この素晴らしい仲間達に救済を!   作:よっひ。〜

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※注意 この作品はさまざまな神話がごちゃ混ぜです。
   また、Fate/strange Fake、およびfate/staynightのHFルート(ハッピーエンド)を混ぜた設定を使用しています。
それでも大丈夫な方はどうぞ!


この仲間達/Zero エピソードオブエリス

 それは、人の尺度では到底図ることができないほど昔のこと。

とある暗闇で一つの光が生まれました。

 

 

 

 そこは、先の見えない深淵の世界。

不純物などない、真水で私という霊基は確立されました。

暗く周りは何も見えないのに、何かに包まれるよう暖かく、安心感を覚える場所。

万物全ての生き物が、最初に感じる心地よさを感じたのを今でも覚えている。

それからしばらくして、何かに掴まれるように私は外へ出ました。

 

 

 

 

 

<神秘が終わりを告げた次の日>

 

 

 

 昨日、とある国の王が神を地上から隔離し、旧神と呼ばれたお方達はその大半が眠りにつきました。

そのため、地上で西暦となったこの日、私達に第二世代神達は各持ち場を与えられることになりました。

 

「もう、あの王様ったら何てことしてくれたの!?せっかくスクルドのおばさまが未来の日本のゲームをやらせてくれるって言ってたから楽しみに来たのに、旧神の皆様は眠りについたって。一体何年待てばいいのよ!?」

 

「落ち着いてくださいアクア先輩!きっとあと七年ほど経てば最初のゲーム◯ーイができます!」

 

「何言ってるのよ!ここは外より時間の流れが遅いのよ?人間の時間で1989年後だなんて待ってられないわよ!」

 

 この方はアクア先輩。

水の女神の格を持っていて、女神としての素質は第二世代神の中ではトップランクの実力を持っています。

そのため、旧神の方々からはかなり可愛がられていて、一部の女神達からはよく思われていません。

ですが、私にとってはとっても大切な先輩です。

まだ、私ができて右も左も分からなかった頃、一番に声をかけてくれたのがこの方だった。

活発的で暴走列車みたいな方ですが、その奥にある慈悲深さと人間味に私は何度も助けられた。

この方はきっとどんな神よりも人らしさを持った人だろう。

 

「アクアさん静かになさってください。えー、検討を重ねた結果、くじ引きでの決定しました。それでは、配属を発表します」

 

 人事を担当する女神の方が前に出て配属を発表し始めます。

くじ引きで決めるのは流石に雑すぎますが、こうして、私はとある世界の管理を任されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

<今からちょっと前>

 

 

 

 

 神秘の時代から西暦にかわってから七年近く。

下界では1990年ほど経ちました。

この世界の管理を任せられたあの日から、永遠に等しいくらい長い時間、この世界で亡くなられた人たちの案内をし続けてきました。

とは言っても毎時間死者達を案内をするわけではありません。

実際は一人で静かにいる時間のほうが長かったです。

そして、この時間こそが私にとって一番の苦痛でした。

私の担当している世界には人々を襲うモンスターや、西暦の世界とは違い神秘があるため、神のレベルまで昇華した災害などがあります。

そのため、それらに苦しめられた死者や、無惨な姿をほぼ毎回見ます。

それが私にはとても耐えられなくなって、もう何度、一人の空白の時間に苦しんだかわかりません。

そして、いつしか私の後ろにはそういった人々の負の念が幻影や幻聴となって、付きまとってくるようになりました。

何度泣いたか。

行き当たりのない謝罪を繰り返したか覚えてません。

それと一つ、どっから湧いたわからない魔王と言われる人類の悪が生まれたことにより人々はさらに追い詰められました。

数少ない神秘の世界を失わんと、天界も動き始め、アクア先輩を筆頭に西暦の世界から転生という形で人々を移住させる策にでました。

 

『日本担当アクア様、死者のお待ちです。至急応接室へ』

 

「なんで、今のタイミングなのよ!エリス!あんた変わりに相手してきなさい!私はこの赤いやつを相手するのに忙しいの!あー、キングなんて名乗らなくていいのよ!あんたは十分強いんだから、これ以上強くならないでよ!」

 

「そ、そんな困ります!私だって自分の持ち場があるんです。私が向こうに行ってる間に死者の方が来たらどうするんですか!」

 

「いいわよ。あんたが行ってる間は、あの世界の住民全員に無敵化を付与するから。こら!そんな動かないで!!」

 

 ついこの前、ついに下界でゲーム発売されると、毎日のように遊びに来ては、こうしています。

それまでは下界の時間で一年に一回くらいしか会うことはなかったので、私も一人の時間が減り、賑やかな時間が増えて嬉しいのですが、流石にこれは酷すぎます。

アクア先輩が職務放棄に勤しんでいると、後ろからゲームのコードに手をかける手が現れます。

 

「あーーー!!!なんてことするのよサツキ!あと一撃で倒せたのよ!ねぇ、どうしてくれるの?私の努力が水の泡なんですけど!セーブもしてないからこの数時間が水に消えたんたですけど!ねぇ、謝って!私の時間を返して!」

 

「仕事を放棄して遊んだ時間なんて泡になって消えてください。あなたにはあなたのやるべきことがあるんですよアクアさん」

 

「アクア様でしょ!人間の成り上がりが私にたてつこうなんていい度胸じゃない!」

 

「その成り上がりに階級を抜かされたのはどこの誰でしょうね?」

 

「ウッ……」

 

「こんにちはサツキ先輩」

 

「あら、エリスまでいたの?そういえば、ここはあなたの部屋でしたね。せっかくの仕事の休憩くらい、静かに過ごせばいいのに。何も、こんな馬鹿に構うことはありませんよ」

 

 この方は世界の記録を司る女神のサツキ先輩。

生まれつきの病弱体質で若くして、人としての命を失い、人間で在りながらアクア先輩と同等の女神としての質を持っていたことから女神になったお方です。

おしとやかで、下界で言うところのお嬢様のような方で、私が一人で苦しんでいる時はよく相談にのってくれました。

 

「私は賑やかなほうが好きなので別に気にしてませんよ」

 

「ほら、エリスもこう言ってるんだからいいのよ」

 

「あなたは速く、仕事に戻ってください。でなければ、私の力で誰よりも速く天界ショップで予約した赤、緑のソフトを取り消しにしますよ」

 

「冗談よね?わかったは速く戻るから、それだけは止めて!そのためだけにここまで頑張ってきたの!」

 

 そう言うと、光の速さで職場へ戻っていくアクア先輩。

やっぱりアクア先輩にはサツキ先輩が効果抜群です。

 

「あれでは今回も昇進試験は通りませんね。実績は誰よりもいいんですが、死者を待たせますからね。多分、書類審査で落ちますよ」

 

「これで、十回目ですね」

 

「えぇ、この際、エリスが抜かしていいのですよ。そうすれば本人も本気になるでしょう」

 

 このままいくと次の試験ではアクア先輩を抜かすことになるでしょう。

もしそうなれば私は最悪な女神です。

私は今まで、アクア先輩の背中に隠れてやって来ました。

そして、いつもアクア先輩のミスを拾う感じでアクア先輩を蹴落として、周りの方達に評価してきてもらいました。

自分のためなら、大切な人すらも蹴落とす、そんな私は本当に女神なんてやってていいのでしょうか。

 

「それが、世の中の仕組みなんですよ。あなたのやってることは間違いではありません。そんなに悲観しないでください」

 

 まるで、お姉さんのように優しく、励ましてくれるサツキ先輩。

私は一体、いつからこんなになってしまったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<今から四年前の秋>

 

 

 

 

「それで、私思うの!この機体をアクシズ教団の秘密兵器にしたらエリス教なんて恐くないってね」

 

「何言ってるんですか。確かにこの機体は宇宙世紀最強ですけど、立体化するのには無理があります。それに25mの化け物をどこに隠すんですか?それと、私の教団を物騒なもの扱いしないでください!ユニットできましたよ」

 

「あなた達は本当にガンダムが好きなんですね。下界では愛さえなければ作れないなんて言われている代物を平気に作っちゃうんですもん」

 

「サツキ、逆に考えなさい。愛があるから作れるの。まぁ、完成したら当分は作らないわよ」

 

「そうですね。流石にこれを作ったら当分は何も作りたくないですね。でも私この機体好きなんでディープストライカーが出たらすぐに作り始めます」

 

「ちょっと何いってるのよ。ディープストライカーは地球の資源じゃ作れない代物なのよ?それに、これだって600近くのパーツなのにディープストライカーはいったいどれだけのパーツ量になるのよ。そんなものがプラモ化されるわけがないじゃない。もし、プラモ化されたら、13機分買って、寝ないで全部作っディープストライカーのGピットごっこしてあげるわよ。……なんなのよその顔は」

 

 何かを察した顔でアクア先輩を見るサツキ先輩。

まぁ、そんなことはありませんよね?

 

「エリス、塗料の準備をしなさい。今回は組み立てた状態で筆で塗るからね」

 

「わかりました。……あ、タミヤ白が切れてます」

 

「もう、仕方ないわね。サツキ、タミヤ白を10個お願い」

 

「残念ですけど、あっちも在庫が無いみたいですよ。あ、三個ならしばらく待てば用意できるらしいですよ」

 

「三個くらいなら、下界で調達したほうが速いわ。エリスちょっとだけ、下界に降りて買って来なさい。サフの準備とかはこっちでやっておくから」

 

「ですが、案内の方は」

 

「大丈夫よ。変わりはサツキがやるわ。変身すればなんとかなんでしょ」

 

「私は便利屋ではないんですよ。……まぁ、まれには気分転換てことで下界に降りるのもいいでしょう。エリスいってらっしゃい」

 

「サツキ先輩、申し訳ございません。いってきます!」

 

 サツキ先輩とアクア先輩に一礼したあと、まばゆい光に包まれて下界へ向かいます。

向かう先はアクア先輩の管理している西暦の世界にある日本という島国。

とても、独特な文化を築いているとのことで、少し楽しみな気持ちです。

 

 

 

 

 とは言ったものの、アクア先輩たら塗料分の代金しか持たせてくれませんでした。

せっかく、見知らぬ土地に来たのですから、食文化に親しみたかったのですが、今回は諦めることになりそうです。

ただ、サツキ先輩がピンポイントでお店の近くに飛ばしてくださったおかげでお使いは速く終わりました。

ということで、残りの時間は少しお散歩するのですが……。

周りを見渡せば小型のデストロイヤー、たしか車と言われるものでしたか、それがたくさん走っています。

前にアクア先輩と作ったトレノと言う車とは違ってどれもライトの部分が直接出てます。

私はあのパカパカしたのだ好きだったのですが残念です。

それにしても、少し空気が濁っています。

私の管理している世界ではこの世界ほど文明が進んで無いのですが、どうやらそれが関係しているように思えます。

ですが、行き交う人々の表情は変わりません。

皆さん、とても疲れた表情なのですが、精一杯生きてるという感じが溢れています。

その中でも制服を着た学生といわれる人達は特に生命力に溢れています。

 

その時、アニメや漫画などで描かれる一般的な学校とは少し違った、お城みたいな少し変わった建物に目に映ります。

 

「白中?」

 

 看板を見たところ、中学校と言われるものでしょうか。

それにしては、イメージと少し違いますが。

流石に中に入るのは行けなさそうなので、少し移動して中を見ます。

どうやら、グラウンドと言われる場所で走ってる人達がいるらしいです。

 

「クッ!」

 

「悠真!ラストだラスト!ここで出しきれ!」

 

 夕日の茜色に照らせれるグラウンドと少年達。

その中で先頭を走っていた何人かの集団を振り切り、前に出た少年に目を奪われました。

 

「っ!」

 

「46、7、8、9、2分50秒!」

 

「ナイスラン!悠真」

 

「お、おう……。ありがとな」

 

 全てを出し切ったという満足げな顔でさしのばされた手を掴む少年。

その姿を私は忘れることはないだろう。

その少年の目は一切の妥協も挫折も知らない、誰かを蹴落とすこともしなかった、そんな綺麗な目。

私のように歪んだものではない純粋なものに、そんな姿に憧れを抱きました。

私はきっとこんな人みたいになりたかったのだろう。

でも、もう遅い。

私はもう卑怯な道を歩いてしまったのだから、あの少年のようにはなれない。

だから、あの少年がこれからも純粋でいられるように、私みたいに卑怯な存在にならないように、心から願おう。

 

「<祝福を>」

 

 いつか、私は彼と出会うことがあるかもしれない。

それは彼の来世か、それとも偶然アクア先輩の仕事を変わりにすることになった時か。

けどもし、そんな時が来るとしたら、私は彼に救われたいと思うだろう。

結局、私は自分のことしか考えられてない、最悪な女だ。

周りはその何倍も辛いのに、ただ同情することしかできず、深く関われない。

それなのに、理解者が欲しいと思ってる愚か者だ。

はたして、こんな愚か者が救われるのだろか?

ただ、私は一応幸運の女神だ。

いつか、何かのきっかけに出会えるように、今は大人しく仕事に没頭しよう。

静かに少年のいるグラウンドに背を向ける。

そして、まばゆい光に包まれて天界へと帰る。

 

 

ただ静かに照らす茜色は知っている。

この女神の欠陥を、見落としていた少年の欠陥を、そして、これから起きる運命を……。

 

 

 

   この素晴らしい仲間たちに救済を/Zero

      エピソードオブエリス

          完成




気がつけばお気に入り数が100を越えてました!圧倒的感謝です!
いたらぬところが多いですが、頑張って投稿していくので、どうかお付き合いください。
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