艦隊これくしょん ~誰の為に海へ出る~ 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
25mm三連装対空機銃が唸り、襲来するたこ焼き型敵艦上爆撃機を迎え撃つ。そして、数発を喰らったたこ焼き型敵艦上爆撃機はバランスを崩し、横転し始めた。
「右! 弾幕が薄いよ! 何やってんの!?」
瑞鶴が怒鳴り、秋雲が返す。
「こっちだって精一杯だから!」
その横で、翔鶴が弓を引き、そして零式艦上戦闘機 五二型を飛ばす。しかし、50mと上昇しない内にたこ焼き型敵艦上戦闘機に撃墜される。
「……これじゃあ、七面鳥撃ちと変わらないわ」
「何言ってるの翔鶴姉ぇ!?」
瑞鶴が怒鳴る中、翔鶴の真上にたこ焼き型敵艦上爆撃機が回り込み、急降下する。
「翔鶴さん! 敵機直上、急降下!」
朧の警告に、翔鶴ははっとして上を見る。即座に秋月が迎撃体制に入るも、たこ焼き型敵艦上戦闘機の機銃掃射を受けてそれどころではなくなった。
「面舵いっぱい!」
翔鶴は右へ旋回して回避運動を取る。が、たこ焼き型敵艦上爆撃機もその動きに合わせてくる。そして、口の中から250ポンド爆弾が出てきた。
「――――!?」
翔鶴は目を見開く。もう、回避しようが無かった。
「止むを得ない、武力行使を許可する!」
「了解! VLS、1番開口! EA、攻撃始め!」
「Recommend fire!」
「Salvo!」
「翔鶴姉ぇっ!」
「翔鶴さぁん!」
瑞鶴と朧が叫んだ。
「インターセプト、3秒前! スタンバイ、マークインターセプト!」
「トラックナンバー1829、1920の破壊を確認!」
そして、250ポンド爆弾とたこ焼き型敵艦上爆撃機に何かが命中、爆散した。
「……ふぇ?」
「……えっ?」
瑞鶴、朧、秋雲、秋月が固まる。しかし、一番驚いたのは翔鶴だった。破片や煤を浴び、ぼろぼろになった頬をつねり、生きていると実感し、更に驚く。
「瑞鶴、何が起きたの?」
「私にも……って、怪我は無いの翔鶴姉ぇ!?」
「ええ、軽備よ」
しかしそこへ、たこ焼き型敵艦上戦闘機が機銃掃射を加えた。翔鶴と瑞鶴は離れ、迎撃を再開する。
敵艦上爆撃機が瑞鶴目掛け飛び込んでくる。
「しょうめんだ! ひとあわふかせてやれ!」
「うーらー!」
射撃班長妖精さんが指揮棒を手に叫び、射撃手妖精さんが射撃ペダルを踏み込んで25mm三連装対空機銃を唸らせる。
〔交戦許可が下りた。各機、交戦せよ。繰り返す、各機交戦せよ〕
〔了解、FOX2!〕
しかし、たこ焼き型敵艦上戦闘機が突然吹き飛んだ。見れば、他の敵機も次々と吹き飛んでいく。
「な、何!?」
朧が周りを見回す。すると、たこ焼き型敵艦上戦闘機の後ろに見た事が無い戦闘機が食らいつき、噴進弾を発射していた。
気付けば、敵機は全滅しており、敵味方不明の大量の航空機が遥か上空を飛んでいる。
「一体……何なの?」
「そうだ瑞鶴さん、敵艦隊は?」
秋雲の言葉に、瑞鶴ははっとした。
「ちょっと待って。彩雲に――え? 全滅?」
翔鶴達第5航空戦隊と戦っていた、空母ヲ級を中心とする艦隊は、全ての艦が傾いていた。
「さすが海自、余裕の戦いっぷりだ。練度が違いますよ」
「誘導魚雷とはいえ、百発百中……」
「長魚雷なのに、あんなに肉薄する必要があるのか?」