ツインズ・イッセー   作:超人類DX

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擦りきれてるというのもあるせいか、これぞまさに奇跡のルート。




危険な白猫

 ビックリした。

 ホント驚いた。

 

 だって兄ちゃんに小猫ちゃんが抱きついたんだぞ? 学園のマスコットちゃんが、接点なんてそれまで皆無だった筈の兄ちゃんに……なんつーの、エロゲーで主人公にゾッコンの雌顔をしながら………いや、何でもない。

 

 とにかく、あんまり感情を表に出さないタイプだった筈の小猫ちゃんが兄ちゃんに……ってのはどうやら現実らしい。

 

 

「……。説明してくれるのでしょうね? いや、して貰わないと困るんだけど……」

 

「俺も物凄く気になるんだけど兄ちゃん……。

いつの間に小猫ちゃんと……」

 

「………」

 

 

 未だ小猫ちゃんが抱き着いた状態である兄ちゃんに、リアス先輩と俺は揃って同じ様に説明を求めた。

 どうもこの先輩達も兄ちゃんとそんな関係っぽいってのを知らなかった様で、若干兄ちゃんに警戒をしている様子だ。

 

 

「小猫の本名を知ってる時点で決して浅くない関係なのは察するわ。けど、私達はそれを小猫から聞いてもいなければ、今初めて知ったの。

いえね? 別にどんな関係になろうと個人の自由だし、私だって強制するつもりも無いのだけど……あの小猫が……ねぇ?」

 

「ええ、今もそうですが、こんな小猫ちゃんの表情は見たことありませんわ」

 

「同じく」

 

 

 リアス先輩がなんとも言えない顔で姫島先輩や木場に振ると、二人も何とも言えない顔しながらコクコクと頷く。

 現在進行でそうなのだが、小猫ちゃんの抱きつきっぷりというか、さっきから『んー♪』と心地良さそうな表情で死んだ魚みたいな目をしている兄ちゃんの頬に頬擦りしてるのだ。

 

 その……ぶっちゃけると色々と気まずい気分になる。

 

 

「ガキの頃……ちょっとな」

 

 

 そんな小猫ちゃんを鬱陶しそうにしながらも抵抗する素振りを見せないままの兄ちゃんは、小さい頃に一度偶々出会って、色々あって色々あったから色々こんな事になった――――等と、あんまり説明になっていない説明をしてくれた訳だが、先輩二人と木場は全然納得出来てない顔だった。

 

 

「色々ばかりで全然説明になってないのだけど、つまり小さい頃に一度会って、そこから知り合いに発展した――そうなのね小猫?」

 

「間違いないですよ……んふふ♪」

 

 

 事実確認を小猫ちゃんに問うが、本人はゴロゴロとまるで飼い猫の如く兄ちゃんにスリスリしており、返事が物凄く生返事だった。

 

 

「あの小猫ちゃんの態度は、相当に彼を想っているという事ですし、恐らく嘘では無いかと……」

 

「そうね……。あの小猫が真名で呼ばせている辺り、相当に心を許してる―――――いや、見ただけでもう分かるけど」

 

「つーか、兄ちゃんが知り合ってたなんて俺知らなかったんだけど……」

 

 

 先輩二人と木場が怪しんでる所悪いが、俺としては別に兄ちゃんが小猫ちゃんと知り合いで、更に言えば相当に……なんか羨ましい事をして貰える感じの関係なのも、兄ちゃんの誤解されやすい性格を知ってて受け止められるというレアな異性という意味でも寧ろ歓迎すべき話なのかもしれない。

 

 けど、それならそうと俺に教えてくれりゃあ良かったのに、水くさいというかなんというか……。

 

 

「いや……俺も正直関わること無く終わると思ってたからよ……それに、会うのも17年振りだったから」

 

「俺としては是非『無愛想な兄貴を見捨てないでください』とお願いしたい所だぜ? 言ってくれよ」

 

「いや……悪い」

 

「別に良いけどよ。それより小猫ちゃんのファンが――」

 

「待った。話の腰を折るようで悪いけど、今17年振りって言ったわよね? 計算間違えてないかしら? だって17年と言ったらアナタは0歳だし、小猫に至っては……」

 

「部長、一々細かいですよ? ちょっと思わず年月を盛ってしまう程に私と先輩はご無沙汰だった……そういう意味です」

 

「あ、あっそう……」

 

 

 確かに今17年振りって言ってた事に俺も突っ込みたかったけど、小猫ちゃんが『笑ってる顔だけど笑ってない目』で先輩を見据えるせいで、言わなくて良かったとちょっとホッとした。

 

 

「……。ま、まぁ小猫とマコト君が仲良し…………ちょっと仲良すぎな気もしないでもないけど、知り合いなら私としても『先程の失言』を撤回する上で改めて二人を勧誘したいのだけど……」

 

「まだ忘れて無かったんですね……」

 

「度の過ぎる勧誘は私の美学に反するものなのだけど、私も欲はあるのよ……幻滅してくれて結構よ」

 

「いえ、美人さんからこんなアプローチされるのなんて生まれて初めてっすからね。

決して悪い気はしませんよ……兄ちゃんについてもちゃんと謝って貰えましたしね」

 

 

 これは結構本音だったりする。

 余りにも衝撃的過ぎて忘れかけてるけど、考えてみれば今俺って全校生徒が憧れまくるオカルト研究部の部室で二大お姉さまのお二人や、癒しマスコットの近くにこうして居るんだもんな……え、木場? コイツはイケメンだから敵だぜ敵。

 

 

「自衛の手段くらいは一応持ってますし、あの堕天使ってのに襲われてもぶっちゃけ逃げ切れるくらいの自信はあるんですけどね」

 

「神器の自覚に加えて赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)である事も認識している。

確かに聞いてる限りだとある程度その力を引き出してるのは察するわ……」

 

 

 話は戻すが、俺としては兄ちゃんから教えられた悪魔の本質に警戒心を覚えてしまってるせいで、素直に勧誘を受けるのを少し躊躇ってしまう。

 第一、これ程に勧誘を止めないのだって俺の神器が強いからなのも分かるし、無能力者だったら多分こんなしつこくもないと思うと何か微妙な気分だ。

 

 

「だからこそ私は、保護なんて建前は捨ててアナタを――いえ、アナタ達を勧誘したいの」

 

「………」

 

 

 まあ、その内面を隠してないだけこの人はまだマシなんだろうけどさ。

 

 

「兄ちゃんは『決めるのはお前で、お前がそう決めたなら何も言わない』って言ってました。

先輩が建前を捨ててまでして俺達を勧誘したいのもよーく分かりましたし――――何か、小猫ちゃんと兄ちゃんは親しいので、それなりに悪魔だけど悪くない方の人達なんだなーとも思えたりもします」

 

「じゃあ――」

 

「まあ、説明を受けてる感じこのまま人として生きてても他の勢力に目を付けられちゃうっぽいし、だったら何処かに加入しちゃえば一応安全な生活は送れないでも無さそうですし、良いですよ別に。

堕天使に騙されて殺されかけたのだって事実でしたからね―――――――勿論、兄ちゃんと一緒じゃないと嫌ですけど」

 

「………!」

 

 

 色々と考えた結果、兄ちゃんと一緒である事を第一条件で俺は兄ちゃんと一緒である事を最優先事項を条件に飲む事にした。

 その瞬間、兄ちゃんがピクっと反応して俺をジーッと見る。

 

 

「なるほど、お兄さんがもし断れば――」

 

「当然無しっすね」

 

 

 その目は『俺に振るなよ』といった目だったけど、俺からすれば内緒で小猫ちゃんにそんな抱きつかれるという羨まし過ぎる関係を内緒にしていたという、可愛い一卵性の双子の弟からの細やかな仕返しだと知らん顔で誤魔化してやる。

 

 

「マコト君、イッセー君はこの様に言ってるのだけど、アナタの意見を聞きたいわ?」

 

 

 さぁ、兄ちゃん……俺は正直どっちでも構わないぜ? 断るも良し、俺はどちらになっても兄ちゃんの味方であり続けるんだからな。

 

 

「アナタが私達悪魔を………小猫以外を警戒しているのは態度でわかる。

しかしその上でアナタ達兄弟の力を私は欲しいと思っている。

上から目線で悪い様にはしないなんて偉そうな事も言わない……ただ、アナタ達の力を借りたい」

 

 

 へぇ、悪くない口上だね先輩。

 確かに上から目線で言ったら兄ちゃんは多分その時点で断ってたかもしれない。

 ハッキリ言って、悪魔がどれ程の力を持ってるかは知らないけど、俺からすれば兄ちゃんの力は悪魔を凌駕してると思ってるしね。

 

 

「どうです先輩……『違うでしょう?』」

 

「下僕にして、駒の繋がりで気付かれたらそれも変わるだろう……」

 

「そう思う先輩の気持ちはわかります。大丈夫です―――『私が何とかできます』から」

 

 

 うわ………兄ちゃんの首筋に舌を這わせながら小猫ちゃんが耳打ちしてる……。

 な、何かもう全部がエロイんですけど……!? 先輩達も思わず目を逸らしちゃってるんだけど!?

 

 

「……………ちっ」

 

 

 そんな小猫ちゃんの……何かもう色々とすっ飛んでるスキンシップを受けても平然と……いや、擽ったそうに身体を揺らしながら舌打ちをひとつした兄ちゃんは――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明くる日のお昼休み、学生達にしてみれば午前中受けた授業の疲労や気分をリフレッシュできる憩いの時間である。

 親に作って貰った――または自分で作った弁当を食べるか、学食で食べるか……ととにかく午後に向けて英気を養う貴重な時間である事は間違いない。

 

 しかし、この日兵藤兄弟が所属するクラスの教室は、とある人物がやって来る事で騒然となる。

 

 

「昨日で解禁という解釈で来ちゃいました」

 

「本当にいきなりだね……」

 

「………」

 

 

 

 

「え、う、嘘だろ? 何で小猫ちゃんが兵藤兄弟なんかに……!?」

 

「ダメよ! 小猫ちゃんが汚れちゃうわ!!」

 

 

 学園一の癒しマスコットである一学年生徒の塔城小猫が、何の前触れも無く二学年であるこの教室にやって来た。

 この時点ではまさかの癒しマスコットに男女問わず鼻息荒く騒いでいた面々だったのだが、その小猫が失礼しますと教室の中へと入ると、真っ直ぐ迷い無く席まで奇跡的に隣同士で弁当取り出し中だった兵藤兄弟の前に立つや否や、来ちゃったなんて可愛らしく微笑むのだ。

 

 エロ野郎と揶揄される一誠や、少女漫画ばっか読んでて何を考えてるのか全然わからない誠に何故小猫が? とクラスの生徒達は大騒ぎするのも仕方ない事だった。

 

 

「ここじゃ煩いですし、屋上に行きますか?」

 

「そう、だな……うん、そうした方が良いと俺は思うわ」

 

 

 重箱クラスの大きさの弁当片手に屋上へ行こうと誘う小猫に、周囲からの殺気を受けながら一誠は頷く。

 多分ここで食おうとしたら殺気立つ連中が挙って自分達に色々と吹っ掛けてくるだろうし、それを考えたら屋上は安全だという判断だった。

 

 

「……わかった」

 

 

 そしてその誘いにマコトは小さく返事を口にしながら立ち上がる。

 昨日の接触で目の前の変わらない少女が自分の知る『白音』である事は既に確信してるし、無駄にべたべたしていたのだって、白音の中に宿る自分すら凌駕する極悪なスキルの有無の確認の為だった。

 

 結果は相棒が居ない自分と違って全部兼ね備えてるというオチで、確定的に白音は白音であった。

 なのでその白音が自分や一誠を誘うのであるなら断る理由も無い……そう思って席を立ったのだが。

 

 

「あは……♪」

 

「おい、一々屋上行くだけなのにくっつくなよ……歩きづらい」

 

「ダメですか……?

私、先輩からの焦らしのせいで色々と変になっちゃってるんですよ……?」

 

『!?』

 

「あーぁ……」

 

 

 席を立ったその瞬間、白音が何の迷いも無く今はマコトとなっているかつての一誠の腕に自分の腕を絡ませ、甘えるように密着し始めるもんだから大変だ。

 冷徹人形と揶揄すらされる程に、イッセーとしかコミュニケーションを取らなかったマコトがよりにもよって学園の癒しマスコットと密着されてるどころか、会話までしてる。

 

 

「あー……二人共、俺が弁当を持つぜ」

 

「え、良いんですか? ありがとうございます先輩」

 

「ん……」

 

 

 イッセーは既に昨日で知ったので生暖かい視線を二人に向けるが、事情を知らない他の者達からしたらB2爆撃機並みの衝撃であり、また彼女のファンからすれば許しがたい事であった。

 

 

「せんぱい……ふふ……早く先輩のが欲しいです……」

 

「ここで言うなバカ……!」

 

「ちょっ!? ここ学校だからな!?」

 

 

 が、ファンは見てしまった。

 小猫の表情がエロゲーで完全に落とされた盛った雌のそれである事を。

 

 

「イッセー先輩、私の事は将来の義理の姉として接してくれても――痛っ!?」

 

「バカ言ってんじゃねーぞエロ猫」

 

「あ……っん♪ この痛み……まさしく先輩からの愛情表現そのもの……。

あは、あははは! 久々でお腹がきゅんきゅんしちゃいます」

 

「お、俺……小猫ちゃんのキャラが分からなくなってきたんだけど。兄ちゃんは何をしたんだよ?」

 

「知らん。昔からこんなんだった」

 

「えぇ……?」

 

 

 その表情は小柄で年齢と比例しても幼い見た目であるが故に、犯罪的且つ官能的なものを刺激しまくりであり……。

 

 

『…………』

 

 

 見ていたファンの男子のほぼ全員は前屈みのまま固まってしまうのだった。

 

 

 

 私は先輩がもし『無い』と答えれば、それに従いその時点で駒を破壊して元の種族に戻るつもりでした。

 一応この過去とは微妙に違う世界の部長達は思っていた以上に悪魔らしくない性格で、私個人はそんな嫌いじゃなかったので説得するだけはしておきましたけど、それでも先輩が無いと言えば切るつもりでした。

 

 先輩と永遠に一緒に愛し合う前では世界の理なんて全てカス以下のカスですからね……裏切り者呼ばわりされようが知ったことじゃないんですよ。

 

 

「まさか8つの兵士の駒全てを消費するなんてね。やっぱりイッセーの潜在能力はそれだけ高いという事ね」

 

「はぁ……」

 

「マコトは小猫と同じ戦車一個で足りて良かったわ」

 

「………」

 

 

(私の幻実逃否で何とか可能にさせただけですけどね……先輩共々)

 

 

 しかし先輩の気紛れなのか、なんと先輩は過去と違って私と同じ戦車としてあれだけ憎悪していた悪魔に再び転生を果たしたのです。

 

 

「取り敢えず、二人の戦力を把握したいのだけど……」

 

「マコト先輩の相手は同じ戦車の私が相手をしましょう」

 

「ならイッセー君は僕が相手をしますね」

 

 

 まあ、先輩が兵士としてかつて居た時とは何もかもが状況も違うんですけどね。

 例えば、先輩の力は悪魔となっても全く弱体化していなかったり……。

 

 

(ね、繋がりでスキルの事もバレてないでしょう?)

 

(システムが違うのか?)

 

(恐らくそうでしょう。私達が居た過去とこの世界は微妙に違うようです)

 

(………)

 

 

 スキルがバレる事も無い。

 まぁ、バレたとしてもこのリアス部長が取り憑かれて支配欲に溺れる可能性はかなり低い気もしますけど、念には念を入れてスキルの事は隠しておきます。

 

 

「悪魔の活動は主に夜。という訳で今からこの運動場を借りてイッセーとマコトの力を見せて欲しいの」

 

「うっす」

 

「………」

 

 

 というか、もし取り憑かれて先輩を誘惑したらいくらこの人達でも食い殺します。

 なので頼むからまた先輩を失望させないでくださないね部長? ふふ……。

 

 

「僕も神器を持っててね、軽い手合わせとはいえ使わせて貰うよ?」

 

「爽やかに笑いやがってイケメンめ……」

 

 

 さて、それはそうとして、夜の学園に集合していた私達は今、リアス部長のお望みであるマコト先輩とイッセー先輩の力の把握の為、まずはこの世界のイッセーが神器である魔剣を手に構えた祐斗先輩と軽い手合わせをしている。

 

 

「おい木場、もっと本気出して良いぞ?」

 

「え? ……あ、いや……うん」

 

「嘘……」

 

「これは……思っていた以上ですわね」

 

 

 その手合わせなのですが、ふふ、先輩ったら余程過去の自分とも言える弟さんを大切にしていた様ですね。

 スキルが無い分荒削りながら、既に基本的な赤龍帝の籠手の力を使いこなしてるじゃありませんか。

 

 

「そ、魔剣創造(ソードバース)!!」

 

 

 心の何処かで油断していた祐斗先輩が振るう剣を避け、手から叩き落として踏み潰す。

 その一連の動きは中々速く……どうも祐斗先輩やリアス部長や朱乃部長は見えてなかったみたいですね……。

 

 悪気無く祐斗先輩に『そこまで接待しなくて良い』と言ってしまってるのが、相当に効いてますよ。

 

 

「すげー、剣を沢山呼び出せる神器か。

神器使いなんて他に見なかったから新鮮……だぜ!」

 

『Boost!!』

 

 

 少しムキになった祐斗先輩が、この世界のイッセー先輩の足下、頭上、周囲360°全域に剣を呼び出し、そのまま先輩向かって撃ちはなっている。

 けど、それでもやはり甘いですね。一段階目の倍加が始まってしまった時点で。

 

 

「ソォラァ!!」

 

「うっ!?」

 

 

 出現する剣を拳で次々と叩き壊しつつ、舞う様に刃を避け、その表情は楽しそうな乗り物に乗ってはしゃいでる子供みたいです。

 

 

「随分と可愛がってたんですね?」

 

「嫌でもアイツは巻き込まれるからな……自衛の手段があったって良いだろうとな」

 

「私が根回ししなかったら、確実に部長はイッセー先輩も眷属にできなかったですねこれは」

 

「そのつもりで最初は鍛えてやったからな……まあ、基本的な事しかまだ覚えちゃいないけど」

 

 

 つい本能的に先輩にくっついてしまいつつ、周囲に聞こえないように話をしていると、先輩はこの世界のイッセー先輩を見つめながら私の頭にポンと手を置いて優しく撫でてくれた。

 あぁ……こういう事されるとビショビショになっちゃうのに……もう、死ぬほど大好きですよ先輩……。

 

 

『Boost!!』

 

「行くぞ!! ド・ラ・ゴ・ン・波ァァァァッ!!!!」

 

「うわぁぁっ!?」

 

 

 そうこうしている内に、二段階目の倍加の掛け声と共に両手から……精神エネルギーと思われる力を放出して魔剣を吹き飛ばし、そのまま祐斗先輩を爆発コントのオチみたいな黒焦げにしている。

 

 

「…………けほ」

 

「そ、それまで……」

 

「っしゃあ! 俺の勝ちだこのイケメン――おっと今はイケメンじゃくて只の失敗したアフロマンだな! わははは!」

 

 

 そんな姿を見て居たたまれなくでもなったのでしょうか、何とも言えない顔をしながらリアス部長がそこまでとお二人を止め、手合わせは実質イッセー先輩の勝利で終わった。

 

 

「予想以上だったわイッセー」

 

「うん、僕の負けだよ……あはは、まだまだ修行が足りないみたいだ」

 

「どうも。それなりに俺も鍛えてましたからね……兄ちゃんと」

 

「と、いう事はマコト君も期待しても良いのですね?」

 

「ええ……いや、俺以上にね」

 

「……へぇ?」

 

 

 先輩達の視線がマコト先輩へと集まる。

 さて、次は私達ですか。

 

 

「朱乃先輩……それと出来ればリアス部長にもお願いしたいのですが、運動場全体に全力の障壁を張ってください」

 

「え? それは――――いえ、わかったわ。朱乃も良いわね?」

 

「え、ええ……」

 

 

 さぁて……ふふ、本気出したらさすがに障壁張ってても不味いので相当に手を抜きますが、久々に先輩と愛し合えるんです。

 それなりにぶつからせて貰いますよ……。

 

 

「3%」

 

「まあ、それがギリギリでしょうね」

 

 

 朱乃先輩とリアス部長が全力とも言える障壁を運動場全体に張るのを確認した私と先輩は、中央に移動し、互いに数メートル離れた場所で向かい合いながら軽く構える。

 その際先輩から3%までの力しか互いに出さないようにと言われ、5%で街全土が消え去る規模の衝撃が発生することを考えて、私は頷く。

 ちょっと欲求不満が残っちゃうかもしれませんが……ふふ、後で久々に制服学校プレイで帳消しにして貰いましょう……ふふ。

 

 

「………………」

 

「………………」

 

「っ……兄ちゃんは慣れてるからわかるが、小猫ちゃんもやっぱ同等かよ……!」

 

「う、嘘でしょ? こ、小猫があんな……」

 

「どうやら私達には知らない事をあのお二人は沢山共有されてるようですわね」

 

「ふ、ふふ……僕って何なんだろ……あはは」

 

 

 あーあー……驚いてますねぇ。

 まあ、質問はこの後という事で……!

 

 

「ふっ!!」

 

「シッ!!」

 

 

 先輩とまずは再会の|傷つけ愛を……。

 

 

 

 

 互いに凄まじい威圧で牽制しあっていた小猫とマコトが飛び出したのはほぼ同時だった。

 

 

「うわっ!?」

 

「!? あ、朱乃! 一瞬でも気を抜いちゃ駄目よ!」

 

「わ、わかってますわ!!」

 

「ぼ、僕も一応手伝います!」

 

 

 巨大な風圧が運動場の砂を吹き飛ばす中、互いの拳をぶつけながらマコトと小猫はその場で力比べをしていた。

 

 

「チッ、無くした力はデカいな」

 

「いえ、その分進化を感じますよ」

 

 

 ギチギチと互いの拳から嫌な音を奏でさせながら、拮抗すること10秒……。

 

 

「死ね!!」

 

 

 まず動いたのはマコトだった。

 小猫と拮抗させていた力比べを放棄し、フッと力を抜いて身体のバランスを崩させるや否や、そのまま突き出されていた方の手首を掴み、反対側の拳で小猫の顎を砕かんばかりのアッパーを食らわせた。

 

 

「っ!?」

 

「……あは♪」

 

 

 しかしそんなマコトの拳を顎に受けたて視線を真上へと向けられた小猫はその場で踏ん張り、徐々に――それもとろーんとした……こう、言ってしまえば発情周期に入った猫妖怪そのものの表情へと変わり……。

 

 

「もっと……もっとぉ……!」

 

 

 可愛くなければ普通にヤバイ奴と言われても文句も言えない状態のまま顎に貰ったマコトの拳の手首を仕返しとばかりに両手で掴み……。

 

 

「もっとください……!!」

 

 

 小柄な体型は詐欺だぜと云わんばかりに振り回し、真上へとぶん投げた。

 

 

「白音モード」

 

「はぁ!?」

 

 

 そして猫妖怪である証の猫耳と尻尾を出し、ジェット機を思わせる勢いで、上空でギョッとするマコトに突撃する。

 

 

「て、テメェ! 3%って言ったろーが!?」

 

「今の私はこれが3%ですよ先輩? そもそも15年以上会わなかったんですよ? それなりに私も進化くらいしますって…………先輩の力を貰った私だって、ね!!」

 

「うご!?」

 

 

 ジェット機よろしくに突撃した白音が空中でマコトの腹部に拳をめり込ませ、すかさず背後に回ると、苦しそうに顔を歪ませるマコトの腰を後ろからがっちりとホールドする。

 

 

「っ、ダラァ!!!」

 

「む!?」

 

 

 が、目をカッと見開いたマコトが無理矢理力技でホールドを抜けると、その勢いで回転し、白音の頬に裏拳をぶつける。

 

 

「調子に乗るなよ……進化したのがテメーだけだと思うなや!」

 

「ガッ!?」

 

 

 すかさず両手を組み、ハンマーブローの要領で地面に叩き落とす。

 勢い良く地面に堕ちた白音は運動場の一部にクレーターを作る結果になるが、本人に反省の色など無い。

 

 

「……………嘘でしょ? 嘘だと言ってよ……」

 

「すっげー……兄ちゃんがまともにダメージ受けてるの初めて見たかも」

 

「な、何者なのですかアナタのお兄さんは……」

 

「そりゃこっちの台詞っすよ。何者っすか小猫ちゃんって?」

 

「ぼ、僕達もわからなくなってるんだけど……」

 

 

 そんな二人の殴り合いに何度も障壁を破壊されては張り直すという多大な労力を強いられてる三人は困惑するしか出来ない。

 イッセーもイッセーで兄とまともに殴り合えてる小猫にちょっとした嫉妬心すは覚えており……。

 

 

「あははははは!! 先輩……先輩の拳……!」

 

「その酔っぱらい癖は、尚ひどくなってるなゴラ!!」

 

「当たり前ですよ……あは、あはは! 欲しい、もっと先輩を感じたいです! もっとください、もっと……!!」

 

「チィ!」

 

 

 気づけばベタ足インファイトとなって互いに殴り合ってる姿は、ロリ美少女と男という組み合わせのせいで全部間違ってる気がしてなら無い。

 

 

「ふふ……つい『しゃくしゃく』したくなっちゃうくらい、先輩は美味しそうですよ全てが」

 

「変態猫が……相変わらず過ぎていっそこのまま押し倒してメチャクチャにしてやりたくなるぜ……」

 

「んっ……♪ も、もう……急にそんな台詞は反則ですよ……?

今の先輩のお誘いで下着が大変な事になっちゃいました……」

 

「……この何を言っても聞きやしない感じ、敗けるよホント」

 

 

 

 

 

「殴り合いながら、物凄く卑猥な会話をしてる気がするのは気のせいかしら……?」

 

「いや、多分合ってますよ先輩。

昼休みの時、似たような事を小猫ちゃんが物凄くエロい表情をして言ったせいでクラスの野郎達が全員前屈みになりましたし……」

 

「こ、小猫ちゃんってあんな子だったんですね……」

 

「知らなかったな……」

 

「でも……ちょっと羨ましいかも。

俺もあんな感じにイチャイチャできる彼女欲しいぜ……」

 

 

 

 夜は更けていく。

 

 

 兵藤イッセー

 

 グレモリー眷属兵士(白音の密かな裏工作にて兵士駒八個で転生成功)

 

 現戦闘力・割りと普通に強い(……と、白音たん感心されるレベル)

 

 

 備考・ブラコンにて、白音たんに嫉妬を少し感じるこの世界の兵藤一誠。

 

 

 兵藤マコト

 

 グレモリー眷属戦車(同じく白音の密かな裏工作で一切力を落とさずに成功)

 

 現戦闘力・赤龍帝としての力を全て失っても尚、破壊の龍帝としての実力は進化により維持・成長中

 

備考・自分には無い素直さと優しさを持つ弟と接したお陰ですっかりブラコンとなり、白音たんとの再会で色々と大変になってるかつての赤龍帝にて兵藤一誠。

 

 

 塔城小猫(真名・白音)

 

 グレモリー眷属戦車(同じく裏工作でry)

 

 現戦闘力・マコトと違って失ったものが無く、ぶっちゃけ互いに全力でぶつかったら勝てる可能性があるレベル。

 

備考・数奇な道を歩んだ結果覚醒した、マコト(一誠)が好きすぎるという悪魔を越えた猫又(ネオ)

 

 

続く?

 







補足

リアスさんがD×S世界やツインズ世界とちがって『まとも』な性格をしてるお陰なのと正直に言いきれたというのと、この世界のイッセーくんを口説けたのもあって……密かに全勢力同時に相手取ってもお釣りすら取れる戦力をゲッツ。

その2
イッセーくんはブラコン鬼ぃちゃんが心配して自衛手段を教えられてきた結果、基本的に並みならぶちのめせるレベル。

その3
ロリロリだけど……いや、ロリロリだからこそ滲み出る怪しいエロさのせいで、学園の野郎共は悲しく前屈みになる。それだけネオ白音たんのロリ色気は更にまずい。

 まあ、そんな彼女の全ては学園じゃ『何を考えてるかわからん変な奴』ことマコト君が好きにできるんで、なおのこと悔しさ倍増。


その4
そんな二人を見てイッセー君も素敵な彼女が欲しくて堪らないとか……。

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