ガシャットぐらし!   作:よこちょ

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どうも皆さん。よこちょです。
今回はちょっとお知らせをします。
この度、同じくハーメルンで執筆活動をしている「みかん太郎(低速運転)」様の「124回死んだ男の学園生活」と、コラボさせて頂けることになりました!
この「ガシャットぐらし!」から仮面ライダーホープこと葛城義彦がゲスト出演します。
みかん太郎様の作品は多数のキャラクターが一斉に動くので迫力があり、読んでいると目の前にキャラクターの姿が浮かぶような作品なので、オススメです!また、会話も多いのでキャラ同士の絡みが見たい方にもオススメです!
是非、「124回死んだ男の学園生活」を読んでみてください!
さて、お知らせが長くなりましたが第26話、「2人の葛城」をどうぞ!


第26話 2人の葛城

胡桃「行くぞ!美紀!」

 

美紀「はい!」

 

仮面ライダーへと変身を果たした胡桃。胡桃は己の武器である「ガシャコンソード」を握りしめ、葛城へと接近した。

 

胡桃「はぁっ!」

 

手始めに上から叩きつけるように振り、肩を狙う。まっすぐ振り下ろされた剣は装甲にあたり、火花を散らす。

 

葛城「シャアァァァァッ!」

 

だが、痛覚の鈍い状態の葛城には効果が薄く、胸の装甲を思いっきり殴られてしまう。

 

胡桃「うわぁっ!」

 

校庭を吹っ飛んでから転がり、サッカーゴールにぶつかって止まる。その際にゴールは鉄屑へと早変わりしたので、どれ程の強さだったのかは一目瞭然だった。

生身で食らってなくてよかったと安堵する暇もなく、葛城は接近してくる。

が、そうはさせまいと美紀が葛城の背後から射撃。

頭、腰、足の三ヶ所を正確に撃ち抜き、動きを止めた。

 

美紀「今のうちに!」

 

胡桃「サンキュー美紀!はあっ!」

 

その隙を生かすために胡桃は立ち上がり、走る。今度の狙いは肩ではなく──

 

胡桃(半端に峰打ちを狙ったりしたら躱されるか、装甲に弾かれる。──なら狙う場所は!)

 

──頭。それは、人間の脳が入っている場所であり、そこを潰されれば”かれら”といえど一溜りもない。だから、頭は胡桃がいつも”かれら”にトドメを刺すために狙う箇所であった。

そして────────

 

 

 

 

 

 

───自分が初めて殺した相手である、「『葛城』紡」を殺した時に狙った部位でもあった。

 

胡桃「ッ!」

 

胡桃の頭に激痛が走り、記憶がフラッシュバックする。

脳裏を焼き焦がさんばかりに駆け巡る記憶のフラッシュバックに、思わず頭を抱えてうずくまる胡桃。

だが、それでも痛みは止まらない。

 

葛城「グオォォオ!」

 

当然交戦中の葛城はその隙を逃すはずもなく、がら空きの胴へ強烈な蹴りを入れた。

 

美紀「胡桃先輩!」

 

蹴りの勢いで吹っ飛ばされ、近くの木に叩きつけられる。木が大きな音を立ててへし折れたのを見るに、相当な威力で蹴られているようだ。

慌てて駆け寄った美紀は胡桃を抱え起こす。変身は解除されていたため、顔が見えた。

胡桃の顔は蒼白を通り越してもはや死人のように白く、目にはさっきまであった戦意や威勢の良さは欠片も見当たらなかった。

 

美紀「しっかりしてください!先輩!」

 

胡桃「かつ…ら……ぎ…………せん…ぱい…………」

 

美紀「気を確かに!先輩!」

 

うわ言のように2つの単語、「葛城」と「先輩」を繰り返す胡桃に対し必死に呼びかけるも、それ以外の反応を示さない。どうやら精神的にも肉体的にもショックを受けたせいで、かなり参ってしまってるようだ。

 

美紀「どうしよう………どうしようどうしようしうしよう…………」

 

 

さっきまで前衛を担っていた胡桃がいない今、どうやって戦えばいいのか………。美紀には検討がつかなかった。

だが、そんな状況もお構い無しに葛城は迫る。

 

美紀「こ、来ないでください!」

 

ガシャコンマグナムからエネルギー弾を乱射して威嚇するが効果はなく、その歩みも止まることは無い。

 

美紀「に、逃げなきゃ……!」

 

美紀は撤退しようと胡桃を背負い、立ち上がる。

だが、ここまで走っていたことの疲労や焦りも合わさり、なかなか思うように動くことが出来ない。

それでもなんとか距離を取ろうと歩き続けるが、葛城との距離は一向に離れることは無い。

 

美紀「胡桃先輩!しっかりしてください!」

 

その間も声をかけ続けるが、反応は依然薄いままだ。

 

美紀「先輩のぶんまで………頑張らなきゃ………!」

 

美紀はそう心に決め、疲れた体に鞭打って脚を動かし続けた。

 

────────────────────────

 

一方意識を失った胡桃は、全てが真っ白な空間で目を覚ました。

 

胡桃「うぅん………どこだ?ここ。」

 

そこは果てしなく広くて壁のない空間であり、白さのあまり目が痛くなるほどだった。だが、胡桃はその景色に見覚えはなかった。

 

胡桃「アタシさっきまで学校にいて…………っ!そうだ美紀が!」

 

美紀の危険を思い出しここから出ようとするが、出口となりそうなものは見当たらなかった。

 

胡桃「クソっ。おい!誰かいないのか!誰か!」

 

そう叫び、何も無い空間を走る。

だが、行けども行けども景色は変わらず、段々と自分が走っているかすら分からなくなってしまった。

 

胡桃「おい!誰か!誰か───あっ!」

 

走っているうちに何かに足を取られて転ぶ。

上手く受身を取れずに手を付けられなかったため、おでこの辺りをぶつけてしまった。

ぶつけた衝撃で目の前が一瞬暗転し、火花が散る。

 

胡桃「痛ってぇ…………って、え───?」

 

視界に再び視界が戻る。

すると、目の前はいつの間にか真っ白な空間ではなくなっていた。

胡桃がいたのは──

 

胡桃「なんでだ………なんでアタシは─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────屋上にいるんだ!?」

 

 

──巡ヶ丘高校の屋上だった。

目の前には不気味なくらいに真っ赤な空があり、フェンス越しに下を見るとやつらが変わらず歩き回っていた。

 

胡桃「なんでここに……アタシはさっきまで変な空間に…………」

 

訳が分からず混乱していると、急に背後から悲鳴が聞こえた。

 

胡桃「この声は……………りーさん!?」

 

後ろを振り向くと、5人の人影が見えた。

その人影は悠里、由紀、めぐねぇ

そして───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──胡桃と、先輩こと「葛城紡」だった。

 

胡桃「アタシと………先輩?なんで………ていうかこのメンツ、この場所は……………『あの日』の………」

 

胡桃の言う『あの日』とは、胡桃が初めて人を介錯した日。つまり、葛城紡を殺した日の事だ。

胡桃にとっては忘れたくても忘れられない、一生心に残り続けるであろう記憶である。

 

胡桃「………って今先輩が生きてるってことは、まさか今から!」

 

その可能性──『今から胡桃が先輩を殺すこと』に気が付き、慌てて目をやると、ちょうど今胡桃がシャベルを紡の首へと振り上げているところだった。

 

胡桃「やめろッ!やめろぉおおおお!!!」

 

そしてシャベルが首筋を捉えて紡の命を狩り取ろうとしたまだにその時だった。

 

 

ガギギギギギギギギギギギギギギギギギギ……………

 

 

という音と共に視界が捻れるように破壊された。

 

胡桃「な、なんだ、次は何が起こるんだ!?」

 

再び視界が暗転し、目の前の情景が入れ替わる。

次に胡桃が居たのは、雨が降りしきる学校の校庭だった。

そして目の前には写ったのは───

 

胡桃「次はお前か───『葛城義彦』」

 

──部活仲間でもあり、葛城紡を殺した後に出会った『もう1人の葛城』である、仮面ライダーホープこと葛城義彦であった。

こちらは胡桃自身を庇って感染し、その状態で変身して暴走していた。

そして、当然のように目に映るのは、義彦から逃げ回るように飛び出てきた胡桃と美紀だった。

そこからの流れはここに来る前に見た光景の焼き直しだった。

変身した胡桃が葛城と剣や拳を交え、葛城を追い詰める。そして隙を見て葛城の頭へと剣を振りかぶる。

………が、突然頭を抱えて蹲り、剣を振ることなく蹴り飛ばされる。

 

胡桃「うっ、アタシあんなん喰らったのか………。大丈夫かな、身体。」

 

そんな若干呑気な心配をした時だった。

 

???「それでいいのか?」

 

胡桃「っ!誰だ!?」

 

ガチンッ!という音と共にかけられた声に驚き、振り向くと、そこには『黒い影』がいた。影の輪郭はぼやっとしており、ふとすると見失ってしまいそうなほどあやふやな存在だった。

だが、そこに存在することは確かであり、影から聞こえる声はハッキリとしていた。

 

???「誰だっていいだろ?そんなことより、それでいいのかって言ったんだ。」

 

胡桃「それでいいのかって…………どういうことだよ?」

 

影はニヤリと笑ったように含みのある声で答える。

 

???「お前は。お前は葛城に頼まれたんじゃないのか?『あとは頼む』って。」

 

胡桃「お前………なんでそれを知ってる!」

 

???「それもどうだっていいだろ?今大事なのは『この現状でいいのか』って話だ。」

 

胡桃「それはっ…………!」

 

???「で?どうなんだよ。お前は葛城紡を引きずってそのままおr、いや葛城義彦のことまで台無しにする気か?」

 

胡桃「………………」

 

???「だんまり、か。まぁいいさ。お前がそれでいいならな。」

 

胡桃「………お前は、お前はなんなんだよ。急に表れて、急にアタシの過去を掘り返して。何がしたいんだよ。」

 

???「さぁね。まぁ確かなのは、別に敵じゃないってことだ。」

 

しばらく、沈黙が流れる。

沈黙が流れる間も雨は降り続け、胡桃の身体を濡らしていく。

そして、沈黙を破った胡桃が語る。

 

胡桃「……………アタシだって。アタシだって嫌だよ。」

 

???「ほう?」

 

胡桃「先輩、『葛城紡』の事だって忘れられない。だけど、葛城、『葛城義彦』の言ったことだって守りたい。」

 

1度語り始めると止まることは無く、壊れた蛇口のように声は心中を紡ぐ。

 

胡桃「でも、できないんだよ!アイツらを相手取った時だって先輩の顔がよぎるんだ。ましてや一番大事な部活仲間を手にかけるなんて……アタシには………………………」

 

???「成程ねぇ。まぁ、らしいっちゃらしいな。」

 

謎の影は、どこか納得したように声を出す。

 

???「んじゃぁお前は、葛城紡を手にかけたことが間違っていたと?」

 

胡桃「それは………」

 

???「あの時お前が介錯してなけりゃ被害は更に増えていただろうし、下手すりゃ屋上にいたやつら全員死んでたかもしれないんだぜ?それに、お前の好きだった先輩は人に大迷惑かけて大勢巻き込んで死にたいと思うようなやつなのか?」

 

胡桃「そんなことない!」

 

???「ならお前のやった事は間違ってねえさ。」

 

胡桃「……………でも、」

 

???「あぁ。罪の意識は消えないだろうよ。だが、それはいい事だ。」

 

胡桃「えっ………?」

 

???「そりゃそうだ。もし人を殺したことをなにも思わないようなやつはどうしょうもねぇ。そのへんで歩いてるアイツらとなんにも変わらねえよ。」

 

胡桃「…………じゃあアタシは、アタシはどうすればいいんだ?」

 

???「ふぅむ。ま、一生その感情を胸に抱えて生きるしかないだろうよ。だが、いつか折り合いが付いたり、付けてくれるやつと会える日が来る。その日まで生きるのがお前のやるべき事なんじゃないか?」

 

胡桃「罪を抱えて、生きていく、か。」

 

???「あぁ。それがいいんじゃないか?」

 

胡桃はしばらく考えるように下を向き、ふぅっと息を吐く。その後顔を勢いよくあげた。

 

胡桃「………そうだな。そうするのが1番かもしれない。」

 

???「だろ?ならもう、お前のすべきことは分かってるんじゃないか?」

 

胡桃「あぁ。葛城、いや『義彦』をぶっ飛ばしてこっちに戻すことだな!」

 

???「そうだな。………まぁ、お手柔らかにな?」

 

胡桃「知らねぇよ。アイツ思いっきり蹴りやがったしな。1発くらいいいんじゃねえか?」

 

???「……………まぁ、な。」

 

胡桃「そうだ。」

 

影は苦笑し、どこか寂しそうに告げる。

 

???「じゃあ、あとは頼むわ。」

 

胡桃「え、それってどういう………おいお前!おい!」

 

胡桃の姿は掻き消え、この世界から弾き出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ふぅ……………。全く、だ。慣れないことはするもんじゃねぇな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「後は頼んだよ?胡桃ちゃん。」

 

 

影は雨とは違った雫を落とし、雨に溶けるように姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

一方のCR

 

黎斗「コンテニュー43回目ェ…………遂に私の神の才能が抗体を完成させたぞォオオオオ!」グサッ、ゲームオーバー

 

プープープープープープー!

 

黎斗「トウッ!死んでも抗体が付いているゥ………完璧だァアアアアア!!!」

 

貴利矢「ハイハイ。全く……付き合うこっちの身にもなれってんだ。」

 

永夢「完成しましたか!じゃあ早速!」

 

大我「届けてやらねえとな。」

 

黎斗「それは私がやろう。できれば宝生永夢、君にも着いてきて欲しい。」

 

永夢「それは願ってもない申し出ですが……何故僕を?」

 

黎斗「なに、君のハイパームテキならば大抵の事はなんとかなるからね。それに、クロノスの奴が表れないとも限らないだろう?」

 

永夢「成程。では僕も行きましょう。あとのみなさんはCRを守っててくれますか?」

 

飛彩「承知した。任せておけ。」

 

ポッピー「永夢、黎斗。気をつけてね?」

 

永夢「はい。じゃあ、悠里さん、行こうか!」

 

悠里「はい!お願いします!」

 

黎斗「この私に任せておけェエエエエエエエ!」

 

永夢「五月蝿いですよ。ほら、行きますよ!」

 

そういって、3人は悠里の乗ってきたミニクーパーへと走り出した。




胡桃は再び前を向き直し、CR抗体の入ったガシャットも完成した。
果たして胡桃は美紀を救い、葛城を治すことができるのか。そして胡桃に前を向かせた「影」は、一体何者だったのか?

次回、「ガシャットぐらし!」第27話、『治療と覚悟』
お楽しみに!

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