三「ヒキオちょっといい」
炎の女帝こと三浦に呼び止められた休み時間。
なんだろう…カツアゲされるのかな。
ふぇぇ八幡お金ないよぉ…
八「どうした?」
三「結衣のこと、ちょっとね」
さすがおかんと言うべきか
3年になって由比ヶ浜とクラスは離れてしまったがこうして気にかけてくれる三浦さん、マジべーわ。
三「去年と同じクラスなのあんたと川崎さんと戸塚くらいだからね、
最近あーしとクラス離れたからなのか結衣にちょっかいだす野郎どもが増えてるから何かあったら頼んだよ」
やはり去年から由比ヶ浜を守っていた自負はあったらしい。
八「…善処する」
三「あんたならそれで十分」
あれ?なんかあーしさん俺に対して随分信頼してるんですね?
八「随分信用されてるな俺」
三「あんたはやるときはやるからね。
去年はあーし達のせいであんたを巻き込んじゃって悪いと思ってる。
けどそれ以上にあんたの性格わかったし」
え?三浦さんもしかして去年の戸部の件知ってんのか?
八「なんかやけに信用されてるが残念ながら俺はボッチだ。
そんなに期待されても困る」
三「ま、結衣になにかあったら守ってあげて。
あの子ああ見えて我慢しちゃうから」
去年教室で由比ヶ浜といざこざ?があったあのときからかなりこいつらも仲が縮まったな。
そんなことを考えながら踵を返して教室に戻る。
葉「やあ、ちょっといいかな?」
放課後部活にいこうとしたらいけ好かない野郎に声をかけられた。
八「んだよ?」
葉「ハハッ、中々俺は嫌われてるね」
八「んな事言いにきたんじゃないだろ?
早く要件を言え。部活があるんだから」
葉「優美子にも言われたと思うけど結衣のことがね。
ちょっと心配だから比企谷に俺からもお願いしようかと」
八「なんだ、そんなもんか。
三浦にも言ったが俺はあいにくボッチだ、できることなんて限られてるし、お前らが評価するほど俺はできてない」
葉「本当に君は変わらないな」
いつものキラキラオーラをなくして葉山は俺に鋭い目線を送った。
しかしそれも一瞬で終わり、いつもの笑顔に戻った。
葉「まあ、俺や戸部よりも君が適任だと思うからね。
頑張ってとしか言えないが応援してるよ」
葉山は最後に訳のわからないことを言って部活に向かった。
難聴系でも鈍感系でもない俺だが最後の言葉は本当に訳がわからなかった。
由「ヒッキー、隼人君となに話してたの?」
唐突に後ろから由比ヶ浜に声をかけられた。
八「ああ、別に大したことじゃない。
ただ現国2位と3位のレベルの高い話だ。
お前には関係ないぞ?」
由「唐突にバカにされた!?
ていうか、ヒッキーと隼人君って意外と話す機会多いよね」
そうなのか?
まあ、ボッチの俺に話しかけてくるのなんてマイエンジェル戸塚と材なんとかってやつくらいだしな。
あいつはたまにくるから、そう見えるのだろう。
ああ、あとあざとい生徒会長もいたな。
あいつ最近部室に来ないけど仕事が忙しいのだろうか。
由比ヶ浜ととりとめもない会話をしながら数分、部室の前につきいつものように入っていく。
由「やっはろー!」
八「うす」
雪「由比ヶ浜さんこんにちは」
い「こんにちは〜☆」
小「結衣さん、こんにちはです!」
あれ、なんかデジャブ?
ていうか一色の挨拶語尾に星が見えるぞ、さすがのあざとさ。
八「お前らどうしたんだ?」
い「ようやく仕事が落ち着いたんですよ〜。
なので部活に顔出すことができました!」
小「新年度ってことでかなりあったからね〜。
で、落ち着いたから奉仕部に来ちゃった☆」
本当にこいつらはどうやって語尾に星を出してるんだ?
あざといやつらの必須スキルなの?
てか、一色はサッカー部あるだろ。
八「小町が来るのは理解できるけど一色、お前はサッカー部があるだろ?
葉山も今日普通に部活行ってたぞ?」
い「えーだってマネージャーの仕事って疲れるじゃないですか〜。
戸部に絡まれるのもめんどくさいですし〜。
それに!私は奉仕部員でもあるので!」
こいつ遂に戸部のこと呼び捨てにしやがった。
由比ヶ浜が苦笑いしてるぞ。
べーわ、マジいろはすべーわ。
雪「あなたは部員ではないのだけれど…」
い「細かいことはいいんですよ〜」
八「ていうかお前、葉山の追っかけでマネージャーやってんだろ?
こんなとこで油売ってる暇ないんじゃないのか?」
素直に疑問に思ったことを口に出した。
そしたら何故か女性陣にこいつ何言ってんだ?みたいな視線を送られる。
い「本当にこの人は…
まあ、今日はゆっくりしたいんですよ」
小「ゴミぃちゃん、いつから鈍感系になったの?」
雪「あなたって本当にそういうのは疎いのね」
由「まあ、ヒッキーだしね」
たははーと言いながら由比ヶ浜が締める。
え?なに、俺が悪いの?
なんか変に罪悪感あるんだけど。
部活が終わってから一色に少し話があると言われ生徒会室まで来た。
なんだろう、告白かな!?
八幡ドキドキする!!
なんてことはもちろん無く昼の三浦や葉山と同じ内容のことである。
い「せんぱいはどうなんですかー?」
八「なにがだ?」
い「なにがって、結衣先輩のことですよー」
八「まあ、あいつが本当に困るようなことがあるなら助けなくもない」
い「そうじゃ無くて、せんぱい自身の気持ちですよ。
結衣先輩のことをどう思っていて、もし、結衣先輩が他の人と付き合い始めたらどう感じるかとか」
八「あいつがいいならそれでいいんじゃないのか?」
…違う、これは嘘だ。
本心はこんなこと思っていない。
それは一色にも見破られていたらしく、言葉を返された。
い「嘘ですよね?
せんぱいのことだから本心は話さないとは思っていましたよ。
まあ、相手のことを1番に考えるって部分は本心だと思いますけど」
はあ、この後輩には敵わないな。
いつの間にこんな理解されてたんだか。
八幡検定準2級はあるぞ。
い「だから今のうちに言っておきたいんです。
せんぱい達をみて私も本物を探したんです。
そして、見つかったんです。私なりの本物が。
けどそれはきっと届かない…。
見ててわかるんです。お互い想い合ってるって。私の入る隙間はないって」
一色は徐々に目に涙を浮かべながら言葉を紡いでいる。
俺はそれを最後まで聞き届けてやるのが仕事だ。
い「届かないってわかってても、入る隙なんてないってわかってても、この想いは伝えたいんです。
今までステータスでしか人を見ず、葉山隼人が好きな私を演じていただけの私がようやく見つけられた、本物の恋なんです。
だから、言います」
い「比企谷八幡さん、あなたのことが好きです。
生徒会選挙の時、乗せられてやった役職が今では本当に楽しくなりました。
クリスマスイベントの時、何度もあなたの不器用な優しさに触れることができました。
そして、あの時の言葉で私は変わることができました。
猫被っている私ではなく、一色いろはを見てくれたあなたが好きです。
たとえ、せんぱいが見ている人が違っても、私はせんぱいが好きです」
泣きながらも、一色は力強く言葉を発した。
そんな一色に俺は…
ハ「一色、すまない…
こんなにも俺のことを想ってくれていて、本当に嬉しい。
だけど、俺はお前の気持ちには答えられない」
一色は俺の言葉を聞き、
少し口角を上げながら言った
い「はー、わかってはいましたけどやっぱり辛いですね。
けど!私はまだ諦めませんよ!
せんぱいにも前に言いましたよね!
降った女の子のことは気にしちゃうって!
これは宣戦布告です!せんぱいが私に振り向いちゃうくらい、私がアピールしまくるための!
なので覚悟してくださいねせーんぱい☆」
そう言った彼女の笑顔はすごく綺麗で、普段のあざとさは全く感じられなかった。
「あ、けど、か弱い女の子を守るっていうのはいろは的にポイント高いんで、結衣先輩を守ってくださいね!」
帰り道、一色と別れる直後に言われたことを思い出しながら家の扉を開けた。
普段ならうるさい小町が今日はやけに静かだ。
と、思っていたらふと小町が口を開けた。
小「お兄ちゃんがどんな選択肢をとっても、小町はお兄ちゃんの味方だよ。
あ!今の小町的に超ポイント高い!♪」
本当にできた妹を持ったよ俺は。