ドラゴンクエストⅡ 大空と大地の中で   作:O江原K

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起承転結Ⅵの巻 (ラダトーム③)

セリアは自身の婚約相手であるダイヤモンド王子の部屋に招かれていた。部屋というには

あまりにも広く、小さな池や庭までもがあった。芝生も上質なだけでなく日頃の手入れが

しっかりとされているため、美しい芝で有名だったムーンブルク出身のセリアも

お世辞抜きでこれは見事と感服するものだった。

 

「セリア王女、そういえばあなたは『グリーングラスの乙女』と呼ばれ、

 青々とした緑の芝生の上で誰もを魅了する踊りを披露していたのだとか。

 この芝はあくまで小さな観賞用、とてもその上で踊ることなどできませんが

 どうかひとつ、固い床ではありますが私にも見せていただけませんか?」

 

「あら、ラダトームにまで伝わっているとは光栄ですわ。でも残念ですが

 長旅のせいで足が万全ではありませんの。また次の機会に、靴も衣装も

 それにふさわしいものを用意して披露させていただければと思いますわ」

 

「それは楽しみです!毎月開かれる宴では中庭でぜひあなたと手を取りあって

 共に踊りたいものですね。これは今後の楽しみが増えました」

 

 

このダイヤモンド、容姿も性格も礼儀作法も全てにおいて文句なしだ。

しかも王や二人の兄と異なりムーンブルクの復興支援に積極的なのだ。

 

 

(最初はラダトームに来るのは憂鬱だったけれど、これはラッキーかも、わたし。

 まさかこんな素晴らしい婚約相手だなんてね。となると、あとは・・・)

 

考えられる限り最高の未来の伴侶だ。そのなかでセリアが懸念している

ただ一つのこと、それは・・・。

 

 

「ダイヤモンド王子、ではその約束も婚約の話を進めるのも・・・わたしが

 邪教壊滅の旅を終えて無事に戻ってきたら、で・・・・・・」

 

セリアの言葉を聞くと、ダイヤモンドは両手を頭にあてて己の耳を疑うように、

 

「なんと!セリア王女、それはよろしくありません!あなたの婚約者、いや

 良識ある一人の男としてそのようなことはさせられません。過酷な魔物との

 戦いの毎日、未開の荒野を危険を顧みずに進む旅などどうして許せるでしょうか。

 そのようなものはあの二人に任せ、あなたはここで平安の日々を過ごすべきです」

 

「・・・いいえ、わたしはロトの末裔の一人、力を与えられた者として、そして

 父たちの無念を晴らすために、自らこの役目を全うしたいのです」

 

「ですからそれは彼らに託せばよいでしょう。いまあなたの目の前にある美しい

 光景を見なさい。世界でも最高級の食材が王家によって選ばれた料理人により

 三食、身を飾る宝石も有り余るほどあります。あなたはラダトームの栄華を楽しみ、

 もう苦しみを味わう必要などないではありませんか。賢明におなりなさい」

 

ダイヤモンドはさっそく高価な香水を持ってきて、それをセリアに優しくふりかけた。

 

「どうです、このようなもの、あなたたちの旅では決して得られないでしょう。

 彼らからは一度も貰えなかったのではありませんか?わたしならあなたの

 望むもの全てを差し上げる力と意志があります。さあ、今日まで仲間であった

 二人に別れを告げてきなさい。これからは私と共に永遠に歩んでまいりましょう」

 

 

確かにラダトームでこの先の生涯を過ごすとなれば、苦しみとは無縁の毎日を

楽しめるだろう。何一つ不自由も不満もない、誰もが憧れる生活だ。

しかしセリアはこのとき、『生暖かい風』が吹くのを感じた。ちょうどいい温度に

心地よさを感じながらも、気がついたら魂をだめにする風が。

 

(・・・その点あの男は・・・ときどきうざったく感じてしまう熱い風ね。

 でもわたしはムーンブルクにいたときから漠然と・・・そんな風を

 求めていたはずだった!退屈で先の決まっている人生からの解放を!

 ふん、あの男だったらこの香水を受け取ったら激怒するでしょうね。

 どうしてこれを売って貧しい町の人々をどうにかしなかったのかってね)

 

「ふふ・・・わたしがどうにかしていたわ。愚かな考えに流されかけていた」

 

「おわかりいただけましたか!私の思いを受け取っていただけましたね!」

 

セリアは首を左右に振ると小さく笑い、香水の容器をダイヤモンドの手に返し、

 

 

「王子、あなたとはいっしょにはなれないわ。わたしにはやらなくてはならない

 ことがある。さようなら、ダイヤモンド王子、婚約はやはり破棄いたします。

 全てが終わればラダトームにまた訪れることもあるでしょう。そのとき改めて

 いろいろな話をしましょう。邪教が消え去った世界で・・・」

 

 

セリアはダイヤモンドに背を向けて部屋から出ていこうとした。しかし彼女の

目の前に立ちはだかったのはダイヤモンドだ。行く手を阻んだ。

セリアはすぐに察知した。彼から発せられる雰囲気がこれまでのものではなく、

危険な匂いがする。拒絶されたショックでこうなったのではなさそうだ。

これがダイヤモンドという人間の本性なのだとセリアは感じ取った。

 

「・・・王子、これは・・・?」

 

「セリア王女。あなたをこのまま帰すわけにはいきませんね。ラダトームを

 去ったならば、あなたはきっと戻っては来ないでしょう。あなたはもう

 ラダトームを、あなたの偉大なる先祖たちの地から離れてはならないのです」

 

その目つきに僅かな寒気をも感じていると、ダイヤモンドは何も言わずに、

しかしセリアの進路は塞いだまま服を脱ぎ始め、上半身は裸になっていた。

それが意味するものはセリアもわかっていた。大変な事態になってしまった。

 

 

「セリア様、ここでわたしの子を宿してもらいましょう!」

 

セリアは突然の危機に動揺しながらもそれを悟られないように呆れた素振りを見せ、

 

「ふふ・・・それがあなたの真実ってわけね。しかし腑に落ちないわね。

 あなたの美しい容姿と権力だったらこんな真似をしなくてもいくらでも

 妻も側女も、あなたの欲望を満たすための都合のいい女性だって手に入る。

 それがどうして今日まで顔も知らなかったわたしにここまで?」

 

ダイヤモンドを睨みつけるが、逆に彼はにやけた笑いを浮かべ、彼女との

距離を近づけていった。セリアは下がらざるをえなくなり、扉から遠ざかってしまう。

そして彼女が壁にまで追い詰められたところで、ダイヤモンドは立ち止まる。

もうこれ以上はいつでもできる、といわんばかりに勝ち誇った様子で言った。

 

 

「そんなものは決まっている!あなたが絶世の美女であるという以上に、あなたに

 勇者ロトの血が流れているからだ!このラダトームが更に力を増し加え、

 この世で最も栄光を受けるためにはロトの血を取り入れることが不可欠なのだ!」

 

「なんですって?」

 

「竜王を倒したブライアンがこの地から旅立った時、精霊ルビスの加護もまた

 離れていった。我が先祖たちの失敗は彼らをどんな手を使ってでも

 ラダトームに留まらせるべきだったところを、そうしなかったことにある!

 それから百年、この私の時代に最高の機会がやってきた!」

 

 

力ずくでセリアを、勇者ロトの血筋をラダトームのものとする気だ。話し合いや

説得などもはや無駄だ。セリアはこの窮地から逃れるべく素早く詠唱を始め、

 

「・・・ラリホー!まったく、とんだ災難だったわ。でもこれで・・・」

 

強力な魔物たちをも一瞬で眠りに誘う。ただの人間相手ならば問題なく効くだろう。

セリアはいっそのことダイヤモンドが二度と目覚めないようにバギを唱えることも

頭をよぎったが、自重してラリホーにしたのだ。

 

「・・・・・・・・・」

 

ところが、ダイヤモンドには何の変化もない。余裕たっぷりに首の骨を鳴らしている。

 

「・・・効果がない!?わたしとしたことがこんなときに失敗・・・」

 

「いいえ、そもそも発動すらしていませんよ。あなたが魔法に長けているのは

 調査済みです。ならばあらかじめ密かにマホトーンの呪文をかけておくのは

 当然でしょう。これでもうあなたは私に何もできない。いかに旅の経験で

 普通の女性より腕力があるとしてもラダトームの兵の誰よりも強い私相手では

 全く意味のないことです。何もできないのですよ、セリア様!」

 

ダイヤモンドは獲物を射程に捉えた獣のようにセリアを睨み、飛びかかった。

もちろんこのまま押し倒されることをよしとしないセリアはそれをかわし、

勢い余ったダイヤモンドは顔から壁に激突する。しかしすぐに起き上がると、

自らの額から流れる赤い血をぺろりと舐め、ヘラヘラと笑いながら、

 

「抵抗しても無駄だぞっ!!もっと痛い目を見ることになるんだ、観念しろ!」

 

腕を伸ばし、強引に彼女を捕まえようとする。笑いも憤りも両方浮かべた、

気味の悪い文字通りの野獣のようだった。恐怖に足が動かなくなってしまう

女性もいるだろうが、セリアは違った。

 

「ふふふ、わたしはどこまでも抗うわ。そもそも先の見えない打倒ハーゴンのために

 旅立ったのも、諦めの悪さと戦う気持ちがあったからこそ!こんなところで

 あなたなんかに好き勝手されるほどヤワじゃなくてよ、わたしは」

 

「ふざけやがって―――っ!!もらったっ!その服ビリビリに引き裂いてやるッ!!」

 

 

ついにこれまで、と思われたが、セリアはダイヤモンドの魔の手から寸前で

身をかわす。その後もひらりひらりと逃れ続けた。

 

(・・・このみかわしの服が役に立ったわ!でもいつまでもは・・・)

 

みかわしの服により回避力が高まっていたが、ずっと狙われ続けているのは

心身共に疲れてしまう。捕まってしまえば腕力の差で押し切られる。

 

「・・・はぁ、はぁ・・・しつこいわね・・・」

 

「ハハハ、こう見えて体力には自信があるのでね。この後お前と楽しむぶんの

 スタミナも残してあるからご安心を!さあ、大人しくしな!」

 

 

 

セリアの限界が近づいていたそのときだった。施錠されていたはずの扉が突然

大きな音と共に破壊された。強引に蹴破られたようだ。決死の追いかけっこを

していたセリアも思わずそちらに意識が向かってしまったが、それは

ダイヤモンドも同じだった。予期せぬ乱入者を無視するなど不可能だ。

 

「誰だっ!!兵士どもは何をしている!?くそ、お前はいったい・・・・・・」

 

ダイヤモンドが剣を構え、自ら斬り捨てるべく顔も確認せずに向かっていった。

もう目と鼻の先だったお楽しみを邪魔されたことで怒りに満たされていた。

だが、彼が剣を振ろうとしても部屋にやってきたその男は武器を構えない。

 

 

「・・・お前ごとき金槌も剣も・・・いや、棍棒すら必要ねえ!くらえ!」

 

「ぶげぇっ!!ごぼぼ・・・」

 

ダイヤモンドの顔面に強力な右の拳が炸裂した。砕けた鼻から鮮血がぴゅっと

飛び出ると、仰向けに倒れた。どうやら一撃で気を失ったようだ。セリアにとっての

救世主、彼女はこの部屋の扉が壊されたそのとき、まだ大まかな姿も一切

わからないときからもう、それは彼だという気がしていたのだ。

 

 

「・・・・・・アレン!あなた・・・・・・!」

 

「セリア!この部屋から逃げるぜ!お互い詳しい話は後だ!」

 

ダイヤモンドもまたアレン同様、国で一番の剣の腕前を誇り、大賞を制した

実力者だった。しかし『トウショウ・ボーイ』の前にはダイヤモンドなど

敵ですらなかった。格の差は歴然だった。ダイヤモンドが起き上がる前に

セリアの手を取ってアレンは駆けていく。

 

「・・・アレン・・・よく来てくれたわ。わたしにしては失敗だったわ。

 危うくあの男の餌食に・・・!あなたは最初から気がついていたのね、

 常に女性を狙っている者同士、何か引っかかったのかしら?」

 

「・・・・・・ン、まあ・・・そんなところだな」

 

「あら・・・・・・?否定しないのね。意外だわ」

 

 

普段であれば、せっかく助けに来たのにその言い方は何だ、と怒鳴るところだが、

今のアレンはセリアが拍子抜けするほど大人しく、彼らしくなかった。

 

 

(・・・そういうことならそれで構わねえ。言えるわけねえよ、おれはただ

 お前たちの縁談をぶち壊すためにやってきた、だなんてことは)

 

ダイヤモンドが善人だろうが悪人だろうがアレンのやろうとしていることは

同じだった。無理やりセリアをここから連れ出そうという一心だった。

 

(情けねえ・・・!おれは自分で口にしたじゃねえか!こいつを

 旅の仲間に加えることに決めた夜に・・・)

 

あくまでセリアの幸せが第一だとアレンはアーサーの前で宣言していた。だから

旅の途中でやはりやめると言ったり、どこかの町で愛する人を見つけ、

復讐の旅を終えて平穏を手に入れたいと願うならそれを受け入れると。

アレンのこの行動はそれに真っ向から反していた。

 

 

(もうおれは・・・・・・自分の気持ちに嘘はつけなくなってきちまっているのかもな)

 

 

「うっ・・・・・・!!」

 

アレンと並んで走っていたセリアが突然苦しみ始めた。呼吸が乱れている。

顔も赤く、一気にスピードが落ちてしまった。

 

「どうした!」

 

「・・・ふん、あの香水ね・・・。変なものが仕込まれていたみたいね。

 ここまで持ったのが救いだったわ。もう少し早く効果が出ていたら・・・」

 

「くそ・・・!何てクズ野郎だ!」

 

ダイヤモンドの策略から辛うじて逃れたといったところだが、二人を襲う

危機には変わりない。ダイヤモンドが早々に目覚めたのか、早くも兵士たちが

大勢迫ってきている。アレンは一瞬だけ考えたが、躊躇う時間も惜しい。

 

よし、と掛け声を出すとセリアを抱きかかえ、出口を目指して走り出した。

いきなりの出来事にセリアは何も言えないまま自らを抱えるアレンを見る。

アレンは彼女の視線から目を逸らし、ただ真っすぐを見つめながら、

 

「セリア、ここはラダトーム!なら、その伝説にちなんだやり方だ!

 ブライアン様は沼地のドラゴンを倒してローラ様を救い出した後、

 こうやってアレフガルドの広野を歩いていたっていうだろう!?

 せっかく偉大なる先祖の故郷に来たんだ!記念に真似させてもらうぜ!」

 

「・・・・・・・・・」

 

 

セリアの返答はない。これは失敗した、とアレンは落胆した。しかしここで

彼女を降ろしていたら追っ手に捕まってしまう。やめるわけにもいかず、

 

「・・・すまなかったな。あのダイヤモンドやアーサーみたいな男が

 こうすればきっと絵になっていたんだろうが・・・もう少しの辛抱だ、

 ここを出るまで我慢してくれや」

 

やはり自分にこういう真似は似合わないと思い知らされ、もう二度とするもんかと

心底後悔していた。セリアもきっと呆れてしまっているだろう。そう思っていた。

 

 

「・・・・・・いえ、わたしは・・・あなたがいいわ。あなただからいいのよ」

 

「ん・・・?あ、ああ・・・そうだな・・・。しっかりつかまってろよ!」

 

 

普段であれば、屈辱的だけど今だけは堪えてあげる、とでも言われていたことだろう。

今のセリアはアレンが自分の耳を疑うような言葉をぽつりと小さな声で、しかし

確かに言ったのだ。まるでさっきのアレンにやり返したかのような形になった。

 

(・・・あの香水のせいよ。そうじゃなきゃこんな言葉は絶対に言わないわ!

 でも・・・ローラ様もきっとこの景色、この心地よさをこんな気持ちで・・・)

 

 

いつまでも百年前の物語のヒーローとヒロインではいられない。無粋な兵士たちが

やがてアレンたちを取り囲み、二人は進路がなくなった。しかし高揚していた

二人にとって、いかに数が多くともそれらは障害とはならなかった。

 

「もうマホトーンの束縛は終わった!なら・・・バギ――――ッ!!」

 

セリアは背後の壁に向かってバギを放った。すると、その部分だけは守りよりも

外見を重視していたのか、あっさりと崩壊した。何万ゴールドという損害だろう。

 

「よし、よくやったぜ・・・・・・いや、だめだ!この先は・・・!」

 

崩れた壁の先は空中だった。ここから逃げることは叶わないようだ。兵士たちは

ふんだんに高級な素材を用いた一角が無残な姿になったことに戸惑いながらも

指令を遂行すべく迫ってきている。セリアは空いた手でアレンの腕を握る。

 

 

「アレン!もしここであいつらに捕らえられたら今度こそわたしはあの下衆の

 奴隷女になってしまうわ!あなたたちとの旅が終わってしまうのよ!」

 

 

「・・・そんなこと・・・・・・このおれが許すか――――――っ!!」

 

 

その瞬間、アレンとセリアのそれぞれの手のアザが光った。ロトの紋章が先祖代々

ゆかりの地で輝いた。それと同時に、二人は足場なき先へと飛び降りていた。

 

「馬鹿な!この高さから・・・いくらロトの末裔だとしても・・・!」

 

自分たちが追い詰めたせいで二人は転落してしまったのか。しばらくしてから

おそるおそる下を見てみたが、肉片や血が散らばってはいない。さすがにまだ

地面に到達していないということはない。消えてしまったというのか。

 

「い・・・いない!まさかルビス様が彼らを保護したとでも・・・!?」

 

「いや!違う!上だ、上を見ろ―――――っ!!」

 

 

なんと二人は風に乗って飛び降りた地点よりも高くを飛んでいた。すでに太陽が沈み

始めていたが、夕陽にその二人の姿が重なる光景はまるで神話のように映った。

 

「また役に立つとはな、風のマント!こいつがあったのを忘れてたぜ!」

 

「短い時間ならこうして飛べるわ。魔物相手じゃなくて人間から逃げるために

 使わなくちゃいけなくなったのは予想外だったけどね」

 

「さすがに重傷を負わせたりしたら問題だからな、戦うわけにはいかねえよ。

 後のことは後で考えるとして・・・おれたちの飛ぶ先は!」

 

二人は高きところから遠くを眺めていたアーサーを見つけた。

 

 

「あそこで緊張感なく景色を楽しんでやがるのんびり屋のところだ!」

 

「わたしたちの苦労も知らないで・・・!呑気なものよね!」

 

 

そのアーサーはというと、城内が騒がしいのに気がつき、アレンが行動を

起こしたのか、と彼を探していたが、まさか風のマントを装備し飛行しながら

やってくるとは考えもしなかった。

 

「・・・アレン!?セリアを連れてぼくを見つけ出すまでは予想通りだった!

 けれどもまさかそんなところから現れるなんて・・・何をどうしたら

 こうなるんだ?」

 

「詳しい説明をしているヒマはない!アーサー、ルーラを唱えてくれ!」

 

「もうここにはいられないってわけだね・・・。いまやったらどこに飛ぶのか

 わからないけれど選択肢は他にないか!・・・・・・ルーラ!」

 

 

三人は一瞬にして姿を消した。期待と不安が入り混じったラダトーム訪問は

想像以上の結末を迎え、何とか逃亡に成功しこの場を離れることとなった。

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