この素晴らしい仲間達に救済を!   作:よっひ。〜

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 あっという間に3月ですね。
今回は今までで、一番長いです笑。
これでも、かなり、省いたんですけど、思ったより長くなりました。
一応、カズマさん達とは対比の書き方にしたんですけど、モブの台詞はかなり、原作通りのものがおおいです。


第10話 決戦!機動要塞デストロイヤー

 

 

 

 

 

 昨夜の出来事でいろいろと吹っ切れたのか、今日はいつもより体が軽かった。

町外れの静かな川原を散歩しながら、これからのことを考えていたときだった。

 

 

『デストロイヤー警報!デストロイヤー警報!冒険者の皆様は、装備を整えて冒険者ギルドへ!そして街の住人の皆様は、直に避難してください!!』

 

 

 昼のほのぼのとした静けさは、日常の終焉を告げるアナウンスによって切り裂かれた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー

 

 

 

 

 

 逃げ惑う人たちを掻き分けながら、家に戻る。

ーーが、外とは逆に家の中は以外にも落ち着いていた。

 

 

「待っていましたよ、ユウマさん」

 

 

 愛剣を磨きながら、静かにイリスは言った。

そして、その隣には準備を整えたエリスが座っていた。

 

 

「いつかは対峙するときが来るとは思ってましたよ。ユウマさんも、速く準備してきてください」 

 

 

 まるで、こんなことになることを知ってたような雰囲気を出す二人に俺は唖然とした。

 

「え、なんでそんなに落ち着いてられるの?」

 

 

 俺の言葉にエリスが答える。

 

 

「慌ててても何も始まりません。相手はあの最凶の賞金首デストロイヤー。こういうときこそ、しっかりと落ち着いて準備をしないといけません」

 

 

 当然のように言っているが、街の騒ぎようを見ると、とんでもないものが来ているのがわかる。もう少し動揺してもいいのでは?

とりあえず、逃げる選択肢はないらしいので部屋で調節していた、武装を結界に投げ込んでギルドへ向かう。

 

 

 

 

 

「よ!ユウマ。相変わらずの軽装だな」

 

 

 急いでギルドに入ると、完全装備のカズマいた。

 

 

「これでも、使えるものは全部、結界にぶちこんできたよ」

 

 

 ギルド内を見渡すと、みんなこれが自分の最高だろうという完全装備でいた。

それぞれ、やる気は充分て感じだ。

特に、男達が。

それにしても、よく見ると知り合いばかりだな。

ーとその時、後ろから声をかけられる。

 

 

「やっぱり、君も来てたよね。クドウユウマ君」

 

 

 振り返ると、そこにはいつぞやの高レベル剣士が立っていた。

 

 

「おう、久しぶりだな。まつたけ君」

 

 

 ミツルギだよ!とツッコミをいれてくる。そういえばそういう名前だったな。

 

 

「それにしても、聞いたよ。魔王軍幹部を一騎討ちで倒したんだってね」

 

 

「そのあとの止めは仲間が倒したんだけどな」

 

 

 まぁ、めちゃくちゃなことをして勝ったんだけどね。あ、そういえば。

 

 

「これ、返すの忘れてたわ」

 

 

 結界から魔剣を取り出して、ミツルギに渡す。

 

 

「俺がデュラハンに勝てたのはこいつがあったからだ、ありがとな」

 

 

 神器は選ばれた人間にしか使えない物らしいが、別にデュラハンとやりあうには丈夫な剣であればよかっただけだ。

ミツルギはうれしそうに受け取る。

と、ここである程度人が集まったらしく、ギルドの職員が前に出てくる。

 

 

「お集まりの皆さん!本日は、緊急の呼び出しに応えて下さりありがとうございます。只今より、対機動要塞デストロイヤー討伐の、緊急クエストを発令します。皆さんがこの街の最後の砦です。どうか、よろしくお願いします!」

 

 

 冒険者達がざわめく中、職員達は酒場のほうから持ってきたテーブルを中央に寄せ集めて、簡易的な会議室を作る。

ギルド全体の緊張感が高まってきたな。

それにしても、デストロイヤーてなんだ?

俺は肝心なことを知っておらず、考えながら職員の指示で用意された席に座る。

 

 

「それでは、現在の状況を説明したいと思いますが。……この中で機動要塞デストロイヤーの説明が必要な方はいますか?」

 

 

 俺とカズマを含む少数の人間が手を上げる。

それを見て、職員の人はデストロイヤーの説明を始める。

簡単にまとめるとこうだ、対魔王軍用のくも型兵器で、小さな城くらいな大きさなのに軽めの重量で、めちゃくちゃ速くて、踏まれたら最後。そんでもって、国の技術を結集した強力な結界が張られてて、魔法での攻撃は効かない。おまけに、ゴーレムやら、バリスタなどが、配備されてるらしい。

気付けば、周りは静まりかえっていた。

正直に言って、こんなやつにどうやって勝つんだよ。

エリス達の落ち着いた表情を見てて、頑張れば勝てるかなーて思ってたけど無理じゃん。

そのあと、冒険者と職員達のQ&Aが始まったが酷いものだった。

作った国は滅びただとか、落とし穴を仕掛けたらジャンプで抜けられたとか、なんだよそれ、めちゃくちゃも大概にしてくれ!

 

 

 

 

 

 そんな、前に全然進まない会議の中で一つの希望が生まれた。

 

 

「なぁ、アクア。お前の力じゃ、結界をどうにかならないの?」

 

 

「やってみないと分からないわね。まぁ、破れる保証はできないけど」

 

 

 そんな、カズマとアクアの会話に、職員は大きな声を出す。

 

 

「破れるんですか!?デストロイヤーの結界を?」

 

 

 そういえば、アクアは女神だったな。なら、わんちゃんあるだろう。それに、こちらにはもう一人女神がいるのだから。

 

 

「アクアでギリギリて感じなら、エリスの力も加わればほぼ絶対に壊せるだろ」

 

 

「それなら、完璧に壊せると思いますよ」

 

 

 エリスの言葉にギルドの中が騒がしくなる。

 

 

「本当ですか!それじゃあお願いします。結界を壊せば、魔法による攻撃ができます。でも、下手な魔法は効果がありませんし……」

 

 

 職員は悩み始めるが、一人の冒険者が呟く。

 

 

「火力持ちならいるじゃないか、頭のおかしいのが。」

 

 

 その言葉に釣られ、あっちこっちから飛び交ってくる。

 

 

「そうだな、頭のおかしいのが……」

 

 

「頭のおかしい子がいたな!」

 

 

「おい待て、それが私のことを言っているのなら止めてもらおうか。さもなくば、私の頭がおかしいかを今ここで証明することになるぞ」

 

 

 めぐみんは杖を持ち立ち上がる。

日頃の行いてやつだぞ。

だが、勢いで立っためぐみんは、人々の期待の眼差しに耐えきれず、おろおろとし始め、

 

 

「わ、私の爆裂魔法でも、流石に一撃では仕留めきれない……と、思われて……」

 

 

 めぐみんの言葉にまた、ギルド中に不安が広がろうとしたときだった。

 

 

「一応、私も爆裂魔法を使えます」

 

 

 冒険者を掻き分けながら、ウィズさんが前に出てきた。

 

 

「おー、貧乏店主さんだ!」

 

 

「俺たちの天使、ウィズさんだ!」

 

 

「いつも、夢でお世話になってます!!」

 

 

 また、冒険者達が盛り上がり始める。

ーーと、今おかしな言葉が聞こえたのだが……。

 

 

「店主さん、ご無沙汰しております。どうぞ、こちらに!」

 

 

 ウィズさんは周りにペコペコしながら、職員の隣のほうへ行く。

 

 

「それでは、改めまして、作戦内容をまとめます。まず、アークプリーストのアクアさんとエリスさんが、結界の解除。そして、めぐみんさんと店主さんが、爆裂魔法をデストロイヤーに打ち込むと感じになります」

 

 

「そうですね、爆裂魔法は左右の足に打ち込むのはどうでしょうか、万が一破壊できなくても、動きさえ止めれば近づけますし」

 

 

 その後、ウィズさんの提案を取り入れ、作戦は完成。あとは、実行するだけとなった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 正門の前には《クリエイター》を中心に街の住人達も集まって作った即席バリケードの前に、地面に魔方陣を描いていた。

そんな、慌ただしく作業する人達の光景を門の上でイリスは見ていた。

 

 

「どうしたんだ?そんなにじっと見ちゃって」

 

 

 俺はイリスの横に立つ。俺とイリスはデストロイヤーの動きが止まった後の非常用突撃部隊なので、作業をせずに英気を養っている。

 

 

「皆さん、この街が好きなんですね」

 

 

 前を向きながら呟く。

 

 

「そりゃ、そうだろうな。俺達よりも長くこの街に住んでるんだ。愛着が強いんだよ。」

 

 

 イリスは無言でうつ向く

 

 

「なに、急に恐くなってきた?」

 

 

「いえ、別にそんな訳じゃありません!」

 

 

 俺の冷やかしに、イリスはこちらを向いて否定する。 

最近、イリスは寂しそうにうつ向くことが増えた。どうしたのだろうか。

 

 

「皆さんすごい頑張っているんですから、私達はもっと頑張らないといけませんね!」

 

 

 寂しそうな表情を捨てようと、必死に笑顔を作り意気込む。 

 

 

「あぁ、そうだな」

 

 

 やっぱり、イリスの笑顔を見ると切なくなってくるな。

 

 

 

 

 

 ーー魔法で拡大された職員の声が広い広野に響き渡る。

 

 

『冒険者の皆さん、そろそろ機動要塞デストロイヤーが見えてきます!街の住人の皆さんは直に街の外に避難してください。それでは、冒険者の各員は、戦闘準備についてください』

 

 

遠くの丘から、その姿が見えてきた。

少しずつ震動が強くなってくる。

 

 

「来たぞー!!」

 

 

 誰かが叫ぶ。

でかい。ただその一言に尽きる。

デストロイヤーは今まで通るもの全てを破壊して来たその八本の足を不規則に動かしながら、こちらへ徐々に近づいてくる。

 

 

「ちょっとウィズ!大丈夫なんでしょうね!」

 

 

「大丈夫です。任せてくださいアクア様。これでもリッチー、最高位のアンデットですから。アクア様が結界を打ち壊してくれればあとは、なんとか。……、もし失敗したら、皆で仲良く土に還りましょう」

 

 

「めぐみん、ちょっと落ち着け。失敗しても、誰もお前を責めたりしない。失敗したら、皆で逃げればいいんだ、深く考えるな」

 

 

「だ、大丈夫です!……」

 

 

 左右がとても慌ただしい。

本当に大丈夫だろうか。

 

 

「戦闘準備!」

 

 

 冒険者の言葉にカズマは拡声器を持ち上げ、指示を出す。

 

 

『アクア!エリス!今だ!』

 

 

「さぁ、アクア先輩、やりましょう!」

 

 

 迎撃地点に来たデストロイヤーに向かって、

 

 

「「《セイクリッド・スペルブレイク》!」」

 

 

 羽衣をまとい杖を前に出すアクアと、聖槍を構えるエリスが呪文を唱える。

すると、二人の前に魔方陣が浮かび上がり、強い光を持った閃光が一直線にデストロイヤーへ向かって放たれ、その巨体を覆っていた結界を割る。

そして、ウィズさんと、カズマにのせられた、めぐみんが、詠唱を唱える。

 

 

「「《エクスプロージョン》!!」」

 

 

 完璧といってもいいほど同時に打たれた人類最強の一撃は、全てを蹂躙してきたその足を一つ残らず粉砕した。

 

 

 

 

 

 足を無くしたデストロイヤーは轟音と共に街に向かって滑る。

ーーが、その巨体はバリケードにすら届くことなく、最前線のダクネスの手前で止まる。

それと同時に、めぐみんはうつ伏せに倒れる。

だが、依然としてウィズさんは堂々とたったままだった。

俺の頭に、大きめな破片が当たる。

ウィズさんのほうは、欠片も残らず吹き飛んだが、めぐみんのほうは欠片が残っている。

圧倒的な一撃だったが、惜しくもめぐみんの一撃はウィズの一撃を超えることはできなかったらしい。

カズマはめぐみんを起こして慰める。

そして、みんなが安堵したその時だった。

 

 

「さぁ、帰ってお酒を飲みましょか!なんたって一国を滅ぼす原因になった賞金首よ。報酬はおいくらかしら!」

 

 

「「ちょ、おま!!」」

 

 

 俺とカズマの声が重なる。

そして、その後に続いて機械的な音声が流れる。

 

 

『この機体は機動を停止したしました。排熱及び、機動エネルギーの消費ができなくなっています。……危険レベル上昇中。搭乗員は速やかに避難してください。繰り返します……』

 

 

 カズマがアクアの頭をひっぱたく。

だが、もう遅い。

 

 

「ダクネスさんが、突っ込んで行ったぞ!」

 

 

 冒険者の言葉で我に帰る。

 

 

「私達も行きましょう!」

 

 

 ダクネスの後を追うようにイリスは走っていく。

そう、俺達は非常用突撃部隊だっけ。

いっちょ、やりますか。

 

 

 

 

 

 

 デストロイヤーの上に上ると、あたりに一面ゴーレム達がうようよとしていた。

 

 

「なんで、こんなにいるんだよ!《一式結界》」

 

 

 ゴーレムの重い拳を止める。

そして、無防備になった懐にエリスが槍を刺す。

 

 

「はあっ!」

 

 

 心臓部を刺されたゴーレムは崩れるように倒れる。

「エリスって、槍できたんだ」

 

 

「はい、アクア先輩が貸してくださった日本の本の主人公がやっていたのに興味を持ちまして」

 

 

 うん、それたぶん薙刀だわ。

てか、アクアはいったい天界でなにやってるんだよ。

女神が漫画読んでるのは流石にイメージ崩れるよ。

とまぁ、話しているうちに後から登ってきた、冒険者達がゴーレム異常なペースで倒したため、あっというまに占領しきっていた。

それにしても、ゴーレム達の残骸はどれもボコボコになっていて、中には原型すらとどめてない。

夢を追う男は強いね……。

 

 

「ここに、扉があるぞ!」

 

 

「ハンマー持ってこい!ぶっ潰すぞ」

 

 

 バコンと大きな音をあげ、扉が開かれる。

もう、これじゃあただのチンピラ集団だよ。

 

 

「開いたぞー!」

 

 

 冒険者達の後に続き中に入る。

こいつらには、多分今は怖いものなど無いのだろう。

さっきから止まることなく、鳴り続ける警報も彼らの耳には届いていない。

まったく、頼もしいものです。

建物の奥の部屋に着くと一人の冒険者が指差す。

その先には、白骨化した人の骨があった。

 

 

「綺麗に成仏してますね。それも、未練も無くスッキリと」

 

 

 え?

 

 

「いやいや、流石にスッキリとではないと思うぞ。こりゃ、どっから見ても孤独死みたいな感じ出してるし」

 

 

 後から来た、アクアにも聞いたが、エリスと同じようにスッキリと死んだと答える。

俺は、書類の積まれた机を見る。

すると、一冊の手記が見つかった。

中を開くと、日本語とこの世界の文字が混ざって書かれていて読みずらかったので、変わりにアクアに読んでもらった。

 

 

 

 

 

 手記の中身はそれはそれは酷いもので、女性陣を抜いて、その場に行た冒険者達がそろって愚痴をとばした。

それから、班行動でデストロイヤーを止める手段を探すことになり、俺とエリスとカズマ、アクア、ウィズさんで行動してたのだがーー

 

 

「コロナタイト、真っ赤に燃えてますね」

 

 

 ーーと、ウィズさんが呟く。

流石は幸運集団。ものの数分で元凶を見つけてしまった。

太陽のように燃えているコロナタイトは鉄格子に囲まれ、そう簡単には取り出せない状況だ。

さてどうするか。

 

 

「ほら、エリス。あんたがその槍で突き刺して取り出せばいいのよ!」

 

 

 アクアのやつなんと無茶なことを言うのか。エリスは戸惑いながらコロナタイトを見る。

 

 

「別にこの距離なら、こうすりゃいいんじゃないのか?《スティール》!」

 

 

「あ!カズマさん!?」

 

 

 ウィズさんが、何かを言う前にコロナタイトは格子をすり抜け、カズマの手におさまった。

 

 

 ギラギラと燃えながら。

 

 

「うわあああああ」

 

 

 アクアとウィズさんが、必死にカズマの手を処置する。

カズマ、哀れなり。

そして、カズマ手から離れたコロナタイトは俺の足元に転がってきた。

 

 

「取り出したはいいが、どうするんだ。これ」

 

 

 どんどんキラキラと輝きが強くなってきたのですが。

これって、あれじゃん。

爆発前のお約束みたいなやつ。

そういえば、さっきまでうるさく鳴っていた警報はなりやんでいた。

マジでどうするのこれ?

 

 

「あの、一応あるにはあるんですが。誰か、魔力をくれませんか?」

 

 

 ウィズさんが、俺の方を見る。

しかし、何か悪そうな顔をして、カズマの方を向く。どうしたんだろう?

 

 

「ランダムテレポートを使って、どこかに飛ばすというのは……」

 

 

「「「それだ!」」」

 

 

 俺とカズマとアクアはハモる。

 

 

「ですが、ランダムテレポートはその名の通り転送先がランダムです。運が悪ければ人里に……」

 

 

 エリスが困った顔で説明をする。

だが、カズマはウィズさんの手を握って言う。

 

 

「大丈夫だ!世の中ってのは広いんだ。人のいる場所に転送されるよりも、無人の場所に送られるほうが可能性は高い。全責任は俺が取る。こう見えても、俺は運がいいらしいぞ!」

 

 

 カズマは力強く言う。さすがは我らのカズマさんだ。かっこいい。

ーと、このときの俺達は、それが、フラグとも知らず安堵していた。

 

 

「《テレポート》!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー

 

 

 

 

 

 気がつけば、爆発手前のコロナタイトはどこかになくなっており、部屋は少し薄暗くなっていた。

 

 

「とりあえず、外にでるか」

 

 

 要塞の外に出ると、他の冒険者達はほとんどが地上に降りており、イリスは地上でダクネスやめぐみんと合流していた。

 

 

「みんなお疲れ。動力源は止めてきたから、家にでも帰ってゆっくりと休もうぜ」

 

 

 ここで、俺はあわてて口を押さえた。

しかし、遅かった。あれだけ人に言っておいて、まさか俺がやらかすとは。

 

 

「どうやら、まだのようだな。私の嗅覚が香ばしい危険の香りを嗅ぎとっている」

 

 

 ダクネスの言う通り、機動要塞は振動音をならしながら、震えていた。

 

 

「嘘だろおい、確かに心臓部は取り除いたはずだろ!」

 

 

「落ち着いて!落ち着いて!」

 

 

 カズマもアクアもテンパる。

とりあえず、デストロイヤーから距離をとると、体全身を真っ赤にしながら今まで溜まっていた水蒸気が吹き出すデストロイヤーが目に写る。

 

 

「魔力を!誰か魔力をください!爆裂魔法を打ち込んで機動要塞を相殺します!」

 

 

 ウィズさんは原因を突き止めたのか、あわてて周りに呼び掛ける。

しかし、カズマは無理矢理ウィズさんの口を閉じさせる。

 

 

「なにを、いきなり言い出すんだ!他の冒険者はお前がドレインタッチを使えることを知らないんだ。リッチーだってバレたらどうするんだよ」

 

 

「でも、魔力を吸えるのは私しか、アレを止められる事ができるのは……」

 

 

 ウィズさんは無理矢理カズマをどけようとする。

ああ、こうなったら一か八かだ。

 

 

「ドレインタッチは俺も使えるだから、ウィズは……」

 

 

「カズマ!」

 

 

 俺はカズマを止めて、デストロイヤーの前に立つ。距離充分取れている。

カズマ達はキョトンとした顔で俺を見る。

 

 

「少し下がっててくれ」

 

 

 俺の目を見たウィズさんは、全てを察したように後ろに下がる。カズマも同様にだ。

 

 

「まだ、一日しか練習してないのにな」

 

 

 本当、この世界は俺に厳しい。

俺は結界から一本のマナタイトでできた短剣を取り出し、デストロイヤーに向ける。

 

 

「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!」

 

 

 俺の足元に赤い呪文が浮かび上がる。

 

 

「爆裂魔法!?」

 

 

 カズマは驚いた様子でこちらを見る。

そう、これは爆裂魔法だ。

でも、普通のとは違う。

 

 

「凍れ、凍れ、凍れ!我が力の奔流に望むのは万物全てを凍らす、絶対零度の力なり。さぁ、深淵の底から目覚めよ!」

 

 

 俺はめぐみんみたいに、生まれつき魔力が高いわけではない。

かといって、ウィズさんみたいに特訓してきた訳でもない。

だが、そんな俺でも爆裂魔法を撃てるらしい。

しかし、撃てる変わりに充分な威力は出せない。

そこで、俺は昨日、ウィズさんから教わった属性付与を使うことにした。

圧倒的な威力を誇る爆裂魔法だが、元は無属性。下手に属性を混ぜる訳ではないので、詠唱さえしっかりすれば、通常の威力、もしかしたら、その倍の威力で撃てると言うことだ。

 

 

「これが、人類最大の攻撃手段、これが俺の全力全霊!《エクスプロージョン・イグニショナル》!!」

 

 

 俺の周りを覆っていた、吹雪は爆裂魔法の破壊の光を飲み込み、そのままデストロイヤーに突っ込んでいく。

光にぶつかったデストロイヤーは一瞬で凍結し、粉々に砕けちる。

氷となって砕けたデストロイヤーの破片は夕日に照らされ、キラキラと宝石のように散っていく。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー

 

 

 

 

 

 機動要塞デストロイヤー討伐から数日がたった。

あれから、街はなにもなかったかのように賑やかにある。

そんな中、俺達とカズマ達のパーティーは冒険者に囲まれながらギルドの職員の前に立っている。

 

 

「まさか、ユウマがあんな隠し玉を持ってたなんてな」

 

 

 カズマは笑いながら、俺を見る。

 

 

「あれから、毎日。めぐみんには爆裂魔法の戦いを挑まれるよ。正直、普通には撃てないから、何かしらの被害が起きそうで怖くて、引き受けてないけど」

 

 

 一応、氷の他にも、雷や、炎を付与できるが、そんなことをしたらどうなることやら。

それに、あのあと、ウィズさんは成仏仕掛けるし、何故かエリスが倒れるとかで、いろいろ忙しかった。

ここぞと言うときしか使いたくない。

 

 

「それにしても、二人とも、良く街を救ってくれた。本当に感謝している」

 

 

「ええ、私からも感謝の言葉を伝えさせてください」

 

 

 私服のダクネスとイリスは俺とカズマに礼を言ってきた。

どうしたのだろう。二人ともやけに、真面目だ。

そのあとカズマはダクネスに、そういえばお前なにもしてなかっただろと冷やかして笑う。

それを聞いて、周りは大爆笑したがそれはすぐに止み、静かになる。

 冒険者達の目線の先には、なぜか暗い顔をしたギルドの職員と二人の騎士を従えた眼鏡の女性がいた。

今回は魔王軍幹部よりも、大物のだった。賞金もそれなりに弾むのだろう。

そんな、うきうきした気持ちを持っていだが、明らかに目付きが違う。

そういえば、賞金らしきものが入ったのも見当たらない。

段々、雲行きが怪しくなってきたところで、眼鏡の女性は重い口を開いた。

 

 

「冒険者、サトウ カズマ。貴様には現在、国家転覆罪の容疑がかけられている!自分と共に来てもらおうか!」

 

 

 俺はその言葉を聞いた時、とっさにカズマを庇いカズマはギルドの外へ逃げようとした。

 

 

 

 

 




これにて、第1章完結です。
最初はテンプレ通りになってしまうんで、かなりはしょってみましたが、次回の新章からはゆっくり、丁寧に書けたらと思っています。
それでは次回もよろしくお願いします。
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