龍戦士、緑谷出久   作:i-pod男

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長らくお待たせいたしました。

期末も終わって燃え尽き症候群と睡眠不足を概ね克服した所でようやく投稿できます。

もう忘れてる人も多いのではと思いますが、まだだ、まだ終わらせない!
本当の戦いは、ここからだぜ!


File 46: 大人の世界のDeal

白い天井、薬臭いシーツ、点滴装置とそこから腕に続く管、そしてメトロノームのように規則正しい心電図の作動音。病院の一室だ。ズキンズキンと鈍痛が出久の全身を駆け抜け、意識を覚醒させた。

 

「一晩で全快とまでは行かなくとも意識が戻るぐらいには回復したか。まあアレの後と考えれば上々だな。」

 

「あ・・・・・グラファイト・・・・・?」

 

意識が無い間に麻酔か何かを打たれたのか、頭がぐらぐらする。窓から差し込む光が妙にまぶしく、出久は顔を手で覆った。

 

グラファイトはカーテンを閉め、ベッド脇の椅子に腰かけた。椅子の横にはギターを入れる様な長方形の黒いケースがある。

 

「お前の母親には無事だと連絡してある。昨夜何をしたか覚えているか?」

 

出久は無言で首を振る。覚えていない。ステインを前にしてガンマウェーブを使おうと思い、使い始めた。そこまでの記憶はある。しかしそこから先の目が覚めた今までの記憶がすっぽり頭の中から抜け落ちているのだ。

 

そこで出久は恐ろしい可能性を最悪の状況を否が応でも思い浮かべてしまう。全身から血の気が引いた。

 

「そんな顔をする必要は無い。ステインは警察病院で手当てを受けてしっかり生きている。と言っても、かなりの重傷だがな。下顎骨骨折、重度の脳震盪に加え、打撲による内臓へのダメージで意識もまだ無い。」

 

「そんなに・・・・?」

 

「ああ。」

 

「僕は、彼に何をしたの?」

 

「見ていなかったから何とも言えんが・・・・・数年前に『意』を消した攻撃の話をしたのを覚えているか?」

 

「あ、えと、うん。確か殺気と言うか、攻撃する気概が全く無い状態でする攻撃だっけ?」

 

「それで合っている。お前がしたのは恐らくそれだろう。殺気が完全に断たれた状態で接近し、その上で許容限界範囲内ギリギリまで出力を上げたウェイブゼロスマッシュを叩き込んだ。あれで生きているとは、あの男は悪運の強さも並外れている。」

 

「っ・・・・・じゃあステインが狙ってたあのヒーローは?!飯田君や轟君は――」

 

「全員無事だ。」

 

グラファイトは詰め寄る出久の顔を抑え、やんわりとベッドに押さえつけた。

 

「轟は打ち身擦り傷程度の軽傷と右腕の骨折、飯田は肩や腕にかなり傷を負っているそうだがヒーローとしての活動に支障はない。標的にされたネイティヴも全治二か月前後の重傷を負っているが現場には復帰できる。お前が早く駆け付けたおかげだ。その点だけは誇るがいい。」

 

「だけはって・・・・・」

 

「当たり前だろう、貴様は俺があれ程使いどころに気を付けろと念を押した戦法を俺がいない状況で使い、結果的に暴走した。緊急事態だったとは言え冷静な判断をしなかったのは紛れも無い事実。お前のこの勝利は実力でも何でもない。ただの運だ。今回は轟と飯田というお前の戦い方をある程度理解している者が近くにいて、エナジーアイテムの力で取り押さえてくれたが、一歩間違えばお前はステインも、飯田も、轟も、ネイティヴさえもその手にかけていた可能性が十分にあった事を忘れるな。」

 

「・・・・・ごめん・・・・・」

 

「同じ過ちを犯さなければそれでいい。という事で、しばらくはトータルゼロスタイルの使用を禁ずる。俺が許可を出すまでその名を口にする事も許さん、分かったか?」

 

まあ当然と言えば当然のペナルティーと言える。むしろそれだけで済むのならば安い物だ。元々トータルゼロスタイル自体それだけの威力を持った攻撃を使わなければ有効打を与えられない相手、速攻で決めなければ危険な相手、そして時間との戦いを想定した、相手を殺しかねない戦闘方法なのだ。使わないならそれに越した事は無い。

 

「それと、一つ朗報がある。」

 

「え?」

 

「これだ。」

 

三つのガシャットを見せつけられ、出久は目を丸くした。

 

「新しいガシャット!?それも三つ・・・・・・!どうしたの、これ?」

 

「一つはステインの物だ。残り二つは轟のデータから培養した。一つ分だけのデータのつもりだったのだが、どうやらステインとの戦いで成長したらしい。俺も正直驚いている。この二つは、俺の生涯の友であるパラドが使っていた物に限りなく酷似しているからな。」

 

出久はグラファイトとの長年の付き合いで己の過去を詳しく語ろうとはしない事は分かっていたし、彼自身もまた時期が来ればいずれ話してくれるだろうと思い、深く聞こうとはしなかった。

 

「そのパラドさんて、どんな人?」

 

そんな相棒の口から初めて聞く名に出久は食いつかずにはいられなかった。

 

「己に正直で、何事も真剣に楽しむ事を忘れない、ゲーム好きな奴だ。当然戦闘もこなせる。まあ多少ガキっぽいが責任感はそこそこ強い。」

 

一度死んでしまった以上、もう二度と会う事は無いが。もうクロノスとの決着はついたのだろうか?朝日が昇った保須市の街並みを見つめ、グラファイトは小さく息をつく。戦えなくとも、せめてパラドやブレイブ、スナイプの雄姿を見たいがそれももう叶わない。

 

「実に惜しい。」

 

「何が?」

 

「独り言だ、気にするな。そろそろ飯田やグラントリノ達が来る頃だ、顔でも洗っておけ。俺は雄英に戻る。」

 

「あ、その黒いケースは?」

 

「轟が来たら俺からだと言って渡しておけ。ああ、言い忘れるところだったが、ステインから伝言を預かっている。ヒーローをよろしく頼む、だそうだ。」

 

そう言い残すと、グラファイトはデータの粒子となって病室から姿を消した。

 

出久は天井を見上げながら考え始めた。まず手始めに轟と飯田への謝罪の言葉を。グラファイトの言う通り、トータルゼロスタイルの威力を考えれば二人は自分の手で殺されていたかもしれないのだ。もう二度と安眠する事は無い程にその事実は出久の心に重くのしかかっていた。そしてグラントリノにも詫びなければならない。行かせてくれと頼み、自分の実力を信じて許可したのは彼だ。自分が監督すべき人間がこの体たらくでは責任を問われて何らかのペナルティーを科せられるのは間違い無い。

 

「あ~~~~~どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。」

 

毛根を死滅させんばかりの勢いで縮れ毛を掻きむしりながら頭をフル回転させる。

 

「イ“っ・・・・・痛い・・・・・」

 

麻酔の効果がどんどん消えて行くにつれ、痛みがぶり返してきた。自分が怪我人だという事をすっかり忘れていた出久は大きく溜息をついた。

 

「しばらく筋トレとかできないな、これ。」

 

指や手足を曲げ伸ばししながら一人ごちると、病室のドアが開いた。

 

轟は右腕を、飯田は両腕を三角巾で吊っており、絆創膏なども所々に張り付けているが

 

「緑谷、起きたか。」

 

「体調に異変は無いかね?」

 

「轟君、飯田君・・・・全身筋肉痛で色々痛いけど、まあそれぐらいだよ。止めてくれてありがとね。心配かけて本当にごめん。僕の所為で・・・・・」

 

「何を言うんだ!君のお陰で僕も轟君もネイティヴさんも助かったんだ。あれは君の奥の手だったんだろう?」

 

「あの状況で使うべき物じゃなかったんだよ!あれは・・・・・まだ制御しきれないんだ。今の僕じゃまだ・・・・・時間内にケリを付けられなかったのは僕だ。冷静さを欠いたのは僕だ。皆を不必要に危険に晒したのも僕だ。助かったなんて結果論だよ、そんな物。グラファイトが間に合わなきゃ、僕は・・・・・・殺していたんだ。二人を、この手で。」

 

「それを言うなら俺達も油断した責任がある。あの後お前が脳無に拉致られた後、誰も何も出来なかった。ヒーロー殺し以外は。」

 

あの時の状況を思い出したのか、轟の眦は大きく吊り上がり、悔しそうに拳を握り締めた。

 

「え?ちょっと待って、それどういう事?」

 

「ステインを倒して、君の意識を奪った後、よそで暴れていた脳無が飛んで来て君を連れ去ろうとしたんだ。」

 

「はいぃ?」

 

「本当の事だよ。応援に駆け付けたヒーローも何も出来なかったが、ナイフをまだ隠し持っていたステインが『個性』を使って君を助けたんだ。正直何を考えていたのかは分からないが、それが事実だ。」

 

連れ去ろうとした?殺害が目的ではなく、拉致?明らかに何かがおかしい。脳無は特定の人間の音声による命令を聞かなければ動かない様になっている。少なくともUSJの個体はそうだった。考えられる理由は、新たな改人製造の為の検体確保ただ一つ。

 

ヴィラン陣営ではワン・フォー・オールの事は偶然とはいえ創り出したオール・フォー・ワンが熟知しているが、恐らくそれをみだりに誰かに話すような事は無い筈だ。貴重なカードをおいそれと晒すような人間ではない。

 

ならば自分を連れ去ろうとしたのは恐らく偶然だろう。しかし間違い無く指示を出したのは死柄木だ。となると、まだ何か来る。USJに加え、職場体験まで引っ掻き回してきた。死柄木はグラファイト曰く『子供大人』で、幼稚で負けず嫌いな所がある。だとすれば、また狙ってくる可能性が高い。今度は脳無だけでなく、他のヴィランも盟に加えて更に厄介な布陣の展開が予想できる。

 

グラファイトはやろうと思えばオールマイトとほぼ互角に渡り合える強者だ。出久も並大抵の相手でなければ負ける事はまず無いだろう。だがどちらも身は一つきり。

 

「皆の強化も視野に入れるか・・・・・」

 

「皆の強化?それは一体―――」

 

「おお、起きたか。よしよし。」

 

開きっぱなしのドアをくぐり、グラントリノ、マニュアルの二人が入って来た。

 

「おお、坊主、七孔噴血しとった割には元気そうじゃな。」

 

「しちこ、え?」

 

「ああ、目、鼻、耳、口から血ぃ流しとったのよ。その割にゃぴんぴんしとるみたいだから安心したわい。やわな鍛え方をしとらんのは手合わせで分かっとるからな。」

 

さらりと中々とんでもない状況にあった出久は背中に嫌な汗が言葉にならない不快感と共に浮かぶのを感じた。多少頭がふらつくのはやはり若干貧血気味だからなのだろうか?

 

「えっと・・・・・グラントリノ、後ろに控えてらっしゃる立派な面構えの方は?」

 

「ん?おお、そうじゃそうじゃ、お前達に話があるのはどっちかっつーとこの人でな。保須市警察署署長の面構犬嗣さんだ。」

 

「面構・・・・ってえ、署長?彼が?」

 

人間の『個性』を持った犬なのか、はたまた犬の『個性』を持った人間なのか、ともかくスーツをかっちり着こなした成人男性の体にビーグル犬の頭をくっつけたリアル『犬のおまわりさん』こと面構犬嗣が病室に入った。

 

飯田と轟が立ち上がったのを見て出久もそれに倣おうとしたが、やはりまだ体の感覚がぼけている上に碌に力が入らない。

 

「ああ、そのままで結構だワン。君達がヒーロー殺しを仕留めた雄英生徒で間違い無いね?」

 

「はい。・・・・・・ワンって言った・・・・・・」

 

強面な割に中々お茶目な男らしい。

 

「ヒーロー殺し逮捕の件についてだが、彼は今厳戒態勢を敷いた警察病院で集中治療を受けている。多数の骨折や内出血、内臓損傷など中々な重傷だが、死ぬ事は無い。雄英生徒なら分かっていると思うが、超常黎明期、警察は統率と規格を重要視し、『個性』を武に用いない事とした。そしてヒーローはその穴を埋める形で台頭してきた職業だ。個人の武力行使、容易に人を殺められる力は本来ならば糾弾されてしかるべき物。これらが認められているのは先人がモラルやルールをきっちり順守してきたからだワン。ヒーローライセンス未取得者が保護管理者の許可なく『個性』で危害を加えた事は立派な規則違反だ。相手がヒーロー殺しであっても、それは例外ではない。故に、マニュアル、エンデヴァー並びに二人の保護観察下にあった二人は厳正な処罰を受けなければならない。」

 

「ちょ、ちょっと待って下さい署長さん!」

 

「ん?」

 

「二人って・・・・・僕には何も無いのはおかしくないですか?」

 

「いや、何もおかしい事は無いワン。グラントリノの監督下から離れたと言うのは確かにアウトだが、『個性』の使用も実力を踏まえた上で許可したと彼が証言している。ヒーロー殺しに与えられたダメージ量と緊急事態であった事も踏まえれば限りなく黒に近いが、すれすれのグレーゾーンだワン。」

 

「そんな・・・・!それなら・・・・過剰防衛だ!そう、過剰防衛って事になりませんか?僕が気絶する前にヒーロー殺しに向けた攻撃は相当性の点から見て正当防衛の定義から大きく逸脱してます!これは立派な傷害罪に――」

 

「ならない。」

 

瞬き一つせずに面構は出久の言葉を切り捨てた。

 

「何故なら君の攻撃を受けても短時間とは言えヒーロー殺しは意識を取り戻した。無力化とはいえないし、死んでもいない。加えて殺傷した人数を鑑みると、不正の侵害、急迫性、防衛の意思、防衛の必要性、そして君の論点である相当性の五つをしっかりと満たしているワン。よく勉強している。感心な事だ。」

 

「よしたまえ、緑谷君。たとえ限りなく黒に近いグレーゾーンであったとしても君の行動は客観的に合法だと判断された。轟君と僕がした事は、たとえ正当な理由に則った行動であっても違法である事は変わらない。僕のエゴが引き起こした問題に君が食い下がって側杖をわざわざ食う必要は無い筈だ。」

 

「悪いが、俺も納得出来ません。緑谷が処分を受けないのは、署長が無罪放免て言うならそれについてとやかく追及はしない。でも、飯田があの場にいなきゃネイティヴさんは殺されてた。緑谷が間に合わなきゃ俺達三人は纏めてやられていた。脳無の引き起こした混乱に乗じてヒーロー殺しが出現したことを俺達以外は誰も気づいていなかった。規則守って死人が出たら、何の為に俺達はプロヒーロー目指してるんだって話になる。」

 

「つまり君は結果オーライであれば規則など有耶無耶にしてしまっても構わない、と?」

 

面構の落ち着き払った質問一つ、たったそれだけで轟は言葉に詰まってしまう。

 

「・・・・・・人を守るのがヒーローの役目じゃないのかよ。」

 

「だから君は卵なのだよ。全く、良い教育をしているワンねえ、雄英も、エンデヴァーも。」

 

「何だとこの犬が!」

 

駄々をこねる幼児を窘めるような言い方に流石の轟も堪忍袋の緒が切れ、面構に詰め寄ったが、既に(すんで)の所で腕を伸ばした出久に腕を掴まれて止められた。

 

「轟君、待って!納得いかないのは分かるけど彼に当たっても何も変わらないよ。」

 

「坊主の言う通りだ、話は最後まで聞け。近頃の若者はせっかちでいかん。」

 

「以上が警察としての公式見解。で、処分云々はあくまでこれらを公表すればの話だワン。公表すれば世論は君達を褒め称えるだろう。だが処分は免れない。だがしなければ、傷跡からグラントリノ、ドラゴン・デクリオン、そしてエンデヴァーの連携で捕縛に成功したという事にすればいい。幸い目撃者は少ない。誰かがマスコミにリークするか、よほど荒唐無稽な筋書きでない限り、事実はどうとでも捻じ曲げられる。」

 

「・・・・・署長さん、それはつまり・・・・・・隠蔽、ってこと、ですよね。それに僕も関わっていた事を公表するって・・・・」

 

恐る恐る隠蔽という言葉を口にする出久に、面構は鼻を小さく鳴らした。

 

「嘘の信憑性を高めるには適度に事実を織り込む必要があるから、君の名も功労者の一人に加えるのは当然だワン。実際、とどめの一撃を入れたのは君だと言う証言が取れている。身も蓋も無い言い方になってしまうが、この一件は我々警察の独断で握り潰す。が、そうすれば君達の英断と功績は誰にも知られる事は無い。どうするか決めるのは君達だが、個人的には前途ある若者の偉大なる過ちにケチを付けたくないんだワン。」

 

「まあどっちにしろ監督不行き届きで詰め腹切らされるんだけどな・・・・・」

 

とほほと落ち込みながらマニュアルが一人ごちる。そんな彼に、飯田は怪我をしている体を押してギリギリまで頭を下げた。

 

「申し訳ございませんでした。自分の勝手な行動で、マニュアルさんや他のプロヒーローの皆様に多大なご迷惑をおかけしたこと、深くお詫びいたします。」

 

「よし、許す。分かったらもう二度とすんなよ?次は無いからな。」

 

トン、と手刀を下げられた頭に落とし、マニュアルは頷いた。

 

「はい。」

 

それに続いて出久と轟も頭を下げた。

 

「よろしくお願いします・・・・・・」

 

「大人の勝手な都合で君達が浴びるべき称賛の声は無くなってしまうが、それでもせめて共に平和を守る者として礼を言いたい。ありがとう。」

 

「・・・・・・まずはそこから始めてくださいよ・・・・」

 

轟が誰ともなしに呟いた。

 

「まあ色々あった事だし、今夜はゆっくり休むと良いワン。」

 

雄英生徒の三人だけがその場に取り残され、病室のドアが閉まると曖昧な空気が充満する沈黙が訪れた。

 

「まあ、とりあえず何とかなったな。」

 

「そうだね。ごめんね、僕だけ…・」

 

「構わねえ。実際本当の事だ。お前が来なきゃマジでヤバかった。ありがとな。今度・・・・飯でも奢る。」

 

「緑谷君、僕も改めて礼と謝罪をしたい。ありがとう。轟君も。越えてはならない一線を踏み越えるか、あの場で無駄死にするか。どちらにせよ君達がいなければ僕は取り返しのつかない事をしていただろう。そして、申し訳ない。僕は何も見えていなかった。いや、見ようとすらしなかった。」

 

「まあ、今はなりてえモンしっかり見えてんだろ?ならいいじゃねえか。」

 

「そうだよ。折角特赦を貰ったんだから、これから気を付ければいい。あ、それと轟君、この黒いケース、帰る時に持って行って。」

 

「グラファイトからか?」

 

「良く分かったね。そうだよ。」

 

「大体予想はつく。」

 

「流石は推薦入学者。」

 

「うるせえ。それより緑谷、お前明日が大変な事になるぞ。コメントの準備しとけよ?」

 

軽口を叩き合いながら、三人は窓の外に目をやった。まだそこかしこから黒煙が立ち上っているのが見えるほか、階下でパトカーの赤ランプが幾つも回転し、カメラのフラッシュと思しき不特定多数の白い光が不規則に明滅している。

 

こうして『ヒーロー殺し事件』は、幕を下ろした。

 




さて、グラファイトは一体何を渡したんだろーなー(すっとぼけ)

やっと書けるぜ、期末試験と林間合宿で行われる強化という名の地獄の満漢全席!!

File 47: Aftermathと仲直りの一歩
SEE YOU NEXT GAME.......

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