ゆきのんの誕生日が近いことに気づき、八雪成分てんこ盛りで修正を進めた結果、SAO成分が皆無になりました。
反省はしているが、後悔はしていない(本当に申し訳ありません)。
そんな内容ですがぜひ読んでやってください。
3、俺の青春ラブコメは大きく変わり始めている。②
翌日の朝6時前俺はベッドを抜け出しランニングに行く準備をしている。時間ギリギリまで寝ていた頃が懐かしいがこれも陽乃さんとの約束の一つである。
護身術を身につける、これが約束の内容で「雪乃ちゃんに守って貰うつもりなの?」の一言で否応なしに決定した。まあ、小町も守れるしね、お兄ちゃんとして必要だよね。誰か肯定してくれ…
バイト代で買ったジャージの上下とランニングシューズを履き、まだ寝ているであろう家族に聞こえないように「いってきます」と呟き家を出る。
家から海沿いの公園を目指し公園にあるランニングコースを走り家に戻ってくるルート約10Kmを一時間を目標に走破する。体力をつけるのが目的であり脚力は二の次なのでそこまで無茶なタイム設定はされていない。始めた頃は5Kmも走れなかったけどな。
走ることより意外とキツいのは走り終わった公園を出る前にやる筋トレだ。体力を失った後にやる腕立て伏せ・腹筋・背筋は残っている体力をごっそり持っていく。家に帰る迄の体力も残しておかないといけないので尚更キツい。
でも夏休みの時はこの後武術の先生による教えという名のシゴキが午前中一杯続いたからな。
午前中武術の稽古、午後から夕方までバイト、夕飯後から寝る前まで勉強という夏休みを耐え抜いた俺を誰か誉めてくれてもいいのよ。雪ノ下だけでなく小町も誉めてくれないんだもの…
学校が始まった今は稽古は土日だけとなっている。
午前7時過ぎ、起きているであろう小町に向けて「ただいま」と声を発しながら家に入っていく。
「お帰りなさい比企谷くん、今小町さんと朝食を作っているから先にお風呂に入ってきて、沸かしておいたから」
「おう、悪いな雪ノ下そうさせてもらうわ」
雪ノ下の横をすり抜けサニタリールームに入り汗でベトベトのジャージを洗濯機に突っ込んでから風呂場に入る。体と頭を洗い流してから、風呂に浸かって「ふぅ」と一息ついた。
今日は朝から豪華だな、雪ノ下と小町の合作朝食か…
ん?ん~ん?雪ノ下?うん?あいつなんでいるんだ?慌てて風呂から飛び出し腰にバスタオルを巻きリビングの扉を開け放つ。
「おい、何で雪ノ下がいるんだ!?」
「きゃあ、あなたレディの前になんて格好で出てきているのよ」
「おお、悪い今着替えてくる。ってそうじゃなくて…」
「確かに私とあなたは恋人でそういう事をする日も近い将来来るでしょう。私もやぶさかではないのだし。でも時と場所を選びなさい。ここはあなたの実家で今は小町さんも居るのよ。それに私達は今受験生なの。情事に溺れて受験を失敗したらどうするの。せめて大学に受かってから、いえ大学生活が落ち着いてからでも遅くは無いと思うの。それから…」
「雪ノ下、ストップ、ストップだ。感情が駄々もれになっている。小町もニヤニヤしてないで雪ノ下を止めろ」
とりあえず小町に雪ノ下を任せ、自室戻り着替えを済ませリビングに戻ってくるとテーブルの上には豪華な朝食が並んでいた。席に着き手を合わせて「いただきます」の発声と共にさあ食べようと朝食に手を伸ばした所で雪ノ下から声が掛かる。
「忘れなさい」
「あ?」
「忘れなさい、全て」
「ああ、忘れた忘れた超忘れた、何なら今日起きてから今までの事全て忘れたまである」
「そう…小町さんもいいわね」
小町がアイアイサーと敬礼付で可愛くポーズを決めたあと口角が少し上がる。何かイタズラを思い付いた時の顔だ。
「で、雪乃さん」
「何かしら小町さん」
「小町は何時叔母さんになれるんでしょうか?」
「なっ…」
顔どころか全身を真っ赤に染め上げ両手で口を塞ぐ雪ノ下。
朝食を口に詰め込み、お邪魔虫は先に学校に行きまーすと出ていこうとする小町をリビングの外で捕まえて軽く拳骨を頭に落とした後にあまり雪ノ下を弄らないように伝える。
だって雪乃さんの反応可愛いんだもんと言って出ていく小町を見送ってからリビングに戻ると雪ノ下がまだ固まっていた。
「おーい、雪ノ下早く朝食を食べないと学校に遅刻するぞ」
「んんっ…そうね、早く食べてしまわないとね」
やっと再起動した雪ノ下と朝食を済ませる。
「ごちそうさん、相変わらず雪ノ下の料理は旨いな」
「ふふっ、お粗末様、私が作ったのですもの当然ね」
腰に手を当て、胸を張る雪ノ下。男性に優しい双丘を一瞬視界に捉えるも凝視してしまえば罵倒が飛んでくるだけなので早々に学校に行く準備を整えに自室へ向かう。
リビングに戻ってくると雪ノ下は台所で朝食の後片付けをしているようだ。
「後片付けは、帰って来てからやるからそのままでいいぞ、遅刻しちまう」
「もう少しで終わるわ、それに今日は車で来ているから遅刻の心配もしなくて大丈夫よ」
「は?ランニング帰りに見なかったけど」
「あたりまえでしょう、家の目の前に車を長時間横付けにしていたらご近所に迷惑を掛けてしまうでしょうに。学校に向かう時間に戻ってくるように指示してあるわ」
「さいですか…」
車で登校決定か…目立つだろうな…学校行きたくねえなぁ……
「なに朝から不景気な顔を晒しているのかしら、車も戻ってきた様だし早くしないと本当に学校に遅刻するわよ」
右腕を引っ張られ強引に車に連れ込まれる。
「都築、宜しくね」
「畏まりました、雪乃御嬢様」
学校に向けて車が発進する。先ほどうやむやになってしまった事をこの時間で確認するか。
「なあ雪ノ下、今朝は何で家に来たんだ?」
「……」
暫くの沈黙。
「姉さんから…」
「ん?」
「姉さんから昨日の夜に電話があったのよ。比企谷くんが少し落ち込んでるから元気付けてあげてって」
あの人は、何処までカバー範囲内なんだ?最近は雪ノ下だけではなく俺にまで甘いような気がするけど。
「迷惑掛けて悪かったな」
「迷惑だなんて。その…こ、恋人ですもの当然よ」
「そうか…」
「そうよ…」
「じゃあ、言葉のチョイスを間違えたな。ありがとう雪ノ下」
「ええ、どういたしまして比企谷くん。その言葉の方が何倍も嬉しいわ」
「そうか…」
「そうよ…」
激甘な車中の空気に耐えきれなくなってきた時、ちょうど学校に着いたようだ。
「到着致しました。雪乃御嬢様、比企谷様」
聞こえるやいなや後部座席の俺側の扉が開く。素早く車から降りて雪ノ下を待っていると、車のソファーに腰掛け両足をチョンと車外に出した彼女から声が掛かる。
「エスコートしなさい比企谷くん」
は?なんて宣われましたこの御嬢様は?
「姉さんに色々と躾られているんでしょう?実践も必要よ」
あの人は何でもかんでも妹に喋りすぎじゃないですかね?どうせ雪ノ下がこうなる事も織り込み済みなんだろうけど。
はあ、とため息を一つ付いた後、鞄の外ポケットから眼鏡を取りだし装着する。他人の視線が気になる時に掛けなさいと陽乃さんから貰った物だ。
「では、御嬢様お手をどうぞ」
「ええ、善きに計らいなさい」
何処の殿様だよと心で突っ込みつつ雪ノ下の手を取る。車を降りるのを補助し雪ノ下の手を俺の左腕に導く。嬉しそうに俺の左腕に自分の右腕を絡ませてくる雪ノ下を確認した後ゆっくりと歩き出す。校門から下駄箱迄の短くて長い道のりのスタートだ。
案の定、男性からの嫉妬の視線と女性からの黄色い悲鳴が聞こえてくる。中には凄い美男美女カップルなんて言葉も聞こえてきたので美女は隣にいるけど美男は何処だ?葉山でも近くにいるのかと雪ノ下の方を確認すると笑い声さえ聞こえてくるんじゃないかという位の満面の笑みを湛えた彼女の顔がそこにあった。何このヒーリング効果、俺の視線やら声に傷付いた心が回復していく。
あまりの光景に視線が釘付けになっていると視線に気付いた雪ノ下が視線を合わせ首をコテンと傾ける。
ヤベエ、こいつ俺を殺しに来やがった。顔を真っ赤にして視線を外す俺を「ふふっ」と笑う声が横から聞こえる。
ライフが満タンなんだかゼロなんだかわからない状態でやっとの事下駄箱に到着した。
「御嬢様、ではまた放課後に」
「ええ、また放課後にね」
俺から外れていく腕の感触に名残惜しさを感じつつ、眼鏡をしまい、上履きに履き替えて教室に続く階段を昇る。
「先輩、今の何なんですか?」
「おう、一色おはようさん」
「おはようございます先輩って、そうじゃなくて」
「何なんですか?私に見せつけて嫉妬させて私から告白させるつもりですか今の眼鏡を掛けた先輩超素敵でしたけど二人っきりの時にしてください、ごめんなさい」
「おっ、おう相変わらず早口で何言ってるか分からんがまた振られたのかよ俺は」
「もお、先輩はこれだから…」
何か口ごもっている一色に、また放課後にな、と声を掛け教室を目指す。
着いた教室のドアをスライドさせると
「ヒッキー!!」
思わず、ウルセエと突っ込みたくなる様な大声で話し掛けてきた由比ヶ浜を無視し、自分の机に着席する。
「何で無視するし!」
「ウルセエからだよ」
「むぅ…それよりさっきのヒッキー超かっこよかったよ!!ねえ、彩ちゃん!」
「うん、八幡かっこよかったよ」
「比企谷もやればできるじゃないか」
「ヒキオ、あんたさっきの眼鏡ずっと掛けときな」
「ヒキタニくん、隼人くんというものがありながら浮気は感心しないなー」
皆の言葉に適当に相づちを打ちながら今朝からのイベント盛り沢山で疲れきった身体を一限目から眠ることで回復しようと心に決めたのだった。
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