年先の未来を古代ベルカ語による詩文形式で書きだすという能力なのですが、ミッドに存在する2つの月の魔力が上手く揃わないと発動できないからページの作成は1年に1回しかできないうえに、世界で起こる出来事をランダムに書き記すんだけど、解釈によって意味が変わることのある難解な文章なんです。解釈ミスも含めれば的中率や実用性は割とよく当たる占い程度 つまり、あまり便利な能力では無いんです。」

 

小太郎「古代ベルカ語・・・」

 

カリム「そんな私の能力が今回緊急の預言を書きだしたの。」そういうとカリムは、1枚の紙を自分の目の前に浮かべて読もうとした時小太郎が挙手して言った。

 

小太郎「カリムさん、その紙僕が読んで良いですか?こう見えて僕は古代ベルカ語が読めるんです。」

 

カリム「ホントに?」

 

小太郎「解読にちょっとだけ時間をもらえたら。」

 

カリム「じゃあ、お願いしてもいいかしら?」そう言いながらカリムは予言の書かれた紙を小太郎の方へ飛ばした。

 

小太郎「オッキュー、お任せください。 ポルト、古代ベルカ語の解読表出して。」

 

ポルト・ニア[任せて、お兄ちゃん。]そう言うとポルトは、古代ベルカ語の解読表を出した。

 

小太郎「えーと・・・ここの単語がこっちにかかって、この単語がこっちに行くから・・・」

 

カリム「どうかしら?」

 

小太郎「そんな!こんなこと絶対に防がなきゃ!」

 

なのは「読めたの?」

 

小太郎「はい、読みますね。 惑星の破壊者によって破られる平穏。民は逃げ惑いその目に浮かぶのは涙。されど、それを救わんとする救世主が空の彼方より舞い降りる。」

 

フェイト「惑星の破壊者って・・・」

 

小太郎「十中八九、ジャークマターの事だよ。」

 

カリム「ジャークマター?」

 

小太郎「説明しますね。ジャークマターというのは僕たちが元の世界で戦ってきた宇宙を支配していた存在です。」

 

クロノ「宇宙を支配?」

 

小太郎「はい。ジャークマターは、宇宙そのものを支配していた巨大組織で階級制が存在するんです。」

 

カリム「階級制?」

 

小太郎「はい。下から戦闘員>ダイカーン>カローという風に上がっていって一番上が・・・」と小太郎が言いかけたその時だった。部屋の外が騒がしいことに気付いたのだ。

 

はやて「なんや、外が騒がしいな。」

 

カリム「ええ。」

 

その時、部屋の扉が何者かによって破られた。 破られた扉から入ってきた影を見て小太郎は、敵意を剥き出しにして名前を叫んだ。

 

小太郎「お前は、フクショーグン ククルーガ!」

 

ククルーガ「久しぶりだな!小僧!」

 

小太郎「お前は、俺達が倒した筈!」

 

ククルーガ「俺がシシレッドを狙っていたのはテメーも知ってたはずだぜ。」

 

小太郎「まさか、ラッキーを狙って復活したの!?」

 

ククルーガ「その通り!だが、ここには居ないようだな。」

 

小太郎「知ってても教えるもんか!」

 

ククルーガ「そうか、なら居場所を吐かせる為にこうするまでだ!」そう言うとククルーガは左腕を前に出した。

 

小太郎「拙い!皆さん、僕の後ろに! ポルト セイザブラスターモード タテキュータマ!」

 

ポルト・ニア[了解、お兄ちゃん!セイザブラスターモード起動!タテキュータマセット!]

 

小太郎は、急いで自分の後ろに隠れるように言うとセイザブラスターモードを起動させ、タテキュータマを手前に倒した。

 

ブラスター<タテ キュータマ! セイ・ザ・アタック!>

 

タテキュータマを起動させたと同時にククルーガが左腕の銃であるククルガンを発射した。

 

小太郎「間に合った・・・とは言えキューエナジーがいつまで保つか・・」

 

はやて「小太郎くん、あいつは誰なん?」

 

小太郎「ジャークマターの最高幹部とも言えるフクショーグンの1体 ククルーガだよ。」

 

フェイト「シシレッドって言ってたけど、ラッキーとあいつに何かあるの?」とフェイトが尋ねると

 

小太郎「拙い、もう限界かも!」と返事になっていない声が返って来た。

 

フェイトたちが見てみるとタテキュータマで出現させた盾が今にも消えそうになっていた。

 

なのは「もしかして、キューエナジーが?」

 

小太郎「うん。前も言ったけど、キューエナジーは無限にある訳じゃ無いから・・・」

 

そうしているうちに、とうとうタテキュータマのキューエナジーが切れてしまい攻撃を防ぐ手段をなくした小太郎は、ククルーガの攻撃をまともに受けてしまった。

 

小太郎「うわー!」

 

なのは・フェイト・はやて「小太郎(くん)!」

 

ククルーガ「所詮その程度ってわけか!」

 

ククルーガの攻撃によって後方に飛ばされた小太郎に駆け寄ったのはなのはだった。

 

なのは「小太郎くん、大丈夫?」

 

小太郎「ゲホッゲホッ 何とかね。」

 

そこへ、ククルーガがとどめを刺すために歩み寄って来た。

 

ククルーガ「ほう、まだ動けたか。だが、これで終わりだ!」

 

なのは「レイジング・ハート!セイザブラスターモード起動! 動かないで!1歩でも動けば、あなたを撃ちます!」

 

小太郎にククルガンが向けられていたのを見て咄嗟になのはは、セイザブラスターモードを起動させ、銃口をククルーガに向けて何時でも発射できる体制で、ククルーガを見据えた。

 

小太郎「なのはさん、攻撃はダメ!」

 

なのは「どういうことなの?」

 

小太郎「あいつは、僕達の攻撃を吸収してそれをそのまま跳ね返しちゃうんだ。ラッキーのシシレッドオリオンの力があれば何とか互角に持っていけるんだけど・・・」

 

ククルーガ「ほう、中々度胸のある女じゃねーか。先にガキをやる予定だったが、予定変更だ。先に女からやるとしよう。」

 

ジリジリと歩み寄って来たククルーガになのはは、セイザブラスターのエネルギー弾を数発発射した。

 

なのは「今のは威嚇射撃です!次は本気で撃ちます!」

 

ククルーガ「ほう、ならこの俺を撃ってみな!」という挑発にすっかり乗せられてしまったなのはは、エネルギー弾を連続で発射してしまった。 すると、左腕の武器であるククルガンになのはのエネルギー弾がすべて吸収され逆になのはが、自分が撃ったエネルギー弾を全弾お腹に貰うことになってしまった。

 

なのは「うっ!」

 

フェイト・はやて・小太郎・クロノ・カリム「なのは(ちゃん、さん)!」

 

気絶してしまったなのはを担ぐとククルーガは、こう言った。

 

ククルーガ「女は預かる。返して欲しければ、力ずくで取り返しに来るんだな!」と言うとククルーガは、自分が壊した扉ではなく窓ガラスを割って逃走した。

 

小太郎「拙い、皆に知らせなきゃ!」

 

と言うと、小太郎はラッキー達を呼び出す為に通信をかけた。




いかがでしたか?ラッキーにとって因縁の敵とはキュウレンジャーファンならご存知のククルーガでした。 次回は誘拐されたなのはの救出編から始まり、機動六課の誰か一人がここで変身します。

《キュータマ解説コーナー》
タテキュータマ・・・タテ座を司るキュータマ。敵からの攻撃を防いだり盾を並べて侵攻してくる敵の足止めなどに使われる。

それでは次回の本編でお会いしましょう。

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