ドラゴンクエストⅡ 大空と大地の中で   作:O江原K

56 / 79
氷のトリプティクの巻 (ブリザード)

 

ロンダルキアに足を踏み入れて早々、悪霊の神々ではなくハーゴンのしもべだと名乗る

二人組のモンスター人間の女が現れ、そのうちの一人、フレイムのホーリックスとの

戦いが始まったが、その終わりは誰も予想しないものとなった。

 

「いでっ・・・!いてぇって!もうやめてくれ!確かに一瞬おれはあの女の

 身体に目と心を奪われていたのは認めるよ!でも最後には・・・」

 

「だから!そこじゃないって何度言えばわかるのよ!わたしの身体がどうとか・・・

 人の前で大声で言うようなことじゃないでしょう!」

 

「い、いいじゃねぇか・・・素晴らしく美しい身体だと褒めてたんだから・・・」

 

「ほんとうに何もわかってないのね!最低の男だわ、あなたは!」

 

戦いの途中でアレンがセリアの身体について大きな声で語りだしたことで彼女の

恥ずかしさや怒りが爆発し、あろうことかアレンにルカナンを放ち、敵の武器である

鞭を拾い上げて彼への連続攻撃を続けていた。アーサーはもちろんのこと、

ハーゴンの使いの二人もどうしたらいいかわからずにいたが、ここでホーリックスが、

 

「・・・ああ・・・なるほど!そういう意味かよ。勘違いしていたぜ、俺は。

 そうかそうか、要するに戦いの途中で俺と身体が密着したせいでそいつは

 発情しかけて、それにそっちの女が嫉妬しちゃったってわけか!」

 

「してない!この男を教育しているだけよ!」

 

「だがいいのか~?精霊ルビスの教えってのは確か・・・ちゃんと結婚しなきゃ

 そういうのはダメなんだろ?なのに乳房がどうとか言ってやがったなぁ」

 

「してねぇよ!おれはただ世界樹の島で水浴びの途中のこいつの裸を見たって

 だけの話だ!だがそのときおれが感じたのは欲情や興奮ではなく感動で・・・

 ・・・ぐわっ!!やめろ!ほんとうに死んじまうよ!」

 

アレンとセリアを煽り、もはや戦いはこれでおしまいということになりそうだ。

 

「やれやれ・・・しかし俺の身体も・・・戦うときは邪魔なんだけどな、

 こんなでかい胸はいらなかったぜ。ハーゴン様もここまで人のときの

 俺を再現してくれなくてもよかったのに・・・お前がうらやましいぜ」

 

ホーリックスは仲間であるもう一人の女の肩を叩いた。その女のほうは

慎ましい服装をしていたが、その体型もまた慎ましく、赤と青という

髪の色同様、ホーリックスとは何から何まで正反対だった。

 

「ホント・・・お前みたいなつるっぺただったらどんなによかったことか。

 なぁ、お前も・・・・・・ぶげぇ――――っ!!」

 

ホーリックスの無神経な言葉に、無表情のままその女は手にしていた杖で

顔面を突いた。当たり所が悪かったのか、一発で倒れて動かなくなった。

アレンとホーリックスの戦いは、互いに余計な口を開いたことにより

仲間からの怒りを買い戦闘不能となる痛み分けという結果に終わった。

 

 

これでいま戦えるのはアーサーとこの青髪の女だけだ。自然と二人が向き合う。

 

「いろいろあったけれど・・・きみもぼくたちをここから先へは通さないつもりか。

 きみもなかなか強そうなモンスター人間だな」

 

「・・・・・・私は・・・・・・」

 

彼女が初めて言葉を発した。眼鏡に手をあてながらアーサーと話そうとする。

だが、それを邪魔したのは早々に復活したホーリックスだった。静かな彼女とは

異なり、相変わらずの騒がしい声でアーサーに向かって叫ぶ。

 

「ワッハッハ!強いのは当たり前だろうが!こいつはおれの相棒なんだからよ!

 こいつの人間だったころからの名前は『トリプティク』!俺と同じく死んだ後に

 魔物となったわけだが、ハーゴン様によって転生させてもらったというわけだ!」

 

「なるほど・・・魔物だったときはどんな姿だったんだ?その特技は?」

 

「こいつは『ブリザード』という魔物だった!どこまでも凍てつく魂の魔物!

 この俺フレイムと似てはいるが真逆の存在だ!ワハハ、こいつは俺と最高に

 相性がいい。こいつの得意な呪文はザラキとルカナン!たとえ大群に囲まれても

 ザラキの呪文が一瞬にして大量の命を奪う。ザラキが効かなかった敵には

 ルカナンを唱えて俺の攻撃の援護をしてくれるってわけだ!完璧なコンビだろう!

 そのぶん力はからっきしだから敵をぶっ叩くのは俺にしかできねぇがな!」

 

アーサーの思惑通り、ホーリックスは何でも喋り、ブリザードのトリプティクが

どのような戦法を使うのかが早くもわかった。ザラキの呪文が要注意で、

直接的な攻撃は苦手であれば、一対一で戦う以上ルカナンは無意味だ。

 

「・・・・・・うるさい、静かにして」

 

「おおっと、そいつは悪かったな!だがこれから黙るのはあいつらのほうだ!

 アーサー、お前にも教えてやろう!こいつはブリザード、モンスター人間と

 なったいまでもその心まで凍てついてやがる。だから感情なんかないんだ。

 それがどういうことかわかるか?つまり罪悪感や同情心など一切なく

 お前たちの息の根をザラキの呪文で止めてやれるってことなんだよ!」

 

「・・・・・・」

 

確かに彼女の表情は最初から全く変わらないままだ。何を思い何を考えているか

一切読み取れない。先ほど怒りのうちにホーリックスを杖で叩いたかに見えたが、

あれも心からの激情ではないのだろう。よって、もし彼女と戦うとなれば

油断も隙も一切ない、かなり難しい展開になるだろうと予測できた。

 

だが、トリプティクはアーサーから視線を逸らし、何もない、誰もいないはずの

空間をじっと見つめていた。そしてアーサーも彼女と同じ瞬間にそちらに

意識が向かった。偶然ではなく、互いに何かを察知したようだ。

 

「おいおいなんだぁ~?二人とも!その方向にはだれもいないぜ!」

 

わけがわからぬままホーリックスが二人に注意を促したが、アーサーと

トリプティクはすでに文字通り『必殺』の呪文の準備を始めていた。

視界が広く、そして冷静な二人の息は早くも合っているようだ。

 

「・・・やはりいた。あなたにもわかる?」

 

「ああ。全部で十匹くらいか。きみたちとぼくらの両方を目の敵にしているのは・・・」

 

「そう。だから遠慮はいらない」

 

 

二人は小声で打ち合わせたのち、やはり小さくその呪文、ザラキを唱えた。

 

「ザラキ」 「・・・ザラキ」

 

すると、アレンたちとハーゴンのしもべの合わせて五人を取り囲むようにして

雪の中に隠れ、絶好の機会をうかがっていた悪霊の神々の直々の配下である

ロンダルキアの魔物たちが雪をかきわけて飛び出すと、例外なくその場で

悶え苦しみ始めた。いずれも強健な魔物たちだった。

 

「が・・・がああ!い、息ができない~~~~っ・・・がっ」

 

「完璧な待ち伏せだった・・・はずが・・・・・・ごは・・・」

 

体内を流れる血液が固まり、呼吸をすることもできなくなり彼らは息絶えた。

その死に顔はまさにこの世での最大の苦しみを味わいぬいて死んでいったもので

あり、ザラキの呪文を一切躊躇わずに使うには、とことん残酷であるかもしくは

人の心など捨てた冷たく凍える心を持っていなければ不可能と言えるだろう。

 

ブリザードのトリプティクはまさにそのブリザードという名にふさわしい

使い手だった。残虐なのではなく、ただ淡々と目の前の命を終わらせていった。

もし敵であったなら非常に危険な存在であっただろうが、いまアーサーと

協力して魔物たちを排除したのだ。となると自然と答えは出た。

 

「・・・こっちへ。このあたりには純粋なブリザードたちがたくさんいる。

 ザラキによって命を終わらせたくないのならついてくるといい」

 

「・・・・・・あ、ああっ。そら、お前ら、俺たちの後に続け―――っ!」

 

ホーリックスが慌てて彼女の後に続く。相棒でありながら意思の疎通は完璧とは

いかず、首をかしげながら追いついていた。それにアーサーが続いた。

 

 

「・・・ど、どうなってやがるんだ?この一連の流れ・・・」

 

「さ、さあ・・・・・・戦いは・・・終わったようね」

 

ついさっきまでずっとセリアとアレンの小競り合いは続いていた。もっとも、アレンが

セリアに手を出せるはずはないので彼女の一方的な攻撃を凌ぎ続けるだけだった。

とうとう馬乗りの形になってアレンを追い詰めたセリアと、自らにまたがる彼女に

ここでまた変な言葉を言ったらたとえ褒め言葉だろうと怒られるだろうなと

頭を抱えていたアレン。その二人の眼前で巨人族の魔物『サイクロプス』が

突然積もった雪面から飛び出してきたかと思うと、一つしかない目玉が飛び出そうなほど

苦しんだ末に泡を吹いて死んだ。その衝撃的な光景にどうしてこれまで争っていたのかも

忘れるほどびっくりさせられた。ここまで敵が接近していたとは。

 

「・・・しかもあいつら、まるでアーサーを招いた客のように扱って連れていくぜ」

 

 

「おーい、何やってんだお二人さんよ!そんなところで子作りしてんのか―――!?

 盛るのは勝手だけどよォ、置いてっちまうぜ!俺たちはもう知らないぞ、

 サイクロプスや『シルバーデビル』みたいな獰猛なやつらはお構いなしだぜ!」

 

「してるわけねーだろうが!言われなくてもついていく!」

 

「まったく・・・ほんとうに頭のなかを割って見てみたいところだわ、

 あのホーリックスはどこをどう見ればわたしたちが・・・・・・」

 

アレンとセリアは黙ってしまった。どう見ても恋人同士が他人の目を気にせずに

ふざけあっているようにしか映らないと自分たちであってもわかるほどだった。

しかもそれに夢中になっているあまり殺意を抱いた魔物の気配すら気がつかない。

 

 

「・・・・・・浮かれすぎたな。ここは至る所から敵に監視されているんだった」

 

「そうね・・・あれほど全ての戦いが終わるまでは気を引き締めないといけないと

 誓い合っていたのに・・・反省ね」

 

アーサーとセリアはハーゴンの使い二人とは距離を置いてその後についていった。

やはりこのような者たちを完全に信用できるはずがなかった。だからいとも簡単に

心を許し、二人と並んで歩いているアーサーの神経を理解できなかった。

彼は誰よりも慎重な男であるのに、あまりにも無防備で軽率に見えた。

 

「・・・いつ騙し討ちがあるかわからないのに・・・でもわたしたちがやることは一つ」

 

「もしあの連中が妙な動きをしたら即座に攻撃を叩き込む。アーサーに何か危害を

 加えようとしなくても、少しでも怪しければすぐに、だ」

 

 

一方、アーサーは自分が危険な状況であるとは全く考えていない。この二人が

ハーゴンのしもべであるというのなら、少なくとも自分には手を出さないだろう。

むしろアレンとセリアに何をするかが不確定であるため、あえて自分が隣に

いることでフレイムとブリザードという危険な魔物の力を持つモンスター人間二人を

抑え込もうとしていた。アーサーはアーサーでしっかりと考えての行動だった。

 

「・・・なるほど・・・」

 

「む・・・?いきなりどうしたんだ、トリプティク」

 

「彼をハーゴン様が気に入られた理由がわかった。彼は信用できる」

 

ほんの数分会話しただけでトリプティクはアーサーを認めたようだ。眼鏡をかけて

無表情でいることから心を読み取るのが難しい彼女だが、それでも顔から緊張感が

薄れ、やや柔らかい感じになっていた。

 

 

「・・・ほー・・・こいつは珍しい。おいアーサー、こいつが言うなら相当だぞ?

 もしかしたらただの人間では初めてかもしれないからなぁ」

 

「素直にありがたく受け取っておくよ。しかし・・・となるとぼくが特別と

 いうよりはもしかすると彼女の基準が厳しすぎるだけでは?」

 

「ああ・・・厳格も厳格さ。何せこいつ・・・いや、こいつに限らないか。

 ブリザードという魔物はいずれもこの世に恨みを抱いて死んでも死にきれないと

 強い怨念や悲しみを抱いた人間が生まれ変わった姿なんだからな。ただ戦いが

 好きで無茶して死んでいった魂である俺たちフレイムなんかとは重さが違う」

 

またしてもホーリックスのほうが、言ってしまってよいかどうか確認もせずに

ブリザードの、そしてトリプティクの秘密を話している。そのトリプティクはと

いうと、眉間にややしわを寄せてはいたが、ホーリックスを咎めなかった。

口が重い自分の代わりに話したいのなら別に構わないと静観していた。

 

「こいつはなぁ、人間だったとき恋人に裏切られて殺されたんだ。その恋人の

 ためにいろんな国を飛び回って休みなく働いたというのに・・・その腹のなかに

 子どもまでいたっていうのに・・・口にしただけで俺の怒りの炎が燃え上がるぜ。

 実はよそに本命の女がいたために事故に見せかけて消されたんだ!」

 

「・・・・・・なんて話だ・・・。きみやアレンほど沸点は高くないと思っている

 ぼくでさえも怒りがこみ上げてきた。ブリザードとして蘇ったとしても何ら

 おかしくない。しかもいまだに心は凍てついたままだというのか。かわいそうだ」

 

「ああ。ハーゴン様によっていまの命をいただいた後も変わらずにな。これでも

 だいぶましになったほうだ。誰のこともほんとうの心の底からは信用できないはずさ。

 そのこいつが・・・おいトリプティク、アーサーのどこが気に入ったんだ?」

 

 

これまでずっと顔色を一切変えず、しかも黙っていたトリプティクは相棒の言葉に

振り返ると、瞬きをしていたら気がつかないほど一瞬だけ、それでも確かに笑顔を

見せた。そしてアーサーのほうを見ながら言った。

 

「・・・あなたといるとなぜか穏やかになる。この短い時間でそれを感じた」

 

トリプティクの素直な言葉に、突然ホーリックスはにやにやと笑い始め耳打ちした。

 

「おおおっ?まさかまさか・・・いいんじゃねぇか、でもあの男はハーゴン様が

 目をつけている。ハーゴン様から奪い取るつもりか~?」

 

「・・・・・・そんな感情で言ったのではない。ハーゴン様も同じであるはず」

 

すたすたと一人で先に行ってしまった。やれやれ、といった顔でホーリックスは

アーサーに向かって両手を広げた。その様子をアレンたちは後ろから見ていた。

会話の内容など当然聞こえなかったが、どのようなやり取りがあったかは

だいたい察することができた。二人とも昔からアーサーをよく知っているからだ。

 

「アーサー・・・こんなところでも相変わらず女に人気があるぜ。ちくしょうめ。

 子供だったときからずっとそうだ。剣術大会でも女の子たちから声援を

 受けていたのはいつもあいつだった。『流星の貴公子』様とか言われてな」

 

「あら・・・でもあなたもなかなかだったじゃない。当時のわたしはまだあなたたちに

 そこまで興味はなかったけど、あなただって悲観するほどじゃなかったわ」

 

「そうかぁ?相手が悪すぎるぜ。あいつさえ同い年でなけりゃおれがそのまま

 あの女の子たちをものにできたと思うと・・・ま、そのぶん戦いでは

 おれの全勝だがな。いつも負ける気はしなかったぜ」

 

アーサーとの過去を懐かしむアレンにセリアは呆れたような、もしくはあざ笑うような

どの道好感情とは言い難い視線を向けていた。その口調も冷ややかなもので、

 

「・・・じゃあ彼への嫉妬の思いで勝っていたというわけね。女性たちの人気を

 奪われたという逆恨みが『闘将ボーイ』の力の原動力だったと・・・」

 

「いやいや、そうじゃねぇよ。でも全く違うとも言えないのが・・・。人気はあいつ、

 でも実力はおれ、という気持ちで自分を鼓舞していたというのはあるがな」

 

 

ならいまアーサーと戦ったならばどうなるのだろうとアレンは考え始めた。いま

自分はすでにかつての女好きのアレンではない。セリアを誰よりも大切な存在と

しているので、ほかの女性たちからいくら声援を独り占めされようがほとんど

羨ましいとか腹が立つという怒りや妬みの炎は燃えない。どこか気に入らないやつだ、

そんな偏見も共に旅をすることで消し飛んだ。もしいま真剣勝負したならば・・・。

 

「いや・・・おれが勝つか。あいつには悪いが負ける要素なんてないからなぁ」

 

それでもやはり自分の勝利は揺らがないとアレンは疑わなかった。呪文などを

絡められるとどうなるかわからないが、純粋な剣の実力、また腕力はこの旅で

なおいっそうアーサーとの差を広げたと思っているからだ。

 

「ま・・・邪教の連中をぶっ潰して平和が戻った後も剣術大会は続くから

 どこかで適当に一回くらいわざと負けておいてやるのもいいだろ」

 

「アーサーは鋭いから気づくと思うわ。手を抜いていることくらいは。

 それにあなたたちの試合は賭けの対象にもなるのでしょう?変なことを

 したらあなたを恨み命を狙う輩が出てきても不思議ではないわ」

 

「・・・そうだなぁ。じゃあやっぱりおれの連勝記録は継続させるしかないな」

 

アレンがにやりと笑った。真面目に戦ったならば負けるはずがないという

確かな自信がそこにはあった。セリアもアレンの勝利を信じて疑わなかった。

 

「だが・・・それにしてもあいつはモテるな。とはいえ今回は何歳かもわからない

 人間ではない相手だ。美人ではあるがさすがに全く羨ましくはないぜ」

 

 

やがてアレンとセリアも前を行く三人に追いつき、強者が五人も固まって歩いて

いるとなるとロンダルキアの魔物たちもさすがに様子見といった感じで、戦いを

挑んでくることはなかった。しばらく歩いていると小さな建物が見えた。

 

「おおっ!あれは・・・一休みできそうか?」

 

ロンダルキアにあるものなど何も信用してはいけない。とはいえ一度休息を入れて

凍えた体を温めることが可能ならばぜひそうしたいところだ。するとここで、

五人で進むようになってから唯一ほとんど言葉を発していなかったブリザードの

トリプティクがその建物を指さし、小さな声でこう言った。

 

 

「あっ、あんなところに家がある。やったね、イエー・・・」

 

 

「・・・・・・は?」 「あぁ?」

 

何かの聞き間違いかと己の耳を疑うアレンたち。トリプティクは構わずに続ける。

 

「いえ、あれは家でなく教会だった。でも、いつ行くの?今日かい?」

 

それだけ言い終えると、満足したのかまた歩く速度を速め始めた。

 

 

「・・・なるほど。まさに『ブリザード』らしい攻撃だったわ」

 

「しかも一仕事終えたかのようでいやがる。どういうつもりだ・・・」

 

思わぬ瞬間に凍える吹雪をくらったアレンたちであったが、ハーゴンの使いたちが

その建物を目指して進んでいるところを見る限り、どうやら悪霊の神々たちの力に

満たされた危険な空間というわけではないらしい。まだロンダルキアにたどり着いて

半日も過ぎていないためこの寒さと邪悪な空気にまだ慣れていない彼らにとって

よい場所であることを信じて足を踏み入れることになった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。