担当アイドルと過ごす日常   作:兵部卿

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2018年お正月に
輿水幸子、橘ありす、佐久間まゆがお正月から仕事のプロデューサーの為に事務所まで、振袖をきておせちの差し入れに行くお話。

前話「まゆと過ごす年末」からの続きもの
単独でも全く問題なく読めるかたちになってます。

※P=プロデューサーとお読みください。


担当アイドルと過ごすお正月

 346プロダクション

 

 年が明けた今日、ボク達は新年なのに、お正月のお昼からもう仕事のカワイソウなPさんのためにおせちを持って、しかも振袖を見せにきてあげたんです。

「「「新年あけましておめでとうございます!」」」

 Pさんの担当アイドルであるボク、輿水幸子と、橘ありすさん、佐久間まゆさんの声が綺麗にそろいます。振袖を着た女の子が一斉に挨拶するんですから、対面から見るとさぞ華やかなんでしょうね。

 まあ!ボク1人が居れば、世界中の美人を集めた挨拶にも勝っちゃいますけどね!

「はい、あけましておめでとう」

「フフーン、どうですこのボクの振袖姿!カワイさがより引き立ってますよね!」

 フフーン、Pさんもこのボクの超絶カワイイ姿にメロメロですね!

 なんてったって、世界一カワイイボクが、ママとパパが買ってくれた世界一の振袖を着てるわけですから!

 「ワーホントダーサチコチャンチョーゼツカワイイー」

「ちょっとなんですか、その反応!」

 何だかすごくキレイな棒読みでかえされました。

「まあまあ、幸子さん。Pはきっと照れているだけですよ。いつもの照れ隠しです」

 ありすさんは呆れたように、言ってますけど、納得いかないですねぇ。

「うんうん、ありすはかわいいなぁ。どこの御姫様かと思ったよ」

「あうぅ」

「あれ?ボクの時と扱いが違いませんか?」

 ちょちょちょ、どういうことですか!?

 ボクの時と反応違い過ぎません!?しかも、ありすさんもさっき『やれやれ』みたいな態度だったのに、正面からストレートに褒められて照れてるじゃないですか!

「……」

「あの、まゆさん。どうして両手を広げて待ち構えてらっしゃるので?」

 ……敢えてさっきから触れないようにしていたのに聞いてしまうんですね、Pさん。

「さぁ、Pさん。まゆはいつでも大丈夫ですよ?抱きしめて耳元で愛を囁いてください」

「……」

「新年からとばしてますね、まゆさん」

 いや、ほんとになんですかね、まゆさんをそんな風に突き動かすものは。

「でも、いつもの事務所って感じがして安心感すら感じます」

 それはそれでどうかと思いますけど……。

 毎度思うんですけど、この事務所こんなんで大丈夫なんでしょうか?

「Pさん、お正月なんですよ?今年初のまゆ。初まゆをどうぞ」

 初まゆって……。ボクなら初幸子ですかね?縁起よさそうですけど。

「まゆ……」

「Pさん……」

 あ、二人の空間に……。

「あぁ、空気がいちご色に……」

「え?赤いんですかこれ?……と言うか、まだ新年の挨拶してから5分と経ってないんですけど……」

 ピンクとか、桃色なら分かりますけど、いちご色って……。

「まゆゅぅぅぅぅう!」

 

 

「では、私たちはおせちの準備でもしましょう」

「あれ、ほっとくんですか?」

「二人ともその内に戻ってきますよ」

 ありすさんはこの二人が何かし始めると大概のことはスル―ですね。

「まあ、そうかもしれませんけど……。一応ここ事務所ですし怒られるんじゃ……」

 今は居ませんけど、ちひろさんとか偉い人とかいたら怒られるんじゃ……。

 それに、こう、いつもくっつき過ぎじゃありませんかねぇ。

「そこはいい大人なんでしから自分で責任を取ってもらいます」

「あっ、ハイ」

 一瞬目のハイライトが……。

「それとも幸子さんも混ざりたいんですか?」

「い、イエ……そういう訳では……」

 そ、そ、そんなことある訳ないじゃないですか!?ボクが、あんな風に?

 抱きしめられたり、ナデナデされたり、耳もとで囁かれたりなんて!

 折角買って貰った着物が乱れちゃいますし、そんな人前でだなんて!

 ああ、でも、でもですよ、Pさんがどうしてもっていうなら、ボクとしても吝かでないというか、仕様がないというか、やむを得ないというかですね。

 だって、ボクがカワイ過ぎるのが原因で、Pさんが我慢できなくなるのも納得できますし、ボクのカワイさを(ry

 

 

 ―おせちは美味しく頂きました―

 

 

「そういえば、皆にお年玉を用意したぞ」

 Pさんはいつも唐突ですねぇ。

「本当ですか?まぁ、ボクのカワイさについついあげたくなっちゃう気持ちもわかりますけどね!」

「P、こども扱いしないでください。私はもうアイドルとして仕事もしていますし、そんなもので喜ぶほどこどもじゃありません」

 ありすさんは本当にこども扱いが嫌いなんですねぇ。ボクは相手がこちらを想ってくれてるのが分かればそれでいいと思いますけど。

「ふふ、ありすちゃん。これはPさんが普段頑張ってるありすちゃんにあげたいから用意したんですよぉ。ここは相手の気持ちを汲んで貰っておくほうが大人ですよ?」

「そ、そうでしょうか?」

 流石まゆさんですね。上手く説得してます。

 ここは僕も援護に回りましょう。

「いいじゃないですか。折角のPさんからの気持ちですし、貰ってあげましょうよ」

「おー、そうだぞありす。……といっても今更お金なんてあげてもしょうがないからな。お年玉とはいってもお小遣いじゃないぞ?」

「そうなんですか?」

 Pさんはそう言ってなんだかおっきな封筒を取り出してますね。

 お金じゃないとなるとなんでしょう?アクセサリーとかのプレゼント系ですかね?

「おう!」

「では、なんですか?」

「ほら、これ。開けてみてくれ」

「?」

 まずはありすさんにそう言いながら封筒を渡してます。

 ありすさんも首をかしげながら開けていますね?

「新しい新曲だ!In factからのソロ2曲目だ!初夏に発売予定で、春にはお披露目だ!」

「! あ、ありがとうございます……」

 なんと、中にはCDと歌詞カード、譜面が入ってました。

 ありすさんは将来的にも音楽の関連の仕事に就きたいと言っていましたし、常の仕事でも、音楽の仕事は他よりも気合いが入るようですし、このお年玉には感動しているみたいです。Pさんもやりますねぇ。

「おめでとうございます、ありすさん」

「よかったですね、ありすちゃん」

「はい!」

「さて次はまゆに、はい」

 続いてはまゆさん。と、いう事はトリを飾るのはボクですか。最後に一番感動的な感じにするんですね、流石はボクのPさん。よく分かってるじゃないですか。

「ありがとうございます♪」

「今度はなんですか?」

「なんでしょう?企画書ですかぁ?」

 ふむふむ、やっぱりこのお年玉は仕事関係なんですね。

「『ジューンブライドを先取り、彼と行きたい海外ハネムーン』結婚情報冊子と、旅行会社とテレビ局が共同で作る番組でな。そのキャストの一人として、去年『マイ・スイート・ハネムーン』が大好評だったまゆを是非にってね」

 おお、いくつかの会社と合同とは結構大きな仕事ですね。しかも、番組とは言ってますが、結婚情報冊子、旅行会社のパンフレットにきっと載るでしょうし、好評ならその後の契約も来るという話ですね!

「ありがとうございます!……ちなみにPさんは一緒に来てくれんですよね?」

 え?気にするのはそこですか!?

 ……まぁ、海外に良く知らないスタッフとだけだと不安ですしね。分からないでもないです。

「まあ、海外ロケで他の事務所の方とか、色んなとこの関係者もいるし付いて行くことになるな。……あとは、まあ、純粋に心配だしな……」

 まーた、この人は……。

「Pさん……」

 さすがに今日は食傷気味ですよ。

「「いい加減にしてください」」

 ありすさんと上手い具合にハモりましたね。

「おっと、すまん」

「さぁ!最後はボクですよ!」

 そう!真打登場ですよ!

「ほいほい。さぁ、受け取ってくれ」

「ありがとうございます!」

「これもサイズからして企画書みたいですね?」

 やっぱりですか!と、なるとボクならこの溢れ出るカワイさを活かした仕事ですね!

「フフーン、きっとカワイイボクに相応しい企画ですね!新曲、海外ロケと来てますから、写真集ですかね?それとも、まさかドラマの撮影とか?まあ、どちらにしても、ボクのカワッ!?」

 な、なんですか……これ……、思わず手にした企画書を落としてしまいましたよ……。

「幸子ちゃん?」

 ありすさんとまゆさんがボクの落とした企画書を拾い上げて読みあげます。

「えーと、『新春生放送芸能人お年玉争奪バトル』特別ゲスト参加?」

「内容は、『出演者のお年玉を決めるため上空3000mからスカイダイビングしてもらい、着地予定地点に番号が振られていて、着地した地点の番号が出演者のお年玉として与えられる』ですかぁ?」

「うむ」

 うむ?……うむ!?

「『うむ』じゃないですよ!また、スカイダイビングじゃないですか!それにこれじゃあ、ボクへのお年玉じゃなくて、ボクがお年玉じゃないですか!」

 ボクはPさんに詰め寄ります。

「はっはっは、上手い事言ったつもりか幸子?座布団全部持っていくぞ?」

 座布団なんか全部あげますよ!なんなら木○蔵ラーメンもつけてあげますよ!

「いらないですよ!しかもこれ、日付が1月3日になってるじゃないですか!」

 一番の問題はこれ、もう決定事項で、明後日には撮影があるってことですよ!

「うん、生放送だしね」

「こんなの初耳ですよ!」

「今言ったからね。安心しろ、ちゃんと去年からこの日が撮影のスケジュール取ってあっただろ?」

 そ、そんな……。あの不自然に入れられていた新年初仕事の撮影がこれの事だったなんて……。……どうりで何の撮影か聞いても笑ってごまかされるはずですよ……。

「確かに撮影があるとは聞いてましたけど……」

「あ、それと企画書一つじゃないから」

 え”!?まだあるんですか!?

 後ろからありすさん、まゆさんの言葉が聞こえてきます。

「『桜の頃の怪談噺 桜の下に死体は埋まっているのか?』」

「『新学年新しく部活を始める君たちへ アイドルが体を張って色んな部活にチャレンジします~乗馬・ライフル射撃・ロッククライミング・ボディービル編~』」

「」

「大丈夫だ!怪談は142’sでの仕事。メインは白坂さんだな。幸子はリアクション枠」

「ああ……」

 ありすさんその『まあ、そうでしょうね』みたいな反応は止めてください。

 それにPさん、大丈夫って、何の救いにもなってないじゃないですか……。

「部活のは、他のアイドルが有名どこやるんで、幸子には全国でも珍しい部活をやってもらうことになるな」

 なんでそんなニッチに部活ばっかりなんですか!もっといい部活取ってきてくださいよ!

 ボクに似合うカワイイ部活だって一杯あるじゃないですか!

「なんだか、他に適任な人がいそうな部活ばっかりですねぇ」

「後半適任が同じアイドルなんですけど……。ボディービル部なんて聞いたことないですよ」

「さあ、幸子!今年も忙しくなるぞ!いい一年になりそうだ!」

 Pさん……なんて、爽やかで、希望に満ちあふれた笑顔なんですか……。

「ふ」

 

 

「ふぎゃー!!!」

 

 

 




ご覧頂きありがとうございます。
幸子は打てば響くし、その上カワイイ!
いいアイドルですね。

木久○ラーメンってネタに使われますけど、本当は美味しいらしいですね。
機会があれば食べてみたいですね。

部活が似合いそうなアイドルメモ
乗馬…浜川愛結奈
ライフル射撃…大和亜季
ロッククライミング…ボルタリングで高坂海美
ボディービル部……例のあの歌の人

振袖デザインメモ
まゆ:赤を主体にして、裾に向かって色があわくなり、黄色や白といった花が全体にあしらわれているデザイン。下は大輪の花。上の方は、小輪の花と、蕾、葉があしらわれている。
幸子:ピンク主体で、裾から上に向かって斜めに紺色の波のような模様が広がり。その波に沿って淡い白、水色といった花のデザインと上の胸から片口にかけて赤い花がデザイン
ありす:淡い青を主体にして、裾の方には大輪、上の方には中輪の花が散りばめられて、その傍を小輪の花が彩る。その間を金糸の蔦がところどころに通っている。
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