Fate/EXTELLA ブレイブヒーロー   作:鳴神 ソラ

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ヒロ達はネロ達と出会い、現状を知って協力する事を決める。

そして先ずは玉藻の説得に入った。


エクステラ02:都の玉藻

 

前回から翌日、ヒロはネロと思音と共に玉藻の領地である千年魔京に来ていた。

 

今はアルテラとモードレッドにタマモキャットを連れて、後のメンバーは防衛の為に留守番する事になった。

 

ネロ「ほぅ、なかなか良い場所だな奏者よ」

 

思音「うん、そうだねネロ」

 

舞い散る桜や風景を見てそう述べるネロに思音も同意する。

 

ヒロ「確かに桜が綺麗ですね」

 

モードレッド「本人と同じ様に和風だな」

 

タマモキャット「それですぐに直行か?直行するのかワン?」

 

同じ様に建物や風景を見て感想を述べるヒロとモードレッドの後にタマモキャットが質問する。

 

ネロ「それにはまずレイジマトリクスを完成させぬとな」

 

モードレッド「あー確かそうしないといけないんだったな」

 

そう言うネロにモードレッドは休む前の間に説明された事を思い出して頭を掻く。

 

ネロ「うむ、そうだ。ところで奏者よ。玉藻支配領域。仮にこれなる桜の都を余はそう呼ぶことにした」

 

タマモキャット「単純でわかりやすいネーミングだワン」

 

頷いた後に思音へとそう言うネロのにタマモキャットはそう言う。

 

ネロ「うむ、何事も分かりやすさ、伝わりやすさは重要だ。どうだ奏者よ……」

 

思音「…………」

 

そう言って思音へと声をかけるネロだが思音は考え込んでいるようで無言であった。

 

ネロ「むむ。奏者……?」

 

ヒロ「し、思音さん?」

 

2人は声をかけるが思音は返事をせずにその場を往復する。

 

思音「(今、記憶通りの進行であるとしたら月のアルテラは地固め(・・・)の最中、玉藻のレガリアを速やかに統合できれば遊星側に強力なサーヴァントが……)」

 

ヒロ「思音さん!」

 

考え込む思音へとヒロは強く声をかけ、それにより思音ははっとなる。

 

思音「!え、あ、うん。何かな?」

 

ネロ「奏者よ、焦る気持ちはわかる。今、月だけではない。世界が悪しき遊星の驚異に晒されている。夢という形であれ、そなたも余もそれを既に知っている。しかし、だ」

 

ヒロやネロを見る思音にネロはそう言ってから思音の肩を掴んで真剣な表情で思音の目を見る。

 

ネロ「……しかし、だぞ。余にとって、そなたにとって、全ては……あらゆる全ては初めて(・・・)なのだ」

 

思音「!(ああ――――そうか。そうだ。一言一句、ネロの言うとおりだ)」

 

言われて思音はこれからのについては確かに初めてだと気づく。

 

そんな思音にネロは思音から視線を外してヒロ達を見る。

 

ネロ「余は感じたい。そなたとの道行きを。二人……いや皆で為す全てを確かに実感しながら進みたいと思う」

 

ヒロ「そうですよ思音さん!ネロさんの言う通り、僕達もいます!」

 

そう言うネロにヒロも同意して思音を見る。

 

モードレッドやアルテラも同じで頷いており、タマモキャットもうむうむと何度も顔を振っている。

 

ネロ「あまり前のめりになるではない。そんな風にして放っておかれてしまうと余は……寂しいぞ、奏者よ」

 

思音「うん、ありがとう。それから本当にゴメンねネロ」

 

そう言うネロに思音は謝る。

 

分かれば良いのだとネロは笑い、つられて思音も笑う。

 

タマモキャット「では、キャッキャッウフフなのを終えたら作業を開始しようではないか」

 

ヒロ「?」

 

思音「それはどういう……」

 

会話が終わったのを見てそう言うタマモキャットのに思音は聞こうとした時…

 

ヴィン、ヴィン、ヴィン、ヴィン、ヴィン

 

ネロ「やれやれ、せっかく良いところだったのにわざわざ水を差しに来たのか?」

 

するとヒロと思音達を囲む様に攻勢プログラムの集団が現れ、理解したネロは呆れる様に呟く。

 

ヒロ「やりましょう思音さん!」

 

思音「うん!」

 

そう言うヒロのに思音は頷いた後にネロの指に填められているレガリアの中へと入り、ネロは自身の剣、原初の火(アエストゥス・エストゥス)を構える。

 

ヒロ→アキレスD9「勇気転身!ブレイブヒーロー!アキレスD9!」

 

そしてヒロもアキレスD9に変身して、モードレッド達も構える。

 

ネロ「では当初の予定通り各自分かれてセクターを奪取、レイジマトリクスを完成させてキャスターのところに参るぞ!」

 

アキレスD9「はい!」

 

モードレッド「OKだぜ」

 

タマモキャット「頑張るワン!」

 

アルテラ「ああ」

 

それぞれ頷いた後に各自セクターを取りに向かう。

 

なおアルテラは間違われない様にアキレスD9と共に行動する。

 

エリアに到着すると攻性プログラムがアキレスD9達へと襲い掛かる。

 

アキレスD9「いけ!ソードビット!!」

 

それにアキレスD9は背中のウイングからソードビットを形成して飛ばし、攻性プログラムを貫いて行く。

 

アルテラも自分の剣で両断していく。

 

モードレッド「おりゃあ!」

 

ズババババババババババババッ!

 

別のセクターでもモードレッドは迫る攻性プログラムを蹴散らしていく。

 

タマモキャット「にょほほほほほほほほほほほほ」

 

こっちもこっちでタマモキャットは引っ掻いたり蹴り飛ばしたりとやりたい放題であった。

 

モードレッド「よし、次は此処だ……」

 

1つのセクターを取った後に次のセクターへと飛び込む。

 

ブィン

 

モードレッド「なに!?」

 

メドゥーサ「ふふ、罠にかかりましたね」

 

新たなセクターに飛び込んだモードレッドは入って来た所が閉鎖された事に驚く中でメドゥーサが現れて言う。

 

モードレッド「成程、来たらこの場で閉じ込めちゃうって言う寸法かよ」

 

メドゥーサ「ええ。なんでもキャスター曰く、『サーヴァント☆大損』と言う作戦みたいで」

 

告げられた名前に思わずモードレッドはつんのめる。

 

その後に倒れかかるのを踏み止まって顔を上げてメドゥーサを見る。

 

モードレッド「おい待て、なんだその作戦名は!」

 

メドゥーサ「取りあえずここで貴方は私がじっくりと呑み込んであげますからね」

 

思わずツッコミを入れるがスルーされて、ペロリと舌なめずりするメドゥーサにモードレッドはクラレントを構える。

 

モードレッド「わりぃが今の俺はマスター一筋だ!ぶっ飛ばさせて貰うぜ!メドゥーサ!」

 

メドゥーサ「ええ、掛かって来なさいモードレッド」

 

そう言ってメドゥーサも短剣を構えると両者、走り出してぶつかり合う。

 

向かって来る攻性プログラムを倒しつつメドゥーサを攻撃するモードレッドだがメドゥーサは上手く避けながら短剣を投げては遠距離攻撃交えて交差する。

 

モードレッド「ちぃ、うっとおしい奴らだぜ!」

 

メドゥーサ「ふふ、そう言うなら後ろを見た方が良いですよ」

 

そう言われてモードレッドは振り返ると今まで見た攻性プログラムより巨体な存在がいた。

 

モードレッド「なんだこいつ!?」

 

こんなのもいるのかよと驚くモードレッドに巨体な存在は腕を振り上げる。

 

ブンッ!

 

モードレッド「ぐっ!?」

 

その体と同じ巨腕を振り下ろす存在にモードレッドは避ける。

 

モードレッド「こいつもアグレッサーって奴かよ!?」

 

メドゥーサ「ええ、アグレッサーは三種類居てそれは重量系のようですね」

 

重量系アグレッサー「!」

 

着地して聞いていた名称を言うモードレッドへとメドゥーサはそう答えると重量系アグレッサーが飛び上がると共に腕を振り下ろす。

 

スドォン!

 

モードレッド「グアッ!?」

 

メドゥーサ「隙ありです」

 

ジャラララララララララララララ!

 

避けるが地面に炸裂した際の衝撃で吹き飛ぶモードレッドへとメドゥーサは短剣を投げつける。

 

モードレッド「んなろ!!」

 

ガキン!!

 

それにモードレッドは体を翻しながらクラレントを振るい、飛んで来た短剣を弾き飛ばすと左手で短剣と繋がっていた鎖を掴んで勢いよく自分の方へと引っ張る。

 

メドゥーサ「!」

 

モードレッド「おりゃあ!!」

 

そのまま引っ張られて来たメドゥーサへとクラレントを叩き付ける。

 

バキッ!

 

メドゥーサ「ぐっ……やってくれましたね」

 

モードレッド「やり返してやったぜ」

 

そう交わした後にモードレッドはクラレントを構える。

 

モードレッド「さてと、こんな所で足止めをくらってる暇はねえ!マスターの様に輝け!クラレント!!!」

 

その言葉とクラレントは青く輝く。

 

そのまま光りは強まるのにメドゥーサは当たってはいけないと距離を取る。

 

モードレッド「行くぜ!必殺ファンクション!これが主との絆の証!銀河に輝く王剣(クラレント・コスモスラッシャー)!!」

 

上段に構えてから飛び上がり、勢いよく振り下げると青き斬撃が放たれる。

 

地を這うように放たれた斬撃はそのまま攻性プログラムの集団を吹き飛ばしてメドゥーサと重量系アグレッサーへと迫る。

 

メドゥーサ「っ!」

 

迫る斬撃にメドゥーサは横にジャンプしてギリギリ、避けるが重量系アグレッサーは飲み込まれ、他のアグレッサーも倒されて行く。

 

モードレッド「上手く避けたか」

 

避けられた事にメドゥーサを見ながらおっしいなとモードレッドは呟く。

 

メドゥーサ「なんですか今のは……」

 

モードレッド「俺とマスターが編み出した必殺技でマスターへの絆の証だ」

 

先ほどの斬撃に驚くメドゥーサへモードレッドはそう答える。

 

メドゥーサ「マスターと言いますとあの男の子の事ですか……」

 

モードレッド「ああ、頼れるマスターだ。色々と生前には味わえなかった事を教えてくれるぜ」

 

そう問うメドゥーサにモードレッドは笑って答える。

 

メドゥーサ「そうなんですか」

 

モードレッド「ああ。んじゃあ続きと行こうぜ」

 

そう言ってモードレッドはクラレントを構え直す。

 

メドゥーサ「ええ、そうですね」

 

それにメドゥーサは頷いた後にムーンドライブを発動する。

 

来やがったかパワーアップとペロリと唇を舐めた後にモードレッドは飛び出す。

 

 

 

 

一方のアキレスD9とアルテラはある程度セクターを取った後にネロと合流して呂布と戦っていた。

 

アキレスD9「おっと!」

 

呂布「■■■■■!」

 

ネロ「くっ!やはり強いな呂布!」

 

繰り出される呂布の攻撃を避けながらネロは呻いた後に続けてのを避ける。

 

アキレスD9「いけ!」

 

呂布「■■■■■!」

 

続けざまにアキレスD9がソードビットを放つが呂布はことごとく防いで行く。

 

アキレスD9「やはりサーヴァントは一筋縄では行きませんね」

 

思音『それに呂布はバーサーカー。その強さはあのガヴェインが倒せない程強いからこれは厄介だよ……』

 

呂布「■■■■■―――――!!」

 

ネロの隣に着地して言うアキレスD9に思音はそう言う。

 

アルテラ「どうする?」

 

ネロ「ふむ、時間はかけられん。奏者、あれで一気に行くぞ」

 

そう問うアルテラにネロは思音へとそう言う。

 

思音『うん、あれだね』

 

アキレスD9「?あれと言いますと……」

 

出て来た言葉にアキレスD9が首を傾げる。

 

ネロ「蕩ける時だ……」

 

そう言ってネロはレガリアにキスをする。

 

チュッ、ブィィィイイイイン

 

それと共にネロの周囲に赤い光のサークルが現れ、ネロへと重なると纏っていたドレスが消えて彼女の後ろにキューブが現れる。

 

ネロ「ムーンセル!」

 

レガリアから光がキューブへと放たれるとキューブが動き出す。

 

ネロ「うむ!」

 

右側の1つ目が止まるとネロの体を新たな服が身を包む。

 

ネロ「完・全・武・装!!」

 

次に真ん中の2つ目が1つ目と重なる様に止まるとネロの腕に巨大なガントレットが出現して装着される。

 

ネロ「だが、兜を脱ぐ余なのであった」

 

左側の最後の3つ目が止まり、完全なキューブとなるとネロに兜が装着されるが本人はすぐさま兜を脱ぎ捨て、そう言ってポーズを取る。

 

アキレスD9「姿が変わった!?」

 

アルテラ「おお…」

 

姿が変わったのに驚くアキレスD9とアルテラ。

 

変わったのは凄いのだがツッコミ所が1つ…

 

アキレスD9「と言うか、兜脱いじゃうんですか!?それ!」

 

ネロ「うむ、邪魔だ!」

 

ツッコミにそう返した後にネロはガントレットをぶつけ合わせる。

 

アルテラ「マスター、私たちもやる」

 

アキレスD9「え?」

 

ユニゾンモード!Ver.インストール!!

 

それにアルテラがそう言ってアキレスD9の手を掴むと音声と共に2人は光に包まれ、光りが収まるとアーマーが白銀に染まり、手にアルテラの剣を手に持ったアキレスD9が現れる。

 

ネロ「おお、お主らも似たような事ができるのか!」

 

アキレスD9「ええ、まあ」

 

呂布「■■■■■■!!」

 

それに目を輝かせるネロにアキレスD9はそう返した後に呂布の攻撃を避ける。

 

アキレスD9「とにかく一気に決めましょう!」

 

ネロ「うむ!」

 

呂布「■■■■■!!」

 

アキレスD9のにネロが頷いた所で呂布はムーンドライブを発動するがネロが一気に接近して炎のパンチのラッシュを浴びせていき、その間にアキレスD9が斬撃を入れていく。

 

アルテラ『マスター、決めよう』

 

アキレスD9ユニゾン「はい!思音さん!ネロさん!」

 

思音『うん!ネロ!』

 

ネロ「うむ!決めるぞ!」

 

ボォォオオオオオオオッ!

 

剣を構えるアキレスD9のに強く答えた後にネロはガントレットから炎を噴き出させる。

 

アキレスD9も静かに呼吸をすると共に剣が力強く輝き出す。

 

呂布「■■■■■!!」

 

ネロ「はあっ!」

 

攻撃を仕掛ける呂布のを避けてネロは先ほどよりも強烈な一撃を叩き込む。

 

アキレスD9ユニゾン「輝け軍神の剣(フォトン・レイ)!必殺ファンクション!!」

 

アルテラ『超新星の剣(ビッグバン・レイ)!!』

 

ネロが吹き飛ばした所でアキレスD9は剣を掲げると刀身から強大な光りが迸り、巨大な刀身の様になり、それが呂布へと振り下ろされる。

 

ズドォォォォォオオオオオオオオオオン!!!

 

爆風が起こり、それが収まると呂布の姿は無く、セクターは変化していた。

 

まるでクレーターが出来た様な感じになっていた。

 

アキレスD9「どうなんでしょうか?」

 

アルテラ『……当たる直前に回収されたようだ』

 

ネロ「それにしても少々やり過ぎたようだな」

 

思音『セクターがここまで変わる威力があるなんてね……あとで修復が大変そう;』

 

確認するアキレスD9とアルテラの会話の後に元の服装に戻ったネロが周りを見て言い、思音もレガリアの中で冷や汗を掻いて言う。

 

タマモキャット「おーいご主人、セクターをあらかた取ったぞ」

 

モードレッド「マスター!こっちもやったぜ!」

 

そこにタマモキャットとモードレッドが来る。

 

アキレスD9「2人とも、大丈夫でしたか?」

 

タマモキャット「うむ、プラントと言うのに手間取ったがやってやったぞ」

 

モードレッド「俺は閉じ込められたけどメドゥーサをなんとか退けてやったぜ」

 

と二人がそれぞれ成果を報告した時だった。

 

ヴィィン

 

ヒロ「な、なんですかあれ?」

 

するとメンバーの前に何かが現れ、変身を解いたヒロは驚く。

 

アルテラ「あれは?」

 

ネロ「ポータルだ。あれに乗ればキャスターの所に行くことができるぞ」

 

ヒロ「では早速乗りましょう!」

 

説明するネロにヒロはそう言うと全員が乗って光に包まれて転送される。

 

光りが収まると奥にソファーの様な玉座が置かれた場所に出ていた。

 

ヒロ「ここが玉藻さんのいる空間ですか」

 

モードレッド「何と言うか…風景と置いてるの以外はアンタ等の場所と変わんない感じだな」

 

周りを見て言うヒロにモードレッドはそう感想を述べる。

 

ネロ「うむ、確かにな……。まあそれはそれとして敵ながら見所のある都であったな奏者よ!木造の雅な楼閣と桜の庭。そしてその中に不協和音の如くドシャーとばらまかれた成金趣味!あれだな。ほーるというヤツであろう?」

 

モードレッド「あーそう言えばそんなのもあったな……」

 

頷いた後にそう評するネロのにモードレッドは回っていた中で思い出してどんだけだよと呆れて呟く。

 

ネロ「一時期、レーザーサイトの中、ボディコンシャスなドレスで踊り狂う文化が何かの間違いで栄えたという。ともすれば忘却の川に流される文化をここまで恥知らずに取り入れるとは……ふふ。キャスターめ、中々にやるではないか!」

 

思音「ネロ、凄く嬉しそうだね」

 

タマモキャット「と言うか皇帝の最初に言ったの昭和の弾けた時のだワン」

 

続けてそう言うネロに思音はくすりと笑い、タマモキャットが指摘する。

 

ネロ「しかし、しかしだ。キャスターめ、画竜点睛を欠いたな。豪華絢爛でいくのなら、真紅の薔薇は必要不可欠であろうに」

 

思音「え?そこは別に残念がらなくてもいいんじゃない?すでに実践されているんだし」

 

不満そうにぼやくネロに思音はそう帰す。

 

ネロ「む?どういうことか?」

 

思音「だって真紅の薔薇ならもう目の前にあるじゃん。戦場に舞うセイバーは大輪の薔薇そのものだよ?」

 

なぜそう言うかを問うネロに思音は笑顔でそう答える。

 

思音「セイバーはよく音楽神(ミューズ)の名をあげるけど私から言わせてもらったらその輝きはもっと上―――――それこそ愛の女神(ヴィーナス)そのものだと思うよ。本当に。お世辞でも比喩でもなくね」

 

ネロ「ヴィ、ヴイナスときたか……///!い、いや、否定はせぬが、それは流石の余も照れるというか臆するというか……///」

 

思音「?」

 

続けてそう褒める思音にネロはデレデレになる。

 

顔を赤くして照れるネロに思音は首を傾げる。

 

タマモキャット「おおう、こやつも落とすのが得意なのか」

 

モードレッド「こういう奴って天然が多いよな」

 

アルテラ「同感」

 

ヒロ「?どう言う事です?」

 

一連の流れにそう呟くタマモキャットのにモードレッドは肩を竦めて呟き、アルテラもうんうん頷く隣でヒロも思音の様に首を傾げる。

 

ネロ「……むう。実感してしまったぞ。今のそなたは情熱のみでなる精神の存在なのだな。まったく、以前のそなたからは決して出ない言葉ゆえ、あやうく心臓が止まるところだった……」

 

思音「そう?」

 

まだ顔を赤くしながらモジモジするネロのに思音はそうかな?と頬を掻く。

 

ネロ「だが、その喩えは良い。至らぬことばかりの余だが、そのように生きられるよう努めたい……!」

 

言ってる途中でネロは真剣な顔になって愛用の剣を構え、その様子にヒロ達も構える。

 

ネロ「マスター!話は此処まで、本命が来たぞ!」

 

ヒロ「と言う事は!」

 

ヴィィィン

 

その言葉と共に玉座の前に玉藻が姿を現す。

 

どうやら転送で来た様だ。

 

玉藻「ようこそおいでくださいました、ご主人様。我が千年平安京、お楽しみいただけた……ってなんで貴方が居るんですかタマモキャット!!」

 

タマモキャット「オッスオリジナル!それは勿論。マスターと一緒に来たからだ!」

 

ヒロ「どうも、タマモキャットさんのマスターである大空ヒロです。初めまして玉藻さん」

 

転送で現れて優雅に言おうとした玉藻はタマモキャットを見て驚き、タマモキャットはそう言ってヒロへと抱き着いて言い、ヒロは挨拶する。

 

その子が?…と訝しげに見ていた玉藻はネロと思音の視線に気づいてコホンと咳払いして気を取り直す。

 

玉藻「お楽しみいただけたのであればこの玉藻の前、この上なき幸いと喜びましょう。ですが―――――」

 

ネロ「む?」

 

言葉を切る玉藻にネロはハテナマークを浮かべる。

 

玉藻「ああ、何と嘆かわしや。このパーフェクトタマモワールド……略してパマモの完成度を汚す朱色があろうとは。分かります?そこ。露出度の高い貴女。恥知らずなドレスを着こんだ皇帝陛下?」

 

タマモキャット「パマモとは随分と変な略称だなオリジナル」

 

玉藻「黙りなさいタマモキャット!」

 

そう言った玉藻はツッコミを入れるタマモキャットに睨む。

 

おお、怖い怖いと煽る様に言うタマモキャットに玉藻はむきー!となる。

 

ネロ「? もしや余のことか?何を言う、この程度の露出は乙女の冒険、恥を捨てるのならもっと凄いに決まっていよう!」

 

思音「(もっと―――――凄い……?いや、今はそれ何処じゃなくて)今は口喧嘩している場合じゃないよね、セイバー」

 

目的がずれない様に手を握りながら修正する思音にネロは慌てて頷く。

 

ネロ「う、うむ、そうであった。それにしてもそなたの手は温かいな!」

 

バシュン

 

惚けを言ってからネロは剣を消すと前に出る。

 

ネロ「うむ、そなたの期待に応えよう!不倶戴天の仇敵といえ、この場だけちょこっと仲良くなって見せるぞ!」

 

玉藻「あいかわらず本音ダダ漏れですねぇアナタ!?」

 

期待に応えようとするネロのに玉藻は叫んだ後にはっ!?となってまた咳払いする。

 

玉藻「あ、いえ、ゴホン。悔しくなんかありません。ありませんとも!何故なら今の私は負け狐ではないのです!義は我にあり、貴女こそ平和を乱す反逆者(どろぼうねこ)本妻(わたくし)から愛を奪わんとするドン畜生なのですから!!」

 

タマモキャット「1つ意味不明の交じってるぞオリジナル。ドン畜生ってなんだ?」

 

ズビシッとネロを指して言う玉藻にタマモキャットがツッコミを入れるが玉藻はスルーする。

 

玉藻「いよいよもって遊びは終わり。宴もたけなわ。まずはそれなる女の首を電脳五条の河原にでも晒すところから始めましょう!」

 

ネロ「むう、言ったなキャスター!やはり話し合いは不可能だったか!そしてタマモキャットが指摘した様にドン畜生とはどういう意味かっ!」

 

そう言う玉藻にネロはそう言ってから問う。

 

玉藻「ド外道かつコン畜生、という意味ですよーだ!レガリアの掌握は私が上!さあ、今こそ決着といきましょうかバカ皇帝!」

 

ヴィィィィン!

 

そう言った後に指に填めていたレガリアにキスをするとネロの様に、だがこちらは青いサークルが現れてそれが玉藻に吸い込まれると玉藻の姿がネロと同じ様に服が変わる。

 

ハリウッドセレブのような服に和を取り入れた様な感じで肩と胸元を露出しており、チラリと巻かれたサラシが見えている。

 

さらに頭には帽子を被り、左右に尻尾の様な先が青い筆の様なのを浮かしている。

 

ヒロ「ま、待ってください玉藻さん!こんな事をしていたらあなたの守ろうとする大切な人がいなくなってしまう大事が起きてしまうんですよ!!ネロさんと話し合いをしないのならこちらの思音さんと話し合いをしてください!」

 

戦闘態勢な玉藻に対してヒロが前に出て物申した。

 

玉藻「邪魔をしないでくださいそこの者。邪魔するのあれば誰であろうが……」

 

思音「ううん、ヒロの言う通りだよキャスター」

 

そんな意見したヒロに対して攻撃しようとする玉藻へと思音はヒロの前に出て言う。

 

任せてとヒロへと頷いた後に思音は玉藻へと目を向ける。

 

玉藻「ご主人様?」

 

思音「このままセイバーとキャスター、二人が戦っても益はない。この戦いに勝利してもすぐに次の敵が現れるんだ。その時になって一人きりだと貴女の身も危ないんだよキャスター」

 

訝しむ玉藻へと思音は真剣な目で見て言う。

 

玉藻「な、なんという熱い視線―――――えーと……次の敵と申します………?」

 

ヒロ「そうです!このままネロさんと争えば、あなたもあなたのマスターである思音さんも終わりなんです」

 

そんな思音の視線を受けて聞く玉藻にヒロも真剣な顔で言う。

 

玉藻「い、いいえ!妙な口車には乗りません!ここまで我が領土に攻め込んでおいて交渉を始めるとか、私、理解が追いつきませんので!」

 

モードレッド「いやだって、そうしねぇと此処までこれねぇじゃねえか?」

 

タマモキャット「オリジナルが最初に攻め込んでてしかも話し合いに来たのに襲い掛かって来たのだから戦闘防衛とも言えるワン。アンダースタン?」

 

そう返す玉藻にモードレッドとタマモキャットが指摘する。

 

玉藻「うぐっ、それはそうなんですが……」

 

思音「気持ちは分かるよキャスター。でも納得して。私達は敵じゃない。こうしてキャスターの顔を直接見られたことで確信できた」

 

2人の言い分に呻く玉藻へと思音はそう言う。

 

玉藻「か、確信ですか?」

 

思音「そう。キャスター、玉藻の前。貴女は間違いなく私の大切なサーヴァントだよ」

 

戸惑う玉藻に思音は真剣な顔で言う。

 

玉藻「……な……何を、言ってるのです……白凪様……?私は既に千年京を敷いているのです、赦し難き怨敵、セイバーの領域全土を滅ぼすために!」

 

タマモキャット「その敵が他にいるから話し合いに来たのにオリジナルはバカだワン」

 

たじろきながらそう言う玉藻にタマモキャットは呆れる。

 

玉藻「これが敵以外に何だと言うのです!このバカ皇帝はマスターを占有したのです、貴女は私にとってのマスターでもあるのに!それをーーーそれを!!」

 

思音「でも貴女はレガリアを得るのと同時に出会っている筈だよ。もう一人の、魂の電脳体である白凪思音()と」

 

タマモキャットへと言い返す玉藻へと思音は力強く指摘する。

 

玉藻「みこっ!?」

 

思音「今こうしている時にも彼女は君に寄り添っている。それは自分とセイバーの間にある筈のモノ。目に見えなくても確かにそこにあるものだ。サーヴァントとマスター、もしかしたらそれ以上の何か…それは白凪思音()にとって確かな現実であって、精神や魂に別れていても変わるものじゃない」

 

驚く玉藻へと思音は一字一句に思いを込める。

 

玉藻「そ、それは…………」

 

思音「何度でも言う。敵じゃない。白凪思音()はここで貴女と話をしなくてはいけないの」

 

口ごもる玉藻に思音は玉藻へと視線を逸らさずに言う。

 

玉藻「………………そこなるセイバーはどう……」

 

ネロ「うむ。言わずもがな、余は奏者に全てを委ねるまでだ」

 

そんな思音の目を見てから問う玉藻にネロは胸を張って答える。

 

玉藻「……サーヴァントとして、ですか。令呪の下に契約を結んだただ一人のご主人様(マスター)の決定には従うと?」

 

ネロ「そうではない。余が余として決めたことだ。貴様も自分自身に尋ねてみるがよい、キャスター、いや玉藻の前。刃の前に身をさらす決意。この渾身の言葉をいかに己が受け止めるのかを」

 

続けての問いにネロは真剣な顔で思音を見てから玉藻へと向き直りそう言いきる。

 

玉藻「…………」

 

キラーン

 

その後に玉藻は自分の指にあるレガリアを見るとレガリアは輝く。

 

玉藻「……ああ、そうでございました。どれだけ電脳体を細切れにされたとしても貴女は貴女、変わらず私のマスターです。これは、敵いません」

 

ヒロ「!じゃあ!」

 

そう言った玉藻はヒロに頷いた後に思音を見る。

 

玉藻「おみそれしました。このキャスター、慎んでお話を伺わさせていただきます」

 

パリーン

 

その言葉と共にレガリアから青いラインが入った服を来た魂の思音が現れると共に玉藻の服も元に戻る。

 

玉藻「みこーん、ショックです。同時に感動です。まさかこの私が言葉のみですっかり調伏……こんな筈では……」

 

なでなで

 

落ち込む玉藻を魂の思音が頭を撫でてあげる。

 

玉藻「うう……ううう……なんというイケ魂……まさか私が頷くと分かっておいででしたか……?」

 

魂思音「うん、玉藻なら頷いてくれると思ってたよ」

 

そう聞く玉藻に魂の思音は微笑んで言う。

 

玉藻「…………っ!うう、ううう、うわあぁぁあん!愚かなのは私でございましたーー……!(泣)」

 

ヒロ「…分かれていても、思音さんは思音さんですね…と言うか思音さんを見ると、僕が知るネロさんと玉藻さん…赤セイバーさんとキャス狐さんのマスターさんを感じさせます」

 

泣き出す玉藻を見てヒロはそう述べて、確かにとモードレッド達は同意する。

 

玉藻「“ご主人様、落ち着いたらセイバーさんの所に行っちゃうんじゃないかな?"などと疑ったばかりに……!ああ、玉藻のバカバカバカ美少女バカ!もっと二人の絆を信じて、セイバーさんと真っ向からヒロイン対決をしていれば良かったなんて……!」

 

モードレッド「だからネロを倒そうとしていたって訳かよ」

 

泣きつく玉藻の言葉を聞いてモードレッドはふうと息を吐く。

 

玉藻「うわああああん!封印していた本性とか我慢して出すんじゃありませんでしたーーー!」

 

魂思音「いや、全然我慢してないでしょ?むしろノリノリだったでしょ?」

 

タマモキャット「うむ、普通に本性ただ漏れだったワン、あれで我慢してると思うとはオリジナルはまだまだワン」

 

玉藻「うげっ、みこーん!?」

 

マスターと呆れる御魂からの指摘に玉藻は驚いた後に魂思音に尻尾をブンブンさせる。

 

玉藻「ああ……惚れ直しましたご主人様♥何処までもついて行きます。三千世界の果てまでも、ええ、因果の彼方へも!」

 

タマモキャット「おうキャットのツッコミスルーか」

 

ネロ「なんと、いきなりいちゃつき出したではないか!?奏者よ、これは負けていられぬな!」

 

思音「いや、今はそれどころじゃないでしょ」

 

モードレッド「そうだぜ皇帝さんよ。普通にこの世界の危機だろ」

 

そんなデレデレな玉藻を見てそう言うネロに思音はツッコミ、モードレッドも呆れて言う。

 

ネロ「なっ!?それでは余への褒美はなしか!?キャスターはかりずるいではないか、余も希には、そうごく希にではあるが、愛でて欲しいと思うこともあるのだぞっ!?」

 

思音「じゃあどうしたら良いの?」

 

強請るネロに思音は困った顔で聞く。

 

ネロ「うむ。具体的に言うと頭を優しく撫でるがよい。やれ髪が乱れる犬猫のように触れるなと言ったりはせぬ。せぬのでどうだ?今なら膝枕も許そうではないか!これほどお得なローマセット、もはや買い占めるしかないな奏者よ!」

 

モードレッド「いや、どこの通販番組な口説き文句だよ;」

 

思音「しょうがないな……少しだけだよ?」

 

胸を張っておねだりそ請うネロにモードレッドはツッコミを入れて、思音は困った感じにふーと息を吐いてそう言う。

 

ネロ「うむ!うむうむ!そうこなくては。スキンシップは重要だからなっ!」

 

ヒロ「あのネロさん。本来の目的を果たしません?」

 

ご機嫌なネロにヒロは恐る恐る言う。

 

ネロ「む?そうであったな」

 

アルテラ「……世界は違えど、やはりこの2人の性格は変わらない」

 

モードレッド「確かに」

 

思い出して言うネロにそう呟くアルテラにモードレッドはやっとか…とぼやく。

 

 

 

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