ツインズ・イッセー   作:超人類DX

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ここから中身を微妙に変えてます

特にオマケ的なのを追加しました。


オーバーキル・ツインズ

 レーティングゲーム。

 よくわからないけど、兄ちゃん曰く悪魔の悪趣味な遊びらしい。

 自分の下僕をチェスの駒として運用し、対戦相手と戦う。

 つまり、悪魔版の人間将棋みたいなものと考えれば良いのかもしれない。

 

 

 

「さて、まずはライザーの『兵士』を撃破しないといけないわ。

八名全員が『女王』に『プロモーション』したら厄介だしね」

 

 

 この前家に来て兄ちゃんに絞め殺され掛けた挙げ句塩の塊を顔面に投げつけられたメイドさんのスタートの合図と共に始まったレーティングなのだが、もっとドンパチするものだと思っていただけに、始まっても普通に部室のソファに座って姫島先輩が入れたお茶を飲んでるグレモリー先輩に俺は微妙に肩透かしを食らう気分だ。

 

 

 

「『レーティングゲーム』は基本的にこんな流れで進行するのよ」

 

「ふーん……」

 

「基本的に短期決着の方が珍しいし、一週間ずっと決着が付かないなんてザラなの」

 

「……」

 

 俺の顔を見て察したのか、グレモリー先輩は俺と兄ちゃんに大まかなゲームの平均時間について説明してくれつつ、話を続ける。

 

 

 

「大抵の場合は両陣営の本陣は砦か城、または塔になるわね。

本陣と本陣の間に森や山、川、湖を挟んで大掛かりな戦闘をするのだけど、今回は学校が舞台だから……祐斗」

 

「はい」

 

 

 そう言いながらグレモリー先輩が木場を呼びつけると、何やら学園の見取り図らしくものをテーブルに広げる。

 その見取り図を見ながらグレモリー先輩は呟く。

 

 

 

「運動場には『戦車』と『騎士』を置くかしら。いえ、運動場みたいに広い場所なら機動力が求められる。

『騎士』を一名置いて、下に『兵士』三名ないし、四名配置かしらね……それなら運動場全域を把握できる」

 

「ボードゲームみたいっすね……」

 

「簡単に言えばそうなるわ。殺す殺されるなんて時代は今の魔王様の政権になってからほぼ無くされている。

レーティングゲームの戦績こそ今の悪魔のステータスなの」

 

 

 ふーん……? 果たして本当なのかねぇ…? 兄ちゃんじゃないけど全部を鵜呑みにはまだ出来ないかな。

 

 

 

「ライザー側の兵士を取り敢えず減らす事が一番望ましい。

………。となれば、本当は此方も兵士を差し向けるべきなのだけど……」

 

 

 っと、考えてる間に話が進んでいたらしく、グレモリー先輩達全員の視線が一応兵士の体となってる俺と兄ちゃんに向けられてら。

 

 

「マコトとイッセーは索敵及び撃破をしながら本陣を目指して欲しいのだけど……」

 

「まあ約束した分は働きますよ。どうせ最初で最後の体験ですし。なー兄ちゃん?」

 

「………」

 

 

 兵士の体である俺と兄ちゃんで敵戦力を削る仕事。

 良いね、余計なことを考えずに出来そうな仕事じゃあないか。

 

 

「兄ちゃん、相手の居場所は?」

 

「ゴミ共の気配を点々と既に探った。運動場に数匹居るのはそこのカスの予測通りで間違いない。

此処から一番近いのは……体育館の数匹か」

 

 

 グレモリー先輩に言われる前には既に動く事無くその場で相手側の戦力及び居場所をサーチ完了させたマコ兄は最早流石としか言えない。

 

 

「え? な、何故わかるのかしら? ライザーの下僕達の居場所が……」

 

 

 その際、やっぱりグレモリー先輩達は驚いた様で、片膝付いた体勢で拳を床に置きながら目を閉じてサーチ中の兄ちゃんを見ている。

 

 

「テメーが単純に舐められてるのか、それとも奴等自体が只のカスなだけか……気配を隠してないだけだ。

さて、行くぞイッセー、取り敢えず旧校舎から一番近い体育館のカス共を殺――じゃなくて、潰すぞ」

 

「りょーかい、じゃあグレモリー先輩達、取り敢えず行ってきますんで」

 

「っ!? 待ちなさい、アナタ達は要らないと言うかもしれないけど、その襲撃に小猫も連れていって欲しいわ」

 

「えぇ? どうせなら木場の方が兄ちゃん的にトラブルも少なく済むから木場で良いっすか?」

 

「………」

 

「い、いえ……祐斗には本陣周辺に罠を仕掛ける様に命じるつもりだから……」

 

「………だ、そうだけど兄ちゃん?」

 

「……勝手にしろ。イッセーじゃないが、こんなクソみてーな茶番が終われば二度と関わらねぇからよ」

 

 

 と、不機嫌そうに部室のドアを蹴り開けて出ていく兄ちゃん。

 小猫ちゃんが付いてくるという話の時点で一気に不機嫌になっちゃったけど、小猫ちゃんの今兄ちゃんが口にした言葉を聞いて色々と必死なのか、付いてくる気満々だった。

 

 

「じゃ、行こうぜ小猫ちゃん。よろしくな?」

 

「はい……こちらこそお勉強させて頂きます」

 

 

 俺は……まあ、この件だけは中立気取りなので、取り敢えずどっちつかずで見守らせて貰おう。

 小猫ちゃん見てると流石に同情しちゃうしね……。

 

 

 

 マコトとしても、兵藤一誠としてもレーティングゲームは初体験である。

 しかし、今更そんな事で緊張するには余りにもマコトは一誠としての時代に敵を壊しまくっていた。

 

 

「さっすが、兄ちゃんレーダーの精度はバッチリだぜ」

 

「……」

 

「兵士三人に戦車一人、ですか」

 

 

 出来ることなら今からでもこの茶番と断ずるレーティングゲームで悪魔をぶち壊したいマコト。

 しかし今回のマコトはとある『釣り』の為に敢えて大人しい犬を演じるつもりだった。

 

 

「兵士候補の人間二人に戦車一人ね? ふっ、戦力は此方に有利だわ」

 

 

 索敵通りに体育館に潜伏していた相手側の悪魔の一人が、不敵に――そして見下すような視線を転生すらしてもいない補充要因として認識しているマコトとイッセーに向けながら笑みを溢す。

 

 

「うわ、女の子しか居ないな」

 

「ライザー・フェニックスの眷属は全て女性で構成されてます」

 

「………」

 

 

チャイナドレスを着た女性と双子の少女と小柄で棍を持った少女の姿を見て少しだけやりにくそうな顔をするイッセー

 

 

「へぇ、ハーレムだなまるで」

 

「実際、彼女達とライザー・フェニックスの関係はそれに当てはまります」

 

 

 ちょっと前まで自分が憧れていた状況にライザーとやらがなっている。

 と、何抜き無しに呟くイッセーに小猫が頷きつつ補足を足すが、イッセーはフムフムと目の前の女性達を観察する。

 

 

「皆かわいいけど……レイナーレさんの方が美人だよな」

 

 

 繁々と観察した結果、イッセーの評価は上の通りとなった。

 あんまり自覚してないが、レイナーレとの出会いが切っ掛けにより今のイッセーはレイナーレしかみてない。

 それ故に強く抱いていたハーレム願望がほぼ薄れているのだ。

 

 

「いきなり失礼な兵士擬きね」

 

「さっさと潰しましょう」

 

「「さんせーい♪」」

 

 

 しかしいきなりジロジロ見られた挙げ句、知りもしない女性と思われる名前を出され、しかも劣ってると言われた四人のライザー眷属は、早速ムカついたのでイッセーから潰そうと殺気を向け……。

 

 

「「バラバラ~♪」」

 

 

 イッセー&マコトを彷彿とさせるソックリな顔立ちの少女二人が、持っていた武器……というかチェーンソーを振り回しながらイッセーに襲い掛かる。

 

 

「おろ? 予想してたより全然遅いや」

 

「「あれ?」」

 

 

 しかし、少女二人の持つトルク全開のチェーンソーの刃はイッセーの居た場所を空振りし、次の瞬間には背後に回られていた。

 

 

「!?」

 

「あの兵士擬き……」

 

 

 双子の少女を避けたのもそうたが、一瞬で背後に回り込む身のこなしを見ていた戦車と棍棒を持った少女二人が多少驚くリアクションを見せる。

 

 

「むー……当たってよ!」

 

「そうだそうだ!」

 

「いや、当たったら痛いじゃん……っと」

 

 

 ひょいひょいと双子の攻撃を避けつつ、焦った様子も無く煽る余裕さえ見せるイッセーに段々双子の方がイライラし始めるが……。

 

 

「オーバーキルじゃ、無いよな?」

 

『Boost!』

 

 

 その腕に呼び出す龍帝の籠手の倍加の掛け声が、それまでふざけていた空気を一瞬で張り詰めたものへと変えた。

 

 

「「がばっ!?」」

 

 

 赤龍帝の籠手の倍加により、基礎能力が底上げされたイッセーの姿が一瞬消えたのと同時に、双子の持っていたチェーンソーの刃が根本からへし折れ、そのまま双子の顔面から『グチャ!』という嫌な音が聞こえ……。

 

 

『ライザー様の兵士二名……リタイアです』

 

 

 双子の身柄は、体育館の壁をぶち破り……軽く百メートル程先の外へと殴り飛ばされていた。

 

 

「っ!?」

 

「なっ!?」

 

「!?」

 

「………」

 

 

 アナウンスが聞こえ、拳を突き出す体勢のまま突っ立っていたイッセーに小猫も含めて残っていた二人の下僕悪魔は驚愕する。

 しかし――

 

 

「死ね」

 

「ガバァッ!?」

 

「ギャァァァッ!?!?」

 

 

 イッセーに気を取られていたその隙を……いや、隙なんて元々伺う必要もない程の殺しの経験を既にしているマコトが、動揺する二人に肉薄すると、片方の少女の片腕を殴り千切り、もう片方の少女の片足を蹴り千切った。

 

 

 

「う、腕がぁぁぁっ!? ――ぎゃば!?」

 

「わ、私の足……ぐがっ!?」

 

『ラ、ライザー様の戦車と兵士……リタイアです』

 

 

 鮮血を噴水の様に流しながら床に転げ回る少女二人だが、慈悲の欠片すら無い石像の様な表情をしたマコトに容赦無く顔面を踏みつけられ、そのまま悶絶しながら意識を手放す。

 

 

「………」

 

「か、加減間違えて顔やっちゃった……」

 

「技術は無駄にあるし、再生治療でもするから気にすんな」

 

 

 あっという間に数を上回る相手眷属を倒した双子を小猫は暫し唖然としながら眺めるしかできない。

 既に二人が人間の範疇を越えた戦闘力を持っているのは知っていた。けど、イッセーは加減を間違えたと罪悪感を感じさせる顔を浮かべているのでまだ分かる、只のパンチと蹴りだけで、イッセー以上の凄惨な潰し方をしたマコトは――

 

 

「マコト先輩……」

 

「あ? 何だ役立たず? まさか良い子ぶってやりすぎだとかほざく気か?」

 

 

 凄惨な現場を見ても、血を前にしてもまるで動じず、虫けらを捻り潰すかの如く簡単に、そして能面の様な顔でやった。

 普段からその予兆はあったけど……。

 

 

「い、いえ……」

 

「や、やっぱりやり過ぎだったんじゃ……」

 

「知るか。ゴミを蹴っ飛ばしたら勝手に壊れただけだ」

 

「いや……まあ、俺はもう兄ちゃんのそこら辺に慣れてるけどさ、ほら小猫ちゃんは……」

 

 

 血の香りが嫌でもの小猫の鼻腔を刺激する中、悪魔を殺すことに一切躊躇の無いといった顔のマコトに、小猫は思わず目を逸らしてしまう。

 

 

「…………。ごめんなさい」

 

 

 どんな意味でのごめんなさいなのか、言った小猫自身にもわからない。

 けど、そう言わざるを得なかった。

 

 

「もう良い、やっぱり茶番は茶番だし、とっとと決めに行くぞイッセー」

 

「お、おう……じゃあ禁手化(バランスブレイク)

 

 

 底にある見えない強大な憎悪を端的に感じてしまったが故に……。

 

 

 

 悪魔は悪夢を見ていた。

 特にライザー・フェニックスは……。

 

 

「に、人間風情がぁぁぁっ!!」

 

 

 婚約者のリアスとの結婚を確実なものへとする為に受けたレーティングゲーム。

 余裕のつもりだった、数も実績も己が上なのだからと、まだ転生はしていない二人の兵士候補を戦力に加えさせるのも余裕を持って了承した…………それがいけなかった。

 

 

「女の子を殴るのは流石に気が退けるというか、あの僧侶とか言ってた子……体型とか違いすぎるけどミッテルトちゃんと同じ金髪碧眼じゃん」

 

「悪魔の時点でゴミクズだぜ」

 

「ホント兄ちゃんは悪魔さん相手だとブレないなぁ……」

 

 

 顔や何やらで選んだ下僕達。

 その中には実妹も居た……けれど。

 

 

「大将はお前が殺れイッセー」

 

「おーう男だし多少は気が楽だぜ」

 

「う、ぎ……」

 

「ら、いざ……さ、ま……」

 

「た、ずげ、で……!」

 

 

 双子の少年の足元に転がるは、優れた容姿が見るかげもなく、双子の……赤龍帝じゃない方の人間によりオーバーキルされた下僕達。

 ライザーはそんな下僕達の助けを求める声を聞いても動けず、この惨劇が起こった僅か数分前の出来事がフラッシュバックする。

 

 

『ぺトロ、バシレイオス、ディオニュシウス――そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ。この刃に宿りしセイントの御名において……否、我が最愛の友であるゼノヴィアとイリナの魂を我は解放する』

 

 

 赤龍帝は兎も角、その片割れは只の薄汚い脆弱な人間だと思っていた。

 下僕四人を傷つけた見せしめに赤龍帝の目の前で半殺しにしたやろうと思った。

 けれど、見せ付けられた現実は……。

 

 

『わ!? な、何だよ兄ちゃん! いつの間にそんな凄そうな剣を……!?』

 

『奴等を切り刻んだ後で説明してやるさ』

 

 

 その手に持つ、悪魔にとっては嫌悪と恐怖を感じる聖なる力を宿した両刃の大剣。

 それはまさしく聖剣の類いである事は見ていた悪魔達全てに思い知らすものであり……。

 

 

『借りるぜゼヴィ――"蒼龍波"」

 

 

 生み出された力はまさに蒼龍。

 

 

「やっぱゼノヴィアだからこそ使いこなせるもんだな……。

デュランダル(コレ)然り、イリナの聖力(コレ)然り――そして能力(スキル)も」

 

「ま、マコト……あ、アナタ……どうしてそれを……!?」

 

「ゴミに説明すると思うか? ましてや二度と関わる事もねぇ奴等によ」

 

 

 蒼く輝く刀身から放たれた強烈な光の力が会場を蹂躙し、ライザーの下僕達が食いちぎられた様にズタズタにされていく様をただ見ているだけしか出来なかったリアス達にも強烈なる危機感を植え付けるには十二分だったらしく、当たり前の様にリアスの質問を無視したマコトは、傷だらけで呻き声を出す、先程イッセーが言っていた金髪碧眼の少女を見下している。

 

 

「ミッテルトと同じ金髪碧眼とかイッセーは言ってたが……」

 

「が……ぐ……!」

 

「ハッ、一山いくら以下じゃねーか。イッセーの奴嘘言いやがって。

小うるせーミッテルトの方がまだ骨があるぜ」

 

 

 ミッテルトに髪の色や目の色が似てるという少女を見下し、鼻で笑って違うと断ずるマコトはそれ以降少女を見ることは無くなり、代わりにその目はすぐ近くで相手の王と戦う弟に向けられる。

 

 

「ひぃっ!?」

 

「兄ちゃん直伝の黒神ファントムだ!」

 

『Phantom Boost!!』

 

 

 マコトとドライグの二人により、神器の禁手化をコントロールする事に成功したイッセーの力はレーティングゲーム前よりも格段に進化しており、その力は既にライザーを楽に捻れる程だった。

 現に不死の特性で生きてはいるものの、ライザーはイッセーの一発だけで致命傷になるダメージを何度も受け、明らかに恐怖している。

 

 

「っしゃあ!!」

 

「ギャア!?」

 

 

 あまりにも一方的であり、遂に恐怖に精神力が潰されて不死による治癒が行われず、横っ面に頬がめり込んで地面に叩きつけられたライザーは全身をピクピクと痙攣させながら起き上がる事をせず意識を手放す。

 

 

『勝者……リアス様……です』

 

 

 それは即ち敗北を意味し、赤龍帝として本格的な成長の兆を見せた人間の少年によりライザー・フェニックスは負けたのだ。

 

 

終わり。

 

 

オマケ……兵藤兄弟と堕天使組のほのぼのday

 

 

 ハーレムハーレムと宣い、スケベな真似ばかりをするイッセー最近変わったのは学園の者達にもすぐに分かる変化だった。

 その理由は生徒達にはわからないが、何を隠そう変化を与えたのは人間に化けてイッセーに近づいた堕天使の存在だ。

 

 

「イッセー、お茶」

 

「はい!」

 

 

 堕天使・レイナーレ。

 以前天野夕麻と名乗り、イッセーを騙した堕天使。

 本来なら騙したレイナーレが一度イッセーを殺害し、悪魔に転生する事で敵同士となり、殺し合いの果てにイッセーの心に根深くトラウマとして残す彼女だが、何の因果か彼女は今も普通に生存してるし、それどころかイッセーを支配下に置いていた。

 

 

「レイナーレさん、そ、そろそろ俺とデートの続きを……」

 

「嫌よ」

 

 

 それもこれも殺害の際にイッセーの双子の兄の横やりで失敗した……というのも理由だが、一番はやはりイッセー自身が心底レイナーレに惚れてしまったというのが大きい。

 今までは美少女美少女と騒いでたのに、レイナーレとの出会い以降、そういった面が成りを潜め、惚れたレイナーレを振り向かせようとどうにか頑張ろうという行動が多くなった。

 

 

「今日も撃沈してるっすねーイッセーは」

 

「懲りん奴なのは知ってたが、そこまでレイナーレに惚れ込むとはな」

 

「良いな……レイナーレ様ばかり……」

 

「あら、アーシアったらヤキモチ?」

 

 

 最早一種の漫才と化しているイッセーとレイナーレのやり取りを遠巻きに眺めるは、レイナーレの仲間達と同じくパシりとなってるマコト。

 

 

「イッセーとは逆にマコトはそういう所が冷めてるっすよねー」

 

 

 双子なのに性格が真逆な兄のマコトにはそんな面が見られず、それでもすっかり懐いたミッテルトは椅子に座って少女漫画を読んでたマコトの隣に座り、つまらなそうに口を尖らす。

 

 

「マコトって性欲あるんすか?」

 

「ある」

 

 

 小さいナリをした美少女とは思えない言動に、少女漫画から目を離さないマコトもまた淡々と返す。

 

 

「あるなら何でイッセーみたいに正直にならないんすか?」

 

「なる相手が居たらそうなってる」

 

「マコトがそうなるとは思えないな……」

 

「淡々とし過ぎて相手方と上手くいかない想像は容易にできるけど」

 

 

 レイナーレとイッセーのやり取りが羨ましくて突撃しにいったアーシアを横に、すっかり懐いたミッテルトが、告白シーンのページを物凄く淡々と読んでるマコトにひっついて一緒になって読んでてもやっぱり淡々としてる姿にドーナシークとカラワーナは微妙な顔つきだ。

 

 

「おぉ……」

 

「………」

 

「おお……チューしてるっす!」

 

「………………」

 

「あわわ……うちもドキドキしてきた……!」

 

「………………」

 

「もしかしてマコトはこういうのを読んで予行演習でもしてるとか? ふ、ふふーん仕方ないっすねー、誰かを襲うくらいなら、うちが身代わりになってチューされてもいいっすよ?」

 

 

 ページを捲る度に少女漫画のキモ的シーンが横から覗いてたミッテルトの目に飛び込み、その度にリアクションを起こし、やがてもじもじしながらマコトに上目遣いで言うが……。

 

 

「チビが小生意気な事を言うな」

 

 

 マコトは全く相手にしない。

 

 

「うぎー! 子供扱いするなー!!」

 

「見た目は完全にガキだろお前」

 

「まあ、ミッテルトはなぁ……」

 

「ええ、子供よね」

 

「カラワーナもドーナシークも酷い!?」

 

 

 マコトの言葉にうんうんと頷くドーナシークとカラワーナにガビーンと大袈裟にショックを受けるミッテルト。

 

 

「ふ、ふんだ! 後で土下座したってしてやらないっすからね!」

 

「はいはい」

 

 

 拗ねたミッテルトの声も流されてしまったミッテルトはぐぬぬと唸りながらもマコトから離れようとはしない。

 

 

「うちを膝に座らせろっす!」

 

 

 それどころか膝の上に座りたいと駄々をこねる。

 

 

「ん」

 

「ふん!」

 

 

 それに対してマコトは軽く上半身を反らすと、拗ねた様子で膝の上に乗る。

 ミッテルトは相変わらず拗ねた様子だが、暫くしている内に膝の上でもぞもぞと動き始める。

 

 

「なに?」

 

「べっつにー? ちょっとうちのお尻でマコトのマコトを刺激してみよっかなーとか思ってないっすよー」

 

「くっだらねぇなオイ」

 

 

 ツンツンした態度だけど言ってることが刺激的なミッテルトにマコトは漫画本から目を離し、呆れた眼差しでミッテルトの頭を見下ろす。

 

 

「何お前、俺とヤりたいのか?」

 

「ふへ!?」

 

「お前の言い方はそうだろ?」

 

「ち、ちげーよ! うちはただマコトをおちょくりたかっただけで……」

 

「あ、そう」

 

 

 テンパるミッテルトが肘で思い切りマコトの腹を殴るが、こそばゆいと言わんばかりにクスクスと笑い、わざとらしく頭を乱暴に撫でる。

 

 

「か、髪が乱れるからやめろ!」

 

「乗車賃代わりだチビ助、くくく!」

 

 

 やめろと言ってる割には本気で嫌がる様子は無く、暫くしたら抵抗もしなくなっていくミッテルト。

 人間なのに強く、言動も偉そう。

 けれど味方である時のマコトはとてつもなく安心する。

 

 チビだチビだとばかにされても……。

 

 

「ほら! うちだっておっぱいはあるんだよ!」

 

「いや無いだろ」

 

「ある! 触ったらちょっとあった!」

 

「ふーん? どれどれ」

 

「ひぁ!? な、なななっ!?」

 

「……………………あー、確かに微妙にある……のか?」

 

「ほ、ホントに触られた……うぅ……マコトの変態……」

 

「触れって言ったのお前だろ……なぁ?」

 

「いや、多分お前が悪い」

 

「そこは軽く流すべきだっわね」

 

「なんじゃそら……」

 

 

終わり 




補足

完全にフェニックスさん達は本編の所でいうソーナさんみたいに巻き込まれただけ。

つまり、かわいそう……。

その2

イッセーくんが頑張ってレイナーレさんにアプローチしてる間にミッテルトたんは揉まれてしまいましたとさ。

まぁ、ミッテルトたんもお尻でグリグリしてたけど
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