烏森の魔女ゲーム 〈第2ゲーム〉   作:海神アクアマリン

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第3話

心強い味方ともに戦うことになった初戦。第1ゲームの第1の殺人。これは一見不可能なように見えるが、柔軟な発想で考えれば解けるものだ。

「復唱要求だ。全員24時以降には起きていない。」

「受けよう。『全員24時以降には起きていない。』」

「ならこのトリックでいけるはずだ。犯人は誰でもいいが仮に優妃としよう。優妃は夜中にベットを抜け出しお屋敷に向かい、あらかじめ盗んでおいたマスターキーでお屋敷に侵入。盗んだマスターキーで当主の部屋に侵入して、身動きと口を封じてから窓から下ろして、同じように春香、優香も窓から外に出したんだ。外に出した方法は悪魔の証明だ。証拠を提出する必要なし。外に出て身動きと口を封じられた3人を移動させて薔薇庭園の東屋にて殺害。凶器は悪魔の証明だ。これでどうだ。」

「マスターキーはどうやって手に入れたというのかしら?」

「使用人の美代子さんは親族会議の日だけマスターキーを持ち歩いているが、ほぼ毎年落としたりして無くしているため、紛失してもまた無くしたくらいで済む。」

「なるほど、これは敵わないわね。今回はリザインするわ。まぁ、第1のゲームは私が負けても魔女としてはあまり痛くないから負けてもいいのよね。」

確かに痛くないだろうね。人間の頃の犯行なら人間にできるトリックじゃないと犯行は不可能になり、ロジックエラー でこのゲーム自体が崩壊するだろうからね。ロジックエラー はミステリーにおいてしてはならない重大なミスだ。ミステリー好きの優妃がそんなミスをするとは思えないけどね。

 

「次は第2の殺人についてだ。バアル、現場の再構築をしてくれ。」

「かしこまりました。現場はお屋敷の一階客間、客間にて秋楽、相馬、蓮司、城助の遺体を発見。テーブルの上に銃を発見しました。」

「復唱要求。秋楽、相馬、蓮司、城助は死亡している。」

「受けてあげるわ。『秋楽、相馬、蓮司、城助は死亡している』」

「クロノエル様。私からも復唱要求です。客間は密室である。」

「それも受けよう。『客間は密室である』」

この密室は簡単だ。第1の殺人の後ゲストハウスに籠城したが、ゲストハウスの客間からは誰でも出れる状態だった。つまり、抜け出すことは可能なわけだ。

「これはさっきの犯人であれば可能な犯行だ。まず、犯人はゲストハウスの客間から出入りが可能だったんだ。ゲストハウスに籠城していれば大丈夫だとみんなが考えていたために出来たことだ。ゲストハウスを出て犯人はお屋敷に入り、当主の部屋に行った。そして武器を手に入れて秋楽、相馬、蓮司、城助を追ったんだ。相手が武器を構えていることに気づいた4人は急いで逃げて客間に逃げ込んだが、マスターキーを所持している犯人は客間に入り4人を殺害。その後、4人が持っていた銃をテーブルの上において取っていないことを証明したんだ。」

「武器を取らなかった証明が何を意味するというのですか?」

「武器を取らなかったということは、自分は武器を取らなくてもいい、あるいはすでに武器を所持しているということになる。」

「なるほど、それは面白い。この第2の殺人もリザインよ。」

 

これで第1のゲームはほとんどのトリックが解けた。だが、まだ重要なところが分からない。なぜ殺人を犯さなければならなかったのか。なぜ莉亜と芽琉が力を出したのか。

「次に行くぞ。バアル、第3の殺人を再構築してくれ。」

「かしこまりました。現場はゲストハウスの一階客間、客間にて彩芽、紫音、神威、美紅利、弥勒、業、清子、美代子の8人の遺体を発見。当時現場は密室ではなく、扉が開けられた状態になっていました。」

「これに関してはなんとなくなら犯行方法の予想がつくよ。犯人はお屋敷に行くときに最後にゲストハウスを出た人間だ。ゲストハウスをみんなと一緒に出たように見せかけて実はゲストハウスを出ていなかったんだ。凶器Xを使用して出て行った人間に気づかれないように素早く殺したんだ。そして犯行後大急ぎでお屋敷に向かい、怪しまれないようにみんなと合流したんだ。」

「だが、それだとおかしな点もありますよ。凶器Xを使用して殺したとして、それはどこから出てきたのでしょうか?」

「凶器Xは第2の殺人に使われたものを手に入れたのと同じ時に当主の部屋で手に入れたものだろう。当主のコレクションには銃や刀、ナイフ、さまざまな物が存在するから、それを使えば犯行は可能だ。」

「きゃははは!なかなかいい考え方をするわね。第3の殺人もくれてあげるわ。リザインよ。」

 

これで3つの殺人を解いたが、第4の殺人は分からない。どうやって隼人さんと剛座さんを呼び出したのか。色々と分からない以上、これは勝負するのやめた方が得策だろう。

「第4の殺人はリザインする。今から色々聞き出しても理解できるような気がしないからね。」

「それがいいでしょう。クロノエル様は第4の殺人に関しては薫様達を潰すために本気を出したので、あれを理解して謎を解くのは不可能です。」

「あらあら。戦闘を放棄されるなんて悲しいけど、勝ちを譲られるならありがたくいただくわ。」

 

これで第1のゲームでの謎解きを終えた。これからが第2のゲームの始まりだ。魔女の手の内が分からない以上下手に動けば死を迎えるだろう。魔女を追い込むことはできるのだろうか。

 

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