読みにくい所が多くすいませんでした。
これからは誤字の確認を怠らないようがんばりますので、どうぞよろしくお願いします。
中世ヨーロッパみたいなこの世界。
交通手段は徒歩、テレポート。
そして馬車である。
お昼時の馬車乗り場にて、湯治に行くというカズマ達パーティーの見送りに来ている。
「本当にユウマは来ないのか?」
「バニルに頼まれてることがあるからな。こっちでお留守番だ。イリスとゆんゆんを頼んだ」
少し寂しそうなカズマ。
その横ではアクアが呑気にあくびをしている。
どうやら、カズマとアクアは明朝から仕度をしてみんなを待っていたらしい。
ちなみに何故俺がカズマ達について行かないかだが、前回、バニルに聖水の特許を譲った際、今までお世話になっていた王都の商人達に話を通さなければいけなくなり、カズマ達の湯治の期間と被ってしまったため、今回は留守番となった。
だが、イリスは今回の遠出をとても楽しみにしていた。
そのため、あまりのり気ではなかったゆんゆんに頼み込み付き添いで行ってもらうことになった。
ちなみにエリスは孤児院の会議が長引いてしまい、後日に延期になってしまったため、一緒に留守番だ。
「そういえば、なんで師匠は黒焦げなんだ?」
「あぁ、実は……」
カズマいわくなけなしの金でポンコツばかり買ってくるウィズさんに、ついにしびれを切らしたバニルは、殺人光線を浴びせたらしい。
そして、厄介ばらいとしてカズマ達の湯治に押し付ける感じで同行させることにしたらしい。
ちなみにバニルの殺人光線だが、その名の通り人を一撃で仕留められる強力な攻撃である。
それを受けて黒焦げですんだ、ウィズさんは流石リッチーといえる。
「それでは行ってきます!」
「おう、しっかりゆんゆんの言うことは聞くんだぞ。それとカズマ達にも迷惑をかけないように。ゆんゆん、頼んだよ」
「はい!しっかり頼まれました!」
イリスの手を取り、張り切った様子で馬車に乗るゆんゆん。
なんだが、頼もしいな。
それから少しして、馬車はゆっくりと動きだし、俺とエリスは手を振って送り出す。
子を送り出す親の気持ちって、なんだか寂しいものだな。
馬車の後ろでは、席に座れなかったアクアがふてくされた顔で座っている。
お昼のメインストリートは昼飯を求めた人達で溢れており、どの飲食店も満員で入れない。
「やっぱり、どの店も空いてないか」
「ユウマさんがよければ、私は食べ歩きでいいですよ」
「そうか。ならホットドックとかでいいかな」
この世界には平日という概念がないため、毎日のように祭りの屋台が並んでいる。
俺は丁度、すいている屋台へ向かう。
「ホットドック二本。その場で食べます。」
「あいよ!ホットドック二本!」
白タオルを巻いた、屋台のおっちゃんは慣れた手つきでソーセージを焼き、バンズに挟む。
肉を焼いた、この匂い。最高だ!
出来立てのホットドックにケチャップとマスタードをぶっかけ、紙で包んで渡してくれる。
2本で400エリス。妥当な値段だ。
「まいどあり!」
二本のホットドックを片手に、エリスの待つ中心の噴水へ行く。
ん?しゃがんで何をしてるんだ?
「おまたせ。何見てるの?」
「あ、ユウマさん!見てください、猫ですよ!」
エリスは噴水の外で横になっている猫と戯れている。
猫というと、最近めぐみんが使い魔の猫を連れて来た。
ーーが、この猫。外見は黒く、何故か小さな翼がはえていた。
しかも、魚を渡すと誰も見てない所で口から火を出して炙り始めた。
その時は、異世界だからありえるのかな?と思っていたが、後々めぐみんに聞いたら、そんな事はないと笑われた。
この猫は見ると翼がはえていない。
きっと、めぐみんの猫だけ特別なのだろう。
「さぁ、お食べ」
ホットドックのバンズをちぎり、猫に食わすエリス。
馬小屋の馬をよく見ては可愛いと言ってたのを思い出す。
エリスは動物が好きなのだろう。
猫を胸元に寄せて、座りながら食べているエリス。
羨ましいなぁ~。
「口元にケチャップついてますよ?」
「あ、あぁ」
「お洋服が汚れてしまいます」
エリスに見惚れてて、口元についてたケチャップをジャージの裾で拭こうとする俺。
それを見かねてハンカチで拭いてくれる。
ヤバイ。これはかなり効く。
「どうしたんですか?」
「い、いや特に。」
俺はこういうのにはかなり弱い。
顔を真っ赤にした俺を見て、優しく微笑むエリス。
聖女だ。
ホットドックを食べ終わり、猫に別れを告げて街を歩く。
季節も春になり、日が出ていると暖かい。
「もう、すっかりと春になりましたね」
「そうだな。この世界の冬はとことん寒かったから、春も少し寒さが残ってると思ってたけど、結構ほのぼのとした暖かさだね」
「そこらへんは、ユウマさんの過ごしてた日本と変わりませんよ。気温も丁度いい感じで、気持ちのいい季節です」
この世界で初めての春。
こんなにのんびりとした季節なのに、桜が無いのがもったいない。
できれば、みんなでお花見したかったな。
「アクア先輩に教えてもらったのですが、この時期になると日本ではお花見というのをやるんですよね?」
「そうだね。ピンク色の花びらの桜って木の下で、みんなで弁当食べたり、遊んだりするんだけど、本当楽しくてな。……、そうだ。魔王を倒したら、みんなで日本に行ってお花見しようぜ」
俺の提案に、どこかせつない感じの笑顔をうかべる。
「魔王を倒した後ですか……。そうですね。楽しみです!」
前に桜の話をしたときに、すごい見たそうにしていたのをイリスを思い出す。
きっと喜ぶだろう。
それに大勢でお花見を開けば、ゆんゆんにも楽しい思い出を作ってあげられる。
我ながらいい案だ。
しばらく、街の川沿いを歩きながら夕日を眺める。
周りには高い建物がないため、きれいなうえによく見える。
日本だと建物が多すぎて空が近く見えるが、この世界だと遠くに見える。
「あの」
突然、止まって俺を呼び止めるエリス。
振り返ると、少し寂しそうな表情で見てくる。
「どうした?」
開いた距離を縮めようと少し近づく。
「ユウマさんは自分勝手な人をどう思いますか?」
自分勝手な人。
いろいろな種類があって、少し解答に困る質問だ。
それにいきなりな質問で戸惑ってしまう。
「自分勝手って言っても、いろんな種類があるからなー。そうだな。人を傷つける奴は嫌いだ」
「人を傷つける人……」
下にうつむくエリス。何かに怯えているようで、その体は震えていた。
俺はそんなエリスを安心させようと、体を抱きしめる。
「え!?」
突然の俺の行為に驚く。
これ以外、どうしても思い付かなかった。
夜、一人泣いていた俺を安心させようと抱きしめてくれた、あの感覚。
全てを受けとめてくれたエリスへの、俺ができる事だ。
「大丈夫。もし、エリスを傷つける奴がいたら俺が許さない。たとえ、国だろうが、神や悪魔が相手だろうだ、エリスを守るよ」
この世界のいろんな人達から信仰された女神。
そんなエリスだが、ゆんゆんとはまた違うとても孤独な女の子に感じだ。
しばらくして震えが止まり、俺の腕の中で安堵するエリス。
「よかった。ユウマさんに守ってもらえるなら、それだけで充分です」
今回は少し短いです。多分次回も短くなります。
第2章も残り僅か、アクセル街に残ったユウマとエリスに待ち受けてるものは何か!
次回もよろしくお願いします!