2006年9月7日から8日に起きた「烏森大量殺人事件」
1986年10月4日から5日に起きた「六軒島大量殺人事件」から20年が経ってから起きた事件。
警察の捜査でも犯人は未だ不明。遺体の20体と行方不明の3人で南野家の人間が全員姿を消した。現場には23人全員の血痕が発見されているため、全員死亡の可能性が高いと警察は発表している。しかし。
『これは本当の結末なのだろうか?』
僕は一つの部屋の中に居た。椅子に座り、テーブルを挟んで目の前の彼女と対峙していた。
「一体君とどんなゲームをすればいいんだい?」
「簡単なものですよ。南野邸で起こった殺人事件を人間で説明して、魔女幻想を否定すればいいだけですよ。」
「それなら簡単そうだね。」
「そう思うでしょ!でも、そんな簡単に私は倒せないわよ。それにゲーム盤は南野家の親族会議の日。どちらかが完全に負けを認めるまで永遠にあの日が繰り返されるのよ!新たなゲーム盤で再び殺人を行うわ!それと、今度から私の人間の頃の姿を私の駒としてゲームに参加させるわ。」
彼女自身がゲーム盤に2人存在することになるが、魔女がいてもゲームの人数に影響しないなら人間の頃の優妃が存在する必要がある。だから、2つの駒を用意したわけか。
そうして考えていると、突然莉亜と芽琉と見覚えない人が現れた。
「クロノエル様。莉亜と芽琉、それしてバアル。ここに参上いたしました。」
「おぉ!バアルか!久しぶりですね。2年ぶりでしたよね。あの頃は力不足で呼び出さなくてすまなかったわね。」
「クロノエル様が謝る必要はありません。今はこうやって顕現させることが出来るのですからね。」
どうやらバアルと呼ばれた女性は悪魔のようだ。
「しかし、破滅の七姉妹が呼び出せるのはやはり私にとって都合がいいわね。」
僕が見つめているのにバアルが気づいた。
「話しはリア卿とメル卿から伺っております。クロノエル様の対戦相手の薫さんですよね。初めまして、破滅の七姉妹の長女にしてソロモン72柱が一人、バアルです。」
「バアルは72柱のトップで、この悪魔を使役するのはかなり難しい。だから、魔女になってちゃんと呼び出せるようになったばかりだが、仕事はしてもらうつもりよ。」
「なんなりとお命じください。」
「さぁ、舞台と役者は揃った!今こそ第2のゲーム始めようぞ!」
彼女を倒し、このおかしなゲームをやめさせなければならない。これが、南野家の人間としてできる唯一のことだ。
2006年9月7日10時、黒野の烏森到着。
「やっぱり大きいですね。南野邸は敷地が広すぎてどこに何があるのか忘れちゃいそうですね。」
「優妃ちゃん、本当に広いわよね。私たち兄弟も小さい頃に全員迷子になった経験があるのよ。」
「余計なことを言うなよ。紫音。」
「あら、事実なんだから言ってもいいでしょう。相馬兄様。」
僕達は南野家の親族会議で年に一回本家のお屋敷に集まる。特に今年は特別だ。4年ぶりに優妃が親族会議に参加することになった。
僕達は屋敷に向かうことにした。駐車場からお屋敷まで15分はかかる。その途中で使用人の神威と美紅利と弥勒と業にあった。
「皆様、お久しです。」
「ようこそいらっしゃいました。」
「お荷物は僕と弥勒で持っていきます。」
「お屋敷までは神威君と美紅利さんにお連れしていただいきます。」
この4人の使用人は9年前から南野家に仕えていて、4人とも21歳だ。優妃ちゃんと同い年だったはずだ。
「今回は前回と少し変えているみたいだね。」
「少しは出番をやらないと可哀想だったのでね。」
「お嬢様、紅茶を淹れました。薫様もお飲みになられますか?」
悪魔の淹れた紅茶なんて、正直に言ってあまり信用できない。だが、飲んで欲しそうな顔をされると断り切れない。
「僕もいただくよ。」
最初は信用できなかったけど、バアルの淹れた紅茶はとても美味しかった。こんなにも美味しい紅茶を飲んだことがないと言ってしまいたくなるほどだ。
ここから第2のゲームが始まる。今度の勝利は誰のものになるのか。