自分は忙しくて、405までしか進んでません笑
始めたばかりの頃にコラボがきて、式を逃したんで、今回は頑張りたいです。
それと、この世界の魔法(魔術)は型月世界の設定を引用します。
間違っている部分なのご指摘もらえるとうれしいです。
「ん……」
目を開けると、見知らぬ天井が視界に入った。
体を起こそうとしたが、動けない。どうやら体が何かで固定されているらしい。
「やっと起きたのね」
聞き慣れた声に顔を向けると、アクアが椅子に座ってくつろぎながらこちらを見ていた。
「まったく、無茶して……あんた、三日も寝てたのよ?」
三日? 思わず声を出そうとしたが、喉がカラカラで声が出ない。
「無理に起きちゃダメよ。せっかく魔術回路をつなぎ直したのに、またバラバラになったら、今度こそ魔法が使えなくなるわよ。ほら、じっとしなさい。飲ませてあげるから」
そう言って、アクアは強引に水を口に流し込んでくる。
「ごほっ、ごほっ……相変わらず強引だな」
「文句言わない。 麗しい女神様が飲ませてあげたのよ? 感謝しなさい」
あー……自分で言っちゃうんだ、それ。
毎度のことながら、アクアって“ザ・女神”って感じがする。
カズマは「駄女神」とか言うけど、俺はなんか、神話に出てくる女神そのまんまって印象だな。
……エリスはどっちかっていうと、ジャンヌ・ダルクみたいな“聖女様”って感じだけど。
「てか……俺、三日間も寝てたのか?」
「ええ。ぐっすりと。こっちの気も知らず、よくのんきに寝てくれてたわよね」
アクアが表情を引き締めて話し始める。
「正直に言うと……あんた、今でもかなりヤバい状態なのよ。デュラハンとの戦いで無理に魔術を使ったせいで、魔術回路がズタズタになってたの。あの場に私がいなかったら、もう二度と魔法が使えなかったかもしれないわ」
「魔術回路……? それってなんだ?」
「魔術回路は、生まれたときから人間に備わってる魔力の通り道みたいなものよ。あんたの世界で魔法が表に出てないだけで、実は皆ちょっとずつ持ってるの。……カズマにも、ほんの少しだけどあるのよ」
え、マジで? 魔法なんてファンタジーだけの話だと思ってた。
「それで、その魔術回路が壊れるとどうなるんだ?」
「普通なら、魔法が使えなくなるだけ。でも、あんたは特別なのよ。魔術回路が脳にまで入り込んでて、もう少しズレてたら、脳神経ごと逝ってたところだったわ」
……なるほど。つまり死にかけてたってことか。
「とにかく、当分は魔法禁止。いい? 本気で死にたくなかったらね」
「心に刻んでおきます……」
アクアは部屋のドアに向かって歩きかけたが、何かを思い出したようにこちらを振り返った。
「エリスに、ちゃんとお礼しなさいよ。三日間ずっと付きっきりで看病してたんだから」
……マジか。本当、頭が上がらないな。
「あと、ボロボロだったジャージ、縫い直しておいたから。治療代込みで一千万エリス、引いておくわね」
一千万……。いやもう、完全に金の亡者じゃないか。
……まぁ、俺は管理とか面倒くさいし、いいか。
窓際にかけられたジャージを見る。新品みたいに綺麗に直されていて、思わず感心する。
手縫いでこれって、すごいな。
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それから少しして――。
散歩から帰ってきたカズマとめぐみんが、見舞いに来てくれた。
「アクアから、目が覚めたって聞いたから来てみたけど……調子はどうだ?」
「まあ、ぼちぼちってとこかな。……それより、引っ越したばかりの屋敷で看病までしてくれて、悪かったな」
聞けば、俺が昏睡してる間に、カズマたちは新しい屋敷を手に入れていたらしい。
馬小屋じゃいろいろ不便だろうってことで、一部屋を俺のために空けてくれたらしい。
「何言ってんだ。困ったときはお互いさまだろ?」
「……本当、カズマには借りてばっかりだな」
「お茶が入りましたよ」
「お、ありがとな、めぐみん」
湯気の立つ湯呑みを手に取る。しっかりとした香りと味。――予想以上に美味い。
「何を驚いているんです? 私は爆裂魔法だけじゃなく、家事全般できますよ。実家でもほとんど私がやってましたし」
……まさか、めぐみんが家事万能系とは。ギャップがすごい。
「それにしても……ユウマにも見せたかったですよ。私がアンデッドの復讐を華麗に打ち砕く、あの壮絶なフィナーレを!」
「そのせいで、何時間も歩かされたけどな……」
カズマの呆れた声に、つい笑ってしまう。
「夕食の準備ができたぞ。お、ユウマ、起きてたか。どうだ、食べられそうか?」
入ってきたのは――ウサギの刺繍が入ったエプロン姿のダクネスだった。意外と乙女な一面もあるらしい。
本当にみんなに世話になりっぱなしだな。
いつか、ちゃんと恩返ししないと。
「そういや、エリスとイリスは? まだ顔見てないんだけど」
「あの二人なら、ギルドにいると思うぞ。デュラハン討伐の報酬の手続き中らしい」
そうか。あいつ、魔王軍の幹部だったもんな。
「そういえば、ウィズさんは? 確か、城の端で焦げてたような気が……」
「ああ、無事だったよ。俺たちと一緒に脱出して、昨日も来てた。ユウマに渡したい物があるとか言ってたな」
あー、多分あれか。聖水の件か何かかな。無事ならよかった。
明日、店に顔出してみるか。
――後日。
夕食を済ませた俺は、自室でカズマから借りた“ありがたき本”を拝見していた。
中学生の頃の淡い記憶が蘇る。いやー、たまらない。
……と、思っていた矢先だった。
部屋を出ようとしたところで、タイミング悪くエリスとイリスに鉢合わせしてしまった。
「ユウマさん……!」
いきなりエリスが号泣して抱きついてきたかと思えば、そのまま転倒。俺は本をぶちまける羽目に。
幸いエリスは気づいてなかったが、イリスとは目が合わず……たぶん、見られたな。うん。
「……この屋敷、女性陣の割合多いの忘れてた。気をつけないと」
そんな自戒を胸に、目的の場所――ウィズの店に向かう。
もう4日も経ったのか。
教えをあっさり破ってしまった身。怒られても文句は言えない。
恐る恐るドアを開けると――
「いらっしゃいませっ!……あっ、ユウマさん!」
ウィズがいつもより明るい笑顔で迎えてくれた。
「ご無沙汰してます。……いろいろご心配おかけしました」
「本当ですよ。あれだけ止めたのに……でも、ご無事で何よりです」
あれ? 意外と怒ってない?
「これからは、ビシバシ厳しく指導しますからね? 覚悟しててくださいね?」
……笑顔で圧。
その後、聖水の報酬を受け取り、店を後にする。
これで俺たちの資金は――
デュラハン討伐報酬1億5000万エリス+聖水半分の売上2500万エリス、計1億7500万。
アクアへの治療代で1000万引かれても、まだ1億6500万ある。
「……で、何に使おうか」
飯? 装備? 旅行? ……いや。
ふと、視界に飛び込んできた看板。
《不動産屋》
「……家だ!」
ここ数日カズマの屋敷でお世話になっていたので忘れていた。俺たち、元々は馬小屋暮らしだったじゃん。
この世界、冬がえげつないって聞くし、馬小屋で凍死なんてしゃれにならん。
「よし。買うか--」
---
数日後。
「――というわけで! ここが、俺たちの新しい住まいです!」
「「おぉぉっ!」」
目を輝かせるイリスとエリス。驚くのも無理はない。
なんせ、4LDKにラウンジと庭つきの豪邸だ。
……でも真の見どころは。
「この草の床、いい匂いがしますっ」
そう。畳の部屋があるのだ。
まさか、異世界で和室に出会えるとは思わなかった。懐かしさと安らぎに惹かれて、即決だった。
「イリス、それは“畳”って言って、俺の国では伝統的な床材なんだ」
「わぁぁ……すっごく落ち着きます……」
すっかり気に入ったのか、畳の上でごろごろ転がるイリス。かわいいかよ。
「ユウマさん、今日の夕飯はどうしますか?」
あ、まだ決めてなかったな……。
「んー、エリスは何食べたい?」
「うーん……あ、秋刀魚なんてどうでしょう? 今年は豊漁らしくて、それにお酒とも相性抜群なんですっ!」
……お酒を強調したな、今。それにしても秋刀魚。カズマから畑に生えていると聞いた時は冗談話で済ませたが、いざ見た時のインパクトはすごかった。
「秋刀魚か、いいね。じゃあ買ってくるよ――」
「大丈夫ですよ! もう、ちゃんと用意してます!」
笑顔で秋刀魚と酒の詰まった袋を見せてくるエリス。
……酒の袋、やけに多くないか?
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夕食後、部屋で荷物を整理する。
内装はなるべく日本の自分の部屋に似せた。そっちのほうが落ち着くしな。
「……よし、こんなもんかな」
これでやっと、夜も落ち着いてアレができる。
……馬小屋時代はエリスのきわどい寝間着のおかげで、毎晩いたたまれなかったからな。
その時、ドアがノックされる。
「ん、入って、どうぞ」
「あ、あの……」
パジャマ姿のイリスが、もじもじと入ってきた。
「ひ、一人で寝るのが……ちょっと……」
「エリスには相談した?」
「……“どうせならみんなで下の畳で寝ましょう”って」
「え……もしかして酔ってた?」
「はい」
……うちの女神、段々ポンコツ化してません?
「分かった。少ししたら降りるから、それまで見張っててくれ」
「はいっ!」
嬉しそうに階段を降りていくイリス。
――なんだかんだで、この世界は俺に優しいんだか厳しいんだか。
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下に降りると、床の上に散乱する酒瓶たち。そして、その中心に――
「あ、ユウマしゃん! 一杯どうでしゅか〜?」
……?
慈愛に満ちた女神様はどこへ行った。完全にただの酔っ払いじゃないか。
「俺、未成年なんで酒はパスでーす。ほら、もう寝る時間!」
エリスの手から酒瓶を取り上げる。
……酔ってるせいか、すんなり奪えた。
「え〜! ユウマしゃんのケチ〜!」
「ケチじゃない。イリスが布団で待ってるんだぞ? ほら、女神なら女神らしく、シャキッと!」
――こうして、新しい家での夜は、ぐだぐだと笑いと混乱に包まれながら更けていったのだった。
なんで、カズマ達が屋敷を持っているかというと、デュラハン戦で街への被害がなかったため、不動産屋からの屋敷の件がはやく来たという自己解釈です。
また冬将軍ですが、カズマたちがデュラハン討伐の賞金を得たことで、クエスト自体受ける必要がなくなったので今回は出番無しです。