無題   作:海猿

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 【おまけ】紅魔館料理対決!!

 

 某日、紅魔館に呼ばれた霊夢と魔理沙。

 呼ばれたままに紅魔館に足を踏み入れた二人だったが、その先には椅子に座っているレミリアと、いつもと違う服装の咲夜がいた。

 

「お待ちしておりました。霊夢様、魔理沙様」

 

 ぺこりと一礼する咲夜。そんな咲夜の服装は、いつものメイド服の上に、エプロンをつけていた。

 

「……今日は、雪辱戦だって聞いてきたんだけれど」

 

 そんなエプロン姿の咲夜に一抹の不安を感じていたが、その不安はすぐに現実となる。

 

「まぁ聞きなさい」

 

 レミリアはそう言って椅子から立ち上がり、話をはじめる。

 

「あなた達は我が従者『咲夜』を倒し、妹『フラン』を倒し、あろう事かこの私すら下した……これは完敗としか言いようがない……だけど!」

 

 レミリアは机を両手で叩き、霊夢たちに指を向ける。某逆転ゲームのように。

 

「私達にあるのは『力』だけじゃない! 精神、技術ともにあなた達とは比べ物にならないものを持っているということを思い知らせてあげるわ!!」

 

 長い講釈も終わり、完璧に決まったと思っていたレミリアだったが、

 

「……リーチッ!」

「通らず……ロンッ……!」

「うわっ!? 霊夢、お前、イカサマしてね?」

「そんなのしてないわよ、これが『運命』だったのよ」

 

 

「話を聞きなさいよお!!」

 

 二人はいつの間にか麻雀を興じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで? 一体何するんだぜ?」

 

 仕切り直して、もう一度。二人は紅魔館のキッチンに連れてかれた。

 

「ふふふっ、いいだろう。教えてやるよ! 今からする勝負は『料理勝負』さ!!」

 

「「り、料理勝負!?」」

 

 今度は誰にも邪魔されずに、勢いよく発表するレミリアと、謎の驚きを見せる霊夢、魔理沙。

 

「うちからは勿論『咲夜』を提示するが。あんたらが咲夜以上のものを作れるのかな!?」

 

 紅い笑い声が、紅魔館中に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 

 キッチンでの一コマ。

 冷蔵庫を漁りながら、霊夢と魔理沙は愚痴をこぼしていた。

 

「材料は全部置いてあるって言われたけど……」

「なんもないぜ……はぁ、仕方ない。ちょっと外行って盗ってくるぜ」

「……はぁ、私も行くわ」

 

 

(あの二人は、何を創るつもりなのでしょう? 一通りの食材はあるのですが……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 紅魔館、レミリアの部屋。

 両手にナイフとフォークを装備して完全装備で待機しているレミリアの前に、三つの皿が運ばれてくる。

 

 

「さっ、誰からくるのかしら? どんなものでも平らげてやるからきなさい!」

 

 そう発言したレミリアだったが、その後この発言を酷く後悔することになる。

 

 

「それじゃあ初手、私からいかせてもらうぜ!」

 

 高らかと宣言すると、魔理沙は皿に付けていたクロッシュを外す。

 そこには――――三つの異様な物体が。

 

「……なに、これ」

 

 黄色い物体を指差し、レミリアは問う。

 

「茸だ」

 

 魔理沙は無表情で答える。

 

「これは?」

 

 次にレミリアは紫色の物体を指差し問う。

 

「茸だ」

 

 魔理沙は半笑いで答える。

 

「じゃあこれ……」

 

 レミリアはグネグネと動く物体を指差し問う。

 

「たぶん茸だ」

「食えるかァ!!」

 

 流石に我慢の限界なのか、魔理沙は大口を開けて笑い、レミリアは声を荒らげ立ち上がった。

 

「おっと? どんなもんでも平らげるんじゃなかったのか?」

「ぐっ……お、鬼ぃ! 鬼畜ぅ!」

「ははっ、なんとでも言えばいいさ! だが、それは食べてもらう!!」

 

 既に顔の原型を止められないほどの笑みを浮かべている魔理沙の前にいるのは、産まれたての小鹿のように震えている吸血鬼レミリア・スカーレット。

 

 どの茸を食べたって地獄が待っているに決まっている……レミリアは人生最大の窮地に立たされていた。

 

 だがしかし、そんな窮地だからこそ、危険な時だからこそ、最悪のときだからこそ、新たなものが芽生える可能性を秘めている!

 

 レミリアの能力は、一段階進化したッ!

 

(くっ……これを食べなくちゃいけないというの……? こんなもの、食べられるわけ――グッ、な、何……? め、目が、痛いッ、焼けるような痛みがッ!?)

 

 レミリアの右目が、突如痛み始める。想像を絶する痛みと共にやってくる、光と影。

 

(どう、なって……!?)

 

 光は影を写し、影は光をつくり出す。

 次第に影は形を持ち、瞳に光が差し込まれる。 

 

『この、あからさまな毒茸こそ! ただ一つの突破口!! ――――って辛いッ!?』

『はははっ! まさかこんなにあからさますぎる茸を食うだなんて! 笑っちまうぜ!』

 

 レミリアの瞳の中に、紫の茸を頬張るレミリアと、それを見て笑う魔理沙が映っていた

 

(なんだこれは……未来? 私がもし、茸を食べたらのIfの世界を私の瞳に映し出す能力? ということは、ここに来て新たな能力が開花したのね! さすが私!)

 

 その力の名は『レッドマジック』レミリアの瞳の中にこの世界と同じような小さな世界を創り出し、その世界の行く末を見ることが出来る。

 つまりは、未来視の能力を手に入れたッ。

 

(ふっ、ふはははははっ!! これが私! このレミリア・スカーレットに敗北などという概念は必要ない! あるのは一つ、ただ一つだけ、私が勝利するという『運命』のみ! これで決めてやるわ、『レッドマジックッ!!』)

 

 光は影を写し出し、影は光をつくりだす。映し出される未来には、何が映っているのか。

 

(さぁ、もし私がこの『黄色いキノコを食べたら』どうなるのかしら?)

 

 その瞳の奥に見えたものは、

 

『それじゃあ、これ! ……普通に不味いッ!』

『ほー! その茸って不味いやつだったのか』

 

 この世のものとは思えない味の茸を食し、ダメージを受けるレミリアと、なるほどなるほどと頷きながらメモをとる魔理沙の姿が見えた。

 

(ダメだダメだダメだ! この魔法使い、なんて恐ろしいことを……自分でも食べたことの無い危険な色した茸を他人に食わせただと!? ええい、ならば、これが正解だとは思いたくないがグネグネと動く茸を食べた場合は――どうなる?)

 

 レミリアの瞳の奥に見えたものは、

 

『これ、だァーーーーッ!』

『おお! それを食べるなんて勇気あるなぁ、すげえな、見直したぜレミリア』

 

 特に何の反応も見せないレミリアと、レミリアを尊敬するように口を開く魔理沙の姿が映し出された。

 

(正解はこれなのか!? これをたべるしかないのか? いや、もう言ってしまえば『平らげる』と宣言してしまってるわけだからここにある茸全て食べないといけないんじゃないか? いや、だが、しかし――――)

 

 食べられる形が歪な茸、食べられないけど魔理沙に感謝される茸、食べられないし魔理沙に笑いものにされる茸。どれを選んでも地獄が待っている、苦悩の末にレミリアが出した結論は……

 

「まいった……」

 

 白旗をあげること、だった。

 初の敗北を知り、己の限界に触れて、能力も、精神も成長したレミリアだった。

 

 

 

 

 











 単なる息抜きおまけ話だと思ったでしょうか? 実はこの話、これからの重大な伏線になってます。












   



















きっと。
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