そんな疑問を感じた自分がいます。笑
前回、ショートストーリーに、すると言ったんですが、書いてたらいつもと変わらない量になってました。
行き当たりばったりは恐い。
それでは本編をどおぞ。
アクセルの街の少し外れにはエリス教が運営する孤児院がある。
この孤児院のすごい所は募金活動で集めた金以外にも自分達で稼いだ金などを使って運営しているところだ。
さすがはエリスの信者達。国教になる理由も十分わかる。
「エリスさん。今日は貴族の方がおみえになるので、その補助に回ってもらえないかしら?」
「ええ、わかりました。それじゃあ、子供達のことは……」
お年寄りの修道女の人と仕事の話をしたあと、外の正門へ走って行くエリス。
その様子はとても嬉しそうな感じだった。
「さすが名前の通りの素晴らしい方だ。もう少し胸のほうが育っていたら。……おしい。」
「確かに、もう少し胸が……」
俺の近くで男話に花を咲かせているエリス教の男達。
お前ら、自分達の信仰す神にすごいこと言ってるぞ。
やっぱり、男は宗教に入ろうが変わらないらしい。
エリスが何故ここで手伝いをしているのかだが、本人に聞いてみたところ、自分の信者達との交流を深めること、この世界に限界したことをきっかけに天界にいたときに出来なかった、手助けをしたかったかららしい。
この話を聞いた時、やっぱりエリスはすごいなと思えた。
ただ、エリスは女神と言うよりはシスターていうイメージが強い。逆にアクアは女神らしいなと思う。
俺の中の女神の像は自分勝手なイメージが強すぎるからだ。
ーーとサッカーボールのような物が足元に転がってくる。
「ほれ」
「あ、ありがとうございます!」
見た目は小学4年生くらいだろうか。なんでない茶髪で小柄な少年がこちらにボールを取りに来たので、手渡ししてあげた。
少年はボールを受けとると軽く会釈して、友達のほうへ走っていった。
その後ろ姿に、なんだか懐かしさを覚える。
「優しい方なんですね」
後ろの方から声がしたので振り返るとなかなかなイケメンが立っていた。
年は俺より少し上くらいだろうか。
「これくらい、当たり前のことでしょ?」
「そうですね。確かに本来なら当たり前です。」
隣に座ってもと聞かれ、座っていたベンチから荷物を結界内にしまいスペースを作る。
「ここにいる孤児達は国民から嫌われているんです」
イケメン青年の人はベンチに座って少し悲しい顔で話始める。
このアクセルにいる孤児達、そのほとんどは敵国の戦争孤児やストリートチルドレンだという。
そんな子達が何故、国民に嫌われているのか。
それは、とても単純すぎることだった。
敵国だから。
食い物がないからという理由で盗みを働いたから。
たったそれだけのことだった。
ただ、後者のほうに関しては国の問題にもなっているらしいが、当の本人達もなりたくてなっている訳じゃない。
だが、現実は非情だ。ある程度生活の水準が高かった日本に比べ、この世界の生活の水準は低すぎる。
みんな生きるのにいっぱいいっぱいなんだろう。他人のことなど考えてる暇などない。
「そりゃ、辛いな」
「ええ、本当にです」
ため息をつく青年につられ俺もため息を出してしまう。
「そういえば、自己紹介をしていませんでしたね。僕はアレクセイ・バーネス・バルターといいます」
笑顔で握手を求めてくるバルター。
あれ?アレクセイってアルダープの性と同じだよな。もしかしてアルダープの息子か?
これは、たまげたな。まさか、あんな性悪からこんなまともなイケメンができるとは。
「俺はクドウユウマ。けちな冒険者だよ」
「クドウユウマ……。あの有名なクドウユウマさんですか!!」
「そんなに驚かなくても…。お偉いさんに認知されるようなことは特にしてないような」
俺の名前を聞いて驚くバルター。
ただの冒険者Aなのに、どうやら貴族たちの中では有名のようだ。
いや、もしかしたらクリス達の言ってた悪評で有名になったのか?
「貴族達、特に国の政治関係者達の中では魔王軍の幹部2人、災害と恐れられていた機動要塞デストロイヤーを仕留めた冒険者としてサトウカズマさんという冒険者の方とよく話題に上がってますよ」
俺とカズマが知らないうちにこんなにビックネームになっていたとは。
正直なところ少し嬉しい。カズマも聞いたら喜ぶだろう。
「それに比べて僕はまるで駄目です。さっきの孤児達の件にしても、どうにかしてあげたいと思っても、どうにかできる権力も訴える発言力もない。僕はあなた方に比べたらちっぽけなものです」
うつむきだんだんと小さな声になっていくバルター。
彼の言葉は自虐と虚しさに満ちていた。
「そんなことは無いと思うよ」
えっと顔をあげてこちら見る彼に言葉を続ける。
「権力や発言力が無くたって孤児達を思う気持ちはあるんだろ?俺はその気持ちを持ってどうにかしたいと必死に行動するバルターを尊敬するよ」
ありがとうと俺に感謝を言う彼の表情はとてもいきいきしており、何かが吹っ切れた顔だった。
それからしばらく何気ない世間話をしたあと、聞き覚えのある野太い声がバルターを呼ぶ。
「こんなに楽しい会話ができたのは生まれて初めてです。本当にありがとうございます」
「俺も楽しかったよ。これからも厳しい獣道だろうけど、自分に自信を持って頑張れよ」
「ユウマ君こそ、冒険者の仕事頑張ってくださいね。これからもご活躍期待してます」
握手を交わしたあと、正門の方へかけていくバルターを見て、彼ならきっとやりとげてくれるだろうと思えた。
だって、その背中は自信に満ちていたんだから。
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ーー
バルターが帰った後、孤児院では会議が行われていた。部外者の俺は入れてもらえず、会議が終わるまでの間、バニルに昨日の返事をしようと魔道具店に来ていた。
相変わらずの人気の無さと昨日の話のせいで傷の残ったままの店がなんだか虚しく見える。
正直、ここで聖水の特許を譲ったとして本当に立て直すことなどできるのだろうか?
そんな不安を胸に店に入ろうとしたときだった。
二つの足音が聞こえてきた。
別におかしなことではない。確かにこの道は普段人気が無く、人なんか歩いてないだろと思うほど静かだ。
だが、あくまでもここは人の住む街。
歩いてないわけがない。そんなわかりきったことなのに思わず足音のする方をむく。
そこにはゆんゆんと知らない頭テカテカ中年が歩いていた。
「ゆんゆんちゃん、お父さん疲れちゃったから休んでいかない?」
昼間からどういう神経をしているのか。ゆんゆんに危ない誘いをかける中年。
俺の国でそんなことしたら犯罪だぞ。このロリコン野郎め。
「おっとゆんゆん。こんなところで奇遇だな!」
「!?」
後ろから突然として現れた俺に驚く性犯罪者。
その顔はなんで邪魔したんだよという顔だ。
おう、邪魔してやったぜ!ざまーみろ。
「あ、ユウマさん!」
笑顔で俺の名前を呼ぶゆんゆんと、俺の名前を聞いてこちらに舌打ちをする中年性犯罪者。
こいつ、俺に舌打ちをするとは。失礼にもほどがあるだろ!
「チッ!店主どころかゆんゆんちゃんにも手をだしてたとは。クソハーレムが……」
小さな声で俺に嫉妬して消えてくハゲ。
悪は消え去った。どっちがクソか鏡を見て言いやがれ。
「え、あの……」
「おっと、ストップゆんゆん。あーゆのには関わっちゃ駄目だぞ。着いてきなさい」
ゆんゆんの腕を引いて、魔道具店へ向かう。
それにしてもゆんゆんもゆんゆんだ。
めぐみんから聞いてはいたが見境なしに着いて行くのは駄目だろ。自分のスペックを理解しきれてない。
しっかり教えてやんないと、そのうち事案になるぞ。
キシリと音をならすドアを開け店内に入る。
すると、案の定満面の笑みで出迎えてくる悪魔さん。
「おお、待っていたぞ坊主よ。それしても、またもや残念な風評がたってしまったな。乙女の貞操を守ったのにこの有り様とはお主も苦労してるな」
「同情ありがとう。ただ、自分のことを心配したほうがいいと思うぞ」
笑みを絶やさないバニルを煽るように返るが、不発に終わる。
どうやら、俺の中を視たようで上機嫌に契約書と万年筆を机に並べている。
「はぁ……。人の許可なく覗くのは止めたほうがいいぞ。そのうち嫌われるぞ」
「忠告ありがたいが、我輩は悪魔である。人の悪感情糧とする我等が好かれる訳がなかろう」
ごもっともですねバニルさん。
万年筆を手に取り、契約書へ筆を動かす。
昨晩、アクアと話し合った結果。アクアは簡単に許可を出した。
ーーというのもアクア自身、ウィズさんには結構世話になっており、その恩返しだった。
当然、バニルの名前を出したときには心底嫌な顔をしていたが、ウィズさんのことを思ってのことでなんとか許可を出した。
ただ、契約条件として月の収益の5割献上を求めた。
これには流石はアクアと思った。
目先の報酬にしか目がいっておらず、店の現状を理解してないことがよくわかった。
俺なら確実な報酬を得ることのできる3億を選ぶのだが、……まぁ、アクアが決めたことならそれでいいか。
一ー通り契約書を書き、内容を確認する。
「安心しろ坊主。悪魔は契約には厳しい。貴様が守り続ける限り、我輩はこれに従うまでだ。」
この世界の悪魔は、人間との等価交換で成り立っているらしい。人間の願いを叶えるかわりに糧である、悪感情をもらう。ただ、その悪感情の種類は悪魔によって違うらしく、バニルは人の不幸、期待を裏切られた時の絶望を糧にするのだが、中には苦痛による悪感情を求める悪魔もいるので注意とのこと。
契約を交わし、店を出て時計を確認する。
すでに昼を回っており、腹がする頃合いだ。
ちなみに会議が終わるまでには時間があるので、エリスには悪いが、先に昼飯を出る済ましておこう。
「時間も時間だし、飯でも食いにいかない?」
「!!」
昼飯の誘いに顔を真っ赤にしながら驚くゆんゆん。
恥ずかしがる彼女を見て、おかしなことでも言ってしまったのかと不安になる。
「あ、あの!本当に私なんかでいいんですか!?」
「へ?」
ひどく動揺しながら、紅魔族の特徴である紅い瞳を強く輝かせる。
どうしたのだろうかこの子は?まるで年齢=彼女いない歴の男子みたいな様子だ。
「私なんかがお食事に誘ってもらえるなんて……」
「いやいやいや。友達と飯を食いに行くのは普通だろ?」
「と、友達……!私たちお友達なんですか!」
別に俺は告白なんてしてないのに、この興奮。
それに涙を流してまで、友達であること喜ぶなんてこの子、今までどんな過去が?
とりあえず、いつまでも立ち止まっているのは時間の無駄なので、メインストリートに出て空いているカフェに入る。
「とりあえず俺が金は出すからなんでも好きなもん食べていいぞ」
あわあわして落ち着きのないゆんゆんにメニューを渡す。
すると、サンドイッチとコーヒーを指差す。
「そんなに遠慮しなくていいのに。すいません!オーダーお願いします」
昼の忙しい時間を終えて余裕を得た店員さんがこちらのテーブルに来て、オーダーを取ってくれる。
「3種類のサンドイッチとコーヒー、後はシェフのおすすめオムライスとアップルティをお願いします」
愛想よく注文を取って厨房に入る店員。
ランチタイムの疲れを見せず、丁寧に接客するその様子は接客業の模範となるもので関心してしまった。
まぁ、それは置いといて、目の前のゆんゆんに視線を戻す。
ゆんゆんは依然としてもじもじとしながらこちらを見ている。
とりあえず、何か話しを振るか。
「男の人と飯食ったりするのは初めてだったりした?」
「男の人というか、めぐみん以外の人とお食事に行くのは初めてで……」
「え、親とは?」
「お父さんは族長をやっていて、お母さんもそのフォローとかで忙しくて、誕生会も一人でやったりしてて……」
衝撃で口が開いたまんま固まる。
無神経に入りすぎた上に地雷を引いてしまった。
どうする、どうやってフォローをいれればいいのか。
そんな焦りから、とんでもないことを言ってしまう。
「友達を誘ったりしなかったの?」
何気ない言葉だった。そう一般的にみればだ。
ただ、ゆんゆんに限ってはそうではなかったらしい。
暗く寂しそうな声が響く。
「私、里の人達の感性が変に思えていて、周りからはおかしいて言われて、友達ができなかったんです。それで一回悪魔を呼んで友達になってもらおうとしたんですけど……。でも、安心してください!人のお友達はいなくても植物のお友達はいるんで!」
めいいっぱいの笑顔を向けてくるゆんゆん。
そうか、そんな過去が。
確かにめぐみんを見ていて、紅魔族としてはおかしいとは思うが、別に普通の人たちと比べたら全然普通だ。
少し、こじらせてしまっただけで、それなりの環境を得れば直るだろう。
俺はできるだけ優しい声で言う。
「ゆんゆんは友達が欲しい?」
別におちょくってる訳ではない。
ただ、少し。少しだけ思い出してしまった。
「実はな、俺もゆんゆんと同い年くらいの時。調度今ごろかな。周りとうまくいかなくて、孤立してた時期があったんだ」
驚くゆんゆんの目を見ながら、俺は話しを続ける。
「なんていうのかな。ちょっとゆんゆんとは状況が違うんだけど、その頃の俺は結構なひねくれものでね。周りが見えて無くて、勝手に決めつけては勝手に離れていって。その時の生活は本当に最悪だったよ」
そう、確か中一から中二にかけてはテニスを止めて勝手に自暴自棄になってうじうじしている毎日だった。
でもだ、そんな時に救いの手を差しのべてくれた人がいた。
「でも、ちょっとした、きっかけをくれた人がいてね。その人のおかげで、俺は周りを見る事を知って、なんとかうまくやっていけたんだ」
俺がもらった救いの手。
その手を今度はゆんゆんに差し出すときだ。
「ゆんゆん。友達を作るのは簡単だったりするんだぜ。そんなに難しいことは考えず、広い視野で周りを見てみな。決めつけたり、自分を責めるんじゃなくて、落ち着いて周りを見渡すんだ。そうすれば見えてくるものが必ずあるから。そういうのは案外近くにあったりするんだよ」
料理ができたらしく、店員さんがテーブルに置いてくれる。
どれも美味しそうだ。
「まぁ、とりあえず今は飯を食わないとな。せっかくの出来立てが冷めたらもったいないし」
出来る限りの笑顔でゆんゆんを見る。
すると彼女も今までよりずっと晴れた笑顔で返してくれた。
今回どおしても書きたかったバルター。
もっと掘り下げたかったんですが、第2章に入って未だにゆんゆんの話しをいれてなかったので、今回はそこまで書きませんでした。
バルターて普通にいいキャラだと思うでどっかでしっかりと書きたいです。
それではまた来週!皆さんfgo第2部開始まで、準備はしっかりと!(復刻イベントが終わってないやつが何をいうか。)