ドラゴンクエストⅡ 大空と大地の中で   作:O江原K

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起承転結Ⅲの巻 (竜王の城②)

 

アレンたちの先祖、ラダトームの勇者ブライアンによって倒された竜王を継ぐ者。

その玉座に一歩ずつ近づく。アレンたちの緊張も高まっていた。

 

(・・・ブライアン様もきっと堂々と歩いていたに違いない。だったらおれも

 そうしなくちゃいけない!ええい、震えるな!何かあったらおれが先頭で

 アーサーとセリアを守らなくちゃいけないんだ、しっかりしろ、闘将ボーイ!)

 

(うーん、現代の竜王か。肌の色こそ異質だとしても人の姿であるのか、それとも

 巨大な竜なのか・・・この竜王は果たしてどちらの姿で出迎えてくれるのだろう。

 人との会話は問題ないそうだし、どんな話が飛び出してくることやら・・・)

 

(・・・・・・やつが襲ってきたら速さで負けたらだめね。出鼻をくじくために

 最初から全力のバギで押し切る!だめそうだったらラリホーが効くのに賭けて、

 あとはルカナンで前二人の攻撃を助ければ・・・・・・)

 

三者三様の心構えのまま扉が開かれた。そこに待っていたのは・・・。

 

 

「よくぞ参られた、勇者ロトの末裔たち!わたしは王の中の王と呼ばれた竜王、

 『マンノウォー』のひ孫でありこの時代の竜王、名を『ホクト・ボーイ』という!

 わたしは待っていたぞ!そなたらのような勇者が世に現れるのを!」

 

 

あの竜王のひ孫と名乗るホクトボーイ。外見は人間そのもので、アレンたちと

年齢はほぼ変わらないように見える。線が細いがひ弱さは感じられない、

王にふさわしい堂々とした振る舞いと声の調子だった。

 

「・・・これは・・・!ホクトボーイとか言ったな、まさか人間なのか!?」

 

「いいや、わたしは魔物である父と人間である母の間に生まれた、いわゆる

 『モンスター人間』と呼ばれる者だ。その証拠に・・・」

 

竜王の視線の先には数人の人間がいた。そのなかにアレンの母親と同じくらいの

歳であろう女性がいた。その人物が竜王、ホクトボーイの母なのだろう。

 

「モンスター人間は外見はほんの少年少女に過ぎなくとも実際には数百年、いや

 数千年と生きている者もいると聞くがわたしはまだ二十歳にもなっていない。

 そなたたちと同じ世代なのだ。仲よくしようではないか!過去の因縁は

 あくまで過去のこと、これからよき関係を築いていこうぞ!」

 

部屋に人間たちがいることも含め、この竜王はかなり友好的なようだ。自ら

玉座から降り、アレンたち一人一人と握手を求める。拍子抜け、というのが

アレンたちの正直な感想であったが、戦闘にならなかったことに安堵もした。

 

「・・・あ、ああ。よろしくな。おれはアレン・・・将来はローレルという名を

 襲名するんだが、一方で『闘将ボーイ』とも呼ばれている。おれたち二人のボーイ、

 これも何かの縁だ。互いに素晴らしい国をつくっていこうじゃないか」

 

「ぼくはアーサー、本名はテンポイントっていう。想像以上に近づきやすいお方で

 安心した。ぼくたち個人の枠を超えて国家レベルで親しくなれそうだ」

 

アレンとアーサーも竜王の握手に応じ、和やかな空気が流れる。そして残るは

セリアのみ。彼女も手を差し出したが、友情を築くつもりは毛頭ないようだ。

 

「ふふ・・・あなた、それにこの城の魔物たちはまるで牙を抜かれた虎・・・

 いや、サーベルウルフやバシリスクと言うのがいいかしら。まるで闘争心も

 自尊心もないようね。ラダトームの犬の大将にふさわしいやり方だこと」

 

お前が犬って言うのか、とアレンは口に出しかけたがどうにか抑えることができた。

そのセリアの無礼な言葉にも竜王は少しも怒っている様子は見せない。逆に

声を高らかに笑ってみせることで大物ぶりを見せつけることとなった。

 

 

「はっはっは、そなたがそう言うのも無理はない。しかしそれは少し違うな。

 そこにいるわたしの母も含めた人間たちはラダトームから友好のしるしとして

 この城にきた王族の者なのだ。よそからの旅人は知らないことが多いが、

 いまはラダトームと我らの関係は決して悪くないのだよ。食料に資源、

 教育に知識・・・それらをやり取りし、交流もだんだんと広げている」

 

「・・・これは驚きね。でも納得がいったわ。わたしたち相手に敵意がないのは

 そういうことなのね。心の底から過去のことは水に流しましょうってわけ・・・」

 

「うむ。我らより古い世代の魔物たちはいまだにラダトームによくない感情を

 抱いている者も多いがな。しかしそなたたちは別だ。『マンノウォー』の名を持つ

 竜王が勇者ブライアンに負けたのは正々堂々戦った故のこと。それをいつまでも

 恨むというのは無礼というもの・・・らしいのでな。現代に生きる我らの

 真に戦うべき憎き敵・・・それはそなたたちでもアレフガルドの人々でもない!」

 

ホクトボーイは立ち上がり、こぶしを握り締めて力強く宣言した。

 

 

「それは・・・世界の支配者になろうと表でも裏でも侵略を続ける

 『大神官ハーゴンとやつの広める邪教』!どうにも最近やつらが

 大きな顔をしているせいでわたしも不快極まりないのだ!」

 

命の奪い合いをした者たちの百年後の子孫の敵は同じだった。世界を脅かす

規模にまで大きくなった、邪悪な神々を賛美する者たちとその総帥ハーゴン。

アレンたちは当然として、もはや竜王としても見過ごせない脅威となっていた。

 

勢いよく立ったまではよかったが、竜王は再び玉座にぺたりと座った。

声も静かな落ち着いたものに戻っていた。

 

「・・・しかしわたしはこの城のそばから離れられない・・・そこでだ。

 わたしの代わりにハーゴンを倒してくれないか。もちろん礼はする」

 

同じくらいの年齢であるアレンたちに自らが叶えられない夢を託す。

アレンたちとすれば、頼まれるまでもなくそのために旅をしているのだが。

 

 

「まあ・・・お前の代わりに、というつもりはねえが絶対にやつらを倒す。

 それは約束してやるぜ。だから安心してここで待ってな」

 

「おお!何と頼もしい答えだ!ではこれを持って行け!」

 

竜王はアレンに丸めた紙を手渡した。広げてみると、それは世界地図だった。

 

「むっ・・・!ローレシア大陸もある!本物の世界地図か!」

 

「わたしのしもべたちが完成させたのだ。そなたたちは船で来たのだろう?

 ならば地図は必要不可欠ではないか。友情の印としてそなたらに渡そう。

 ハーゴンの居場所を突き止めるために役立ててくれ」

 

「これはありがたい!さっそく役立たせてもらうとするよ!」

 

 

竜王とは終始和やかな空気のまま話が続き、邪教の壊滅を誓ったところで

謁見の時間は終了となった。ここまでアレンたちを案内したグレムリンによって

連れられ、竜王の間を出た。あとはこのまま来た道を戻るだけと思われたが、

 

「・・・皆様、実はもう一人お会いしていただきたい方がいるのです」

 

「・・・・・・?別に構わないぜ。そいつもやっぱり人間みたいなやつなのか?」

 

「お会いになればわかりますよ。私個人としては・・・現竜王様ではなく

 この方に接触していただくために動いたようなものですから」

 

竜王以上の者がいるというのか。いや、それはないだろうと三人とも軽く思っていた。

このグレムリンの親族だとかその程度の存在に過ぎないと。竜王の城であるのに

まさか竜王よりも緊張と恐怖をもたらす強者などいるはずがないはずだ。

 

「・・・こちらです。では・・・どうぞ失礼のないように・・・」

 

多くの絵画や壺、鎧などの装飾品に満ちていた竜王の間に比べると小さな部屋で、

煌びやかなものなど何一つ飾られていない。僅かに見られる家具もアレンたち王族が

使うものよりも格の落ちる、しかし実用性には勝るものだった。その部屋の主が

奥からゆっくりと歩いてきた。その彼の姿はアレンをも思わず一歩後退させるものだった。

 

 

「・・・あ・・・ああ・・・!!ほ、本物の・・・竜王だ!」

 

 

アレンが幼い日から幾度も読んでいた勇者伝の本、また多くの書に描かれている、

アレフガルドを支配し、そのために勇者によって断たれた竜王そのものだった。

 

「ほんとうだ・・・!まさか生きていた!?いや、そんなはずはない!」

 

「さっきのは偽者でこっちが真の竜王ってことね!?こんなことが・・・!」

 

その目で見たことはなくともそれが竜王だということはアーサーとセリアも

知っているところだ。青い肌に黄色く光る目の怪人に、武器を持つ手に力が入った。

しかし若い三人を落ち着かせるように、この部屋の主のほうが後ろに下がった。

 

 

「・・・これは驚かせてしまったようですまない。わしの名は『シー・ビスケット』。

 きみたちも聞いたことがあるのではないかな?きみたちの偉大なる先祖に倒された

 竜王マンノウォーの孫であり・・・いまは息子に王の座を譲った隠居の者だ」

 

祖父を勇者ブライアンに倒され、父と父の兄弟つまり叔父、さらに多くの仲間を

ラダトームによって殺され、その後に力なき王とされたシービスケット。

彼と人間の女の間に生まれたホクトボーイに全ての権威を渡していた。

 

「そ、そうか・・・あんたが竜王の孫シービスケットか。確かに名前だけはおれも・・・」

 

「失礼がないようにと言っただろう!前竜王様に向かって何という口の利き方だ!」

 

アレンに対して目の色を変えてグレムリンが声を張りあげた。先ほどのホクトボーイとの

時間では一切なかったことで、アレンもその勢いに気圧されてしまいそうになった。

 

「・・・まあまあ、『タウィー』よ、そう熱くなるな。いまのわたしは何の肩書も

 称号もないただのシービスケットだ。世界の強国の王子であり、あと数年もすれば

 王となるお方に対して無礼なのはお前のほうではないか」

 

先代竜王が静かに説くと、タウィーと呼ばれたグレムリンは頭を深々と下げると

部屋の外まで出ていってしまった。アーサーが話を続ける。

 

「シービスケット様、あなたのご子息はアレフガルドの人々との友好関係を

 築こうとしておられるようですが、あなたはどうお考えなのですか?

 百年前を知る世代はラダトームを、更には我々をも快く思ってはいないと

 聞いたものですから。あなた自身はいまの流れを認めておられるのですか?」

 

アーサーの鋭い問いに、先代竜王は本心を隠すことなく答えた。

 

「うむ・・・全く過去のことを忘れたといえば嘘になる。祖父がきみたちの

 先祖に敗れたのは仕方のないこととして、ラダトームはわしの父や仲間たちを

 酷く扱った。容赦のない侵略の後もしばらくは奴隷のような日々が続いた。

 わしはきっと死ぬまで父が処刑された光景を、仲間がやつらの楽しみのために

 意味もなく殺害されたことを忘れることはできないだろう」

 

「・・・まあ・・・当然といえば当然よ。わたしだって・・・たとえハーゴンを

 この手で倒して世界に平和を取り戻したとしても・・・・・・あの日のことは

 絶対に忘れられない。いや、忘れちゃいけないもの・・・」

 

セリアは誰よりもシービスケットの思いを理解できるだろう。どんなに忘れたくても

忌まわしい記憶は頭から離れず、一方で犠牲になった愛する者たちのことを思えば

決して忘れてしまってはならないという苦しみを持つ者同士だからだ。

 

「ただしいつまでも憎しみを抱いていては前には進めない。ラダトームが現在の

 王になってからやつらは態度を軟化させ、王族の女性たちを竜王城によこした。

 わしもそれを受け入れ、労働力として何人かの部下をラダトームに派遣した。

 新しい未来に向かって時代は動いている。だからきみたちと同い年ほどの

 ホクトボーイに王の座を譲り、古き者は去ったのだ」

 

どうやら全てが平和に向かって順調のようだ。しかし、ここで先代竜王は声質を変え、

 

 

「だからこそ不安なのだ。静かすぎるいま、背後で何かが起きているかもしれない。

 ラダトームに関しての噂でよくないものがいくつかわしの耳にも入っている。

 平和へ足並みを揃えているはずなのにいまだ不平等な条約は残されたままだ。

 息子はハーゴンの脅威がどうとか口にしているが、わしにとってはやはり

 ラダトーム、そこをまずはどうにかしなければいけない、そう思っている!」

 

「・・・どうにかする・・・実際にどうされるおつもりですか?」

 

「ラダトームが真にわしらと力を合わせ皆が幸福な世をつくるつもりならもちろん

 それ以上のことはない。わしの愚かな思い過ごしだった。しかしもしこの悪い予感が

 的中しやつらの間に何らかの策略や陰謀が見つかったならば・・・。

 この城の魔物の精鋭たちの実力はきみたちも見ているだろう」

 

百年の間忍び続けてきたが、ついに戦争を起こそうというのだ。

 

「そんなことを聞いてこのおれが許すと思ってやがるのか!」

 

「・・・ならばきみたちに頼みがある。ラダトームの町と城へ行き確かめて

 ほしいのだ。あの国の真実を。きみたちの報告しだいだ、わしらの出方は。

 もし頼まれてくれるなら素晴らしい宝を差し上げたいと思うのだが。

 おっと、どんな宝かはきみたちが心の広い人間であることを実際に示して

 くれてからわかることになるだろう」

 

素晴らしい宝、と聞きアレンたちの目の色が変わった。貴重な世界地図を

あっさりと渡した竜王の父が勿体ぶるほどの宝だ。いただかない手はない。

 

 

「・・・おれたちはあんたの言う通り、確かめてくるだけだ。結果に関わらず

 その宝はもらえるんだろうな?戦いが起きてもあんたたちの仲間にはなれないぜ」

 

「わしらの敵になろうが味方になろうが傍観者となろうがそれは構わんよ」

 

「決まりね。心変わりのないうちに念書でも書いてもらおうかしら・・・」

 

シービスケットは嫌な顔一つせずに紙を一枚、それにインクとペンを持ってきた。

その懐の深さは息子にもしっかりと受け継がれているのをアレンたちはすでに

見ている。そしてすらすらと証拠となる書を書き始めたが、それは芸術とも

呼べるほどのきれいな文字で、これほどまでの達人を彼らは知らなかった。

 

「城の教師たちですらここまでの字は書けやしなかったぜ。見事だな」

 

「・・・その昔、この手の感覚がなくなるまで強制的に練習させられたのでな。

 このわしが人間の言葉を上手になればなるほどラダトームの者たちの

 征服欲は満たされていったようでな」

 

その悲しい理由を聞くと、アレンたちも複雑な気分になってしまった。

 

 

 

先代竜王の部屋を出た三人はグレムリンに見送られて竜王城を去った。ラダトームに

向かうために船に乗ると、しびれくらげのヘリオスとルビーがこれまでと変わらず

船を守っていた。

 

「・・・きみたちの目的はもう済んだのでは?いや、でもありがたいな。

 しかし結局ラダトームに行くことになっちゃったね」

 

「まあこうなったら仕方ないわ。婚約の件もうやむやにしないではっきりと

 決着をつけておいたほうがスッキリするもの。この二匹が船を警備して

 くれるっていうのなら安心して留守に出来るし」

 

「・・・・・・そうだな。じゃあ行くぜ、ラダトームへ!」

 

 

竜王城からラダトームまでは短い旅だった。二匹のしびれくらげを残して

アレンたちは再びアレフガルドの大陸を歩き、やがて町が見えた。

 

「あれがラダトームか!いろいろ二転三転したが最終的に来ることになったのも

 運命だな!ルビス様が導かれたのかもしれねえな、勇者ロトの末裔として

 ラダトームを避けちゃいけないってな!」

 

期待を胸にロト伝説の眠る町へと急ぎ足で進み、町の姿が大きくなってきた。

だが、アレンたちが目にしたのはかつての栄華の面影もない町だった。

 

 

「・・・何だか汚いわね。誰も片付けとか掃除とかしないのかしら?」

 

「雰囲気もよくないように感じる。どうしようもないってほどじゃないけれど・・・」

 

彼らがこれまでに訪れたどの町や村よりも居心地が悪く、荒んでいるように思えた。

 

「二人とも、これはおれたちの身分がばれないようにしなくちゃいけないぜ。それを

 明かすのは城まで待ってからだ。ただの旅人でいなきゃ危険だ」

 

ラダトームをはじめとしたアレフガルドの衰退は勇者ブライアンがローラ姫と共に

新たな地へと去ってしまったのが原因だとされている。その子孫である彼らは

歓迎されるどころか迫害されて命を狙われるかもしれない。勇者ロトの紋章が

デザインされたどんなものも隠し、手のアザまでも袖で覆った。

 

 

「いらっしゃい!じっくりと見ていってください!」

 

「店は普通でよかったぜ。おっ・・・こいつは大きな金槌だな。豪快に

 魔物どもを吹っ飛ばせそうだ。気に入った、買うよ。お前たちは?」

 

「そうね・・・みかわしの服を新しく買っておくわ。ルプガナのものとは柄が

 違うみたいだしちょっとしたおしゃれってことで・・・」

 

幸い武器と防具の店や道具屋は真面目な商売をしているので問題なく買い物が

できた。ここでアレンは店の主人に今日の宿について聞いてみることにした。

 

「ところで実はおれたち、まだ泊まる宿が決まってないんだよ。どこかおすすめの

 宿屋はないか?値段はどうでもいいんだ。料理がうまいとか、もしくは昔

 勇者ロトが泊まった伝統の宿とかあればいいな~って・・・」

 

すると店の主人はアレンにこっそりと話すように小声になった。アーサーはともかく

少なくともセリアには絶対に聞こえないような声の大きさで。

 

「・・・ふふふ、お客さんもうまい尋ね方をなされる。あのお連れのお嬢さんを

 ごまかすにはじゅうぶんですよ。いい宿・・・でしょう?そうですね、

 私ならあの角の店がいいのですが・・・お客さんならあまり歳が上だと

 母親みたいでいやになっちまうかもしれませんね。だったら・・・」

 

「・・・?意味がわかんねえぞ。別に宿屋の女将がいくつかだなんてどうでも

 いいじゃねえか。まあ確かに若くてきれいな娘ならいいけどさ・・・」

 

アレンは店主の言っていることがわからず首をかしげた。しかしそれに対し

ますますにやけ面になった主人がアレンの肩を馴れ馴れしく叩いた。

 

「遠慮してしらばっくれなくなっていいじゃありませんか!いい宿を紹介しろって

 いうのはこの町じゃそれ以外には何もありゃしませんって!ま、お連れの方だけ

 安全で清潔な宿にお泊めしておきたいなら向こうのほうですかね。そっちは

 普通の宿ですから。でもお客さんが行きたいのは・・・ふふふ、ま、いい夜を」

 

最後まで店主の真意がわからないままアレンは二人を連れて言われた宿へと

向かうことにした。それまでの道のりでようやく言葉の意味を知ることになる。

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