Fate/EXTELLA ブレイブヒーロー   作:鳴神 ソラ

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ついに月のアルテラと対峙し、彼女を救う為の戦いが始まる。


エクステラ10:対決、月のアルテラ

 

 

 

前回、ポータルまで辿り着いたヒロ達。

 

ひとまずの休息を終えた後、ポータルへと入り、月のアルテラのいる場所へと向かう。

 

Aアルテラ「………来たか、セイバー、ヒロ」

 

現れたアキレスD9やネロに玉座を背にしていた月のアルテラはそう言う。

 

ネロ「うむ、当然来たとも!貴様は相変わらず涼やかだな、月のアルテラ!」

 

切っ先を向けながら言うネロのを聞きながら思音はついに来たんだとグッ、とレガリアの中で手を握り締める。

 

思音「(ここまで来れた。別の時間の別の場所で消えた私の為にも…救うんだ。月のアルテラと…体の私(白凪思音)を…!)」

 

Aアルテラ「私と正面から交われば壊れるだけだ。私を止めたいのであれば、逃げながら戦う他ない……だというのに。お前達はこうして私の前に立つ。力の差を理解しながらもお前達は剣を私に向けてくる。滅びを回避するために戦いながら、滅びそのものを否定しない。いや、その価値を認めているのか。お前は不思議だ、深紅のセイバー。お前は……何だ」

 

決意を固めてる間に月のアルテラはネロへと問う。

 

ネロ「余は、余だ。人として生きた時も、英霊として刻まれ、サーヴァントとなった今も。人は誰しも自分を語る術は持たぬ。だがそれでも、今はあえて語るとしよう。目の前に立つ素晴らしい敵の為に」

 

目を閉じ、月のアルテラの問いに対してそう返した後に目を開いて語る。

 

ネロ「余は傲慢にして強欲、平穏より繁栄を、永続より英華を求める悪しき獣。舞い散る花に焦がれ、燃え盛る炎に焦がれ、滅び去った夜空の星の光に見取れるもの。それが余、暴君と呼ばれながらも己が生き方を変えなかった暴君、ネロ・クラウディウスである!」

 

力強く、己が名を告げた後に剣を切っ先を改めて向ける。

 

ネロ「この世に永遠などありはしないが、永遠を一つ勝たれと言うのなら、余はこの魂のカタチを挙げよう!悪しき遊星が全てを終わらせようとも、余の在り方を変える事はできぬと知れ!」

 

そう宣言するネロに月のアルテラは目を瞑り、少しして目を開けてネロを見る。

 

Aアルテラ「……永遠……決して変わらないもの、か。……そんなものは、この宇宙にありはしない。大人しく受け入れろ。全ては無駄、無為、お前達の存在にも行為にも意味はない。抗わずにいれば、私は速やかにお前たちを破壊しよう。……もっとも。我が(マスター)の三分の二をこちらへ引き渡した後で、だが…」

 

アキレスD9「月のアルテラさん…それはあなたの本心からの言葉なんですか?」

 

そう告げた月のアルテラに黙って聞いていたアキレスD9はそう聞く。

 

Aアルテラ「何?」

 

ネロ「ふむ。ヒロの言うとおりだ月のアルテラ。その言葉、どれも醜すぎて話にならん!そもそも、それは遊星の言い分であって貴様の言葉ではなかろう!」

 

アキレスD9のにネロも同意で月のアルテラへと鋭く指摘する。

 

ネロ「よって聞くに値せぬ!余がイヤでたまらぬのは滅びではない、醜いものこそ嫌うのだ!」

 

Aアルテラ「それがお前の基準と言う訳か。今までにない種類の英霊だ。……少し、面白い」

 

そんなネロに対して月のアルテラは少し口元を吊り上げて言う。

 

玉藻「面白いときましたか。淡白に見えてやはり胸に秘するものがあるようですね」

 

アルテラ「ネロの言葉に僅かに興味を持つなら少し話すのもどうだ。月の私よ」

 

その言葉に玉藻は感心し、アルテラは月のアルテラへと言葉をかける。

 

それに月のアルテラは剣を振るい、目を瞑って少ししてから目を開ける。

 

Aアルテラ「……お前達は私を人と呼ぶのだな。敵を追い詰め、蹂躙するだけのこの私を。破壊の化身である私を……」

 

アキレスD9「なら…破壊するだけならあなたには感情が無い筈です。けど、あなたは肉体の思音さんと楽しく話してた。例え大きさが違っても…僕らの様に楽しく話してました。そんなあなたが破壊だけの存在ではないと思うんです」

 

思音『えっと、ちょっと待ってヒロ…』

 

ネロ「大きさが違っていてもと言うのはまさかお主…」

 

自虐する様に言う月のアルテラへとそう言ったアキレスD9のに思音とネロは驚いた顔でアキレスD9を見る。

 

アキレスD9「はい、僕は寝ている時に肉体の思音さんと巨神のアルテラさんと話しました」

 

モードレッド「マジかよ!?」

 

玉藻「幽体離脱!?」

 

それに誰もが驚く中で月のアルテラは目を瞑る。

 

Aアルテラ「ああ、そうだったな」

 

肯定した後に彼女は語る。

 

自身が人として生きた時のを…

 

それには思音とネロも夢として見た事があったのだ。

 

Aアルテラ「……あの時、私は人だった……だが、違う。私はそこの私と違い、やはり怪物なのだ。草原のアルテラは泡沫の夢に過ぎない」

 

アキレスD9「違う!あなたも僕達と同じ生命です!」

 

胸の前で握り締めて言う月のアルテラにアキレスD9は否定する。

 

Aアルテラ「いいや、私は怪物だ。生命(おまえたち)の、文明(おまえたち)の〝敵”で在り続ける。私は怪物でも良い。我が(マスター)はあるがままの怪物(わたし)を受け入れた」

 

アキレスD9「肉体の思音さんがあるがままに受け入れると言ったのは、あなたが、大昔の地球で暴れまわった巨神としてではなく、今のあなたのままだからこそじゃないんですか!あるがままのあなたと言うのは!僕が出会った時のあなただ!月のアルテラさん!」

 

すぐさま否定した月のアルテラはアキレスD9の指摘に目を見開く。

 

Aアルテラ「だが人と怪物。星と遊星。私とお前たちではどこまでも平行線なのだろう」

 

ネロ「そうか。貴様はそう思うのだな。…………本当にそう思うのか?」

 

Aアルテラ「…?」

 

剣を取り出して切っ先を向けた月のアルテラはネロの言葉にどういう意味だとネロを見る。

 

ネロ「どうにもならぬのか?まだ、余たちも貴様も全ての可能性に立ち向かっていないというのに

 

玉藻「ええそうですね。使える手を全て使っていないのに諦めるのは早すぎなんですよ貴方は!」

 

そう言うネロと玉藻のを聞いていた月のアルテラは剣を降ろし…

 

アキレスD9「!!」

 

ガキン!!

 

刹那、振るわれた月のアルテラの斬撃をアキレスD9が防ぎ、ネロ達はそれぞれバックステップなどで後ろに下がる。

 

リリィ「!?いきなりですか!?」

 

ネロ「そうらしいな!」

 

攻撃にリリィが驚く隣で体制を立て直しながら剣を構える無言の月のアルテラへとそれぞれ己の武器を構える。

 

思音『これ以上の問答は無用という事みたいだね!仕方ない、セイバー!キャスター!』

 

玉藻「ええ、そうですねご主人様!」

 

ネロ「何をするにしても、まずはこの分からず屋を剣で負かしてからの話だなっ!」

 

その言葉と共に月のアルテラの周囲に遊星エネミーが展開される。

 

武蔵「さあて、私達は露払いと行きますか!」

 

アルトリアD「そうだな…ネロに玉藻、それにアルテラよ。マスターと共に月のアルテラに!」

 

タマモキャット「ここはキャット達が引き受けた。行きたいがグッと我慢してオリジナル達に譲ろう」

 

玉藻「雑魚は任せましたよ!」

 

ネロ「では行くぞ!」

 

その言葉を背にアキレスD9はアルテラとネロと玉藻と共に月のアルテラへと駆け出す。

 

アキレスD9「はあ!」

 

Aアルテラ「フッ!」

 

剣と剣がぶつかりあった後にアキレスD9を弾き飛ばした後に、月のアルテラはネロとアルテラの斬撃を避けたり防いだりして行く。

 

玉藻「そこっ!」

 

避けた直後の月のアルテラへと玉藻は呪符を投げ飛ばす。

 

Aアルテラ「フンッ!」

 

ズバッ!ズバッ!

 

それに対し、月のアルテラは剣を鞭の様にしならせて消し飛ばす。

 

アルテラ「鞭には鞭だ!」

 

それにアルテラも剣を鞭のようにして振るい、月のアルテラの剣とぶつかり合う。

 

ガキィン!ガキィン!

 

思音『セイバー!』

 

ネロ「うむ!」

 

そこにネロが割り込んで月のアルテラへと剣を横に振るう。

 

Aアルテラ「!」

 

ガキィン!

 

それを月のアルテラは防ぐがそこにレギウディアになったヒロの蹴りが炸裂する。

 

Aアルテラ「ぐっ!?」

 

玉藻「おりゃぁあ!」

 

ズドォオオン!

 

続けざまに玉藻が蹴りを叩き込んで、追い打ちと連続蹴りを浴びせる。

 

思音『!離れてキャスター!』

 

玉藻「!」

 

もういっちょ!とまだ蹴りを入れようとした玉藻は思音の警告に慌てて蹴りを中断して下がる。

 

その直後…

 

Aアルテラ「ふっ!」

 

ズドォオオオオオン!

 

月のアルテラは剣を上に掲げると共に月のアルテラの周囲を円形の衝撃波が迸る。

 

レギウディア「危なかったですね」

 

玉藻「ええ。ありがとうございますご主人様!」

 

思音『やっぱり強いね月のアルテラ』

 

玉藻の礼を聞きながら思音は月のアルテラの実力にそう呟く。

 

アルテラ「これでどうだ!」

 

その隣でアルテラは月のアルテラへと3つの光弾を放つ。

 

Aアルテラ「ふっ!」

 

バシュバシュバシュッ!!

 

それに月のアルテラは光弾を切り裂いた後にお返しと水流を放つ。

 

玉藻「なんと!?」

 

思音『キャスター!』

 

それに玉藻は当たりかけるが、レギウディアが割り込んでクローで両断する。

 

レギウディア「大丈夫ですか?」

 

玉藻「助かりましたよヒロさん」

 

聞くレギウディアに玉藻は礼を述べた後に再び札を投げてからネロと合流する。

 

ネロ「キャスター!同時攻撃をするぞ!」

 

玉藻「はい!セイバーさん!」

 

思音『2人とも頑張って!』

 

同時に駆け出したネロと玉藻は挟み込む様に左右から同時に攻撃を仕掛ける。

 

Aアルテラ「はぁっ!」

 

ブィン!

 

それに対して月のアルテラは鞭にして薙ぎ払う様に振るう。

 

ネロ「はぁっ!」

 

玉藻「とぉ!」

 

ガキィン!

 

それに対してネロと玉藻は防いだ後に蹴りを叩き込む。

 

ドゴン!

 

Aアルテラ「っ…ふんっ!」

 

ズドォン!

 

ネロ「っ……まだ、これだけの力を……!」

 

レギウディア「大丈夫ですかネロさん!玉藻さん!」

 

玉藻「ええ、なんとか」

 

顔を少し歪めた月のアルテラにより吹き飛ばされる2人へと駆け寄るレギウディアに玉藻はそう返した時…

 

Aアルテラ「……火神現象(フレアエフェクト)。マルスとの接続開始」

 

ネロ「!!」

 

距離を取った月のアルテラはそう言って剣の柄頭を上へと向ける。

 

その後に剣の柄頭から一筋の光が天へと向かって伸びて行く。

 

アルテラ「!発射する気か!」

 

ブィィィィィィン

 

その後に巨大な光がレギウディア達の頭上に現れる。

 

Aアルテラ「発射まで、二秒。軍神よ、我を呪え。宙穿つは涙の星――――――涙の星、軍神の剣(ティア―ドロップ・フォトン・レイ)!!」

 

ビュォオオオオオオオオオオオオオ!!

 

放たれた光の放流が迫り…

 

ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

 

辺りを白く包み込む。

 

Aアルテラ「花のカタチをした炎、水に浮かびしスイレン。そして青く輝く異界の星達よ、消えろ!私の前からいなくなれ!私には、破壊しかない!他には何もない……だから!!」

 

レギウディア「違う!あなたには……あるじゃないですか!……白凪思音と言う…あなたを受け入れると言った人が!」

 

ネロ「そうだ!それなのに滅びるしかないと言うのか!壊すだけの手では何も掴めないというのか!怒り心頭にも程がある!それこそが貴様の唯一にして最大の欠点だ!!」

 

白く包まれた中で叫んで否定する月のアルテラにレギウディアとネロは叫ぶ。

 

玉藻「目に見えるものが全てと思い、目に見えぬものを怖がる。自分は、世界に不要なものだと…あなたはそう言うのですね」

 

ネロ「それ余とて同じだ。所詮小さき人の身であれば、見えるものなど世界の僅かな欠片にすぎぬ。罪も犯す。過ちも。そして、いつしか償いを果たす時が来よう。だが貴様はまだだアルテラ!生命(いのち)を知らぬ貴様は、まだ世界に生まれ落ちてもいない!」

 

その言葉の後に光りが収まり、月のアルテラの目には肩を上下させるレギウディアが目に入る。

 

他は消滅し、奴は耐えたか…と考え、残ったレギウディアにトドメを刺そうとし…

 

Aアルテラ「ッ―――――――!?」

 

上からのネロと玉藻の同時攻撃を避けてから生きていた事に驚く。

 

レギウディア「ネロさん!玉藻さん!」

 

ネロ「そんな未熟者に負ける訳にはいかぬ………かつてすべてを諦め、自らを閉ざした愚か者の先達としてな」

 

玉藻「ええ、そうですね。セイバーさん、彼女にその教え、叩き込んじゃってください」

 

魔力を放出しながら月のアルテラに言うネロに玉藻も後押しする。

 

ネロ「うむ、貴様に魅せるは喝采の華。観念して味わうが良い、これが人の欲望、人の営みというものだ―――――!」

 

その言葉と共にネロは輝きながら発動する。

 

自らの宝具を…

 

ネロ「我が才を見よ! 万雷の喝采を聞け!座して称えるがよい…… 黄金の劇場を!!」

 

薔薇を取り出してそれに口づけをしてから上空へと放り投げ、薔薇の花吹雪が舞う中で剣を突き刺すと共に空間が黄金の劇場で包まれ、ネロが両腕を振り上げると共にさらなる輝きが発生する。

 

その光景に月のアルテラは目を、心を囚われる。

 

Aアルテラ「あ、あ……あ……!!分からない、分からない……!……なぜ、私に……こんなものを見せる……美しいものなど!私は!」

 

レギウディア「改めて見て分かる。この…ネロさんの一生が…様々な思いが詰まった宝具……」

 

思音『セイバーの黄金劇場はただ美しいものじゃない。あれは彼女という英霊の人生にして結論。華やかに生きはしたものの、人々に惨めに裏切られ、孤独のまま命を落とした皇帝』

 

戸惑う月のアルテラにレギウディアは黄金の劇場を見て言い、思音も紡ぐ。

 

思音『……その彼女が、こうも顔を上げて高らかに謳うのだ。繁栄も衰退も、裏切りも滅びもすべて含めて、自分の人生は良いものだった。美しいものだった、と』

 

Aアルテラ「―――――――――分からない。なぜ、こんな――――」

 

歴史を謡う吟遊詩人の様に紡ぐ思音のを聞きながら月のアルテラはやがて戦意を失くし、剣を消してその場に座り込む。

 

そんな月のアルテラへとネロは近寄り、剣を振り上げ……

 

カランカラン…

 

投げ捨てた。

 

その後にモードレッド達が現れて月のアルテラを見る。

 

ネロ「…………許せ、月のアルテラ。最後は少々卑怯な手に頼ってしまった」

 

顔を伏せたままの月のアルテラにネロは謝罪してから無事だった種明かしをする。

 

玉藻「月の王権の全力を以てすればあの光の柱を耐えることはできたかもしれませんがそれでは流石にレガリアが壊れかけません」

 

ネロ「それでは本末転倒だ。故に、搦手を使わせてもらった」

 

スカサハ「あの時、そなたが放った光の柱に飲み込まれたのはマスターを除いて全員、寸法違わず構成された疑似電脳体であったのだ」

 

伏せたままだった顔を上げる月のアルテラへと苦労しましたよねと玉藻は呟く。

 

未明領域へ行く前にミセスSが提案したのが、先ほどスカサハが言った様にアルテラに宝具を使わせる為にレギウディアを除いた全員を寸法違わぬ様に構成した偽物を使った囮作戦だったのだ。

 

レギウディアだけが本物だったのはヒロの提案で、1人本物がいる事で他のメンバーが偽物だと気づかれない様にする為だ。

 

思音『いやー皆を操作するの大変だったー;』

 

玉藻「お疲れ様ですご主人様」

 

労う玉藻にありがとうと言った後に思音はレガリアから出て来る。

 

レギウディアは座り込む月のアルテラへと手を差し伸べる。

 

Aアルテラ「……何、を……」

 

目の前のレギウディアの行動に月のアルテラは戸惑いを見せる。

 

Aアルテラ「何をしている、のだ……おまえたち……私には、まだ、戦う力がある……おまえたちを……破壊……できるのに……剣を……なぜ、捨てる……?」

 

レギウディア「あなたと話しがしたいからです月のアルテラさん。それに破壊するなら、さっきネロさんが剣を捨てた時にあなたは出来た筈です。けど、しなかった」

 

玉藻「その理由、もう分かっているんでしょ貴女は」

 

レギウディアの後にそう言う玉藻に続いてネロも前に出る。

 

ネロ「そんなもの、決まっておろうが。対話するためだ。本当のところ、貴様はどうしたいのだ。何を恐れて、何が欲しいのだ」

 

そう言ってから月のアルテラの目を見て再度問う。

 

ネロ「貴様には求めるものがあるのだ。故に余の言葉を無視できない。故に今も、マルスの剣で余を切り捨てぬ。答えよ。貴様は何を求め、同時に、何を諦めたのか!」

 

アルテラ「伝えて欲しい。月の私、そうじゃないとネロ達や私達にも分からない」

 

玉藻「そうです。教えてくれなきゃ何もわかりません」

 

自らの思いを込めて問うネロに続けて言うアルテラと玉藻の後にレギウディアも続く。

 

レギウディア「確かに貴方は他の人と違うと思います。怪物と言いますけど、あなたは僕達と言葉が語り合える。それに生きているのだから僕達は同じです。アルテラさん」

 

スカサハ「世の中には人の形をした怪物も存在する。怪物のままの怪物もいる。だが、マスターや思音は違うと考えている」

 

Aアルテラ「……なぜ……」

 

黙っていた月のアルテラは口を開く。

 

Aアルテラ「なぜ、そこまで……私の事を…。何だ……?私は、お前たちを知らない……お前たちだって、私を知るまい……なのに……どうして……私に、語りかけ続ける…」

 

問う月のアルテラにネロもレギウディアの隣に立って手を差し出す。

 

ネロ「……うむ、そこがちと違うのだ。余は見た。貴様と、彼方の奏者との出会いと別れを。ようやくこれを話せるか。少し、長いぞ」

 

そう言ってネロは語る。

 

自身と思音が見た体の思音と月のアルテラの一か月間のを…

 

その中であった思いを…

 

ネロ「見せられたのだ、ああ見せられたとも!たっぷり一ヶ月分な!データゆえ、時間にすれば二秒もないが―――あれは、正真正銘の人生の記録だった。貴様と、分割された肉体のみの奏者の、温かな日々だったのだ。ならば余も感情移入ぐらいする!魂すべてを込められた最上の舞台を見て、心を動かさぬものがいるか、バカモノ!」

 

語り終えてネロは己が見て感じた事を思いのまま伝え叫ぶ。

 

Aアルテラ「……見ていた……私を?遊星の事も……遥かな、過去の事も……現在(いま)のことも……」

 

アルテラ「そうだ。彼女達はあなたを大切に思う人からの思いのメッセージであなたを知っている」

 

驚く月のアルテラにアルテラはそう言う。

 

Aアルテラ「ならば、お前達は……最初から……私を……知っていた……私達二人を……私の、諦めた……私達が行き着く先さえも………」

 

レギウディア「顔を上げてください。月のアルテラさん。僕達は貴方と、あなたの思音さんが一緒にいられる未来を見てみたいんです」

 

ネロ「そうだ。余は断じて貴様を支持する。なぜならば!彼方の世界にて貴様が美しいと感じ、その別れを惜しんだものを――――余も、心の底から美しいと感じたのだ!」

 

アルテラ「生前、草原を駆け抜けたのと同じ様に、あなたは大切な人と寄り添った時間が愛おしく楽しかった。私も同じだ。マスターと共に過ごした時間。どれもが愛おしく楽しい」

 

そんな月のアルテラにレギウディアはそう言い、ネロとアルテラも続く。

 

ネロ「……そしてそれは彼方の奏者もまた同じだ。それを伝えたくて、守りたくて、あの奏者はこの道を選んだ」

 

玉藻「己の存在すべてを費やして、此方のネロさんとご主人様にへと記録を届けたのです」

 

アルテラ「………その結果が今現在の全てだ。月の私よ」

 

顔を上げた月のアルテラへと3人はそう言う。

 

ネロ「彼方の奏者はもう居ない。永遠に失われたが、その旋律(おもい)はこうして今も響いている。聞こえる筈だ。なぜなら同じ旋律が、この世界にあっても響いているのだから。―――その指輪の中でな」

 

その言葉に月のアルテラは自分の指にあるレガリアを見て抱き締める。

 

Aアルテラ「……私は……」

 

少しして月のアルテラは口を開き、ぼそりぼそり語り出す。

 

Aアルテラ「……遊星の……しもべ……尖兵……破壊の化身……殺戮の機械………そんな、ものより……!今は…!マスターと共にいたい…!今…マスターを想うこの私と……!彼女を失いたくない……!この世界に…私達も……生きて、いたい……!ふたりで…いつか、あの草原の風を……感じて……精一杯、生きて、生きて……生きて………いつか、人のように命を終わりたい……」」

 

涙を流しながら月のアルテラは顔を上げて叫ぶ。

 

その言葉と共に肉体の思音が月のアルテラのレガリアから出て来て、彼女を立ち上がらせる。

 

肉体の思音「……やれやれ。ようやくその言葉を口にしたねアルテラ」

 

苦笑気味に肉体の思音はそう言う。

 

肉体の思音「どうなる事かと冷や冷やしたよ。でもこれで、何をするべきか分かったよね?」

 

ネロ「うむ。確かに聞いた。貴様の想い、貴様の願い、全てを知った。彼方の余が好敵手(ライバル)と認めた乙女よ。今こそ、余はその願いを叶えたい。悪しき遊星を恐れる必要はない。余と奏者たちがレガリアを以て貴様を救おう」

 

そう聞く肉体の思音のにネロもそう言う。

 

そんなネロやレギウディア達を見て月のアルテラはモジモジする。

 

Aアルテラ「……あ……」

 

ネロ「む?」

 

よく聞こえなかったのでメンバーは耳を澄ませる。

 

Aアルテラ「……あり……」

 

玉藻「蟻?そんなの何処にもいませんけど…」

 

タマモキャット「オリジナルはバカだな~お礼を述べたいのだと思うぞ」

 

首を傾げる玉藻にタマモキャットはそう言う。

 

ただ、それは正解の様で月のアルテラはこくんと頷く。

 

Aアルテラ「……あり、がとう。セイバー…ヒロ。……感謝を。述べる。私達の在り方を知って、そう言ってくれる者がいるのだと分かった。それだけでも十分なくらいだ。だから……」

 

そう言ってからネロへとAアルテラは笑顔を浮かばせて…

 

Aアルテラ「……ありがとう」

 

心からの礼を言った。

 

ネロ「…………!!」

 

お礼と笑顔にネロは衝撃が走った後に目を輝かせて思音を見る。

 

ネロ「か、可愛いではないか……ありがとうと言いたかったなどと、まさかそんなにも可愛げのある反応とはっ。奏者よ!余は生涯、兄弟姉妹を求めた事はなかったがうむ、妹というものも悪くないなっ」

 

思音「セイバー、気持ちは大いにわかるけど今はやることがあるでしょ?」

 

キャスターもね…とネロを宥めつつ、バカにされた事でタマモキャットと追いかけっこをしている玉藻にも注意する。

 

ネロ「……うむ、うむ。分かっているとも。有言実行こそが余であるからな」

 

気を取り直す様に咳払いしてからネロは月のアルテラに真剣な顔で見る。

 

ネロ「二言なく、余達は貴様たちを救いたい。そのためにはおそらくマルスの剣が必要となる。……大切な宝具であろうが、貸してくれるか?」

 

そう聞き、月のアルテラは頷いてから肉体の思音を見て、肉体の思音も頷いたのを確認するとネロの前に軍神の剣が現れる。

 

肉体の思音「ありがとう。それじゃあ、後はお願いしますね」

 

レギウディア「え?」

 

出て来た言葉に誰もが驚いた時、突如肉体の思音の体が光り出し、足から漏れ出す様に光が飛んで行く。

 

Aアルテラ「な――――マスター!?」

 

ブィン

 

ネロ「これはどういうことだ!?なぜそちらの奏者が消えかけている!?」

 

それに驚いて近寄ろうとした月のアルテラを肉体の思音は制して、その間に軍神の剣は消える中でネロも驚く。

 

思音も驚いていたがすぐさまある事を思い出す。

 

思音「そんな、まさか…あれはそう言う選択だったの……!?」

 

Aアルテラ「待って――――待ってくれ、助けてほしい!セイバーのマスター!私の、私のマスターを、助けて――――」

 

驚愕する思音へと懇願する月のアルテラに肉体の思音は首を横に振る。

 

肉体の思音「いえいえ、それは不可能です。と言うか、ここに来るまでの全てが不可能の連続だったと思います。だから、ほら。ここまで不可能を可能にしたんだから、きっちりこれぐらいは道理に合った事いけません?そうでしょう、そちらの私?これが当然の結末だと貴女なら分かっていますよね?」

 

そう声をかける肉体の思音に思音も複雑な顔で頷く。

 

スカサハ「まさか、不可能を可能にして来た分、肉体の思音自身が存在消滅しないとダメと言う事なのか?」

 

モードレッド「はあ!?」

 

ネロ「な……それはどういう事か、奏者!?彼の奏者は倒された訳ではない!こうして無傷だというのに、何故……!?」

 

肉体の思音「時間が来たんです。ちょうど今があの時の時間。あっちの世界で、アルテラがセファールを倒した後の時間。私はこの時間にアルテラを救うと決めた。時間を逆行して、自分の記録を彼女に送った。その結果――――こうして、この世界の結末は変わった。運命を変えたんだ。けど、その為には決して変えられない前提が必要だ。それが、スカサハの言う”この時間に私が消える”という事実。こればかりはどんなペテンをしても変えられません。だって、この事実まで変えたら記録を送る、という行為が無くなってしまう。パラドクスの問題だけど、ここだけはきっちり守らないと」

 

リリィ「そんな…なんとかならないんですか!?」

 

ハッとなって言うスカサハのに驚くモードレッドやネロ達に肉体の思音はそう言い、リリィが必死に聞くと肉体の思音はなんとかなると言うかを首を横に振ってないと言うのを答える。

 

肉体の思音「……ええ。というより、これだけは諦めてほしい。白凪思音に記録が届けられた時点で、私にはこの結果しかなかったのです。どのみち、この先生き延びてそちらの私に統合されても私の自意識は消失する。だから―――本当に、ここまでたどり着けて良かった。……一時だけの自意識であっても、その人間性は本物だと。言葉ではなく、結果として貴女に示せたのですから、アルテラ」

 

Aアルテラ「でも――――――でも――――――ああ、消えて、欠けて、いく――――――やだ――――――でも、なんで――――――?なぜなのか、わからない。知っていた……自分が消えると知っていた?知っていて――――私にあんな―――――私にあんな、良くしてくれたのですか?私を恨むことなく―――――あんなに、楽しく――――?」

 

必死に言葉を出す月のアルテラに肉体の思音は笑う。

 

肉体の思音「でも本当によくやってくれた。これは何度でも繰り返せる事じゃなかった。たった一回きりの、失敗できないチャレンジでした。途中ヒロ君たちが介入してきたからどうなるかドキドキしたけど協力してそれをきっちり仕上げたんだ。流石は本当の私。伊達に聖杯戦争の勝者じゃありません」

 

そう褒める肉体の思音のに思音は悔しそうに顔を歪める。

 

肉体の思音「さて――――じきにタイムロックがかかります。そうすれば、この世界が”次の展開”の基本になります。だってここが他に比べて一番根強く、力があり、安定し、なにより可能性に満ちた世界だから。あと数時間待ちさえすれば、アルテラの夢は叶う。だから、これでいいのです。これで私の存在意義は完了しました。……肉体に芽生えた一時の意識だったけれど。本当に、充実した時間を過ごせたのです」

 

Aアルテラ「駄目だ……いやだ、いやだ!マスター……!駄目だ、このまま、では……消える……!マスターが……消えてしまう……!それでは意味がない……!一緒に、一緒にいると言ったのに……!」

 

アルテラ「その通りだ!お前は!月の私に嘘をを付くのか!」

 

そう言う肉体の思音に月のアルテラは涙を流しながら必死に言い、アルテラも鬼気迫る顔で言う。

 

肉体の思音「……そうだね。そこは謝るよ。大きな嘘をついてしまった。でもほら、頑なだったのはお互い様だし。そこは大目にみてください」

 

Aアルテラ「ば―――――」

 

そう言う肉体の思音に月のアルテラは言おうとして止められる。

 

肉体の思音「アルテラ。最後だからよく聞いてね。悲しんでもらえるのは嬉しいし、やっぱり悔しい。でも、これが人間なんだよ。私達の命は短い。永遠には生きられない。だから―――――限りのある命で、何をするかを考える。私の夢は、アルテラが草原を駆ける日がくる事でした。それはきっと叶えられる。ここで私はなくなっても、貴女が後に続いてくれる。一緒にいるということ――――生き続けるとはそう言う事なんだって、私もなんとなく分かったんだ。それが全ての肉体に芽生える共通の願いだって」

 

Aアルテラ「…………っ。……でも、それでも私は――――おまえ、と……」

 

レギウディア「そうです!そんなの間違ってます!思音さんとあなたは今は違う!月のアルテラさんのマスターは肉体の思音さん!あなただけです!そんなの生き続けるじゃない!ただの押しつけです!!」

 

思音を見て言う肉体の思音に悲しみで言葉が途切れる月のアルテラの後にレギウディアが怒鳴る。

 

そう言われても…と肉体の思音は困った顔をした後に思い出した様に自身のレガリアを外す。

 

肉体の思音「と、本気で時間がありません。レガリアは渡します。ただこの肉体は諦めて。ここでそちらに統合されると台無しですから」

 

そう言って思音へとレガリアを投げ渡す。

 

思音「……分かってる。精神と魂が結合されたから疑似霊子は安定して新しい肉体を造って、その肉体で結合する事が出来る。だけど、同一の存在がいたら出来ない…彼女が消えて初めて、(白凪思音)は体を作れる」

 

ネロ「ばかな!それでは意味がない!いや、頑張った甲斐がない!余は貴様の……そなたの決意を知っている!最期の夢も知っている!だからこそ剣を取ったのだ!奏者―――――いや、奏者とは異なる思音よ。そなたの願いがあまりにも眩しかったから、それを見てみたいと願った!なのに――――これはない。こんな結末があってたまるか!余は――――そなたと、アルテラとが二人で手を取り合う姿を、やきもきしながらも、美しいと感じたのだ――――」

 

レギウディア「そうですよ!月のアルテラさんを悲しませて…何が願いが叶うですか!何が幸せなんですか!!!!そんなの!僕は認めません!!!」

 

悲痛な顔でレガリアを受け取って握り締める思音の後にネロは肉体の思音へと叫び、レギウディアも手を握り締めて叫ぶ。

 

肉体の思音「……いy」

 

「そうじゃのう。こんな結末、ちっとも面白くない。消えるのが運命?決まっていたこと?くだらない。実にくだらないのう」

 

刹那、言おうとした肉体の思音を遮り、別の声がレギウディア達に同意する。

 

レギウディア「ミセスSさん!」

 

玉藻「何時の間に?!」

 

ミセスS「やれやれ、予想通りじゃな。残りし者達にあとは任せて消えようとするとは…ホントお主は思音なのじゃな」

 

アルトリアD「予想通り…つまり、こうなる事を想定していたと言うのか?」

 

驚くメンバーに頭を掻きながら近寄ったミセスSにアルトリアDは問う。

 

ミセスS「無論じゃ。彼女の結末はだいたい見たからのう」

 

ネロ「ならば!どうすれば良いのだ!どうすれば異なる思音を救えるのだ!」

 

必死に聞くネロにミセスSは落ち着けいと宥める。

 

ミセスS「バックアップを作れば良いんじゃよ」

 

レギウディア「バックアップ…ですか?」

 

スカサハ「成程、ここは電子の世界…ならば何かに保存しておけば問題ないと言う事だ。無論、ちゃんと思音が肉体を造れる様にしてな」

 

出て来た言葉にレギウディアは戸惑う隣でスカサハが彼女のやろうとしてる事を理解してそうであろう?とミセスSを見る。

 

ミセスS「そうじゃ。これなら消えても元に戻せるじゃろ?」

 

それを聞いて月のアルテラはミセスSの手を握り締める。

 

Aアルテラ「ならば頼む!マスターを!マスターを助けてくれ!」

 

レギウディア「僕からもお願いします!」

 

ミセスS「ワシは別にいいんじゃが本人がのう…」

 

頭を下げる月のアルテラとレギウディアに返した言葉に誰もが肉体の思音を見る。

 

肉体の思音「わ、私は…」

 

レギウディア「肉体の思音さん…いえ、月のアルテラのマスターさん!あなたが月のアルテラさんの幸せを願うならば一緒にいるべきです!悲しませたまま消えるのは許しません!一緒に生きて!最後になるまで!一緒にいてあげてください!!!」

 

戸惑う肉体の思音にレギウディアは強く肉体の白凪思音ではなく、いち月のアルテラのマスターへと強く言う。

 

その言葉と仮面に隠れてはいるがその奥からみつえるヒロの真剣な目に動かされたのか肉体の思音はミセスSへと顔を向ける。

 

肉体の思音「……バックアップすれば私は消えなくて済むし、彼女は肉体を造れるの?」

 

ミセスS「消えないというより復活すると言ったほうが良いかのう。いったん消えた後、その直前までの記憶を持った状態のお主を復活させれば……」

 

確認する肉体の思音にミセスSはそう返す。

 

それを聞いて肉体の思音は月のアルテラを見てからレギウディアを見る。

 

肉体の思音「…戻るまでの間、アルテラをお願いするね。ヒロ」

 

レギウディア「…はい!」

 

頼む肉体の思音にレギウディアは力強く頷く。

 

肉体の思音「お願いします」

 

ミセスS「うむ。では此処では危ないから別の場所で行おう」

 

肉体の思音「え?危ないって……」

 

シュン

 

頭を下げてからミセスSの口から出て来た言葉を聞く前に、肉体の思音とミセスSは消える。

 

それを見送ってから月のアルテラはレギウディア達へと顔を向ける。

 

Aアルテラ「…………ありがとう。ああ、言い慣れない筈なのに私は礼を言ってばかりだ。悪くないな。誰かに、感謝を言えるのは…」

 

ネロ「そうであるか、うむ。本当に良かったぞ」

 

改めて礼を言う月のアルテラにネロはそう言う

 

Aアルテラ「そうか。では私も一時戻るとしよう……」

 

シュウウウウウウウ

 

そう言ってAアルテラの体から光が漏れ出す。

 

レギウディア「戻るって…巨神の方にですか?」

 

Aアルテラ「ああ、そうだ。この記憶を持ったままな。そして戻ったらあの石室から出て、お前たちに力を貸そう」

 

そう聞くレギウディアに月のアルテラは肯定してそう言う。

 

アルテラ「そうか…よかったな。月の私よ」

 

Aアルテラ「ああ、ありがとう英霊の私。お前のマスターが居てくれたから私のマスターは消えなくて済んだ。ネロ達もそうだ。ありがとう」

 

アルテラとそう言葉を交わしながら月のアルテラはレギウディアとネロの前に立つ。

 

Aアルテラ「お前達が、私を救うと言ってくれた時、私は、初めての体験をした。感じ続けた恐怖を、焦燥を、あの瞬間……私は、ほんの一瞬だけ忘れられた。あれを指して、人は、そう呼ぶのだろうな…希望と…」

 

メンバーを見渡して月のアルテラは言うと再び軍神の剣が現れる。

 

ネロ「マルスの剣……」

 

現れた剣をレギウディアはネロを見て頷き、頷き返したネロが手に取る。

 

Aアルテラ「そう、軍神の剣。私の……わたしの力であったものです。わたしが、わたしであった()()()

 

マリー「あら、口調が?」

 

タマモキャット「キャラチェンジか?キャラチェンジか?」

 

ヒロインX「いや違うでしょ」

 

微笑んで言う月のアルテラの口調の変化に誰もが少し驚く中でレギウディアと思音は巨神としての言葉だと理解する。

 

Aアルテラ「キャラチェンジと言うか人格チェンジの方があってますかね?」

 

モードレッド「いや、あんたも素直に乗らなくて良いからな。乗ると結構脱線するし;」

 

玉藻「キャットはしばらくお口チャックしてなさい」

 

そう言う月のアルテラにモードレッドはツッコミを入れて、玉藻は注意する。

 

気を取り直して月のアルテラはネロを見る。

 

Aアルテラ「これを使ってくれ。未明領域に存在する遊星の欠片、その(コア)を破壊するために必要となるだろう。統合されたレガリアの王権だけでは、遊星の欠片は砕けない。だか、軍神と遊星の力を併せ持つ剣ならば……きっとセラフに残る遊星の勢力を一掃できる」

 

レギウディア「分かりました。必ず後で合流しましょうね!」

 

そう言うレギウディアに月のアルテラは微笑んだ後…消えた。

 

思音「さて後は…」

 

???「ふん、余計なことをしたなあの科学者」

 

見届けた後に思音は言おうとして不愉快そうな声に誰もがそっちを見る。

 

そこには黒幕であるアルキメデスが立っていた。

 

ネロ「アルキメデス!」

 

レギウディア「この人が!」

 

アルキメデス「せっかく胸がすく結末を見れると思ったのに邪魔をして……ホントエリザベートと同じくらい面倒な存在だな」

 

構えるネロ達に目を向けずに月のアルテラがいた場所を睨み、心底苛立った様子でアルキメデスは毒づく。

 

モードレッド「おい、てめぇ、胸がすくだと?」

 

ネロ「一人の英雄が終わる瞬間を見て、清々すると?」

 

アルキメデス「言ったとも。多少違ったがここまで理想通りに計画を進められたのは初めてだからな。そして同時に決着でもある」

 

レギウディア「決着?どういう意味ですか!」

 

怒るモードレッドとネロのにアルキメデスから出て来たのにレギウディアは問う。

 

アルキメデス「前回の世界の白凪思音の功績か?レガリアはついに統合され、英霊の真似事をして動き回るアルテラも予想とは違うが消えた。御機嫌よう皇帝陛下。そしてムーンセルに選ばれたマスターに異界より来たりしイレギュラー達よ」

 

ネロ「―――――――――」

 

思音「ホント忘れられない。最初に出会った時に倒すべきだった。さらにその言い方、アルキメデス。ここでずっと見ていたのね。皆と月のアルテラの戦いを、セイバーとヒロ君の語る言葉を、彼女と悲しみながら消える筈だった月のアルテラを…嘲笑って!」

 

ふざけた感じに挨拶するアルキメデスにネロと思音は強く睨む。

 

アルキメデス「その通りだが無茶を言わないでいただきたい!嘲笑って何が悪い?むしろ、笑う所だろう、アレは!あの科学者が来るまでは抜群に、抜群に面白い見世物だった!私はこう見えても芸術にも理解のある数学者だ。だからこそ高らかに論じよう!」

 

そう言って腕を上げて高らかに言う。

 

アルキメデス「まさに最高の喜劇だった!アレを救う?願い?希望?破壊のみで構成された尖兵に悲哀を求めるとは!ありがとう諸君、おかげで私も喜劇(コメディー)の神髄に触れた思いだ!笑いとは理解及ばない愚行から生まれるものだとね!」

 

ネロ「……貴様……」

 

笑みを浮かばせて語るアルキメデスにネロは手を握り締める。

 

アルキメデス「だが残念だ。それほどの名演が無為に終わると思ったらまさかあんな邪魔が入るとはな。だがしかし、私は問いたい白凪思音よ!貴様は言ったな。今度こそアルテラを救うと。私の企みを阻止すると。ハ―――――ははははははははは大爆笑だ、思考が冴える!大口を叩いておいて救えたのはあの肉体のマスターだけではないか?しかもそれもあの科学者が居なければ救えなかった。それ以外では何が変わった?何か変わったかね?破滅の結末は何一つ変わっていないというのに!」

 

レギウディア「変わりましたよ。確実に」

 

語っていたアルキメデスはレギウディアの言葉に眉を顰める。

 

レギウディア「お前は上辺しか見ていない。ただ、劇の様に例え、全ての行動が予想出来ると考えている。それに必死に思いを伝えたネロさんや思音さんの行為は無為なんかじゃない!あの2人が頑張りがあったから、月のアルテラさんは尖兵としての存在ではなく、1人の存在として改めて自分と向き合えた!アルキメデス!お前の考えてる通りには行かないぞ!」

 

言葉と共に指を叩き付けるレギウディアにアルキメデスは不愉快そうに顔を歪める。

 

アルキメデス「チッ、平行世界からの乱入者が五月蠅いことを……貴様らはアルテラをほだし、味方に引き入れたと言いたいのだろう?だからこそ軍神の剣があると。だがね―――――アルテラと対話し軍神の剣を譲られ、石室に眠るセファール……尖兵の本体とも協力し合える結果になった、と?」

 

モードレッド「それがどうした?」

 

出て来た言葉にモードレッドはそう返すとアルキメデスは笑いだす。

 

アルキメデス「は、はははははははははは!馬鹿め、本体などとっくに処理済みだ!全ては貴様たちのおかげだよ!」

 

リリィ「処理済みって……」

 

アルトリアD「まさか貴様、石室に居るアルテラを……」

 

出て来た言葉に誰もが驚く中でアルトリアDの言葉を肯定する様にアルキメデスは愉快そうに語る。

 

アルキメデス「ああ。セファールはむしろ邪魔ものだった。アレがある限り、星舟は私の制御下におかれないのでな。だが私一人ではセファールを処理できない。やつが自閉モードに入り、唯一の意識であるアバターが隙を見せない限りは」

 

レギウディア「その為に見ていたと…」

 

告げられた事にレギウディアは手を握り締める。

 

アルキメデス「分かるかね?その隙を作ったのは貴様たちだ。ははは喜べ!まさに貴様たちこそがセファールを倒す要因になったのだ!」

 

ネロ「……もうよい、黙れ。もはや貴様には一片の恩情も、一片の理解もないと知れ、アルキメデス。貴様が誅されるのは不敬のためではないぞ!余は、許さぬ。ああ許さぬ!!」

 

その言葉の後に軍神の剣を消し、自らの剣を出現させて切っ先を向ける。

 

ネロ「嘲笑ったな!貴様は奏者の決意を、消えると聞いて流れた月のアルテラの涙を愚弄した!その罪!その業!余の寛大さを以てしても許されないと知れ!」

 

玉藻「それは私も同じ気持ちですセイバーさん。この屑は自分が言った事全て後悔させてやりませんとね!」

 

咆哮するネロに玉藻も同意してアルキメデスを睨む。

 

アルキメデス「は――――――もう喜劇は充分だ。これ以上となれば些か()()()ぞ、無能の皇帝と九尾。よもや此処で私達を倒せるとでも?」

 

その言葉と共に月のアルトリアと月のジャンヌが現れる。

 

月のジャンヌは自らの意思ではないのでその目に光りはなかった。

 

アルトリアD「私達か…月のジャンヌを強制的に堕とし、そして月のセイバーの私を仲間にして得意げの様で…哀れだな」

 

アルキメデス「ふっ、何とでも言うがいい。これでも私達を倒せるというのか皇帝陛下?」

 

ネロ「無論!貴様らを討ち、遊星の欠片もいずれ破壊してくれる!」

 

そんなアルトリアDのにアルキメデスは愉快そうに言うのに対してネロはそう強く返す。

 

アルキメデス「いずれ、か。態度のわりには謙虚じゃあないか。なあに、遠慮する必要はない――――」

 

そう言ってアルキメデスは天を見上げて両手を振り上げる。

 

アルキメデス「今!ここで!私が終わらせてやろう!!そら、お望みのモノが来るぞ!」

 

その言葉に誰もが同じ様に天を見上げる。

 

すると今までなかった空に黄色く輝く正八面体が現れる、

 

レギウディア「あれは!?」

 

アルキメデス「言っただろう、破滅の未来は変わらないと!貴様たちの活躍によって、遊星の欠片―――――星舟は私の制御下に入った!これこそが暗黒の宇宙より来たる箒星!あらゆる文明を終焉させる収穫の星(ハーヴェスター)!ヴォイドセル集合体――――――――――――――――――――――――ヴェルバーだ」

 

現れたのに驚くレギウディアにアルキメデスは名を言う。

 

スカサハ「あれがヴェルバー!」

 

玉藻「っ、これはマズいですよ皆さん!このままヴェルバーが落下すれば…」

 

驚く面々にすぐさま分析した玉藻が言おうとして変わりにアルキメデスが得意げに言う。

 

アルキメデス「そうだ。このまま星舟はセラフの七層全てを突き破り、ムーンセル中枢に侵食し同化する。それで終わりだ」

 

タマモキャット「ならばお前をぶっ倒せばいいと言う事だな」

 

玉藻「確かにあれを操作しているアルキメデスを倒せば少しは方向を変えれるかもしれないですね!」

 

嬉しそうに言うアルキメデスにタマモキャットはシャキーンと爪を輝かせて言い、玉藻も同意して札を構える。

 

うむ!とネロも気合を入れた後に思音はネロのレガリアへと入る。

 

ネロ「希代の天才アルキメデスよ!貴様の企みは、余と奏者とキャスター、そして異界の戦士達が斬り伏せる!」

 

アルキメデス「は、それこそ望むところ。人間の営みは私が否定する。たかが英霊、たかが異界の戦士如きがヴェルバーを前に何処までやれるものか!私に見せろ!そして、ははは!」

 

笑った後に自身の武器である歯車の様なチャクラムを出現させる、

 

アルキメデス「星々に愚かさを証明するがいい!この星の知性体は、一万四千年前から何も成長しませんでしたとなぁ!」

 

武蔵「あっきれた。そこまで人を否定する奴に負けるつもりはないよ!」

 

ネロ「―――――そこまで人を否定するか。我が魂こそは原初の炎、熱く盛る、英華繁栄を誘う薔薇!人の有する無限の才と果てない情熱!その具現こそ、英霊としての余であると知れ!―――――滅ぶのは貴様だ!アルキメデス!!」

 

そう言うアルキメデスへと武蔵とネロの言葉と共に対決が始まる。

 

 

 

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