狩人に新たな狩場を   作:マリア様あああ

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勢いだけやね


オルレアンの悪夢

 

何度でも死ねる。それがどれほど辛いものか、今の自分にはわかる。悪夢のような、しかし現実に残酷なものをこの身で味わえた

 

 

俺は終わらせた。まだ、解明しきれてないこともある...いや、不可解な点しか見当たらない。だが、もういいんだ。夢から目覚める、そんな当たり前のことを行うために何度も死んだのだから

 

 

「狩人よ、よくやった。君は...この長い夜から解放されるのだよ」

 

 

だろうともゲールマン。でなきゃ、困るんだよ

 

「さぁ、私の介錯に身を任せたまえ」

 

「あぁ任せる、ゲールマン」

 

 

美しい花畑、それをハッキリと写してくれる月はなんともいえない心地よさがあった。狩人の夢とはまさにここの事だろう。この夢ともあと僅かで別れが来るが

 

 

膝をつき、首をだしゲールマンの介錯を待つ。立つことが出来たのか、その得物は何なのかと。まだ、夢から覚める準備ができていない。彼もそれを察したのか、介錯する間をくれた。何も、必要な間じゃないはずだったのに。何も考えない、考えることをやめた。意識をゲールマンに渡し、後のことは自分でも何があったのかは分からないだろう。わかる必要もないのだから。

 

 

 

「......た...え......」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「...ここは」

 

 

夢から覚めることは出来たのだろうか。ヤーナムには見慣れない場所ではあるが。久々にまともな森を見たが、初めての光景を同時に目にしてしまう。ヨーロッパの昔ながらの鎧に砦。現実には存在するはずもない竜がいた。

 

 

「ゲールマン...」

 

 

悪夢から目覚めたのではなかったのか、夜明けはきていたようだが。対抗手段になる武器も持っている訳もなく...ということにはならなかった

 

 

「悪夢はまだ、終わっていない...?」

 

 

仕掛け武器のノコギリ鉈と慈悲の刃に加え、散弾銃に短銃。輸血液に水銀弾...と愛用していた装具はそのまま。だが、限りある。どちらとも味方とは言えず、戦うこともないかもしれないが、竜...のような獣に人が襲われていることを見るに、間違いなく人間はかの存在達から脅威にさらされるだろう

 

 

 

人を脅かす、獣は狩らなくてはならない。スローイングナイフを団体から外れた一頭に投擲し命中させる。すると、何かに気付いたように一頭は旋回し森の方へ向かってくる

 

 

 

武器を構えるが、まだ戦闘には入ることはしない。森の中に侵入し敵に見つかるまでは、わざわざ真正面から戦う必要もない。体格の差もある以上は派手な戦いはさけ、このまま待機し背後をとるなどといった作戦は実行できなくなってしまった

 

 

 

かの獣の両翼から発生した鎌鼬が木々をなぎ倒していったからだ。隠れて戦うことは不可能ならば、表立って戦えばいい。なんて単純な状況なんだろう

 

 

「...」

 

 

獣が気づくよりも早く鉈を首もとへ振り下ろす。鱗に守られてはいるが、決して軽傷ではすませてはない

 

人間にとっても致命的だが、獣も例外ではない。しかし、悶え苦しむどころか反撃の兆しを見せる

 

 

 

鋭い鉤爪が命を刈り取るように、伸びてくる。が、回避することに問題はなかった。空を飛びながらの攻撃はやっかいではあるが、その分パターンが単純で、ヤーナムの獣同然にあしらうことができる。但し、鎌鼬は別だ。目には見えるが全て避けきることができるかは不明だ。だから反撃の機会を与えはしない

 

 

鎌鼬を繰り出すための硬直時間に弾丸を獣の頭にぶちこむ。突然の痛みに、または攻撃に対応しきれず落下した獣、その地点にまで移動する。隙を見せた敵ににやることは1つ、モツを抜く。体勢を整えようとするよりも早く、獣の頭に腕を突き刺す。内容物を手荒にそしてしっかりと掴み、抜き出した

 

 

「グアアァァァアアアァァァァ......」

 

 

最後に、首もとにある傷を線として再び、鉈を振り首を切り落とした。体は硬直し、胴から離れた頭を見るにこの狩は終わった

 

 

 

 

 

 

 

これですべての狩が終わりではない。こちらでの騒動に気付いた数頭が見つけにやってきていた。まだ傷は負ってはいないが、群れなす獣はとても面倒だ。迎撃体勢に入るがそれと同時に、囲まれた

 

2頭同時に、突風のように向かってくる。弾丸を当て、ナイフを投擲し両方の獣へ命中させると体勢を崩し地面へと激突する。もう2頭は鎌鼬を発生させようとしていたため、まともに食らうことなく回避けたが脚の負傷は免れなかった。ただ食らったわけでなく、倒れふした一頭付近に飛ばされたため、頭に慈悲の刃を脳に突き刺し、こねくり回すも絶命に至らず振り払われた。ただ好運だった。倒れていた獣が出来損ないの鎌鼬を飛ばす

 

その攻撃をもろに食らった1頭は再び動くことはないだろう。翼までもがれているのだから。しかし、数はまだまだいる方だ。同種の死に、獣達は学習したのか無闇やたらに攻撃をすることはなくなった。しかし、周りにある木々を吹き飛ばしながら確実に追い込む

 

 

 

 

敵から身を隠すために森で戦っていたが、その木々を攻撃手段とし吹き飛ばし、隠れ場を消していく。状況は最悪だが、砦付近の大量の獣を相手にするよりはましではあったが

 

だが、とうとう吹き飛ばされた木の下敷きになってしまった。体にこらえたが、泣き言を言うことも木をどかすことを今は出来ない。動く影が見えなくなった今探しにくる獣に見つからないためにも。ノコギリ鉈のような武器を扱うことは難しい状況だ。短銃と散弾銃を場面に応じて使うしかない。撃退することはまだ可能なはずだ

 

 

 

 

 

 

処刑人の手袋を用意、骨髄の灰を両方の銃に装着し、獣からの迎撃に備えを取る。大体の場所は把握していたのか、2頭ほど目視できる距離まで近づいていた。血の匂いも嗅ぎ付けたのだろう、足の出血はまだ続いている。ただ、並んで近づいて来ているのはこれまた好機である。追い詰めたという余裕が油断を招いてくれた。

 

惹き付け、仕留められる距離まで仕掛けるのを待つ。

この場所から15mまで近付く獣に焦ってはいけない。狩りは自分との勝負でもあるから。あと4m...3、2、1......10m圏内。すべての武具を命中させられる距離をもって灰入りの散弾銃を顔目掛け撃つ。

 

少しよろめいた程度だが、この隙が欲しかった。1体に手袋から召喚した怨霊を直撃させ、残りの方へ灰を入れた獣狩りの短銃を頭目掛け発射した。鎌鼬を発生させてしまったが、それと同時に頭を吹き飛ばすことができた。

 

ただ、既に技は繰り出されていた。まともに命中してしまい、下敷きにしていた木もろとも飛ばされてしまった。木が少なからず威力を弱めくれたが、あまりの出血の量に輸血せざるをえなかった。これがまた隙だらけだったようで背中には鋭い痛みが走る。咄嗟に振り向くもそれと同時に首もとを、噛まれ更に血が吹き出す

 

もう一度と1噛みさせる前に、処刑人の手袋を腹のなかへと、ぶちこむ。火に対しては強力な耐性を持っているだろうが、神秘に大きな対抗はできなかったのだろう。突破口の1つとして活用できた

 

「グォオオオォォォアァァァァ!!」

 

もがくために獣は腕を緩め、再び自由となった体は鉈をとり、闇雲にして確かに命を削りとっていた。獣から吹き出る血は体を癒し、苦痛を和らいでくれる。血は偉大だ。でも、飲まれてはいけない。人間性まで失う必要はないから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......」

 

 

スタミナ切れに近いが、まだ1頭残している。たかが数頭狩るために、だいぶ浪費してしまったが。最後の獣は赤く染まった鱗を持ち、他のものとは格が違うのではないだろうか。この獣が指揮をとり始めたことで追いやられてしまったが、いまさら負けるわけにもいかない

 

すかさず突撃するために獣は風を切る。確かに速い、先にいったどの獣より...だが、死と隣り合わせの瀕死な状況こそ、狩人の本領を発揮する。目に見えぬ速さに未知の攻撃、それは当たらなければどうということもない。

 

 

ヒット&アウェイ。獣は人を前にして本能が優先されてしまっているが、理性を保つ者はこの戦いに勝てる。しかし、集中力が切れてしまえば意味はない。腕を、翼を、幾度と切り裂き削いでいったが、弱っているようには見えず。さらに、攻撃の頻度を上げているようにも見える。余裕のなくなった狩人が、見えなくなるもの...それは周りの地形だ。戦いにおいて、エリアを見渡せるものは自分にとっては大きなアドバンテージだ。ただし見えなくなってしまえば、転がる木々に脚を引っかけてしまうだろう。

 

体勢を崩しその隙に、獣は体を押さえ込む。両腕は使えず脚も動かず、何もでにない。なにも...獣の胃袋に納まるのもいやだが、何より死んだら終わりである状況が俺を絶望させるには最適だった。ホントに終わりかはわからないが、自分の直感はたいてい当たる。まだ、死にはしないという自信も。

 

 

 

 

 

 

 

その直感は紛れもなく本物だ。なぜなら、獣の頭は鋭く綺麗な1突きによって貫かれ、こと切れた様子が見受けられる。その正体は、この狩場には似合わない可憐な少女。しかしその瞳は紛れもない戦うものであった

 

 

 

「っ...あぁこの傷では.....ごめんなさい、この傷ではもう......」

 

 

「待ってくれ」

 

 

まだ、手持ちにある輸血液を体に注ぐ。見た目はボロボロではあるが、体はだいぶ楽になっている。

 

 

「今のは...?」

 

「回復手段さ。ありがとう助かったよ、君がいたおかげで死なずにすんだ」

 

「い、いえ、あなたは、自分の手でその命を守りきったのです。私はただ、エネミーを倒しただけで...」

 

 

とんでもないと、命の恩人ではないと言い張る彼女だが、ただ謙虚すぎる。狩人なのか、正体を知りたいという好奇心から彼女の名前を、聞いてしまった。ただ、これが夢か悪夢かまた両方に、引き込まれてしまった1つの理由かもしれない。

 

「君の、名前を教えていただけないか」

 

「はい...私の名はジャンヌ、ジャンヌ・ダルクです。この戦争を終わらせに参りました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ワイバーンに苦戦する狩人さま!生身の人間ならまぁ、多少はね?

ワイバーン炎吐いててた気がするので修正しました...
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