ギルド魔王   作:星座

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俺の青春ラブコメは大きく変わり始めている。①

2、俺の青春ラブコメは大きく変わり始めている。①

 

 無事に帰宅した夕食後の自室。俺は勉強をしている。陽乃さんは、家庭教師を引き受けて貰ってからというものほぼ毎日来てくれている。どうしても忙しい時は課題を前日に置いていってくれる。あまりにも毎日来てくれているので心配になり家の用事は大丈夫なのかと聞いた事があるが、返ってきた答えの「未来の義弟くんの教育の方が大事だよー、両親も納得しているから大丈夫」に赤面してしまい、それ以来何も言えなくなってしまった。

 

「うーん、今日はこんなところかな」

「ありがとうございました、陽乃さん」

 

 時刻は23時を過ぎ、だいたい陽乃さんに教えて貰える時間は1日4時間位、陽乃さん曰く集中すれば勉強なんてこれくらいの時間で十分だそうだ。

 それでも理数系が壊滅的だった俺はこんな少ない時間で大丈夫なのか不安だったが模試の結果等がその不安をぬぐいさってくれた。

 

「比企谷くん、少しお喋りする時間ある?」

「ええ、俺も確認したいことがありますし大丈夫ですよ」

「確認したいこと?勉強でどこかわからない所でもあったの?」

「いえ、勉強のことではなく今日の奉仕部でのことです」

 

 今日の陽乃さんの奉仕部での行動は、普段の彼女を知っていればあり得ない行動のオンパレードだった。

 

「うーん、何のことかなー」

「惚けないでください。家庭教師を引き受けてくれる条件の1つがソードアート・オンラインのαテスターのバイト、そして今日の奉仕部での話、気付くなって言うほうが無理でしょう?」

 

 

 勉強を教えてくれるかわりにアルバイトをしろという余りにも矛盾だらけに思える要求に面食らってしまい、口をポカンと開けていた俺にこの事を決心させたのは雪ノ下の「姉さんの事だから何か考えがあるのでしょう。どうせ問い詰めても何も喋らないでしょうし、それにあなた私と付き合っていくのなら専業主夫なんて夢物語は私が許すはず無いのだからしっかり社会勉強してきなさい、社畜谷くん」顔を赤らめながらも俺をきっちり罵る事を忘れない一言だった。

 まあ、アルバイト中もステルスヒッキーは絶好調で、まともに話をしていたのは1人だけだったけどな。

 

「あはは、まあそれもそうか。それに私の話もその事だったからちょうどいいね」

「だったら素直に話してくださいよ。茅場晶彦でしょう」

 

 陽乃さんの目が一瞬鋭くなる。

 

「へぇ、分かってたんだ」

「簡単な二者択一ですよ、陽乃さんがゲームに興味があるとは思えなっかただけです」

「そうね、私と茅場の話は聞いてる?」

「ええ、雪ノ下から大体は聞いています」

 

 珍しく雪ノ下から電話がきたと思ったら、開口一番「姉さんが男に振られたの」だもんな。その後も嬉しそうに詳細を話してくれたっけ。

 陽乃さんと茅場がお見合いをした。それだけなら絶賛売りだし中の若手男性と良家のお嬢様のお見合いで珍しい事もないんだろうけど、そのプロセスが不味かったみたいだ。

 お見合いで交際を断るのは女性からで、男性から先に断るのはタブーらしい。それなのに茅場は当日のお見合い直後に断りの連絡を入れて来たのだ。陽乃さんと雪ノ下家の顔は丸潰れである。

 

「どんなふうに伝わっているのか雪乃ちゃんに確認の必要性がありそうだけど」

「お見合いの復讐って訳でもないんでしょう?」

「まあね、今度直接顔を見たら一発ぶん殴ってから、す巻きにしてマンションの基礎にぶちこんで、人柱にしてやりたいけど、今回は違うよ」

「うわぁ…」

 

 もちろん冗談だよ、なんて笑顔でフォローする陽乃さん。黒い部分を少しは知っている俺にとって、その笑顔が一番怖い訳で…本気で怒らせないようにしようと深く心に誓った。

 

「それで本当のところは何なんです?」

「う~ん、お見合いの時に感じた茅場の違和感というか危うさが気になってね」

「危うさ!?あの天才がですか?」

「うん、その危うさの正体が少しは分かるんじゃないかっていうのが今回皆をゲームに誘った理由の半分、純粋に世界から天才の呼び名を欲しいままにする茅場の作った世界を見てみたいっていうのもあるけれど」

「ふーん、ゲームの世界を見て分かるもんなんですかね?」

「まあ、見てみない事には何も分からないよ。そもそも君がアルバイトの時にもっと茅場と接触してくれれば済んだかもしれない話しなんだけどね」

「俺にそれを期待されても…無理なのは分かってたんでしょう?」

 

 まあね~、と笑う陽乃さん。この人の考えを全て理解するのは、俺には無理のようだ。もう一点だけ気になる事があるので聞いてみよう。

 

「もうひとつ聞きたい事があるんですが、なぜあの大人数なんですか?」

「それがもう半分の理由、雪乃ちゃんと比企谷くんの為だよ」

「俺と雪ノ下の為?」

「雪乃ちゃんは勿論の事、近い将来雪ノ下家に入る比企谷くんにも成長して貰わないと困るんだよ」

 

 俺の将来は色々と確定してしまっているらしい。もう最近馴れたというか諦めた、どうせ何を言っても聞く耳を持ってくれないんだろうし。

 

「雪ノ下家に孤高や孤独は要らないの。たったあれだけの人数、掌握してくれないと」

 

 大学や大学院も考えるとまだ4年以上あるから今回の事はその第一歩かな、と軽くフォローを入れてくれはしたがさっきの言葉が俺の心に突き刺さり言葉を発する事が出来ない。

 暫く沈黙が続き、不意に家の外に車の止まる音が聞こえた。

 

「まだ時間はあるししっかりと考えてね。迎えも来たみたいだし今日は帰るね」

「玄関の外まで送ります」

 

 階段を下りて玄関を開け、車に乗り込む陽乃さんを無言で見送る。いくら考えても答えは出そうもないし今日のところはベッドに潜り込み泥のように眠ることを選択した。




後半の修正が難航している為
①と②にわけさせて頂きました。
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