実力は、十師族並だとか。
東シナ戦役後、十師族に誘われるも拒否。多くの部下が戦死したことを嘆き、退役。その後国防大臣に就任されるというエリートコースを歩む羽目に。
国防軍 恩納基地
それは突然起きた。
基地後方での爆発音に誰もが気付き、屋上の偵察班はその状況に言葉を失っていた。
光る棒状の何かを振り回し、ドロイドを斬り伏せ、時折ドロイドが放つ光る弾丸を跳ね返したりしている少女を先頭に歩兵部隊が恩納基地へ向けて真っ直ぐ来ているのだ。
更に、上空から友軍機判定があるものの国防軍所有の戦闘機では無い機体の編隊が鶴翼の陣で対地爆撃を敢行。
地上に展開していた大半のドロイドを葬り去り、歩兵部隊の道を開けた。
彼等が此処に到着したのは、爆発音がして30分も満たない内に殆どのドロイドを片づけた後だった。
そして、ヘリコプターではない大型の機体の編隊が恩納基地後方のドロイド軍が展開していた場所に次々に降下していく。
その状況を、恩納基地までやって来た国防軍部隊と所属不明部隊が見ていた。
「あの機体は何かね?」
「リパブリックアタックガンシップ別称、低飛行強襲型兵員輸送艇(LAAT/i)です。一度に30人の兵員を輸送することが出来るガンシップです。」
その説明に大臣は驚いたような顔をしていた。
「今、ウォーカーを下ろして帰還していったのが、ガンシップと同じ形態をしている低飛行強襲型貨物輸送艇(LAAT/c)。基本的にガンシップキャリアーと呼んでいます。
降ろされて展開されたのが、全地形用戦術歩行兵器(AT-TE)。AT-TEウォーカーと基本的に呼ばれています。」
「凄まじいな。これだけあると、・・・」
大臣の目の前には既に8台のAT-TEが降ろされ、恩納基地正面に向かって動き出していた。
そこに更に3台の車両が降ろされた。
「重強襲型自走式戦車(HAVw)A6ジャガーノート、通称ジャガノート。恩納基地防衛戦力は此処に揃いました。」
「これが防衛戦力だと!!」
「主力部隊はまた別です。」
ストーム分隊の兵士が他の空挺部隊員と共にやって来た
「将軍!恩納基地司令がこれをあなたにと。」
渡された紙切れに書かれていた内容は、案の定とも云うべきものだった。
「大臣、またの戦闘の前によろしいですか?」
「ああ、構わんよ。私も一つ文句の一つ二つぶつけにきたのだから。」
大臣もまた、送られてきた紙切れを見て半分キレていた。この非常時にいったい何を考えていると言わんばかりに。
この場で役割を終えたストーム分隊と変わって、コマンダーキクネ率いるジェットトルーパー部隊が合流を果たしていた。
一行は基地内部へと入っていった。
「司令室はこちらになります。」
誘導してくれた兵士がおどおどしく言い、自分の仕事に戻って行った。
其処にズカズカと入って行く北村壮一国防大臣
「おい、この紙切れの指示を出した奴は誰だ!?」
そう基地総司令部内に向けて怒鳴りつけた。
「北村じゃないか!どうしたんだ?こんなところまで」
「昔の血が騒いでな。ところで、この紙切れに見覚えは?」
「無いな。あの軍にコンタクトを取れとは言ったが、こんなものを送れなど指示出すと思うか?」
「狭山はまずしないだろうな。だったら、下級士官か?」
北村壮一国防大臣の眼光を受けて一人の下級士官が目を逸らしたのを狭山基地司令は見逃さなかった。
「憲兵!そいつを捕まえろ!」
恩納基地では既に反逆兵を出したため、基地の至る所に憲兵が配置されていた。
指差された下級士官は、机にあった分厚い本を憲兵に投げつけ逃走を図ろうとした。
誰も配置されていない唯一外への直通口へ彼は走った。
憲兵や他の司令部要員も間に合わないはずだった。
しかし、フォースジャンプでその出口前に飛んだ木乃香がライトセーバーを起動せず、ファイングポーズで待ち構えることなく、立っていた。
「死ねぇ、小娘ぇ!!」
手に持った軍用ナイフを木乃香に向けて振りかざそうとした。が、木乃香はフォースプッシュで彼を憲兵達がいる方向に吹き飛ばした。
魔法というものを知らない彼女だが、他の者からすれば特殊な魔法に見えたに違いない。
逃げようとする下級士官だったが、憲兵の一人が加重系魔法で地面に押さえつけて彼を確保した。
「ご苦労様です。将軍」
「この程度、造作もないわ。第1と第3が展開し、合同で動けるとはね。」
「こうゆう時の為に各隊で連携は深めてあります。」
「十分よ。さて、国防軍恩納基地司令官殿、私は銀河共和国、コルサント星系、ジェダイオーダー所属日本支部の長 太源木乃香であります。現時点を以って、我が軍は国防軍と合同戦線を組むことを立案します。」
「ご紹介ありがとう。国防軍恩納基地司令官狭山清隆中将だ。共に戦えることを光栄に思う。しかし、太源家の御令嬢でしたか。なんと謝罪すべきか。」
「構いません。このような事は所詮、小事ですから」
「成程、小事と来たか。分かった。」
狭山基地司令に、共和国軍の展開している戦力について伝えると、戦域の全体図がモニターに表示された。
「此処の西側にストーム部隊と国防軍防衛戦力、東側に第2スカイコープスと国防軍防衛戦力、中央に第1、第3スカイコープスと恩納基地から出せる空挺中隊のみといったところだな。」
「本国の連中も加えてやればいい。俺は西側に行こう。」
北村壮一国防大臣はそう言って基地を出て行くと、
「問題はこのドロイド軍と敵地上戦力をどうするかだな。」
「暫くは単純な消耗戦になりそうね。」
コマンダーキクネと狭山基地司令は戦略的な会話をしていた。
そして、私はというと
「風間大尉、こちらの子は?」
軍人に混ざって一人子供が紛れていたのでそちらに興味を向けていた。
というより、ダークサイドの気配に似た感情を持っていることに気付いた。
「志願兵です。私が許可しました。」
「そう、名前は?」
「司波達也です。」
彼は、その少年はそう答えた
しかし、私は不思議に思った。ポーカーフェイスなのか、ただ感情が全くと言っていいほど分からなかった。人間、どのような状況下であろうと感情の起伏というものはあるものだから。
そして、フォースを使って数十秒か数分か彼の瞳を見続けて漸く、深層心理にある縛り付けられた様々な感情があることを知ることが出来た。
「ねえ、何故あなたはそんなにも怖がっているの?」
「別に怖がりもしていませんし、そのような感情はありません。」
「無いことが問題なの。例えあなたに唯一残された感情が兄妹愛だとしても」
「・・・・・・、なんのことですか?」
「私が使うこのフォースで少し治療しますか。」
「用が以上であれば失礼して、!?」
彼は驚いた。身体を動かそうとして一歩も動けないなんていうのは今まで無かったからだ。
そして、それを彼女がしていると分かると魔法を行使しようとするが、その魔法も発動しなかった。
「な、ぜっ!?」
「少し、眠ってもらうね。」
フォースを使って達也を眠らせると、私はフォースの能力の一つ、癒しを使ってカウンセリングを始めた。問題なのは、彼の深層心理をどうやって開けるかにあった。
彼の意思無くば開けれたところで意味は無いからだ。
「(この子の心は魔法で無理矢理押さえつけたようなもの。如何なる理由があれど、その束縛は外さねばならない。・・・若しや、関わった人間全員既に何かしらの感情を失っているのか?)」
木乃香の感は、外れたものではなかった。
司波達也は、幼少期に精神改造手術を施されただけでなく、脳の『強い情動を司る部分』『感情を司る部分』である大脳辺縁系が白紙にされているというものだった。しかも、その手術を施したのが達也の母であった。
「その手の人間は、軽い洗脳状態にあるようね。木乃香、あなたは前線に。此処は私が対応するよ。」
後ろからやって来た人にビクッと驚きはしたが、来たのがフォースの癒し系回復専門のジェダイであるサラミスが声を掛けていた。
「サラミス、来るの早くない?」
彼女はフォースの念話を使って、呼んだ癒し回復系専門とした治癒に長けたジェダイガードだった。
「もう少しで終わるかな。空白になっているからこれから埋めていけば問題はなくなる。それまでポーカーフェイスだろうけど。」
「早くない!?」
此処に到着して10分も経っていない。
「こんなの、朝飯前だよ。けど、いいの?指揮官が此処にいて。」
「ドロイド軍とは、第1スカイコープスが先に戦闘を開始しているのだけれど。何しろ戦力が多いし。」
「まあね。もうすぐ陽も落ちる頃合いだし。」
昼方から始まった激戦は太陽が沈むと同時に終わりを告げた。
共和国軍のトルーパー部隊の戦死者は少なく、また負傷者もそこまで多くは無かった。
ピストン輸送されてくるドロイド軍の上陸艇は、撃墜に至っていないため、敵戦力に変わりはなかった。
達也の処置を終えると、木乃香は作戦司令部に戻った。
サラミスは、達也の母親と真っ向から対峙して説教中。
あまりの気迫に護衛役の者も一緒になっている。
サラミスは、年齢で言うと21歳。名前が無かったからこの名前だが、日本人である。
木乃香と似た存在なのだが、姿を消す前は実の弟を大事にしていたこともあり、出会ってから達也を弟のように気に掛けている。(←ブラコン?)
そして、私は中に配置されたホロプロジェクターである艦に連絡を取っていた。
「ドレーン提督」
「タイゲン将軍か。何用だ?」
「明日、クルーザーを沖縄本島低空に配置してください。」
「上陸艇の撃破に困難しているということは聞いている。重爆隊では無理か?」
「従来であれば重爆隊が撃破していましたが、彼らが反復攻撃を仕掛けても撃破出来ていないのが実情です。」
実は、既に制空権を確保しているのだが、上陸艇は制空権なんのそのと、突撃して帰っていくのだ。地上部隊がTX-130Tファイタータンクの、ミディアムツインレーザータレット
による一斉砲火を行っていたが、射程が足らない上、エネルギシールドを張っているため、現在上空で撃ち落とす以外の方法が無い状態なのだ。
「SPHAの使用許可受諾した。」
「頼みます。」
「クルーザーは3隻で十分か?」
「ええ、それだけあればクルーザーの砲火に地上戦力も耐えられまいでしょう。」
「では、明日に。」
そう言って、通信を切るとキクネが驚いたように聞いてきた。
「クルーザーを晒していいのですか!?」
「これだけの大規模侵攻。敵がまだミューニフィセント級スターフリゲートやプロヴィデンス級デストロイヤーを出してこないのは、それが無いか若しくは修理中だと推測できる。」
3隻のSPHA搭載クルーザーが単身で来るわけでは無い。直援としてそれぞれ2隻のクルーザーが同伴するため、計9隻のクルーザーが来ることとなっている。
「しかし、この状況の打開にSPHAが必要なら輸送すれば。」
「アレの輸送は、ウォーカーとは違うの。」
「太源君、SPHAとはいったいなにかね?」
「SPHA、自走式重砲塔は非常に大きな重砲です。ターボレーザーという極めて巨大なレーザーキャノンを搭載したSPHAは、巨大かつ鈍重に移動する物に対し有効です。」
「なん、だと!?」
狭山基地司令本日最大の驚愕かつ戦慄の出来事だった。
恩納基地の目の前にアクラメーター級アサルトシップが到着し、部隊展開をしているのを他所に
狭山清隆も北村壮一とは同期で九島閣下と親交があるのだとか。
本人は否定