八結ss   作:ジェイミー

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1話

「待たないでこっちからいくの」

 

 

彼女の言葉が頭の中に浮かぶ。

文化祭で受付の手伝いをしてた時に隣に座って来て、発せられた彼女の言葉はどこか決意が込められたようにも聞こえた。

 

 

 

 

由「私たちももう3年生だね〜」

 

雪「ええ、そうね。

由比ヶ浜さんは可哀想ね、そこのヒキ…ヒキガエル?と2年連続同じクラスなんて」

 

八「おい、なぜ俺の小4のときのあだ名を知っている。

もしかしてお前俺と同じ学校だったの?」

 

雪「あら?いたのかしら、存在感がなさすぎて気づかなかったわ」

 

八「さいですか…」

 

由「あはは〜…」

 

3年生になったといってもこの部活は特に変わりはない。

百合ヶ浜さんと百合ノ下さんが相変わらずユリユリして、時々俺が反応する。

ただ去年よりもこの空間は更に心地良くなった気はする。

これなら黒歴史(本物発言)を更新してよかった、そう思えた。

 

八「3年といえば、これから受験だけど由比ヶ浜は大丈夫なのか?」

 

由「あー…、うん!これから頑張ればなんとかなるよ!ゆきのんに教えてもらうし!」

 

雪「自力でやろうとはしないのね…」

 

雪ノ下さんがこめかみに手を当てる。

あなた本当にそのポーズ好きですね。

 

八「まあ、本格的に取り組むのは夏くらいからでいいとして、今は1、2年の復習ってとこか」

 

雪「そうね、取り敢えずは基礎を固めないと」

 

由「うぅ〜、勉強イヤだな〜」

 

他愛もない会話。

紅茶の香り。

壊れかけた空間は今ではここまで修復できた。

多分俺たち3人はそれなりには絆を深められたのだろう。

 

 

 

 

 

部活が終わって自転車をとりに駐輪場に行った時だ。

玄関である男子生徒が由比ヶ浜に話しかけている。

別に盗み聞きをするつもりはなかった。

単純に声が聞こえてきた。

 

 

モブ「由比ヶ浜さん、好きです。付き合ってください」

 

ああ…

由比ヶ浜が告白されてる。

そりゃあ、あいつはかなり可愛いし、人当たりだって良い。

普通に考えて告白されるほどモテるのは当たり前だ。

それなのに、

何故だろう、すごく不愉快だ。

この気持ちは久しぶりだ。

いつだったか

 

 

そうだ、去年の体育祭の準備のときだ。

俺の前で一緒に作業していた彼女に執拗に話しかけてきた男がいたな。

アドレスすら教えてもらえず由比ヶ浜にあしらわれていたけどな。

 

 

今回はどうなのか。

何故か気になってしまった。

その場で立ち止まり、耳を澄ましてしまった。

 

由「ごめんなさい。好きな人がいるんです」

 

 

好きな人…か。

そうだよな。あんだけ可愛くて、優しいあいつなんだ。

それに年相応の女の子が好きな人がいるくらい何も不思議なことではない。

なのに…

 

 

雪「あら、比企谷菌、遂にストーカー行為に走ってしまったのかしら?」

 

八「うおっ!?

雪ノ下か、驚かすなよ…」

 

雪「本当にカエルみたいな声を出すわね。

あなたが同級生のストーキング行為にふけっていたのを注意しただけよ?」

 

八「いや、たまたまだからね?

他意はないからね?」

 

雪「あなたがそう言っても世間は私がストーカーをしていると言えばきっとあなたはストーカーになるわよ?」

 

これは否定できないな…

だって八幡目が腐ってるもん☆

 

由「むー…」

 

振り返るともう、事を終えたのか

由比ヶ浜がサブレのように唸りながらこっちを見ている。

なんだよ、その上目遣い、可愛いな。

 

由「ヒッキーの馬鹿」

 

八「なんで俺が罵倒されんだよ…」

 

雪「取り敢えずもう帰りましょう」

 

この日は何故か途中まで3人で帰った。

 

 

 

 

 

家に帰った俺は何故か普段より饒舌だった。

小町に今日の出来事を話していた。

 

ちなみに小町は総武にちゃんと受かった。

ただ奉仕部には入らず、一色の手伝いとして生徒会に行っている。

てか、こいつら会ってからすぐ意気投合してたよな。

あざとシスターズ怖い。

 

 

小「へえ〜、結衣さんが告白されたんだ〜

なんて答えてたの?」

 

八「なんか好きな人がいるんだとよ

まあ、あいつもJKだったんだな」

 

小「お兄ちゃんはどう思ったの?」

 

八「はぁ?」

 

小「だーかーらー、結衣さんに好きな人がいるってわかってどんな気持ちだった?」

 

八「まあ、別にいいんじゃねーの?

俺には関係ないし」

 

そう言った途端小町がゴミを見るような目になった。

 

小「ゴミぃ…ゴミぃちゃん本当にそう思ってるの?」

 

八「小町ちゃん?言い直せてないからね?お兄ちゃんはゴミじゃないよ?」

 

小「春休み、ハニトーある店しっかり調べてGWに予約までとっておいてそれくらいの感想しかないの?」

 

八「おい待て、何故それを知っている。

俺のプライベートだぞ」

 

え、小町にバレてたのあれ。

それってPC見られたってこと?

そしたら俺の秘蔵のフォルダももしや…

 

小「あ!そこは大丈夫だよ!

『やはり俺と巨乳処女ビッチ同級生がエッチするのは間違っている』

ってタイトルのいやらしい動画があっても小町は気にしないよ!

むしろ見てないふりをするよ!

あ!今の小町的にポイント高い♪」

 

いやいやいやいやいやいや、それってポイント最低だよね?

完全に兄の性癖披露してるよね?

ハニトーなんかよりもこっちの方がキツイんだけど、、、

 

 

 

 

 

 

そのままソファで死んだように悶絶してると小町が急に真面目な口調で喋りだした。

 

小「まあ、そこは置いておいて

お兄ちゃんもう少し自分に素直になりなね?

もう、小町が動く理由をあげなくても今のお兄ちゃんなら大丈夫でしょ?」

 

八「ああ…」

 

そうだ、俺は本物を欲して

彼女たちに自分をぶつけた

今の俺は半年前とは多分違う

 

 

八「とりあえず、今のうちに予定空けといてもらうか」

 

小「それがいいよ!

結衣さんなら多分予定空けてくれると思うし!」

 

 

 

 

自室に戻った俺は慣れない手つきで某緑のSNSアプリを開いていた。

ちなみにこれは由比ヶ浜に半ば無理矢理インストールさせられた。

 

 

八『今平気か?』 21:03

 

由『やっはろー!

平気だよ!ヒッキーから連絡なんて珍しいね?

どうしたのー?』 21:04

 

うおっ、こいつ相変わらず返事早いな。

 

八『今度のGW空けといてほしい日があるんだけど空けられるか?』 21:07

 

由『うん!空けられるよ!』 21:07

 

八『じゃあ、〜日空けておいてくれ。

詳細は後日連絡する。』 21:08

 

由『わかった!〜日だね!

空けておく(*^◯^*)』21:09

 

あれ…なんか星の煌めきを感じ…

おっと、ここは千葉だきっとなにかの間違いだろう。

きっと、由比ヶ浜はなにも知らずにこの顔文字を使っているのだろう。

 

八『じゃあ、また明日な』 21:10

 

由『うん!バイバイ(`・∀・´)』21:11

 

やはりこういうやりとりが悪くないって感じる時点で俺も少しは変わっているのだろう。

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