この素晴らしい仲間達に救済を!   作:よっひ。〜

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13話の続きの話です。
それにしても、ヒロインXの復刻イベントが始まったわけですが、忙しすぎてやれてません。この休日で頑張りたいです。



第14話 クリスの花

 

 

 

 平原から歩いて10分程度。

俺達は街の商店街に着ていた。

 

「今日はなんだか騒がしいな」

 

「小さなお祭りをやってるらしいですよ」

 

 俺の言葉に、背中におぶってるめぐみんが返す。

ほーん、それなら納得だ。

 

「そ、それじゃあ、私はケーキを買ってくるので20分後くらいにここに集合という形で」

 

「おう、了解了解」

 

「私はイチゴのショートケーキで。なるでく大きなイチゴを選んでくるんですよ」

 

「おい、本当に意地汚いなお前は」

 

 食べ物に飢えすぎてるなほんと。

この子は、わきまえる事を知ってるのかしら。

 

「貰えるのなら遠慮せず。それが我が家の家訓です」

 

「はいはい」

 

 適当にめぐみんの言葉を流して人混みの中を歩く。

それにしても人が多すぎて、露店が見えないな。

 

「さぁ、挑戦者はいませんか!?伝説の鉱石アダマンタイト!見事、破壊できたら高額賞金をプレゼント」

 

「へー、伝説の鉱石ね。面白いこと考えるな。て」

 

 俺の背中を乱暴に降りるめぐみん。

なにも蹴るこたぁないだろ。

 

「お前はもう撃てないだろ。大人しくして。」

 

「いえ、ご安心を。以前アクアからいただいた魔力回復ポーションがあります」

 

 キラキラした水の入った試験管を見せつけてくる。

これは要望が多くて現在は販売中止にしてるやつだ。

めぐみんは勢いよくポーションを飲み干すとマントを翻しいつもの登場をする。

 

「そこのお店の方。そのアダマンタイト、私が見事粉砕して見せましょう」

 

「おや、君は?」

 

「我が名はめぐみん!最強の攻撃魔法。爆裂魔法を操る者!!」

 

 毎度お馴染みの名乗りをあげて、やる気十分なめぐみんを見て周りの冒険者達は騒ぎ始める。

 

「兄ちゃん、逃げろ!こいつが例の爆裂魔だ!」

 

 あーあ、知らね。日々の行いてやつだな。

アダマンタイトの店に野次馬が集まってきたのをいいことに、空いてきた道を歩く。

すると、アクセサリーの並べられた店が見に写る。

RPGゲームとかってアクセサリーに特別な能力があったりするんだよな。さて、この世界にはあるのか。

見た感じだと、どこかのダンジョンとかのお宝物って感じの物が多いな。

 

「何かお探しの物でも?」

 

 中腰になって商品を見ていると横から声をかけられる。

多分、店の店員さんかな?

 

「珍しい物が多いてついつい。……て、サツキさん!?」

 

 青いエプロンを着けたこの店員さんは微笑む。

茶色い髪色に、スレンダーな体。一度見たことのある微笑み。間違いなくサツキさんだ。

 

「はい。後輩に幸運の女神を、同期に水の女神を持つ、記録の女神サツキです。お久し振りですね、工藤さん」

 

 サツキさんは、それはそれは丁寧な自己紹介を交えた挨拶をしてくれた。

 

「ええ、お久し振りです。……てそんなことより、仕事はどおしたんですか!?それに女神様がこんな所で商売だなんて」

 

 俺の混乱した様子をみてクスクスと笑うサツキさん。

 

「話すと少し長いんですが、あなたをこの世界に送った後、全能神様からエリスの仕事を引き継ぐよう言われまして。それでエリスの隠れ仕事だった神器回収をしていたのですが、資金が底を尽いてしまい、今はダンジョンで手に入れたお宝を、売って商売してるんです」

 

「資金が尽きるって……」

 

 まさか、神器は女神様直々に回収したりしているのか。

まぁ、悪用されたら大変そうだが、そういうのは能力とか使って集めてたりしてるのかと思った。

 

「まぁ、私の力を使えばすぐに集められるんですけどね」

 

「は!?」

 

「一応私は記録の女神なので、世界に記録されてる能力ならなんでも使えるんです。まぁ限界すると、その能力も弱体化しちゃうんですけどね。なら、天界で使えってことですけど、それは面白くないですし」

 

 開いた口が塞がらない。世界に記録されてる能力ならなんでも使える!?そんなのチートを越えてるじゃん。

 

「サツキさん、会計の整理終わったよ~。ん?誰と話してるの?」

 

 レジの後ろのテントから女の子が出てくる。

見た目は銀髪のショートで右の頬には傷がある。

あれ、誰かに来てる気が。

 

「お疲れ様、クリス。この人が工藤さんですよ。工藤さん、こちらはクリス。エリスがこの世界に限界していた時の分体です」

 

「へー、君がユウマ君か~。よろしくね」

 

「よろしくです、クリスさん。……そのエリスの分体てことは」

 

 クリスさんの出してきた手を握り、握手をする。

すると、クリスさんは右手の人差し指で頬の傷をかきながら照れる。

 

「クリスさんだなんて、呼び捨てでいいよ。あぁ、私はエリスの分体だったけど、今はエリスが下界に降りてパスが切れたからこの通り、自我をもって自由にさせてもらってるよ。」

 

 安心してと、笑いながら言う。

 

「パスが切れてるから、情報の共有もできないよ。あの子、ああ見えて結構焼きもち焼くから。尽くすタイプだけど、めんどくさいんだよねー」

 

「え、いや、別に俺とエリスはそういう関係じゃ……」

 

「あー。ユウマ君は女性経験はないのか」

 

「仕方ないですよ。前の人生では男の人の汗に囲まれて生きてきましたから」

 

「サツキさん、止めて!それじゃ俺がホモに聞こえてくるから!」

 

 俺の言葉を聞いて2人は腹を抱えて笑う。

すると、クリスは俺を見て。

 

「大丈夫大丈夫。ユウマ君が大の女好きなのは分かってるから」

 

 はい?

 

「ええ、街の冒険者の間では有名ですよ。魔道具店の店主さんを、赤字を弱みにして、経営をよくする代わりに昼間から楽しいことをしに行ってるとか。」

 

「ご、誤解ですから!別に弱味なんて握ってないし、二人で楽しい事ていってもただの魔法の修行ですから!」

 

 俺の必死の説明に二人は大笑い。

もしかして、俺のからかってる?

 

「いや、そんな顔しないで。くすす。あまりにユウマ君が必死に説明してくるから、面白くて。ユウマ君てピュアなんだね」

 

「そうですよ。別にけなしたりとかはしてませんから。あまりに必死なのがかわいくて、少しからかっただけですから」

 

 どうやら、俺の純粋な心はもてあそばれてたらしい。

もう、ぐれちゃおうかな。

俺のむすっとした顔を見て慌てて話を変えようと、サツキさんは言う。

 

「そ、そういえばどうです、このネックレス。エリスへの贈り物にしてみては?」

 

 薄紫色の花のネックレス差し出してくる。

 

「これは?」

 

「クリスの花をモチーフとしたネックレスです。クリスの花とはこの世界の花でして、花言葉は諦めない心です」

 

 諦めない心。こういうのは陸上時代に欲しかった。

それにしても、なかなかの出来だ。花の一枚一枚が綺麗に丁寧に作られている。サイズも小さいし身に付けてても邪魔にならない。

エリスへの贈り物はこれにしようかな。

 

「じゃあこれください」

 

「10万エリスになります」

 

 サツキさんは笑顔で手のひらを出してくる。

え、この雰囲気だとただでくれるのではないのか。

なかなか商売上手だな。

俺は渋々と財布から10万エリスを出し、手のひらにのせる。

 

「お買い上げありがとうございます。箱に入れますか?」

 

「お願いします。あと出来たらリボンもつけてもらいますか?」

 

「ふーん。プレゼントかー。いいんじゃないかな。エリスも喜ぶと思うよ」

 

 クリスはご機嫌そうにいう。

クリスがご機嫌ということはエリスも喜んでくれるのかな。 

 

「それじゃあ、俺は待ち合わせしてる奴等がいるんで」

 

「ご来店ありがとうございました。いい冒険者ライフを」

 

「また、機会があったら会おうね!」

 

 二人とも笑顔で見送ってくれる。

楽しかったな。たまにはこういう買い物も悪くない。

 

 

 

 

 

 お店の品の手入れをしているサツキに対してクリスは言う。

 

「それにしてもユウマ君」

 

「クリスも気付いてましたか」

 

 サツキさんは作業を止めずに切なそうにユウマ君の歩いていったほうを見る。

 

「あれはアクアにも、本人にもまだ気づいて」

 

「そうとう、混ざってるのにね」

 

 少し暗くなった雰囲気を真剣な空気に変えるように、商品の入った箱を並べ直しながら、私は言う。

 

「次は王都を狙うんだよね」

 

「ええ、あそこにあると思うんですよね」

 

 そうかと私は呟く。

王都に隠された神器。それがサツキさんの狙ってる物らしい。

 

「それじゃあ、いってみよう!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー

 

 

 

 

 

 俺は買い物したものを結界内にしまい、再集合の場所へ向かう。

集合地点にはすでにめぐみんもゆんゆんも着ていた。

 

「遅いです。時間に遅れて来るとはどおかと思いますよ」

 

 珍しくめぐみんがまともな事を言うので少し驚いた。

あれな所を抜いたら結構まともな人間なのかもしれない。

 

「ごめん。知り合いと話してたら遅れた」

 

「私は全然気にしてませんから!大丈夫です」

 

 ゆんゆんはあわあわと両手を振る。

すると、両手に合わせて胸も左右に動く。おお、ヤバイ。ゆんゆんは一つ一つの動作がとても素晴らしい。

 

「なーにを、鼻の下を伸ばしてるのですか。遅れてきて、挙げ句の果てにエッチな事を考えるとは、カズマに負けず劣らずのダメ男ですね」

 

「そ、そんなこと考えてないわい!勝手な言いがかりをするなら、家には入れないぞ!」

 

「別にいいですよ。その変わり、今のことをチクります。朝のことから懲りずにやっていると」

 

 めぐみんは勝った顔で俺に言う。

ヤバい、そんなことされたら、一生の終わりだ、

 

「それだけは勘弁を。俺の居場所が無くなる。……そ、そうだ。とっておきの食い物が家にあるんだった。今日の晩飯にそれを食わしてやるから。このことはノーカンに」

 

「ほう、とっておきのですか。それは是非いただきましょう。ユウマは話の分かる人でいいですね」

 

「そうだろ、そうだろ。そうと決まればとっとと帰ろうぜ」

 

 二人より先に歩きだす。めぐみんは食い意地が張ってるから食べ物でつればチョロい。

なんとか、助かった。

 

 

 

 

 

 それからは特に何もなく平和に家つくことができた。

めぐみんはというと、俺の言ったとっておきをとても楽しみしているらしく、ちょっかいをだしてこなかった。

 

「到着。ここが俺のパーティーの家だ」

 

「綺麗なお家ですね。それにしても、冒険者が家にパーティーごと住むなんて珍しいですね」

 

 ゆんゆんは凄く楽しそうな顔で言うが、緊張しているのか、どこかぎこちない動作をしている。

 

「まぁ、俺達の故郷はここから遠く離れた場所にあるからね」

 

 俺はそのまま、二人の先頭を歩いて家の敷地に入る。

すると、外の掃き掃除をしていたエリスがこちらに気づく。

 

「ユウマさん、おかえりなさい。あら、お客さまですか?」

 

 エリスは俺の後ろにいたゆんゆんを笑顔でむかえる。 

ーーが、何故だろうか。その笑顔が俺に向いた瞬間、とてつもない、寒気が背中を襲う。

 

「紹介しますよ、エリス。私の横にいる彼女はゆんゆんといいまして、紅魔族の族長の娘です。ゆんゆん、この方はエリスといいまして。あの女神エリス様と同名にして劣らぬ慈愛を持っている、ありがたい人です」

 

「大袈裟ですよ、めぐみんさん。よろしくお願いします。ゆんゆんさん」

 

「あの、こ、こちらこそよろしくお願いします」

 

 焦りぎみなゆんゆんに優しく微笑むエリス。

良き良き。

それにしても、ゆんゆんがお辞儀をした時に、また胸の揺れに目がいってしまった。

まぁ、仕方ないよね!男の子だもん!

 

「中でイリスが退屈にしているので、遊んであげてください。」

 

 二人の後に俺も家に入ろうとする。

しかし、ジャージの端が引っ張られて入れない。

あれ?おかしいと思って振り返ると、そこには満面な笑みのエリスがジャージを引っ張っていた。

 

「少し、お話したいのですが、お時間よろしいですか?」

 

 あー、駄目だ。声が怒っている。

 

「ど、どおして怒っていらっしゃるのですか?」

 

 目には見えない威圧に押されて、敬語になってしまう。

 

「いえいえ、怒ってなんかいませんよ?私はいたって平常です」

 

「そ、そうか!それならよかったよかった。あはははは」

 

「あはははは」

 

 バキッ!固いものの折れた音が乾いた空に響く。

音のしたエリスの手を見ると、そこには竹ほうきが無惨な姿に折れていた。

 

「何が、よかったですか!朝のことに懲りず、今度は女の子に手を出そうとしたんですか!」

 

「ご、誤解だ!ゆんゆんはめぐみんの友達であって、今日はめぐみんが魔法を使えないから、家に呼んだんだ。けしてやましいことは考えてない!」

 

 これ以上にないほど、必死に弁論する。

そう、俺は100%善意で呼んだんだ。それを理解してほしい。

 

「じゃあ、なんで、何回もゆんゆんさんの胸を見てたんですか。」

 

 エリスの言葉に俺は凍りつく。気づかれていた。それに関しては何も言えない。

どおする、どおする、クドウユウマ!考えろ、考えるんだ。エリスの納得いく理由を考えるんだ!

 

「……そ、それは」

 

 どれくらい考えたのか。体感では長く感じたが、実際はかなりはやくだったかもしれない。

とりあえず、気づいた時には口が動いていた。

 

「年頃の男の子は大きい物に目が行く習性でな。これは抗えない性なんだ」

 

 その言葉を聞いて、エリスは笑顔になる。

よかった理解してくれた!と一瞬でも考えた俺はバカだった。

そう、けしてエリスは納得なんてしていない。

それどころか、怒りが沸点を越えてしまっていた。

どうしよう、なにかこの状況を打開する手は!!

その時、昔やったギャルゲーが頭に浮かんだ。

そして、エリスが口を開く前に、俺はエリスの手を握る。

 

「と、言いたいんだけど。……よく考えて欲しい。うちのパーティーにはこんなに素晴らしい女性がいる。なのに、俺が他の女性に目がいくと思うか?それに、ゆんゆんは年下の女の子、俺のストライクゾーン外だ。つまり、俺がゆんゆんをいやらしい目で見るなんてありえない!気のせいだよ。そう、気のせい!」

 

「……本当ですか?」

 

 怪しいという目で見てくる。

だが、怒りはない。

あともう一踏ん張りだ!

 

「本当の本当。そうだ!エリスに渡したい物があったんだ!」

 

 俺は結界内から長方形のリボンの付いた箱を出してエリスに渡す。

 

「これは?」

 

「開けてみて」

 

 不思議そうにリボンをほどくエリス。

完全に疑心を振り払うことができた。

箱を開けるとエリスは驚いた顔で俺を見る。

 

「実は今日、街の商店街で小さいお祭りがあってさ。日々のお礼もかねて買ったんだ」

 

「このネックレスの花。もしかしてクリスの花ですか?」

 

 

 エリスはさっきの怒りの入った笑顔ではなく、嬉しそうに笑う。

 

「私、この花好きなんです。花言葉「諦めない心」って、え?この花はユウマさんの世界にはない気が」

 

「え、えっと、知り合いに教えてもらったんだ!」

 

 ここで、サツキさんやクリスの話を出すのは止めておこう。またややこしくなる。

俺が頭をかいて笑っていると、エリスはさっそくネックレスをつける。

 

「ど、どうですか?」

 

 顔を赤くして、指をもじもじとしながら聞いてくる。

ヤバい、可愛い!!二重で可愛いぞ!

 

「うん、似合ってるよ!」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 エリスは恥ずかしそうに顔を下に向ける。

そして、少ししてから俺の手を握り

 

「さっきは、疑ってすみません。ネックレス、ありがとうございます」

 

 俺の顔を見上げるように今までで、一番の笑顔を見せてくれる。

んー、マーベラス。素晴らしいネックレスを売ってくれてありがとう!サツキさん。

 

「それじゃあ、私達も中に入りましょう。いつまでも外にいたら風邪引いてしまいますし」

 

 

 

 そのあとはとてもほのぼのとした時間だった。

みんなでトランプをしたり飯を食ったりと。朝からすねてたイリスはゆんゆんとも仲良くなり、ご機嫌な感じだった。

ーーが、何故か俺に張り合ってくることが多かった。

ちなみに、めぐみんと約束したとっておきだが、当の本人が忘れていたため、結局俺一人で食べることにした。

 




ゆんゆんを中心に書きたかったんてすが、気づいたらエリスの話になってました。笑
少しチョロすぎてますが、エリスも経験がないので仕方ないんです。
ちなみに、クリスについてですが、カズマに盗賊スキルを教えたのはクリス(中身エリス)になってます。
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