宇宙の救世主と魔法少女 改稿版   作:如月スト

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アリスです。今回はタイトルにもある通りザンダバルドとの決着とフェイトの告白までを書きたいと思います。

それでは本編をどうぞ。


23話 決着と告白と

ーミッドチルダ市街地ー

 

変身が完了すると、救世主としての名乗りを名乗る。

 

フェイト「サンダースター ヘラクレスネオンゴールド!」

 

スティンガー「フェイトが変身した・・・」

 

チャンプ「ヘラクレスネオンゴールドか・・・良いじゃねーか。」

 

大量のインダベー達を相手にしていたバランス達も攻撃の手を休め、フェイトの変身を見届けた。

 

バランス「ごいすー!凄いよ!」

 

ツルギ「新たな伝説を目撃しちまったぜ!なんてこった!」

 

ショウ「こりゃあ、おっタマげたね!」

 

この様子は、機動六課の隊舎のモニターでも見ることができる為、出撃メンバーに選ばれ無かったキュウレンメンバーとスバル達はモニターで状況を見守っていた。

 

なのは「フェイトちゃんが変身した・・・」

 

シグナム「ライトニングではエリオとキャロに続いて3人目ヴィータも入れれば4人目なんだな。」

 

なのは「ですね。」

 

一方、ミッドの市街地では・・・

 

フェイト「変身できた・・・」

 

スティンガー「ああ。フェイトが、ミカの思いや俺を守りたいって言ってくれたからキュータマが現れたんだ。」

 

フェイト「私そんなこと言ったの?どさくさに紛れて何言ってるんだろう・・・」

 

スティンガー「だが、俺としては嬉しかった。」

 

フェイト「と今はあいつを倒すことに集中しなきゃね。」

 

スティンガー「だな。」

 

チャンプ「2人とも行けるか?」

 

フェイト「うん。とは言え私はキュータマを持ったばかりで色々迷惑かけると思うけど、2人の足を引っ張らないように頑張るから。」

 

スティンガー「心配するな。俺達がフォローする。」

 

チャンプ「ああ。我輩も出来る限りお前さんのフォローをするさ。」

 

フェイト「ありがとう、行こうか。2人の因縁を断ち切る為に!」

 

スティンガー「ああ。 究極の救世主 宇宙戦隊 キュウレンジャー!」

 

そこまで名乗るとスティンガーはキュースピアを、チャンプはキューアックスを持って言った。

 

スティンガー「お前の強さ 試してやる!」

 

そう言うと2人はザンダバルドへ攻撃を開始した。

 

インダベー達の相手を引き受けていたガル達はトドメの1発を放とうとしていた。

 

ショウ「皆、トドメ行くよ!」

 

ガル「ああ。」

 

バランス「決めちゃおう!」

 

ラプター「はい!」

 

ツルギ「伝説級のトドメをさしてやろう」

 

ガル達は、セイザブラスターにセットされたままのキュータマを2回手前に倒し、ショウは、リュウツエーダーの上顎を開閉し、ツルギは1度ホウオウシールドに収めてそれぞれ必殺技モードを発動させた。

 

ツルギ「フェニックスエンド!」

 

ショウ「ドラゴクラッシュ!」

 

ガル・バランス・ラプター「オールスタークラッシュ!」

 

全員が、それぞれの技を告げると一斉にトリガーを引いた。すると、それぞれの武器から放たれた光がひとつに集約し、インダベーの大軍に向かって放たれ、一直線にインダベー達の大軍を貫いた。

 

ショウ「後はスティンガー達の相手だね。」

 

そう言うとショウ達は前方で今も戦っているスティンガー達に視線を向けた。

 

一方そのスティンガー達はザンダバルドに苦戦していた。

 

フェイト「こいつ、強い・・・」

 

チャンプ「確かにな・・・」

 

スティンガー「だが、俺は1度奴を倒してるんだ。今回だって必ず倒す。」

 

フェイト「けど、どうやって倒すの?」

 

スティンガー「そうだな・・・俺達3人の同時攻撃で倒すというのは?」

 

フェイト「3人同時か。良いアイデアだよ。」

 

スティンガー「俺はこいつを使う。」そう言って取り出したのは紫色のキュータマだった。

 

フェイト「それはイッカクジュウキュータマ・・・」

 

スティンガー「ああ。」

 

フェイト「ミカさんの力を使うって事だよね?」

 

スティンガー「ああ。あいつはミカの悲しみを利用していたからな。」

 

フェイト「人の悲しみを利用しようだなんて許せない!」

 

スティンガー「行くぞ!」スティンガーの一言で改めて気合をいれると、3人はそれぞれ決めたとおりに攻撃を展開していった。 スティンガーは、イッカクジュウキュータマをセットする前に心の中で呟いた。

 

スティンガー(ミカ、もう一度俺に力を貸してくれ)そう呟くとイッカクジュウキュータマの絵柄を完成させてセイザブラスターにセットした。

 

チャンプは、キューアックスにオウシキュータマをセットしていた。

 

フェイトはと言うと、スティンガーに教えてもらいウェポンを組み立ててキュータマをセットしていた。

 

スティンガー「2人とも準備はいいな?」

 

フェイト・チャンプ「うん。(何時でも行けるさ)」

 

スティンガー「ザンダバルド!これで決着をつけてやる! ユニコーン・・・」

 

チャンプ「アルデバラン・・・」

 

フェイト「人の悲しみを利用してのし上がろうだなんて間違ってる!私達が絶対に許さない! コルネフォロス・・・」

 

スティンガー・チャンプ・フェイト「アンタレス!(インパクト!)」

 

3人が放った必殺技はひとつに集約し、ザンダバルドの心臓を1センチの狂いもなく貫いた。

 

ザンダバルドが爆散する直前スティンガー達は後ろを向き、ゆっくりとした歩調でガル達の居る方へと歩いてきた。

 

ガル「倒せたようじゃな。」

 

ショウ「チャンプから大体のことは聞いてるよ。ミカさんの無念晴らせたみたいだね。」

 

スティンガー「皆がインダベー達の相手をしてくれたお陰だ。感謝する。」

 

フェイト「どんな人だったんだろう?1度で良いから会って見たいな。」

 

とフェイトが言ったその時だった。スティンガーの制服のポケットに入っているイッカクジュウキュータマが光だした。

 

フェイト「私の言葉に答えてくれたのかな?」とフェイトが言うと、それに答えるようにイッカクジュウキュータマは光を増していった。やがて直視出来ないほどまで光りだしたのでその場にいた全員が腕で目を覆った。

 

光が収まると、スティンガー、チャンプ、フェイトの3人は真っ白な空間に居た。

 

フェイト「ここは・・・?」

 

???「ここは、イッカクジュウキュータマの中だ。」

 

ふと声が聞こえたので声のした方を振り返ってみると、女性が立っていた。

 

スティンガー・チャンプ「ミカ!」

 

スティンガーとチャンプには、女性が誰なのか一目で分かったようで名前を呼んだ。

 

ミカ「久しぶりだな。スティンガー、チャンプ。」

 

スティンガー「あの時、お前を守り切れなかったことが俺の中でどんなに悔しかったか・・・」

 

ミカ「お前たち2人には感謝してる。ずっと闇の中にいた私を救ってくれたのだから。」

 

フェイト「あなたがミカさん・・・」

 

その時、ミカがフェイトに気付いたようでスティンガーに尋ねた。

 

ミカ「スティンガー、こちらの女性は?」

 

スティンガー「俺達がこの世界に来てから、世話になっている女性だ。」

 

フェイト「初めまして。フェイト・T(テスタロッサ)・ハラオウンです。長いので、フェイトとお呼びください。」

 

ミカ「フェイトか・・・良い名だな。」

 

フェイト「あなたの事はスティンガーから聞いています。助けたかったのに助けられなかったって。」

 

ミカ「あいつがそんな事を?」

 

フェイト「はい。」

 

ミカ「そうか・・・」

 

ミカはそう言うと暫く黙っていたが、やがてスティンガーに声を掛けた。

 

ミカ「スティンガー、済まないが少しフェイトを借りてもいいだろうか?」

 

スティンガー「ああ。構わないが・・・」

 

スティンガーから許可を貰ったミカは、フェイトに話したいことがあると告げ、スティンガーから少し離れた。

 

ミカ「済まないな。」

 

フェイト「いえ。私もミカさんと話がしたかったですから。」

 

ミカ「そうか・・・」

 

フェイト「スティンガーから聞きました。ザンダバルドに憎悪と復讐心を植え付けられたって。」

 

ミカ「私はこの右手のせいで町民から迫害を受けていたんだ。」とミカは、自身の右手をフェイトに見せながら話した。

 

フェイト「聞いています。町の人たちから化け物呼ばわりされていたって。」

 

ミカ「だが、あいつと出会って交流していくうちに一度は罪を改めることが出来たのだが、再び迫害を受けた私は、町民たちを虐殺してしまってな。」

 

フェイト「ミカさんは手を差し伸べようとしていただけなのに・・・」

 

ミカ「今だから言うが、私はあいつのことが好きだったんだ。」

 

フェイト「それってどういう・・・?」

 

ミカ「最初に助けてくれた時彼は故郷の歌を歌ってくれてな。」

 

フェイト「サソリ座の歌ですね。」

 

ミカ「知ってるのか?」

 

フェイト「私もスティンガーに助けられたときに聞きました。」

 

ミカ「そうなのか?」

 

フェイト「はい。私の場合は、お兄さんの毒に侵されて助けるために眠らされてたんですけど、眠っていた時に歌ってくれたんです。」

 

ミカ「そうか・・・」

 

フェイト「はい。」

 

ミカ「キューエナジーとして宿る前に告白出来たらどんなに良かったか・・・」

 

フェイト「私もスティンガーの事が好きなんです。それに、私にも救世主としての力が現れたんです。」

 

そう言うとフェイトは、制服のポケットに入っているキュータマを取り出した。

 

フェイト「私は、ミカさんの思いもスティンガーも守ると決めたんです。」

 

ミカ「そうか・・・フェイト、私の想いお前に託しても良いか?そして、私に変わってどうかスティンガーを守って欲しい。」

 

フェイト「はい。私が、ミカさんの分もスティンガーを守ります。なので、イッカクジュウキュータマの中から見守っていて下さい。」

 

ミカ「その言葉を聞いて安心した。さあ、戻ろう。」

 

そう言うとミカは、後ろを向きスティンガー達の居る場所へと歩き始めた。

 

戻ってきたミカとフェイトを見てスティンガーは・・・

 

スティンガー「話は終わったのか?」

 

ミカ「ああ。話したい事は話せた。」

 

フェイト「うん、私も。」

 

ミカ「そろそろお別れだな。」

 

スティンガー「もうお別れなのか・・・折角会えたのに・・・」

 

ミカ「心配しなくて良い。私の力が必要になれば何時でも使ってくれて構わないさ。」

 

スティンガー「分かった。またお前の力を必要としたときにはいつでも使わせてもらうさ。」

 

フェイト「外に出たら、カモミールの花お供えしておきますね。お供えするとは言っても花瓶に挿すだけになってしまいますが・・・」

 

ミカ「私の好きな花知っていたのか?」

 

フェイト「これもスティンガーから聞きました。」

 

スティンガー「お前のことに関しては全部話してある。」

 

ミカ「そうか・・・」

 

フェイト「はい。だから安心して見守っていてください。」

 

ミカ「ああ。そうさせてもらうさ。それと・・・」そこまで言うとミカは、言葉を切りフェイトにだけ聞こえるように小声で言った。

 

ミカ「スティンガーの事宜しく頼む。」

 

フェイト「はい。」

 

スティンガー「何の話をしてるんだ?」

 

フェイト「外に出たら教えるよ。」

 

スティンガー「?分かった。」

 

ミカ「本当にお別れだな。私はイッカクジュウキュータマの中に居るから力を必要とした時は何時でも使ってくれ。」

 

スティンガー「ああ。さっきも言ったが、必要な時はまた使わせて貰うさ。」

 

ミカ「皆元気で。」そう言うとミカは、段々と遠のいていき次第にスティンガー達はホワイトアウトしていった。

 

フェイト達が目を開けたときそこはミッドの中心部だった。

 

フェイト「イッカクジュウキュータマから出られたみたいだね。」

 

スティンガー「みたいだな。」

 

そこへ、ガル達が駆け寄ってきた。

 

ガル「いきなりキュータマが光りだしたと思ったら突然三人が消えるけえ何事かと思ったガル。」

 

フェイト「心配かけちゃったね。ごめんね。」

 

ショウ「まあまあ、無事に帰って来たんだし良しとしようよ。」

 

バランス「だね。」

 

スティンガー「皆、先に帰っていてくれないか?俺とフェイトは元々の用事を済ませて帰るから。」

 

ガル「それは構わんが元々の用事って何ガル?」

 

バランス「ガル、それを聞いちゃ野暮ってものだよ~。」

 

ガル「ほうか?」

 

バランス「そうだよ~僕たつぃーは、大人しく帰りましよ〜。」

 

バランスの一言でショウ達は、それぞれのボイジャーに搭乗し六課の隊舎へと帰還した。

 

チャンプ「相棒、我輩の分の花瓶とカモミールの花も買って来てくれないか?」

 

帰り際チャンプが、スティンガーに自分の分も購入するように頼んでショウ達と同じようにボイジャーに搭乗し、六課の隊舎へと帰還した。

 

フェイト「何だか意図的に二人きりにされたような・・・」

 

スティンガー「だが、誰もいないのなら好都合だ。」

 

フェイト「それってどういう・・?」

 

スティンガー「俺とフェイトの共通点と言えば、親を亡くしてることだろ?最も俺の場合は一族皆だが。」

 

フェイト「うん。」

 

スティンガー「それにフェイトには今回の件で世話になったからな。」

 

フェイト「ううん。そんなこと言ったら私もお兄さんの件でお世話になってるし、スティンガーにはまだ何かあるって感じてたから。」

 

スティンガー「そうなのか?」

 

フェイト「うん。それに、さっき離れてた時にミカさんと話したんだけど、ミカさんスティンガーのことが好きだったみたいだよ。」

 

スティンガー「あいつが俺を?」

 

フェイト「うん。ミカさんも言ってた。キューエナジーとして宿る前に告白できたらどんなに良かったかって。」

 

スティンガー「ミカ・・・」

 

フェイト「キュータマが現れたときも言ったけど、改めて言うね。ミカさんの思いもスティンガーも私が守るから隣に居てくれ・・・ん!?」

 

フェイトが「ますか?」と言おうとした瞬間スティンガーによって唇を塞がれた。 数秒後唇を離したスティンガーが言った。

 

スティンガー「そこから先は俺に言わせてくれないか?兄貴の毒をもらったお前を解毒した時に決めたことがあってな。」

 

フェイト「決めたこと?」

 

スティンガー「ああ。フェイトのことは俺が守るって決めたんだ。」

 

フェイト「そうなの?私もイッカクジュウキュータマの中にいた時に、ミカさんから言われていた事があって・・・」

 

スティンガー「ミカに?」

 

フェイト「うん。スティンガーの事を守って欲しいって言われていたから。」

 

スティンガー「ミカがそんな事を・・・」

 

フェイト「うん。だから私もスティンガーの事を守るよ。」

 

スティンガー「俺たちを繋いだのはミカなのかも知れないな。」

 

フェイト「確かにね。 返事まだだったよね。喜んでお付き合いをさせて頂きます。」

 

スティンガー「ホントか?」

 

フェイト「うん。」

 

スティンガー「あいつではないが、ラッキーだな。」

 

フェイト「私も、スティンガーを守るっていう役目があるから、告白してくれて嬉しかったな。 さて、カモミールの花束と花瓶を買って帰って皆に報告しなきゃね。」

 

スティンガー「ああ。」

 

それからスティンガーとフェイトは、ミッドの市街地にある花屋へ趣き、カモミールの花束と花瓶をそれぞれ3個ずつ購入し、隊舎へと帰還した。

 

 




いかがでしたでしょうか?補足をさせてもらうとフェイトの使用ウェポンはスティンガーや小太郎、エリオと同じくキュースピアです。キューアックスにしようかとも思いましたが、同じ武器の方がスティンガーも教え易いだろうと思い、キュースピアにしました。

前話とこのお話を書くにあたってVシネマの主題歌である岸洋佑さんが歌う「見えない絆」をBGMにして書いていました。

最後は詰め込みすぎた感がありますがこの話で完結させたかったので私なりに満足のいく話が書けました。

それでは次回の本編でお会いしましょう。

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