それでは本編をどうぞ。
ーミッドチルダ市街地ー
ラプターの案内でジャークマターが出現した場所へ駆けつけたラッキー達は、恐ろしい光景を目の当たりにする。
ティアナ「な・・・何なのあれ?」
スバル「インダベーと地上の管理局員が何かに操られてる・・・」
エリオ「しかも、インダベーの色も変です・・・」
キャロ「全員紫色です・・・」
スティンガー「間違いない。兄貴の毒でインダベーや地上の局員たちを洗脳したんだ。」
なのは「洗脳ってそんなことが出来るんですか?」
スティンガー「可能だ。兄貴の毒は殺害はもちろんのこと、しっぽを巻き付けてケリ技とともに毒を撃ち込むことも出来るからな。」
ティアナ「対処法はあるんですか?」
スティンガー「対処法というより、一言アドバイスをするとすれば、兄貴の毒は決して受けるな。毒を受ければ感染するからな。」
フォワード「了解!」
その時、物陰からスコルピオが姿を現した。
スコルピオ「久しぶりだなキュウレンジャー、そしてスティンガー。」
スティンガー「兄貴・・・」
小太郎「どうしてお兄さんが!お兄さんは元の世界で兄貴からアンタレスの毒を吸い出してくれた上に俺たちを庇ってくれたじゃないか!」
スコルピオ「俺もなぜか知らないが復活してな。」
小太郎「こうなってくるといよいよドン・アルマゲが復活したとみて間違いないかもね。」
スティンガー「さっきも言ったが、兄貴の毒は決して受けるな。 行くぞ!」
機動六課・キュウレンジャー「オッキュー! スターチェンジ!(セットアップ!)」
全員が変身あるいはバリアジャケットに換装すると戦闘を始めた。
スバル「インダベーたちは倒しても問題ないけど、地上の局員たちは気絶させるだけにとどめなきゃ!」
ティアナ「そうね。とは言え毒に操られている以上、どこから攻撃が来るか分からないから慎重に行きましょう!」
なのはとフェイトも背中合わせになりながらインダベー達や操られた地上の局員達を相手にしていた。
なのは「次から次へとキリがない!」
フェイト「確かに。これじゃ鼬ごっこだよ!」
なのは「けど、負けられないよねフェイトちゃん。」
フェイト「うん。」
一方のラッキー達は、各々のウェポンでスコルピオやインダベーたちに攻撃していた。
ラッキー「お前はスティンガーの毒を吸い出してくれた上に俺たちをドン・アルマゲの攻撃から庇ってくれた!おかげで俺たちはドン・アルマゲを倒すことが出来た!けど、なんでまたお前と戦わなきゃいけねーんだ!」
スコルピオ「さっきも言ったが、俺も知らない間に復活してたんだ。それ以上の事はさすがの俺でも知らないがな。」
エリオ「実の兄弟で殺しあうなんてそんなの悲しすぎます!」
キャロ「あなたにどんな経緯があってジャークマターに加担したかは私たちには分からないけど、ミッドの平和を脅かそうとする人は絶対に許しません!」
スティンガー「エリオ、キャロ・・・」
その言葉は離れて聞いていたフェイトの耳にも聞こえてきた。
フェイト(エリオ、キャロ・・・キュータマに選ばれてから前よりもしっかりしてきたな。)
スコルピオ「餓鬼にしては、根性があるじゃないか。」と言いながらスコルピオは尻尾を伸ばしてきた。
スコルピオ「だが、その根性が命取りだと言うことを教えてやろう。」そう言うとスコルピオは、伸ばした尻尾をエリオとキャロに向けて攻撃しようとしたその時だった。
フェイト「危ない!」そう言いながらフェイトがエリオとキャロの2人を突き飛ばし、伸ばされたスコルピオの尻尾による毒攻撃をまともに貰ってしまった。
エリオ・キャロ「フェイトさん!」
なのは「フェイトちゃん!」
スバル・ティアナ「フェイト隊長!」
毒をもらってしまったフェイトは、まるで操り人形になってしまったかのようにラッキーたちに襲い掛かってきた。
ラッキー「フェイト!一体どうしちまったんだ!」
キャロ「私たちを庇ってお兄さんの毒をまともに貰ってしまったんです!」
ラッキー「なんだって!」
スティンガー「兄貴〜!」とスティンガーが怒りをあらわにしつつスコルピオに突っ込んでいこうとしていた。
小太郎「兄貴、落ち着いて!」
スパーダ「そうだよ。怒りで我を忘れたらそれこそお兄さんの思う壺じゃないか!」と小太郎とスパーダの言葉で、スティンガーは、冷静さを取り戻した。
スティンガー「スパーダ、小太郎ありがとうな。」
小太郎「兄貴にはもう二度とアンタレスを使って欲しくないから・・・」
スパーダ「そう言えば、スティンガーの毒を解毒したの小太郎だもんね。」
スティンガー「そうだったな。あの時も小太郎に助けられたな。」
小太郎「とは言え、この人数を1度に相手にするのは流石に無理があるかも・・・」
スパーダ「確かに。操られている人達の中にはフェイトちゃんもいる訳だからね・・・」
スティンガー「解毒剤の材料がこの世界にあるかどうか・・・」
小太郎「その前にお兄さんから離脱できるかどうかでしょ?」
スティンガー「フェイトを眠らせることが出来れば、ラッキーのヒカリキュータマで離脱が可能だと思うが・・・」
小太郎「兄貴、ナイスアイデア!」そう言うと小太郎は、スバルとティアナ、エリオとキャロ更にラッキーに向けて大声で叫んだ。
小太郎「スバルさん、ティアさん!バインドでフェイトさんを抑えてください!」
スバル「なにか作戦があるの?」
小太郎「作戦というより、一時撤退です!」
ティアナ「こっちは人数が少ないからこのまま戦い続けても不利になるだけか・・・了解!」
スバル「なるほど、ミイラ取りがミイラになるのを防ぐためだね。了解!」
小太郎「エリオとキャロちゃんは、スバルさん達が抑えてくれている間にオヒツジキュータマを使って!効果は研修で教えたよね!」
エリオ「オヒツジキュータマの効果は確か・・・」
キャロ「対象者を眠らせることが出来る!」
小太郎「ラッキー!一度撤退するからヒカリキュータマの準備をしておいて!」
ラッキー「オ、オッキュー!」
小太郎「各自行動開始!」
小太郎の一言を合図に、全員が動き出した。
バインド担当のスバルとティアナは・・・
ティアナ「まさか、自分の上司を拘束することになるなんて・・・」
スバル「そういえばフェイト隊長はティアの直属の上司だもんね・・・どうする?あたしが掛けようか?バインド。」
ティアナ「いいえ。私が掛けるわ。クロスミラージュお願い。」
クロスミラージュ[All Right.Chain bind.]
クロスミラージュの音声が聞こえた後、フェイトに向けて銃口を向けると、ティアナは心の中で呟いた。
ティアナ(フェイトさん、今だけ大人しくしていてもらいます。)そう呟くとティアナはクロスミラージュのトリガーを引いた。するとクロスミラージュからオレンジ色の鎖が射出されフェイトを捉えた。
ティアナ「拘束完了・・・エリオ、キャロお願い!」
エリオ「ティアさん、ありがとうございます・・・キャロ、行ける?」
キャロ「うん・・・スバルさん、ティアさん!今からオヒツジキュータマを使います。このキュータマの効果は対象者を眠らせることが出来るんですが、余波としてスバルさんたちも眠っちゃうことになります。それを防ぐには目を閉じてください。そうすればスバルさんたちは眠らずに済みます。」
スバル・ティアナ「分かった(わ)。」
キャロは自分のセイザブラスターにオヒツジキュータマをセットした。
キャロ「フェイトさん、今だけ眠ってください。」そう言うとオヒツジキュータマを手前に倒した。
セイザブラスター<オヒツジ キュータマ! セイ・ザ・アタック!>という音声がセイザブラスターから鳴ると、スバルとティアナは目を閉じた。スバル達が目を閉じたのを確認するとキャロはトリガーを引いた。すると、羊の幻が回りながらフェイトのところへ向かいそれを見たフェイトはあっという間に眠ってしまった。
キャロ「小太郎君無事に眠らせられたよ!」
小太郎「了解!ラッキー!」
ラッキー「おう!」そう言うとラッキーは、太陽と月の装飾が施されたキュータマを持ち、赤い方を下にしてセイザブラスターにセットし2回左に倒した。
セイザブラスター<ヒカリ キュータマ! タイヨウモード! セイ・ザ・チェンジ!>
キャロ「ヒカリキュータマ?どんな効果があるの?」
小太郎「そういえば教えてなかったね。これは、ラッキーの強化変身に使われるキュータマだよ。」
エリオ「ラッキーさんていくつ強化形態持ってるの?」
小太郎「ペガサス、ヒカリ、サイコーキュータマの3つかな。」
キャロ「3つもあるんだね。」
小太郎「ヒカリキュータマはリバーシブル仕様だからどっちでも行けるんだけど、今回みたいに撤退したい場合だとか、懐中電灯が手元にない時はタイヨウモードの出番なんだ。」
エリオ「太陽光で照らすから?」
小太郎「そう。」
ラッキー「皆、この場から撤退する!各自撤退準備を!」
機動六課・キュウレンジャー「オッキュー!」
全員の返事を聞いたラッキーは、ヒカリキュータマの上部のボタンを押した。
セイザブラスター<テラシタイヨウ!>の音声と同時に太陽の飾りから眩しいばかりの太陽光が溢れてきて直視出来なくなったのかスコルピオは、目元を覆うと顔を逸らした。やがて光が収まると、ラッキー達の姿は無くなっていた。
スコルピオ「逃げたか・・・」
一方ラッキーたちは市街地の裏路地に逃げ込んでいた。
ラッキー「何とか逃げきれたか・・・」そう言うとラッキー達は変身を解除した。
エリオ「これからどうするんですか?」
ラッキー「一先ず、フェイトの解毒が最優先だ。スティンガー、頼む。」
スティンガー「オッキュー。」
キャロ「フェイトさんの解毒ってそんなことが出来るんですか?」
スティンガー「ああ。俺の尻尾は毒を注入することが出来るほか、解毒にも使えるんだ。」
キャロ「そうなんですね。」
キャロの言葉を聞きながらスティンガーは、フェイトの解毒をするために準備をしていたが、さすがにこのまま地面に横たわらせるわけにはいかないと感じたのか、エリオ達に向き直ると尋ねた。
スティンガー「すまないが、ブルーシートか何か無いか?」
エリオ「ブルーシートですか?あったかな・・・」
キャロ「うーん・・・」
スバル「無かったよね・・・」
ティアナ「それこそ、廃棄都市区画まで行かないと無いかもしれません。」
スティンガー「そうか・・・だったらこのキュータマの出番だな。」そう言うとスティンガーは、群青色のキュータマを手に取った。
なのは「そのキュータマは?」
スティンガー「テーブルサン座キュータマだ。」
なのは「テーブルサン座キュータマ?どんな効果があるんですか?」
スティンガー「その名の通りテーブルを出現させる効果がある。」
なのは「テーブルを?」
スティンガー「ああ。」そう言うとスティンガーは、自分のセイザブラスターに取り出したキュータマをセットし、手前に倒した。
セイザブラスター<テーブルサン キュータマ! セイ・ザ・アタック!>と言う音声がセイザブラスターから聞こえるとスティンガーは、ブラスターのトリガーを引いた。 すると、テーブルサン座の星座を描きながら折り畳みテーブルが具現化された。
いかがでしたか?スコルピオの毒に犯されたフェイトはどうなってしまうのか・・・それは次回の本編のお楽しみです。
それではこのコーナーに行きましょう。
《キュータマ解説コーナー》
オヒツジキュータマ・・・オヒツジ座を司どるキュータマ。対象者を眠らせることが出来るキュータマ。ただし、周りの人間も羊の幻を見てしまうため、発動者のそばにいるか、目を閉じる必要がある。
テーブルサンキュータマ・・・テーブルサン座を司るキュータマ。テーブルを出現させることが出来る。
オヒツジキュータマはキュウレンジャー本編に登場しているので効果が分かっている方は分かっていると思いますが、テーブルサンキュータマに関しては、キュウレンジャー本編に登場していないので効果に関しては完全にオリジナルです。またヒカリキュータマも登場しましたが、こちらに関してはキュウレンジャーの設定に載せているので省略とさせていただきます。
長々と解説失礼しました。それでは次回の本編でお会いしましょう。