烏森の魔女ゲーム 〈第2ゲーム〉   作:海神アクアマリン

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第10話

僕達は第2の殺人で魔女側にリザインさせた。しかし、それが原因で莉亜の怒りに触れたようだ。

「莉亜、もう一度チャンスをあげるわ。私は芽琉と一緒に外から観劇させてもらうわ。今度失敗したらさすがに私も怒るわよ。」

「分かっております。あんな失態二度としません。」

「それじゃあ、頑張ってね。」

クロノエルはそう言って退出した。

「薫!バアル!よくも私に恥をかかせてくれたね!絶対に2人を許さないよ!」

莉亜は物凄い形相でにらみながら怒りをあらわにしていた。

「落ち着きなよ。心を落ち着かせないと勝てるものも勝てないよ。」

「うるさい!黙れ!あなたの指図なんて受けるか!さぁ、始めるわよ!この続きであなた達を潰してやる!」

 

僕達はあれから次期当主と共に客間に戻った。次期当主の優妃は魂が抜けたようにソファに座り込んでいた。今の彼女に話しかけようとする者は居なかった。

「それにしても、この部屋から出なければ死なずに済んだのかしらね。」

「ちょっと、彩芽さん。今はよしましょうよ。優妃ちゃんは傷心してるのですよ。これ以上傷つけるのは可哀想です。」

「あの子は次期当主なのよ!あんな状態じゃ何も出来ないわ!もしも、この部屋にいる生き残りが狙われても指揮が取れないってことよ。」

「確かに今のままだと困るね。優妃ちゃんは的確な指示が出せる子だ。次期当主であり指揮官でもある彼女が動かないのは困るね。」

「蓮司さんの言う通り。はやく復活してもらわないと最悪な事態に対処できなくなる。」

大人達は次期当主の手腕を見込んで自分達を助けてもらおうと考えている。その状況は今の彼女を余計に苦しめることになるだろう。

「ふざけるな!私は失態を犯した!そんな私にみんなを導く資格など無い!」

やっぱり逆効果だった。さらに体を縮こませて体育座りで塞ぎ込んでしまった。その時、突然客間の電話が鳴り響いた。

「優妃様。電話が鳴っていますが、いかがいたしますか?」

その電話に近づこうとする者はいなかった。電話線は切れていて外とは繋がらないはずだし、内線で掛けられる人間もここにいるのが全員のはずだ。その時、優妃が立ち上がり受話器を取った。

「もしもし、誰ですか?」

「きゃーはっはっ!客間にある者達よ!聞こえているか!かなり音量を上げているから聞こえているよな!私は黒月の魔女クロノエルだ!手紙にあった通り貸したものを利子つきで返してもらっているぞ!私を恐ろ!私に恐怖しろ!さぁ、そこにいると全員殺してしまうかもしれないぞ!きゃーはっはっはっ!」

優妃は驚いて受話器を落としていた。その受話器から聞こえてきた魔女という単語とクロノエルという名前に客間にいる者には恐怖を覚えた者もいた。

 

「皆さん!落ち着いてください!魔女は存在するかもしれない。しかし、この部屋は安全です。鍵がない限り入ることは出来ません。」

僕はそこで疑問に思った。魔女は鍵を持っていないのだろうか?

「僕から質問なんだけど、殺された使用人のマスターキーは全部あったのかな?」

「私が検死した時にはマスターキーは全部あったわよ。何かあるといけないからマスターキーは私が全て回収したわ。」

僕と優妃はホッとした。

「お母様。とりあえず私がマスターキーを預かります。それと今生きている使用人の分も預からせてください。8つのマスターキーがちゃんとあるか確認します。」

優妃はどうやら復活したようだ。再びみんなに指示を与え始めた。次期当主は浮き沈みが激しいらしい。

「8つのマスターキーを確認しました。ですが、犯人がどのような方法で屋敷に侵入して殺人を行なってるのか分かりません。どこか安全な場所があるならそこに移動しましょう。」

「それならゲストハウスに移動してはいかがだろうか。」

「蓮司おじさんの意見を聞き入れます。ここにいても犯人が来る可能性があるなら移動しましょう。」

「莉亜は賛成だよ。」

「芽琉も賛成だよ。」

「それではゲストハウスに移動を開始します!お母様、春香おばさん、蓮司おじさん、城助おじさんは銃を所持して護衛してください。」

若い使用人達よりも経験豊富な人たちを使うのは正しい選択だろう。優妃はやはり指揮官として優秀だ。

 

犯人に警戒しながら僕達はゲストハウスに着いた。その時、優妃は振り返って驚いた顔をした。

「えっ?蓮司おじさんと春香おばさんと芽亜里と剛座さんと清美さんと美代子さんはどこに行ったの?」

その言葉を聞いてみんなが一斉に振り返ると、確かに後ろにいた6人が居なくなっていた。おかしなことだ。さっきまで一緒にいた人間が消えるなんてありえない。

「私がみんなを探してきます。もしかしたらお屋敷に置いてきてしまったのかもしれません。私が銃を持って行きます。」

「優妃お姉様。莉亜と芽琉もお伴します。」

「僕も行くよ。」

「分かりました。私と莉亜と芽琉と薫の4人で探しに行ってます。」

そして、僕達は消えた6人を探すためにお屋敷に向かった。

 

第2のゲームも大詰め。怒り狂う魔女見習いを止められるのだろうか?

 

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