美琴はすべての爆弾を破壊し、無事に済んだはずだった。
しかし、美琴の背後から出現した爆弾により、美琴は倒れた。
━━━御坂はどうなった!?目の前にあった爆弾は全て破壊していたはずだ。
……テレポートか何かの能力で爆弾を背後に送ったのか?くっそ!何をやっているんだ俺は!
頭にどんどんと血が上っていく。
木山春生に対しての敵意がどんどん高まっていく。
━━━いや、落ち着け!熱くなったらまずい!相手は熱くなっていて倒せる相手じゃない!
御坂は……ん?この気配、まさか起きてる?やられたふりか?なら……
冷静になって美琴の無事が分かった蒼は、次の行動を開始する。
木山の意識から完全に美琴を外すべく。
と、そこで木山が口を開く。
「もう止めにしないか?御坂美琴とは違い君はこちらの事情に関してもある程度の理解があるようだし、先程も言ったように演算が終われば皆すぐに開放する。誰も犠牲にはしない」
木山の言った言葉に対してほんの数瞬考えてから言葉を返す。
「…………確かにレベルアッパー使用者の回復の手段が分かっていない以上、確実に開放されるのであればその取引に応じるのも有りかとも思いましたけれど、やはりだめですね。誰も犠牲にしない?もうすでに犠牲なら出てるじゃないですか。自業自得とはいえレベルアッパー使用者の昏睡状態によって失った時間は戻ってきませんよ?すでに犠牲者を出しておいて誰も犠牲にしないというのは少々虫がいいんじゃないですか?」
蒼の答えに木山はふぅ、とため息をついて言う。
「つまり、君も私の邪魔をするということかい?」
木山の問いにニヤリと笑みを浮かべて答える。
「そうなります。ですが……」
次の瞬間、木山の意識の外から美琴が現れる。
「あなたを止めるのはあくまで御坂ですよ!」
「そういうことよ!」
次の瞬間、勢いよく木山に電流が浴びせられる。
━━━……あれ?御坂、やりすぎじゃあ……
蒼の木山への憐憫に満ちた視線に美琴は気づかず、倒れた木山に向かってぼそりとつぶやく。
「いくらアンタでもさすがにあんなトンデモ能力は持ってなかったってわけね……」
そしてその直後蒼の若干引いた視線に気づき、言う。
「大丈夫よ、ちゃんと手加減しといたから……うっ!」
話している途中に走り出した痛みに美琴は顔をしかめる。
「大丈夫ですか!?」
「……大丈夫……これは……帰山の記憶……?頭に……直接……流れ込んでくる……」
突然頭を抱えだした御坂に蒼は困惑する。
━━━記憶……?
「木山の生徒……?その子たちを……対象にした実験?……起こるはずのなかった事故?……」
美琴から断片的に伝わってくる情報に困惑する蒼。
━━━一体どういうことだ?木山の記憶を見ている?木山の生徒を対象にした実験?そこで事故が起こった?今ここで御坂が見た記憶はこの状況と何か関係があるはず……まさか木山はその子供たちを助けるためにこの事件を起こしたっていうのか?まさか……
「~~~~っ!観られた……のか……!?」
木山が苦悶の表情を浮かべながら起き上がる。
「何で……あんな事に……」
「くっ…………フフフフフ」
木山が半ばやけくそ気味に笑い声をあげる。
「あの実験の正体は『暴走能力の法則解析用誘爆実験』 能力者のAIM拡散力場刺激して暴走の条件を探るものだったんだ…… あの子たちを使い捨てのモルモットにしてね」
「「!?」」
蒼と美琴が驚愕する。
━━━人体実験!?能力開発のために子供を犠牲にしたのか!?そこまでするのか……
「だったら……それこそ
「それで済むんならこんなこと起こさずに
美琴の言葉を否定するとそれに同調するように木山が言う。
「その通りだ。23回。それが私がツリーダイアグラムの使用申請をして却下された回数だ。……統括理事会がグルなんだ、警備員が動くわけがない」
「…………」
「でも……それじゃアンタのやってる事も同じになっちゃうんじゃ……」
「君に何がわかる!!」
美琴の言ったことに木山がかぶせ気味に言い返す。
迫力のある言葉。強い意志が感じられ、その言葉の重みに美琴がたじろぐ。
「あんな悲劇二度と繰り返させはしない。 そのためなら私は何だってする。 私はこの町のすべてを敵に回しても止まるわけにはいかないんだ!!」
木山がそう叫んだ直後、様子が一変する。頭を抱え、苦しみだしたのだ。
「ぎッ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」
「ちょ……ちょっと……」
美琴が木山の様子に心配したのか、声をかけるが聞こえていない。
「がッ……ぐ。ネットワークの……暴走?いやっこれは……
そして木山の頭から勢いよく謎の物体が飛び出した。
その見た目は胎児に近くそして何より……
「キモいな…………」
それがなによりの感想だった。
● ○ ● ○ ● ○ ● ○
化け物が誕生した。
━━━能力乱発、大暴走の無双中です。御坂が攻撃するたびにでかくなってる気がするし、て言うか絶対でかくなっている。だって今2メートル近くありますもん。
「~~っ、何なのアレ!?」
「いや、俺に言われましても……」
━━━御坂の電撃が直撃して爆ぜても血が出ないし、即座に再生するし通常の生物の枠に当てはまらないことだけははっきり分かるけど……
「御坂さん!蒼さん!こっちです!」
初春が二人を呼ぶ。
「初春さん!?」
「何でここに!?」
初春の方に向かおうとすると、化け物が氷塊を作り出してこちらに飛ばしてくる。
「ッ!」
それを蒼が停止した空気の壁で反らす。
追撃が来るかと思い様子をうかがうも攻撃が来る様子はない。
「追撃してこない?闇雲に暴れてるだけなの?」
「どっちにしろ初春を逃がさなければいけないので追ってこないのはラッキーです」
「私逃げません!まだ私にもできることがあるはずです!!」
蒼が言ったことに初春が強く反論する。
「いやー……俺たちにもできることがあるのか分からないんですけど……」
「木山先生なら、木山先生ならアレを止める方法を知っているはずです!」
「それはそうかもしれないですが……」
教えてくれると思いますか?とは言わなかった。初春の目が信用できる、とそう物語っていたから。
● ○ ● ○ ● ○ ● ○
「AIM拡散力場の集合体?」
木山春生はそう言った。
あの化け物は1万人のAIM拡散力場の集合体だと。
すなわちあれは虚数学区なのだ。学園都市の少し深い部分を探れば必ず出てくる代物。
学園都市に蔓延している都市伝説とは全く異なっているものだが。
そんなことは今は関係ない。
「知っていたらアレを止める方法を教えてほしいんですけど……」
それを聞いて木山が自嘲気味に笑う。
「それを私に聞くのかい?だいいち私が何を言っても君たちは信用しないだろう?」
そう言った木山に初春が両手を突き出す。
「私の手錠木山先生が外してくれたんですよね?」
「それはただの気紛れだ。そんなことで私を信用すると?」
更に初春は一歩詰め寄って言う。
「それに、子供たちを助けるのに木山先生が嘘をつくはずありませんから」
それを聞いて木山はあきれたようにまったく、と呟いて言う。
「アレ、仮にAIM
「レベルアッパーの治療プログラム!」
「それを試す価値はあるだろう」
━━━……やることは決まったな。
AIMバーストを見つめる。
俺たちの相手はあれか。
「決まりですね。初春はそれを持って
美琴がうなずき、初春がわかりました、と返事をする。
視線の先に映るAIMバーストを見据えて言う。
「じゃあ行きますか!」
「ええ!」
…………お久しぶりです。
インフルやら何やらで色々今年大変なスタートを切った作者です。
次回からはもう少し更新スピードを上げたいですね。出来れば今月中にもう一回。
次はいよいよレベルアッパー編大詰めです。
えーっと、アニメオリジナルの『乱雑解放【ポルターガイスト】』編なんですけどどうしましょうか……次のレベルアッパー編最終回終わった後キャラ紹介を挟む予定ですので皆さんの意見をそれまでに聞かせてくださるとありがたいです。その意見と私個人の独断と偏見をもとに決めたいと思います。*現段階では全く決まっておりません。
あと私のページに貼ってあるラインのIDなのですがタブレットが故障して修理に出しているためつながりません。ツイッターも同じく。基盤を変えるそうなのでデータがすべてなくなるそうです。この機会にパズドラ卒業します。
……それではいろいろ書きましたが皆さん。誤字脱字や感想ありましたら乱雑解放編への意見とともにお願いします。ではまた。