この素晴らしい仲間達に救済を!   作:よっひ。〜

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第26話 紅魔の里観光ツアー

次の日。

里の観光のため、俺達はカズマパーティーとの待ち合わせ場所であるグリフォンの石像に来ていた。

 

「それにしても、立派な石像だな。翼の羽も一枚一枚が細かく筋彫りされてるし。モデラーとして、これ作った人尊敬するわ」

 

「あ、この石像は本物のグリフォンですよ」

 

「え?」

 

「前に里に迷い込んできたので、石化の魔法で石にしたんですが、格好いいので観光名所として残そうってなったみたいで」

 

 いや、マジか。

御愁傷様、グリフォン。

空を勇ましく見るグリフォンを見上げていると、ちょうどカズマ達がやってくる。

なにやら、カズマはげっそりしているのだが。

 

「お兄様大丈夫ですか?なにやら、とても疲れていらしてますが」

 

「イリス、その男には近寄らないほうがいいですよ」

 

「そうよ、クズマさんに近づいたら何をされるかわからないわよ」

 

 と、カズマからイリスを遠ざけるアクアとめぐみん。

アクア達の対応に疑問を抱き、何があったか聞いてみた。

すると、昨晩めぐみんと二人きりになった時、何かいかがわしいことをしようとしたらしい。

それを聞き、おもむろに引くイリスとゆんゆん。

さらにはあのエリスまでもが、苦笑いをして引いている。

その様子を見て、涙を浮かべるカズマ。

 

「カズマ。アクアやダクネスならまだしも、未成年のめぐみんに手を出そうとするのはヤバイと思う」

 

「ちょっと、ユウマさん!先輩やダクネスさんに手を出すのもアウトですからね!」

 

 エリスと軽いコントをしながら紅魔の里を観光し始める。

ちなみにカズマだが、このあと行った喫茶店でおごりまくってなんとか女性陣に口をきいてもらえるようになった。

 

「ここがこの里のご神体を祀ってる場所です」

 

 そういって、神社っぽい建物の中を案内される。

そこで見せられた物は。

 

「「なにこれ?」」

 

「どう見ても、猫耳スク水少女のフィギュアなんですけど」

 

 いや、それは見ればわかる。

問題はそれじゃない。

なぜ、これがこんなところで祀られているのかが問題なんだ。

 

「その昔、モンスターに襲われていた旅人を救ったときにご先祖様がもらったものらしく。その旅人が、命より大切なご神体と言ったので、何の神様かは知られてないのですが、何かのご利益があるかもと祀られています」

 

「……」

 

「私、フィギュアと同じ扱いされてるの少しムカつくんですけど」

 

「こんなの持ち込んだ奴を送ったのはどこの誰だよ!」

 

 ーー相変わらずの夫婦漫才をするカズマ達と共に次に案内された場所は。

 

「これは、抜いた者に協力な力を与えると言われている聖剣です」

 

「さすがは紅魔の里。こういうのを求めてた。それじゃあ、さっそく」

 

 聖剣に手をかけるカズマ肩をつかむ。

 

「ステイステイ。こういうのはじゃんけんで順番を決めるのが相場だろ?」

 

「悪いがユウマ。俺はじゃんけんで生まれてこのかた負けたことないぞ?」

 

「残念だがカズマ。今の俺の運気は最強だ。今のこの感じ、1%のクソガチャに大勝利を果たした時とにている。悪いが勝つのは俺だ」

 

「熱くなっているところすいませんが、どっちが引いても多分抜けませんよ。この聖剣は挑戦者一万人目の人が抜ける仕組みになってます。今はこの聖剣ができて四年。挑戦者はまだ百人程度です」

 

「「歴史もクソもねぇー聖剣だな!」」

 

「待って。この剣の封印、私の魔法で解けそうなんですけど。もらっていっていいかしら?」

 

「先輩、さすがにインチキはダメですよ!」

 

 続いて向かった先は、神社の裏にひっそりと佇む小さな泉。

 

「ここは『願いの泉』です。実はここには古いいい伝いがありまして、コインや斧を供物としてこの泉に投げると、金銀を司る女神を召喚できるらしいです」

 

 おっと待て、それおとぎ話じゃないか?

 

「まぁ、そのおかげで、今でも時折、斧やコインを投げる人達がいるらしいのですが、親切な鍛冶屋のおじさんが、定期的に回収してくれてるので、この通り綺麗な泉を保ててます」

 

「で、そのコインや斧の行き先は?」

 

「もちろん、鍛冶屋のおじさんが武器や防具の材料としてリサイクルしてます」

 

 だと思ったよ!

 

「先輩何してるんですか!」

 

「何ってコインを拾ってるのよ。暇ならあんたも手伝いなさい」

 

 泉の真ん中からひょこりと顔を出すアクア。

あなた様はカッパか何かですかね?

 

 

 次に行ったのはあまりにも場違いな地下への入り口。

 

「ここは、世界を滅ぼしかねない兵器を封印している地下施設です。中に入れた人はいないらしくてよくはわかってないのですが、とりあえず観光名所になってます」

 

 めぐみん達もよくわかってないらしく、こんなのもあるんだ程度でその場を去ることにした。

 

「まぁ、里の紹介はこんなところですかね。他にも『邪神の墓』や『女神が封じられた地』などあるのですが、今じゃ封印が解けてるので、これといって紹介するようなところではありません。」

 

「この里の封印て案外もろいんだな」

 

「大丈夫かよ、この里」

 

 このあと、めぐみんが服屋にゆんゆんは学校に用があると言ったので一時解散となった。

 

「それにしても、本当についてきてよかったのか?」

 

「紅魔の里の学校ではいつでも学校見学ができることになっているんで大丈夫です」

 

 商店街をぬけ、学校へ繋がる道をゆんゆんと二人で歩く。

魔法においてトップランクである紅魔族の授業風景を見たい。

というのは建前で、本心はこの世界の学生に少し興味がわいたのでついていくことにした。

 

「あの、ユウマさんの学校はどんな場所だったんですか?」

 

「ん?俺の通ってた学校?」

 

 なんと説明すべきか。

思い出してみれば、ただの馬鹿学校だったとしか説明できない。

それもこれも、高校受験を失敗したことで俺の頭が自然に黒歴史として忘れようとしてるせいで深く、覚えていない。

 

「そうだな。うん、昼休みに机で料理を始めるやつらがいた」

 

「ふぇ?」  

 

「あと、授業中はいつもうるさくて集中できるもんじゃなかった。うん、あれは人の通う場所じゃない。ただの動物園だ」

 

 言葉にすればするほど、次から次へと思い出される俺の学校生活。

高校生になれば淡い青春でもできる、そんなことを思っていた昔の俺をぶん殴りたくてしょうがない。

しかし、悪いことばかりではなかった。

周りに特に気を使う必要がなかったせいか、陸上に専念することができた。

今思い返せば、それだけで十分だったと思う。

 

「何はともあれ、高校に行くならしっかりと考えたほうがいいぞ。マジで後悔する」

 

「は、はぁ。よくわかりませんが、学校選びはしっかりとしなきゃいけないんですか。あ、着きました!ここが、紅魔の里の学校です」

 

 ゆんゆんの指差す方を見る。

そこには、懐かしさを感じさせられる木造の建物があった。

 

「なんだろう。思ってたのと少し違うけど、里の雰囲気に合いすぎててなんともいえない」

 

 今まで見たものが、あまりにも統一感が無さすぎて、逆に正統派すぎて違和感を覚える。

とそんなことを考えていると、校舎からポニテとツインテールの女の子がこちらに歩いてくる。

 

「あ、ゆんゆんだ!」

 

「本当だ!ゆんゆんじゃん久しぶり」

 

「ふにふらさん!どどんこさん!お久しぶりです」

 

 正直ゆんゆんにはめぐみんしか友達がいないのかと思っていたが、どうやらそれは勘違いだったようだ。本当によかった……。

久しぶりの再会で今までにないくらい喜んでいるゆんゆん。

すると、やっとこちらに気づいたのかポニテの子が、驚いた表情になる。

 

「え、まさかゆんゆん男ひっかけてきたの!?」

 

「え、あ!!本当だ!」

 

「ち、違うよ。ユウマさんとはそういう関係じゃ……」

 

 おい、ゆんゆん、そんなに頬を赤らめてたら勘違いされるぞ。

それにしても、どの世界でも思春期の女子中学生というのはこういうものらしい。

 

「でも、ゆんゆんにしては当たりを引いてきたと思うよ」

 

「そうだね、何て言うんだろう、本能的な感で頼りない感じがするけど、優しそうだし」

 

「おっとお嬢さん達、それ以上は止めてくれ。俺のライフはもうゼロだ」

 

 初対面の子達にいきなり評価されるのは別に言いが、本能的な感で頼りないと言われるのには心に響く。

 

「あ、ユウマさん紹介しますね。左のツインーテールの方がふにふらさんで右のポニーテールの方がどどんこさんです」

 

「アクセルでゆんゆんとパーティーを組んでるクドウユウマです。よろしく」

 

「え、まさかゆんゆんの書いてた手紙が本当だったなんて」

 

「うん、ちょっと信じられないよね」

 

「ひ、ひどい。信じてくれてなかったんですか!」

 

 実の友達にすらボッチと思われてたとは。

ゆんゆん、不憫な子。

 

「それにしても、なんで二人とも外に?まだ授業中なんじゃ」

 

「ここ最近、魔王軍がうろちょろしてるからって午前授業になってるんです」

 

「まぁ、そのおかげで遊ぶ時間が増えるからいいんだけど」

 

「あー、分かる。俺もあったはそんなこと。不審者がいるからって早帰りになったけど、遊ぶ時間が増えるからってめっちゃ喜んだわ」

 

「やっぱりそうですよね!」

 

「てことだから私たちはもう帰るわ」

 

「それじゃあ、ゆんゆんまたね。ユウマさんも今度は喫茶店とかで話しましょ」

 

「おう。また機会があればな」

 

「二人ともまたね」

 

 現役中学生達とは別方向に商店街の方へ歩き始める。

とりあえず、結論学生はどこの世界でも考え方は変わらない。

なんだろう、なんか清々しさを感じた。

 

「それにしても、よかったな友達に会えて」

 

「はい!魔王軍のこととかで少し心配だったんですが、かわりなくてよかったです」

 

 ーーその時、分かれ道の家の方でカズマダクネスが剣を構えているのが見えた。

 

「あれってダクネスじゃ」

 

「あ!ダクネスさんが剣を構えてます!向かい合ってるのは、もしかして魔王軍の手先だったりして!」

 

 ほのぼのとした時間もつかの間、一難去ってまた一難。

やっぱり、魔王軍と戦うことにはなるのか。

 

「急ごう。いくらダクネスでも攻撃が当たらないと意味がない」

 

「はい!」

 

 分かれ道を曲がり、砂利の道を思いっきり蹴飛ばし、援護に向かう。 

その先で待ってるものは……。

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第三章も折り返しです!
これからは戦闘とシリアスが増えると思いますが精一杯表現できるよう頑張りますのでよろしくお願いします!
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