ガシャットぐらし!   作:よこちょ

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お久しぶりです。よこちょです。
活動報告では既に言ったのですが、作者の女性経験があまりにも貧弱すぎるあまりに日常系会話を書きづらくて難産過ぎたという悲しい事件が発生しまして…………
急遽本編の方を進めることにしました。日常編を楽しみにしてくださっていた方はすみません………
書きかけの話達は出来上がり次第アップしたいと思いますので、気長にお待ちください。
さて、今回のお話は色々と動きます。新キャラとか新要素とか色々ぶっこみました。
では、本編をどうぞ!


第29話 動き出す停滞

俺が1回死んでから、はや数週間。この間は特に何か事件が起きることも無く、穏やかで───一部穏やかでないこともあったが、ゆったりと学園生活部の皆やCRの人達と過ごすことが出来た。

それはもう、まるで夢のような時間だった。

しかし、夢とはいずれ覚めるもの。

俺たちは夢の世界の心地良さに浸るあまり、どこか油断していたのかもしれない。

恵まれた設備から来るあまり不自由のない暮らし。『かれら』から身を守るための自衛手段として充分以上の力を持つ、「仮面ライダー」としての力。すぐに連絡を取れるCRという頼れる「大人」。これらは当初俺たちにあった警戒心や緊張感を緩めるには十分だったんだ。

その安全が、紙1枚分もない薄氷の上に成り立っているものだということを忘れさせるくらいには。

あれはそう。夏も終わりに近づき、涼しさを感じるようになってきた頃だった…………

 

 

────────────────────────

 

夏も終わりに近づいてきたこの頃。

我ら学園生活部は、「夏休み」と称し、様々な活動をしてきた。その色々と言うのは夏っぽいことだったり全く関係ないことだったりと色々あるので割愛させてもらうが、端的に言うと自分の人生の中でも最上位にランクインする程に楽しかった。今まで女性関係はからっきしで彼女いない歴=年齢だった事も影響しているが、それ以上に友人───最早親友とまで言える間柄の人達と過ごす日常は刺激的で、どんなことがあっても絶対忘れられないと思えた。

しかし、問題も発生した。

 

 

悠里「食料の備蓄が少なくなってきたわね………。」

 

胡桃「どれどれ………。うわぁ、結構無くなったな。」

 

由紀「夏休みのイベントとかでいっぱい使っちゃったもんね。」

 

美紀「食料だけでなく、水も電力も少し不足しそうです。電力はなんとかなりそうですが………水は雨頼みでは厳しそうです。」

 

葛城「購買部にも物無くなってきたしな。……………そろそろ、『外』にも目を向けるべきなのかもな。」

 

 

『外』。つまり、この安全な巡ヶ丘高校から外へ出て、食料や物資を探さねばならないということだ。

最初の頃───つまり、俺達がまだ出会うよりも前のように。

 

 

胡桃「………ま、しょうがないか。いずれこうなる事は分かってたわけだし。」

 

葛城「そういうこった。それに、今の俺たちには『これ』もあるしな。最初から変身して行けばそうそうやられないだろ。」

 

 

俺がゲーマドライバーとガシャットケースを撫でながら言うと、みんなが少し不安そうな顔をする。

 

 

葛城「大丈夫だって。無茶はしないし。それに、もう戦えるのは俺1人じゃないしな。」

 

胡桃「………そうだよな。あんまりくよくよばっかりもしてられねえな!」

 

葛城「そういうこと。」

 

美紀「本当に気をつけてくださいね?」

 

葛城「おう。」

 

 

さて、ばっちり約束も交わした事だし。早速行きますかね!

 

 

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side悠里

 

朗らかに笑う彼の顔には、全く陰りがない。まるで、自分が1度死んだことなんて全く気にしてないみたいに。………ううん。多分、本当に気にしてないんだと思う。

「希望になりたいから」。彼は最初にめぐねえのお墓の前でそう言っていた。多分、それが彼の行動の理由。「仮面ライダー」として戦う原動力。

最初に変身した姿を見た時、私は正直、安心した。「これで誰も怖がらなくて済む」って。でも、安心させてくれた彼自身が1度死んでしまったことは、私に深い傷を残した。別に彼のせいだとか、彼が悪いとか、そういう訳では無い。

多分私は、不安なんだと思う。

もし、この生活が崩壊してしまったら。

もし、誰かが大怪我を負ってしまったら。

もし──────誰かが欠けてしまったら。

そう考えると足が震える。

そしてそう考えたあと、こう考えてしまう。

『もし、私も彼と一緒に戦えたら────────

 

 

由紀「……ん?りーさんどうしたの?」

 

悠里「えっ!?い、いや、なんでもないわよ?」

 

由紀「ふーん?ホントに?」

 

悠里「………ええ。本当よ。心配してくれてありがとう。」

 

由紀「うん!でもなんかあったら言ってよ?絶対だよ!」

 

悠里「わかってるわ。でも、本当に大丈夫だから。」

 

 

そう。大丈夫。私は大丈夫だ。

 

 

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side葛城

 

 

善は急げ、というわけで早速バリケードを超えて街の方へとやってきた。

学校の周辺はある程度探索し終わってしまっていたので、今回はそれよりも少し向こう側へと来ていた。

 

 

葛城「今日はこの辺でいいんじゃないか?」

 

 

見た感じやつらの数も少なく、家の数も多いところを選び、車をおりる。

俺と胡桃の役割はここいら一帯のやつらの殲滅。当然家の中も含まれている。

 

 

胡桃「おし。じゃあ行くか!」

 

葛城「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葛城「…………おかしい。」

 

 

あれから10分程。

目の前に現れるやつらを丁寧に倒していっているが…………明らかにおかしい。

まず、やつらの数が圧倒的に少ない。この周辺にある家の数は50軒。仮にこれら全てに1人づつ住んでいたとしても、最低50体はいるはずなのだ。

しかし、俺が回った25軒のうち、倒したやつらの数はたったの5体。これは明らかに異常だ。

 

 

葛城(それに…………なんか『ヤバいやつ』の気配がする。)

 

 

俺は1度死んでから、少しばかり気配に敏感になっている。所謂第六感ってやつだろうか。ともかく、そのおかげで今、かなりの『悪』の存在を感じ取っている。

 

 

葛城「………やっぱり変だな。」

 

 

やつらが少ない理由はその悪のせいなのか。それとも俺らの他の生存者が倒したのか。

ともかく一旦戻ってみんなに話してみよう。

そう思い、自分の担当区域をクリアリングした後車へ戻った。

 

 

───────────────────────

 

side悠里

 

 

胡桃と葛城君が車へ戻ってきた。

2人が無事であることにそっと胸を撫で下ろしていると、葛城君から「何か変だ」という話が出た。なんでも、やつらの数が少なすぎるんだという。

その事を話した結果、「とりあえず探索してみよう」と言う結論に至った。

というわけで各々別れて各方面の家を探索してみることにした。

私と由紀ちゃん、美紀さんの担当区域は西側。

私たちの学校がここから見て南側なので、1番車に近い区域を探索することになっている。ちなみに葛城君は北側、胡桃が東側。帰りに南側をみんなで探索して帰ることになったいる。

 

 

悠里「じゃあみんな。何も無いとは思うけど、一応気をつけてね。」

 

由紀「はーいっ!ねぇねぇ!お菓子とってもいいかな!?」

 

美紀「いいですけど、そればっかりじゃなくて普通の食べ物もとってくださいよ?車に載せられる量にも限界があるんですから。」

 

由紀「もう。みーくんは細かいなぁ。」

 

美紀「こ、細かくありません!とにかく、頼みますよ?」

 

由紀「はーい!」

 

 

この二人はいつでも変わらない。

見てると安心するのは私だけじゃないと思う。

願わくはいつまでもこんな風景を見ていたい────

 

 

由紀「りーさーーーん!早く行こー!」

 

悠里「わかってるわよー。今行くわー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里「ふぅ。こんなものかしら。」

 

 

探索を初めて20分。

私たちは1階と2階を分担して荷物をカバンに詰め込んでいた。私の担当は2階。主に日常品を詰めこんでいる。レディには色々と入り用なのよ。

化粧品やアレな用品などを詰め終わり、1階へ降り───

 

 

???「よォ!そこの綺麗なレディ。ちょっと、俺とお話していかないか?」

 

 

瞬間、背筋に氷柱を刺されたような感覚を覚えた。

今まで味わったことの無い未知の感覚を押し殺し、そっと後ろを見ると、そこには見たことの無い影が窓に座っていた。

ぱっと見た最初の印象は「異星人」。真っ赤な全身を包む鎧は血のように光を吸い、まるでそこにブラックホールでもあるかのような錯覚を覚えた。

 

 

???「お、やっぱり別嬪さんじゃねえか。いいねェ、若いってのは。」

 

悠里「………誰なの。貴方。」

 

???「話の早い奴は嫌いじゃないぜ?俺の名はエボルト。ま、『こっちの世界』じゃ初めて姿を見せるから、名前知らないのも無理はねえか。」

 

悠里「………目的は何?ここ探索してるわけではなさそうだけど。」

 

エボルト「そうだなァ。ま、噂の『学園生活部』ってやつをいっぺん見ときたいと思ってな。」

 

悠里「噂……?」

 

エボルト「あぁ。どう噂になってるかは言えねえがな。それに、個人的にも用があったんでな。」

 

悠里「…………その用事って、なにかしら。」

 

エボルト「ん?お前の事だよ。若狭悠里。」

 

悠里「私………?」

 

エボルト「あぁ。俺はお前の悩みを知ってるからな。」

 

 

その言葉に、さっきとは違った寒気が背中を駆ける。

 

 

悠里「私の………悩み…………」

 

エボルト「あぁ。誰も失いたくない。戦う力が欲しい。正義のヒーローである人を支えたい。そんないじらしい悩みだ。」

 

悠里「そ、そんなこと!」

 

エボルト「ないのか?」

 

悠里「……………………。」

 

エボルト「やっぱりな。図星って訳だ。いいじゃねぇかその悩み!お相手の……葛城、だったか?羨ましいねェ。こんな可愛いレディに想われてるなんてよォ。」

 

悠里「べ、別にそういうわけじゃ!?」

 

エボルト「まぁまぁ、気にすんなって。ほら、お詫びと言っちゃなんだが、これをやるよ。」

 

 

そういって何かを放ってくる、エボルトと名乗る不審な人物。慌てて投げられた物をキャッチして見てみると、懐中時計のような物だった。その懐中時計もどきにはなにも刻まれておらず、見た感じはただのガラクタでしかない。だが、それからは圧倒的な「可能性」を感じた。

 

 

悠里「これなんですか?」

 

エボルト「それはライドウォッチっつってな。それには強大な力が秘められてる。上のボタンを押せば、その力はお前のものになるだろう。勿論、お前の想い人だって助けられるだろう。」

 

悠里「…………………」

 

エボルト「だが、その力は一般人にはかなりの代物だ。力に飲まれないようにしなきゃいけない。それは理解しとけ。」

 

悠里「…………なんで、こんなにしてくれるんですか?」

 

 

私は思わず聞いてしまった。そうしたら目の前のエボルトは、ニィッと笑った。

 

 

エボルト「そりゃ、俺の趣味だよ。じゃ、そういう訳で。チャオ〜。」

 

 

そして一瞬強い風が吹いたかと思うと、その一瞬で姿が消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里「……………なんだったんだろう。」

 

 

私は手に納まっている懐中時計──ライドウォッチを見つめる。

この圧倒的な可能性の懐中時計で、どんなことが出来るんだろう────

無意識に上のボタンに指をかけていることに気づき、慌てて指を離す。

浮かんだ考えを頭を振って追い出し、ハァっとため息をつく。

 

 

悠里「どうしようかしら、これ。」

 

 

正直、今は頭の中がぐちゃぐちゃだ。

力が手に入った嬉しさと戸惑い。

力の出処不明という点への不安。

葛城君や胡桃、学園生活部のために何かができるようになれる喜び。

色んな感情がごちゃ混ぜになっていて、頭が壊れそうだ。

 

 

悠里「……………本当に、どうしよう」

 

由紀「あ、りーさん!」

 

悠里「ひゃぁあああ!?」

 

 

どうやら考え事をしてたせいで、後ろから来ていた由紀ちゃんに気が付かなかったようだ。おかげで変な声が出てしまった。慌ててポケットに手を入れて振り返る。

不思議そうに見ている由紀ちゃんに目線を合わせ、どうしたのか聞いてみると、どうやら私を探していたらしい。腕時計を見てみると、既に30分以上が経過していた。どうやら相当長い時間考えこんでいたらしい。

 

 

悠里「ご、ごめんね。気が付かなくって。さぁ、車に戻ってましょうか。」

 

由紀「うん。…………ねぇ、りーさん。ホントに大丈夫なの?朝からちょっと変だけど………」

 

 

その言葉にドキリと心臓が跳ねる。前々から分かってはいたが、由紀ちゃんは人の心を読む………というか、感情の動きに聡い。

 

 

悠里「ええ。本当に大丈夫よ。さ、車に戻りましょう?美紀さんは?」

 

由紀「先に車に荷物積んでる〜」

 

悠里「そう。じゃあ早く行って手伝わないとね。」

 

由紀「そうだね!早く行こ!」

 

 

朗らかに笑う由紀ちゃんの顔が葛城君と重なり、胸が痛む。

────ごめんなさい。でも、少し考えさせて。

今は、そう心の中で謝ることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

side???

 

 

???「成程な。この世界はエグゼイドの世界ではないのか。さしずめ、『平行世界のエグゼイド』ってところか。」

 

 

カシャリ、とシャッター音が響く。

すぐさま吐き出されるフィルムにはライドウォッチを片手に持つ少女、悠里の姿が写っていた。

 

 

???「ライドウォッチもエボルトも、本来この世界には無いものだ。なのにあるってことは───大分時空が歪んでる証拠だ。」

 

 

写真を日に透かしてそう呟く。

彼の名は「門矢士」。仮面ライダーディケイドにして世界の破壊者の異名を持つ旅人だ。

 

 

士「この世界の真実はどうだろうか。………それをカメラに収めるのも悪くない、か。」

 

 

そういって笑い、背後にオーロラを出現させる。

 

 

士「さて、俺がこの世界で与えられた役目は…………一体なんだろうな?」

 

 

最後にそう言い残し、オーロラと共にどこかへと消えていった。




というわけで二次創作ではおなじみの世界の破壊者さんと狂言回し代表エボルトさん、そしてライドウォッチの要素を入れました。
ちなみにこの3つ、自分の更新頻度が遅すぎて原作仮面ライダーが3作品ほど進んでしまった影響でプロットを変更したことで出現しました。(自業自得)
でも大筋に変更はないので、大丈夫です。
最後にお知らせを。
現在活動報告でアンケートをやってますので、よろしければ是非。学園生活部に似合うライダーを募集してますので。
では、次回の投稿まで!

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