涙の痕を残し、目も泣き腫らしたメリッサの表情は沈んでいた。親族と言う事で島の総合医療センターまで付き添いはしたものの、オールマイトが同席している父の病室に入る気になれない。手続きだけ済ませ、逃げるように病院の屋上まで走った。
吹き荒ぶ真夜中の嵐の胸中とは裏腹に、空は腹立たしい程に青々としていた。だがそれでいい。何もない空を見ている方が頭の中を一度空っぽにして物事を順序だてて理性的に、科学者らしく整理するには丁度良い。
裏切られた。目標であった父親に。人を救う為の科学を理由に。
傷つけられた。同じ島に住む友達も、新しく出来た友達も、裏切った父親も。
許せるか否か?たとえオールマイトが許しても、世間と司法が許しはしない。本物のヴィランだと知らなかったとはいえ、犯行その物の計画には加担し、未遂には終わったが実行もしていた。懲役刑はほぼ確実と言えよう。だがそれは他人が許せるかどうかだ。
問題は、自分が許せるか否か。理に則れば迷わずノーである。しかし相手は家族。まごうこと無き血を分けた肉親なのだ。情が、心が、イエスと、許せと言う。
許す、許さない。
許したい、許せない。
許そう、許さない。
許せばいい、許してはいけない。
たった二択、されど二択。間違えてしまえば一生後悔する二択。だが考えれば考える程感情と理性のせめぎあいが目頭を熱くさせ、いつしかメリッサはベンチに泣き崩れた。
「分かんないよぉ・・・・・・!」
出せない。出来ない。出したくない。最適解が分からない。
屋上が無人なのも相まって、堰を切って大粒の涙がこぼれて落ちる。聞かれても構うものかとばかりに泣いた。
「・・・・・・これ、完全に出るタイミング逃したね」
成長したとはいえ、あの場に堂々と突入する気にはなれない。ひとまず彼女がすっきりするまで泣かせておこうと、出久は屋上に続く階段に腰かけた。
しかし、そんな事など気にも留めない左右の半身が非対称な男がケースを片手に空から舞い降り、彼女の前に降り立った。
「葛城、博士・・・・・・どうしてここに?」
「どうしてもなにも、タワーの修復を超特急で終わらせて内部の修理は飛電の社長さんに任せて飛んできたんじゃん。生徒の中じゃ君はお気に入りだし。あ、今のオフレコね」
葛城の少年の様に得意げでそれでいてあどけない笑みは暖かかった。だが、彼女の傷ついた心は、冷え切ったままだ。メリッサは無言で俯き、ベンチで膝を抱え込んだ。
「大変だったな。よく頑張った」
「マイトおじ様の為でも、何であんなことを・・・・・・!私、もう訳が分かんないです」
「うん。俺もだよ。けどそれが当たり前だ。所詮人間は主観が全て。人の気持ちを思いやることは出来ても、人の気持ちになるなんて出来ない。まあ、その手の『個性』がある奴は別だけど」
流石は理論と証明で成り立つ学問の頂点に立つ男と言うべきか、一切のオブラートを廃した物言いだ。
「私・・・・・・・ずっと、パパの様な科学者になる事を目指してっ、今まで勉強してきました。間違えても、失敗しても、いつか彼みたいな凄い物を作って、自分もいつかノーベル個性賞を取ってやるんだって。でもパパはその科学をッ!」
「彼は良かれと思ってやったんだろうなあ。彼を庇うわけじゃないけど、仮にも科学者を名乗ってて、戦争や殺人に加担したい奴なんて一人もいないよ」
「だとしても!パパの技術で!科学で!人が傷ついた!たくさん、たくさん傷ついた!」
頭を掻きむしりながら絞り出すメリッサの悲痛な叫びに葛城は瞑目した。
「そこが科学の難しいところだ。使い方次第で人の命を救いもすれば、奪いもする。アルベルト・アインシュタインの特殊相対性理論やマリー・キュリーの放射能は新たな英知と技術をもたらした。同時に、原子爆弾と放射能兵器という最悪の応用方法も。人の意思で科学技術の用途が百面相する以上、ある意味自然災害より始末に負えない。だが、なればこそ科学は素晴らしいと思う。人間の意思でいくらでも平和利用の為に力を尽くす方法を見つけられるから」
例えを見せようと言いつつ、葛城は紫と黄色のボトルを抜き取って見せた。
「このベストマッチは戦闘にも使えるが、絵を描いたり、資料写真の撮影、印刷、そして製本も出来る。もしこの技術を応用した物を体系化できれば、紙の為に森林伐採をする必要はなくなる。おまけに紙媒体を作る費用をゼロに削れるんだ。懐にも地球にも優しいだろ?」
葛城はメリッサを真っ直ぐ見つめ、頭が地面に付きそうなほど深く頭を下げた。
「一度は人間に絶望した科学者の一人として、どうか人間の意思を信じて欲しい。そして科学を嫌いにならないで欲しい。君は君のやり方でデビッド・シールドを超えればいい。それがたとえどんな形であろうとも」
「どんな、形・・・・・・え・・・・?」
「何年客員講師をやってると思ってんの?シールド博士との今後の事も考えてるだろ?けどその答えって、ぶっちゃけ今すぐ出さなきゃいけない物か?」
「でも・・・・・・」
「焦るなって。事件が収束した直後で心も体も疲れてるだろ?コルチゾール、レニン、アドレナリン、その他のストレスホルモンマシマシの状態では、とてもじゃないけどまともな思考なんてできるわけがない。焦って出した結論ほど不確かで不透明で不具合過多な物は無いよ。一旦博士の事は忘れて、まず自分がこれからどうするかを第一に考えればいいんじゃない?」
「これ、から・・・・・・それこそ不確かで不透明じゃないですか!」
「うん。でも俺、一人で考えろなんて言ったっけ?いるだろ、友達。そいつらと考えればいい。足りない部分は補ってもらっても、別に恥じゃないんだから。俺だってこのボトルの設計製作に七年、それを運用できる専用のサポートアイテムに半年、ボトルに使える成分の検証とそれらのベストマッチをコンプするまで五年は費やしてるんだ。で、その間色んな奴に手伝ってもらった。主に技術的な事以外で」
十二年半。メリッサの半生を軽く凌駕する時間だ。
「
名を挙げる毎に、葛城は指を折っていく。
「名前を挙げるだけで日が暮れる。ヒーロー・ビルドは一日にして成らず。そして俺一人では成れず。周りに仲間がいるからこそ、俺は戦える。何を壊されようと、何度壊されようと、俺がこの手で
「あぅっ!?」
割と鋭いデコピンを食らい、メリッサは変な声を上げて仰け反った。そのリアクションが余程おかしかったのか、葛城はげらげら腹を抱えて笑った。
「今はゆっくり休んで、セカンドオピニオンもたっぷり参考にして、しっかり準備を整えてから話せばいい。怪我がある程度治るまで博士はここで警察と俺の監視下にいるから、時間はある。そこで盗み聞きしてる彼にでも相談すればいいよ」
自分の事をいきなり話題に出された出久はぎくりとし、両手を挙げて降参のポーズをとってばつが悪そうに戸口に姿を晒した。
「アハハ・・・・・・そんなつもりなかったんですけどね。流石、気づいてましたか」
「うん。今俺が発動してるサメボトルの能力でね。姿や音は消せても電位差を誤魔化せる奴はそういないから。さしずめ出るタイミングをミスってそこにいたな?」
「・・・・・・仰る通りですハイ。後、サインお願いします!」
頭を下げつつ、出久は開いたノートのページとペンを差し出した。
「よし、じゃ交換条件だ。君に仕事をやろう。天っ才物理学者であるビルド直々の仕事だ。彼女の話を聞くこと、以上。承諾すればサインをあげる」
「優先順位的にそのつもりで来たので貰えなくてもやりますけど」
「お、いいねぇその心構え。しかもラビットタンクの絵うまっ!ほいっ、と。こんなんでいい?」
ペンを走らせてサインを左下の空白に書き込んだ。
「ありがとうございます!」
「ん、どういたしまして。あ、そうそう。忘れる前に君にこれを渡しておかなきゃね」
出久にケースを押し付けた。見覚えのある形のそれは、保管庫で管理しているサポートアイテムを入れる物だった。ふられた番号は、1109。
「え、これは・・・・・・・」
「ケースの中に譲渡証明書とかその他の届出書が入ってる。それにサインして島にいる研究員の一人に渡してくれれば、それは正式に君の物だよ」
「いやでもこれは、その、あくまで借りて返すつもりで――」
だが出久の言葉を遮って葛城が辟易した顔でパタパタと手を振る。
「いやいやいや、それ使える奴が君以外にいないからはっきり言って保管庫スペースの無駄だし、邪魔なの。作った本人も死んじゃったし、遺書も無いから。まあ、厄介払い。それに次期後輩なら愛と平和の為に役立ててくれそうだから、先行投資と思ってくれればいい。結果的に実行犯ぶっ倒したの君だしね。じゃ俺、早速シールド博士に小言言いに行くから後はヨロシク」
無断で借り受けた事を謝罪して返す筈が悉く外堀を埋められてしまった。出久は開いた口が塞がらず、受け取らされたケースを持ったまま葛城が去るのを黙って見ているしかなかった。
「初めて会ったけど・・・・・・面白い人だったなぁ」
「ええ。葛城博士は・・・・・・まあ言うなれば各国の物理学会のマイトおじ様だから」
「あー、何か分かる気がします。それと、これ」
少し場所を開けてベンチに座り、間に皿を置いた。
「昨日の夜からメリッサさん、何も食べていませんよね?出るに出れなくて座ってる間に冷めちゃいましたけど」
「ありがとう、頂くわ」
メリッサが食べる間、沈黙が続いた。太陽は既に地平線から顔を出し、I・アイランドを照らす。心地よく、穏やかな潮騒しか聞こえない。
出久は何と声を掛ければいいのか、彼女が今何を必要としているのか、分からなかった。葛城が既に彼なりの慰めと前に進むための励ましを口にしたが、正直それに比肩する言葉を持ち合わせていない。結局、ナイトアイが視た未来の通りになってしまったのだ。父が自分を裏切る筈がないと信じ続けた上で、裏切られたのだ。
理由の無い悪意に晒された彼女にかける励ましの言葉も、慰めの言葉も、考えれば考える程安っぽく、薄っぺらく感じてしまう。どうしても彼女を救った実感が湧かない。ならば、無理に言う必要は無いのかもしれない。今の様に同じ科学者と言う未知の解明に命を燃やす戦士でなければ心中を推し量れない場合だってある。
「ミドリヤ君、私が「無個性」だって話したっけ?」
「初めて知りました。『無個性』、ですか・・・・・・」
「うん。最初は周りの皆みたいにヒーローになりたいって思ってたんだけど、やっぱり『個性』がないと無理だって周りに言われて、自分でも思って。だからパパみたいにヒーローを救える科学者を目指したの」
「『個性』がないと無理だなんて、そんなことありませんよ」
一瞬荒くなった出久の語気に思わずメリッサは怯み、それを見て出久も僅かに滲み出た怒りを胸の奥にしまい込んだ。
「僕の担任で、視界に入った相手の『個性』を一時的に抹消するヒーローがいます。けどそれは発動型、変形型だけで、異形型の人には効かないんです。増強系の『個性』じゃないんで、本人の身体能力はそのままで変わらないです。あくまで自分と同じ条件下で戦わせるだけなんで」
「じゃあその人は実質『無個性』のままで戦ってるって事?」
「はい。だから・・・・・・難易度は高いですけど、可能性はあります。もしやる気があるんだったら、世界初の科学を駆使する『無個性』ヒーローなんていうのも断然ありだと思います」
「『無個性』ヒーロー、かぁ。考えておくわ。さて、と」と言いながらメリッサは立ち上がった。「私も、ちょっとパパに文句を言いに行ってくる。『無個性』ヒーローになるかもしれないって事も。本当にありがとう」
「頑張ってください。メリッサさんは、強い人ですから」
結果的に、エキスポは予定通り開催される運びとなった。実験的に導入されていたヒューマギアと葛城の尽力によりタワーが受けた被害の大部分は見る影もなくなっているし、死傷者も厳戒態勢発令により、デビッドやサムなど事件に直接関わりのある人間以外はゼロという奇跡にも等しい結果を出している。レセプションパーティーこそ台無しになってしまったが、エキスポ自体を中止するに至る被害たりえなかった。
タワー内で激戦を繰り広げた出久を除く十人の雄英生徒は疲労とダメージがある程度抜けた午後に、再びタワー前で集合していた。私服であったりヒーローコスチュームであったり、皆思い思いの出で立ちだった。
「何で俺ら集められたんだ?昨日の今日で事情聴取とかか?」
「知らねえけどさっさと済ませて欲しいぜ。まだ眠いんだよ、バイトの続きもあるし。ふぁ~あ・・・・・」
切島の問いに上鳴は大欠伸をしながらぼやき、目を擦る。峰田も疲れが抜けきっていないのか、上鳴の足に半ば凭れ掛かったまま目を半開きにして立っていた。
「ヴィランと戦った俺達が呼び出しを受けたとしたら、多分アレだな。秘密保持契約書の署名、とかだろ」
ああ、なるほど、と轟の予想を聞いて合点がいったと全員が頷く。ヒーローの卵である自覚を持っているとは言え、やはり精神的にも未発達である自分達に分別をつけろと釘を刺して確約を取り付けておきたいのだろう。
「取るべき措置として間違ってはいないのだろうが、これも情報規制されると考えたらやはりこれでいいのかと考えてしまうな」
複雑そうに眼鏡多くで飯田が眉根を寄せた。特にヒーロー殺しの事件でも警察が事実を握り潰し、記者会見で公表した事の顛末を大幅に変えたその場に立ち会っていた経験がある以上、考えさせられるものがあるのだろう。
「まあでも、ウチら『個性』の無断使用とライセンス未取得者の身の上でヴィランとの交戦はプロヒーローの許可が下りたからお咎めなしで終わったから、それぐらいいいんじゃないかな?怪我も打ち身、擦り傷程度で済んでるし」
「ですわね」と八百万が相槌を打った。「加えて凶悪ヴィランを収容する監獄タルタロスに勝るとも劣らないと言われるI・アイランドのセキュリティーを内側から崩されてしまったのは紛れも無い汚点です。それが中途半端に世間の知るところとなってしまえば、島の権威は失墜してしまいます。契約書の署名はその予防と、身内の不始末は身内がつけるからこれ以上の干渉は不要であるとはっきりさせる意味も兼ねているのでしょう。私達は未成年で学徒とは言えヒーロー候補ですから、その辺りのけじめを形式とは言え踏まえさせる措置でしょう」
「そうやね。終わり良ければ総て良しってわけやないけど、一応これで八方丸く収まったって事になるし。けど・・・・・・皆、デク君どこに行ったか知らない?」
しかし麗日の質問に答える前に職員が彼らをタワー内に彼らをタワー内の会議室に通した。そこには既にI・アイランドの重鎮と思しき面々が会議テーブルの前で座っており、向かいの席には人数分の書類とペンが一列に並べておいてある。
奥の席には、タワー前で唯一不在だった緑谷出久が座っていた。
「デク君!?」
「緑谷!来ねえと思ったらもう来てたのかよ!」
「ごめんごめん、後から全員来るって言われてたしどっちみち合流するんなら別にいいかなーって思って・・・・・」
「楽観的過ぎるぞ、緑谷君!団体行動で
「粛に」
たったその一言で、部屋の気温が一気に下がった。声の主は向かいに座る重鎮で最も高齢のスーツを着た、胸まである長い白髪の男である。しかし老人とは言え、滲み出る覇気はまるで座っている回転椅子が玉座に見えてしまう程に凄まじく、立っていた生徒達は皆弾かれた様に席に着いた。
「私はI・アイランドの統括を任されている
白亜が頭を下げると同時に、その左右に控えていた二人も立ち上がり、深々と頭を下げた。
「諸君らがタワー前で予想していたように、今日集まって貰ったのはこの事件に関する情報規制を徹底することだ。その為に、まず機密保持契約書に全員署名をしてもらいたい。内容は至極簡潔。いかなる理由があろうとも、事件に関連する君達の行動、見聞きした事、その他の詳細を部外者、SNS、メディア関係者には漏らさない。それだけだ。勿論、法廷で証言台に立つ場合や我々を代表する弁護士と話をする場合など、状況と相手次第ではこの限りではないが。そして当然、破れば相応の沙汰はある」
誰も何も言わず、空調とペン先がカリカリと紙の上を走る音だけが上がった。出久は自分がサインした物を含めて全員の署名した契約書を集め、白亜に差し出す。
「確かに。では、私はこれで失礼する。相楽、見送りを」
「はいよ、旦那」
白亜が眼鏡をかけたもう一人の若い男性と共に席を立って一礼してから退室し、唯一残った相楽と呼ばれた民族衣装に身を包んだおよそ科学者とは思えない中年の男が皆をタワーの外へと先導した。
「俺、心臓一瞬止まったわ」
「こえーよあの人!目とかおっかねーよ!」
「しっ、黙っときなって!聞こえてるから絶対」
口々に白亜の散々な第一印象を聞き、相楽はカラカラと笑った。
「悪いね、不愛想な統括管理官で。強面とあの気迫で誤解されがちだが、白亜の旦那はあれでも愛妻家だ。まあでも、普段より眉間の皺が五倍は増えちまうのは無理も無い。特に今回の事件では後始末の矢面に立つ事になるから、猶更ご機嫌斜めなのさ」
「でも、あー・・・・・・こういう言い方しちゃうとアレっすけど、たかがヴィランの侵入一回でそこまでの事になります?」
切島の質問に相楽は首肯した。
「ああ、それぐらいだったら別に問題は無い。一年に一回あるかないかってぐらい頻度は低いから記事にすらならなかった。ただ、今回は成功してしまった事実と、内部の人間が共犯者だったってのが大問題だ。さっきだってひっきりなしにかかってくるスポンサーからの連絡を保留して会議室に出張ったからな。実際は旦那の所為じゃないんだが、立場上の連帯責任があるし、真面目だから個人的にも責任を痛感してる。ま、それはこっちの問題だから少年少女諸君は気にしなくていい。エキスポ開催中の三日間を存分に楽しんでくれたまえ。」
悪戯盛りの悪ガキの様な笑みを浮かべた相楽は手を振り、口笛を吹きながら踵を返すと、その姿はフッと消えた。
「さて、昨夜は意図せずヒーロー活動に従事してしまいましたが、エキスポも続行するわけですし、後れを取った分を今から取り戻して楽しみましょう!」
「おおー!」
全員の距離が少し離れどこに行こうか、誰と行こうかと年相応の高校生らしくワイワイし始めたところで、タワーの正面扉の左右に並ぶ柱の横から消えた筈の相楽が現れた。
「悪いね、緑谷君。君に損な役回りを押し付けてしまった」
「内部にいた共犯者の名前と目的を
「勿論だとも。今回限りだが、志村奈々とその親戚縁者に関する情報は喜んで提供しよう。明後日までには用意しておく。しかし、まさか俺の事を知っている奴がまだいたなんて、久しぶりにドキリとしたよ」
「ありがとうございます」
「ああ、それとだが、」と友人達に追いつこうと駆け出した出久を相楽は呼び止めた。「いい機会だから一つ覚えて帰ってくれ。一人の憎しみは、百人の善意を打ち砕く力を持つ。そうやって人の歴史は幾度となく血に染まってきた。そして面倒なことに、憎しみ、即ち悪意は広範囲に、誰にでも伝播する。」
言うだけ言った相楽は、今度こそ本当に姿を消し、出久も自分を呼ぶ友達の方へと走り出した。
なんか思った以上に葛城博士の出番が出てしまった・・・・・・でも科学者と言う事もあってメリッサのメンタルケアには最適な相手なのではと思い、このような形に仕上がりました。夜中の妙なテンションで加筆を進めていくと同時にカメオ出演数もアップ。
今回、相楽はDJではなく植物園の管理責任者です。フルネームは相楽蛟(さがらみずち)。好物は果物全般。果肉だけでなく皮も丸ごと食べます。種は植えて栽培する派。
そして既に投稿したエピソードの伏線などもある程度回収しておく必要もあるので若干無理矢理感があるかもしれませんが、そこは何卒ご容赦を。
合宿編ですが、開闢行動隊をどうしようか考えていなくて正直悩んでいます。ステインの犯行は連合とは無関係と発表しちゃったので・・・・・・それを踏まえて原作キャラ不在のタグはつけてあるのですが、第三勢力もあり、か?
原作の流れ的に『二人の英雄』はウォルフラムを倒して終わりなところがあったのでBattle of I-Islandの本編はここで終了ですが、最後にもう一話だけお付き合いくださいませ。
次回、Extra File 4: 最後のShow Down
SEE YOU NEXT GAME........