エリスとイリスの話し方が被ってるせいで書いて紺がらがる時があって辛いです。笑
ある日のこと。俺はアクセル郊外の森で師匠もとい、ウィズさんと魔法の修行をしていた。
「なるべく力まず、魔力の流れを意識しながら結界に送ってください」
「魔力の流れ…」
俺は目を閉じたまま、魔術回路から結界へ魔力を流す。
「もう、止めて大丈夫ですよ」
魔力を流すのを止めて、目を開くと、まぁこれは立派な、四角い結界があるではありませんか。
「思ってたより、はやく魔力制御をマスターしましたね」
ウィズさんは切り株から立ってこちらによってくる。
「師匠の教えが上手いからですよ。元最強のアークウィザードは伊達じゃないですね」
「いえいえ、私の教え方なんて、受け売りですから。それにしても、私が一ヵ月かけたものを二週間でやり遂げるなんて。悔しいです」
ウィズさんは子供の頃から魔法を練習していたらしく、本当に悔しそうにしている。
…が、ウィズさんは子供の頃、俺は高校生だ。正直言って俺が、当時のウィズと同じ年だったらもっとかかっている気がするのだが。
「それじゃあ、次の段階に進みましょう。次はですね、魔法の属性についてやりますか」
「魔法の属性ですか?」
「はい。魔法の属性を理解していただき、実際に魔法に属性を付与してもらいます」
「それって難しいですか?」
「コツをつかめばすぐにできます。と、その前に」
ん?どうしたんだ、荷物をまとめ始めて。
「もう、ユウマさんはアークウィザードになれると思うので、一度ギルドに行ってジョブチェンジしてきましょう」
夕日に照らされた町の川沿いを歩いて、家に帰る。
俺はあのあとギルドでジョブチェンジをして、少し修行の続きをしたあとウィズさんの店で紅茶をご馳走になりながら棚を見渡していた。
その時だった。日本と書かれた赤い箱を見つけてしまった。ウィズさんに聞いたところ、どうやら日本という異世界に12時間だけ行けるというらしく俺はすぐさま購入。そしてすぐにカズマの屋敷に行き、明日さっそく日本へ行くことにした。
それにしても、なんだか懐かしく感じる。まだ、こっちに来てから二、三ヵ月くらいだろうか。この世界に慣れたことで、日本が昔のように思えてしまう。
服屋でコートが目にはいる。
日本だと、こっちのかっこは少し目立ってしまうだろう。俺はジャージでいいとして、エリスとイリスの分のコートでも買って帰ろうかな。
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~翌日~
カズマ達のパーティーと囲んでいるテーブルに赤い箱を置く。
「これで、日本に行けるのか?」
「箱を開ければすぐにね。一応12時間しか行けないらしいから、それまでにやることをやってくれ」
俺はみんなの顔を見る。各自、心の準備はできてるらしい。
「それじゃあ、開けるぞ」
片手で箱の蓋を開けると、中から煙が出てきて部屋を覆う。
なんだか、浦島太郎の玉手箱みたいだ。
そして、あたりが真っ白になったとたん、気がつけば住宅地の道路に立っていた。
「本当に、日本に来れたんだな」
「カズマ!見てください。デストロイヤーが空を飛んでます」
「めぐみん。あれは、飛行機ていう、人を乗せて空を飛ぶモンスターよ」
アクアはドヤ顔でめぐみんに説明をする。
「ゴーレムがこっちに来たぞ!」
「ダクネス、危ないから、端によれ。こっちに来て早々。交通事故は勘弁してくれ」
自らトラックにぶつかろうとするダクネスをカズマは端によせる。なんだか、大変そうですね。
「ユウマさん。これからどうするんですか?」
「イリスはなんだか落ち着いてるな。そうだな、ちょっと待ってくれ」
今日のイリスはなんだか、大人しい。普段なら、めぐみん達とは一緒にはしゃいでいるのだが。まぁ、それはいいとして、ポケットから財布を取り出して残金を確認する。
3000円ちょっとか。とりあえず、カズマはどうなのかな。
「俺は5000円あるぞ」
「結構持ってるな」
「まあな。あの日は限定品を買いに行ってたから、それなりに金は持ってきてたよ」
カズマは少し残念そうな顔をする。そういえば、死因を聞いてなかったな。機会があったら、今度聞いてみるか。
「へー。俺はこれから、地元に行こうと思うんだけど、そっちはどうする?」
「俺はこいつら連れて秋葉に行くよ」
「わかった。じゃあ、今回はパーティーごとの行動だな」
カズマ達とはここで一回別れて、エリスとイリスを連れて、俺は地元へ行く。
「なにもしてないのに、ドアが開きました!」
「これ、アクアさんから聞きました。確か、自動ドアて言うんですよね!」
二人とも、盛り上がってますね。それにしても、飛行機とかで驚かなかったのに、これは驚くのか。
それから、俺達は電車にゆられ1時間。俺の地元に着いた。
「電車って、速いんですね。すごい楽しかったです!」
「もしかしたら、デストロイヤーより、速いかもしれませんよ」
めぐみん達も言ってたが、デストロイヤーてなんだ?
ーと、駅を出た瞬間、一つの横断幕が目にはいる。
『高校男子5000m日本記録更新。 松山高校 祭 祥也。』
それは、あの日箱根で走ることを約束した、友人の横断幕だった。
「ユウマさん、気分でも悪いんですか?さっきからぼーとしてますが」
エリスが声で我に帰る。どうやら、駅の前で立ったままでいたらしい。
「いや、別になんでもないよ」
その時、横からぐぅとお腹の音がする。
「お腹が空いちゃいましたぁ」
イリスはお腹を押さえながら、俺の腕を引っ張る。時計を見ると12時を過ぎていた。
「もう、こんな時間か」
周りを見ると、午前の仕事を終えたサラリーマン達が、昼飯を求めて歩いていた。
どうやら、今は平日のお昼らしく、ここら辺の店は空いてなさそうだ。
「しかたない。夜はいいもん食わせてあげるから、昼は簡単ので我慢してくれ」
二人を連れて、コンビニ入いる。
平日は両親は二人とも仕事に出ていて、7時まで帰らないし、弟達も学校があるから4時までは帰らないので、この昼の時間なら、家に入れる。
俺はソーダとペヤングを三つづと、カキピーを一袋買い自宅に向かう。
この周りは平日の昼は人がそこまで通らないので静かだ。
「よし、着いた。今鍵を開けるから、待ってて」
財布の小銭入れから、鍵を取りだし開ける。
何ヵ月ぶりかの家の中に扉を開ける音が響く。
いつも通りの、我が家だ。
「とりあえず、階段上がってすぐの部屋で待っててくれ。俺は昼飯の準備をするから」
二人にペヤングを取り出した袋を渡し、俺は台所へ向かう。少しくらい、ポットのお湯が減ってても家の家族は気にしないだろう。
ペヤングの蓋を開け、ソースを取りだしかやくとお湯を入れる。
この何気ない行為すら、本当に懐かしい。
それから、できるまで待っていると、上の部屋から二人の声が聞こえてきた。
ソーダを飲むのが、初めてらしく驚いているのだろうか。それにしても、人がいないとよく響くものだ。
それから、お湯を切ってソースをかけて完成。ゴミは袋に入れて、後で外で捨てよう。
「ほら、できたぞ」
久しぶりの自分の部屋に入り、二人の前にペヤングを置く。
「ユウマさん、これは?」
「カップ焼きそばっていうお手軽料理だ。青のりとか持ってきたからかけたかったら各自、お好みでかけてくれ」
エリスもイリス美味しそうに食べる。
それじゃあ、俺も。
うん、このソースの香ばしさがたまらない。
次にキンキンに冷えたソーダを開ける。開けた時の弾ける音が気持ちい。
「そういえば、こんなものを見つけたのですが、何に使うんですか?」
エリスは小さい銀の袋見せてくる。
「うぐっ」
俺は慌ててエリスから奪い取る。
「これは、男のエチケットだから、女性が持ってちゃダメだぞ」
なんで、こんなものがあるんだよ!
俺は人生でまだ、買ったことなかったのに。
「そんなに大切なんですか?」
「うんうん、大切大切。この国では男はみんな持ってるくらい大切」
俺は笑って誤魔化し、結界の倉庫の中に突っ込む。
「ユウマさん、この紙袋はなにが入ってるんですか?」
イリスがベットの下から茶色い紙袋を出す。
やばいそれはパンドラの箱だ。
「おっと、イリス。見つけてくれたのか、ありがとな。これは紳士的な物で、イリスにはまだはやいから、俺がしっかり閉まっとくよ」
これはコミケで手にいれた芸術品だ。けして、やましい物ではないぞ!そう、少し薄いブックス!だが、男のロマンがしっかり詰まった貴重なものだ。
「よーし、みんな食べたな!うん食べ終わったよね。この袋の中にしっかりと重ねていれてね。間違っても、そのゴミ箱には入れないように」
これ以上、ここにいたら、ボロが出てきてしまう。とっとと、退散だな。
俺は部屋を見回す。机の上には遺影があった。
あまりの写真うつりの悪さに恥ずかしい。
ん?鍵のかかった引き出しの中になにか挟まっている。ここの鍵は俺しか持っていないのだが、一体誰がいれたんだ?
その引き出しを開けると、一枚の封筒がカードゲームの上に乗っていた。
「これは?」
宛名も送り主の名前も書いてない。とりあえず帰ってから読もう。俺はポケットに閉まって、2人を先に家から出す。
誰も居なくなった、部屋にはまた静寂が戻った。
「……ありがとうございました」
部屋のすみにかかっていた、ユニフォームに挨拶をする。何故だろうか、もうここには戻って来ない気がして自然と言葉に出していた。
それから、近くの川を散歩しながら隣町まで歩くことになった。
冬の川辺は風が吹くと寒いが、もうすぐ、春が近いのか太陽は暖かい。
「ユウマさん」
ーーと、エリスはなにやら、物言いたげな顔でこちらを見てくる。
「近くにコンビニはないでしょうか?」
あー、察しました。そういうことですか。
俺はこれでも、紳士を自称している。察しても、言わないで気遣うことはできるさ。
「すぐそこの角を曲がればあるよ。俺とイリスはここのベンチで待ってるから。行ってきていいよ」
すいませんと、エリスはコンビニに向かっていく。
ベンチに座ったイリスは手が冷えてるのか、息をはいて温めてる。
「ほら」
自販機で買ってきたココアを渡し、俺も横に座る。
「ありがとうございます。……わー、温かいです。」
イリスは両手で持った缶を頬ずりする。暖かそうでなによりだ。
冬の日のココアは温かくておいしい。犯罪的だよな。
「ユウマさんは私のことをどう思いますか?」
イリスからの突然の不意打ち発言に、俺はココアを吐き出す。
「ぶは。どうしたんだよ、いきなり」
「何となく、聞いてみたかったんです」
イリスはクスクスと笑いながらこちらを見る。恐ろしい子だ。それにしても、どう思うかか。まぁ、あれだよな。
「どう思うて、仲間というか、友達というか、大切な人だと思ってるよ」
「本当ですか?」
「あぁ、本当の本当」
俺は本当にそう思っている。イリスは出会った時は礼儀良く、育ちのいいお嬢様てきな感じだった。でも、一緒に生活するようになってからは、愛想のいいおてんばな年相応な少女で、新しい発見があるごとに楽しそうにしてる姿を見ていると、こっちまで幸せな気分になれて、今じゃ、俺という人間を支えてくれる大切な人になっていた。
「そうですか。じゃあ、一つだけ、質問していいですか?」
イリスは安堵すると、少し真剣な顔で話してきた。
「ユウマさんは、自分の役割を放棄する人はどう思います?」
突然の難しい質問に、少し戸惑う。
「じゃあ、例え話として、一国のお姫様がいるとします。そのお姫様は小さい時から、周りの言うこと聞いて、自分の意思を心のそこに閉まって生きてきました。でも、ある日。お姫様は自分の立場を放り出すことで自由になれるチャンスを得て、そのまま自由になろうと、お城を抜け出します。でも、そのせいでお城の中はめちゃくちゃになりました。ユウマさんはこのお姫様をどう思いますか?」
なんだろう、すごい壮大な例え話なんだが。
「どう思うかって言われてもなー。とりあえず、俺はお姫様を悪くは思えないよ。だって、今まで自分のやりたいことをできなかったわけだろ?俺が同じ立場だったら、同じように抜け出す」
イリスは少し驚いて、俺を見る。
「でも、お城の人達にはすごい迷惑がかかっているんですよ」
「うん。確かにお城の人達には迷惑がかかってるよね。だから、お姫様はしばらく自由を満喫した後しっかりと、その事で向き合わないといけない思う」
お姫様が抜け出す理由を作ったのは、お姫様の気持ちを封じてきたお城の人達の責任でもあると思う。
でも、だからといってお姫様はいつまでも自由にしていちゃいけない。お姫様ていうのは、その国の象徴みたい人だ。そんな人がいなくなったら、国全体が不安定になってしまう。だから、お姫様も向き合わないといえない。
「ユウマさんは、そのお姫様が仲間だとしたら、どうしますか?」
「そうだな。俺が仲間だったら、お姫様の手助けをするよ。しっかりと、問題に向き合えるように。自分の気持ちを伝えられるように、全力で手助けをするよ」
きっと、それがベストなことだと思う。
イリスは少し切なそうに笑う。
「やっぱり、ユウマさんは優しい人です」
その言葉に何故か、俺も切なさを感じた。
「お待たせしました!」
エリスが後ろからくる。イリスはベンチから立ち上がりエリスのもとへかけていき、エリス分ココアを渡す。二人は本当に仲良しだ。
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ーー
気付いたら、俺達は自分の家にいた。目の前にはカズマ達も座っている。
「あれ?なにおきませんね」
「外はもう真っ暗よ」
めぐみんとアクアは首を傾げている。
「でも、確かにどっこか行ってた気がするぞ。どこに行ってたかは思い出せないが。とりあえず、もう夜だ、私達はおいとまさせていただこう」
ダクネスは立ち上がり、帰る支度をする。
確かに何処かに行ってような気がするが思い出せない。
赤い箱を結界の倉庫に入れた瞬間、クシャリと音がした。
「なんだ、この袋」
赤い箱の落っこちた先にあった袋を取り出すと、中から未開封のカキピーの袋が出てきた。
「それ、カキピーじゃん。懐かしいな!何処に売ってたんだ?」
「いや、この世界ではみたことないんだけどな」
カズマはもしかしてという顔をする。どうやら考えていることは同じで、俺達は本当に日本に行ったらしい。
「とりあえず、半分くらい持っていてよ」
「マジか、ありがとな」
「ねぇ、どうしたのよ二人とも、って、それカキピーじゃない!カズマ、私にも分けなさいよね」
「あーあーあ。わかったから、離せ。この駄女神。お前は本当食い意地が張ってるな」
本当、カズマとアクア仲がいいことだ。
カズマ達のパーティーが帰ってから、先に風呂に入ったイリスは寝室へ、俺は自分の風呂の番が来るのをリビングで待っていた。
それにしても、イリスは何か覚えてそうな感じだったが、まぁいいか。
ん、何かポケットに入っている。
ポケットに、手を入れると中から封筒が出てきた。
宛名も送り主も書かれてない。
封筒を開けると一枚の手紙が入っていた。
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皆さんは覚えていない様子だったが、私は日本でのことを覚えていた。
それにしても、今日はいっぱい歩いた。ユウマさんも疲れてるだろうから、はやく出てゆっくり休んでもらおう。
私はお風呂からでて、髪を乾かしながらリビングへ向かう。
「ユウマさん、お風呂空けましたよ」
ユウマさんは紙を持ったまま、テーブルに向かって泣いていた。
しかし、私がいることに気付き、腕で涙を拭き無理矢理笑顔を作る。
「ああ、エリスか。今日はいっぱい歩いて疲れたると思うから。夜遅くまで避け飲まないではやく寝ろよ」
ユウマさんは立ち上がって、リビングのドアのぶに手をかける。
手紙を読んでいて、今日の出来事を全て思い出した。そして、読み終わったと同時に、俺は泣いていた。
気がつくと、エリスが風呂から上がってリビングのドアの前に立っていた。
俺は無理矢理、涙を拭き取りエリスに笑顔で話、風呂へ向かう。
とりあえず、今は一人でいたい。
そう思って、ドアのぶに手をかけた時だった、エリスが後ろから抱き締めてきた。
「どうしたんだよ。せっかく風呂に入ったのに、今の俺に触れたら汗のにおいがついちゃうぞ」
そんな、冗談を言って、エリスから離れようとするが。
「もう、無理をしないでください」
俺はその言葉を聞き崩れ落ちる。
「ユウマさんは今日一日、私達が楽しめるようにと、無理に明るく振る舞ってましたよね」
「いいや、そんなことないよ」
「嘘です。今日だけじゃありません。いつもそうです。知ってますよ、ユウマさんが、一生懸命朝の時間に走りに行っていること。夜遅くに時々、台所で泣いていることも」
すべて、エリスにはお見通しだったらしい。そう、俺は死んだことを後悔していた。祭との約束をまた破ったことを後悔して、それを紛らわすために走り続けていた。
しかし、時々夢に出てくる時がある。あのときの約束が。
辛かった。でもそんなことで落ち込んでエリス達を不安がらせたくないから、無理矢理演じていた。
「いいんですよ。私が許します。あなたの失敗を。私が認めます。あなたの努力を。だから……」
もう、休んでいいんですよ。
その言葉を聞いたとき気づけば、俺は泣いていた。
頑張って止めようとした涙が、いつのまにか溢れていた。
その日、俺はエリスの腕の中で泣き続けた。
俺の嗚咽を、優しく返してくれた。彼女の返す言葉はとても温かく俺はその言葉に救われた。
それでは、次週はデストロイヤー戦です。
感想、アドバイスよろしくお願いします。