文字数は少ないですが、どうぞ!
「何だよ……これは……」
状況が理解が出来ない。
さっきまで、ほんの少し前までは笑い合っていた友人達がピクリとも動かず倒れていた。どういうことだろうか。
倒れている友人二人を見やる。特に目立った外傷はなく血は流れていない。骨折もなさそうだ。脳しんとうでも起こしているのだろうか。
そして、
脳裏に浮かんだのは過去。いつ死ぬかもしれないと実験の度に床に這い蹲らされていた幼い自分。
身体が怒りよりも先に恐怖で強張る。足が震える。「あの時」の様に逃げ出しそうになる。
「何って、オシオキじゃん?」
入館してきた真藤に対し黄泉川は悪びれた顔もせず、さも当然というようなキョトンとした顔で答えた。
「これがオシオキだと……ッ!」
「そう、私のクラスには優等生しか要らない。だから落第した三人に次はしてならないと身体に刻みつける。当然の流れじゃん?」
「なら! 何故! 俺を一人にして呼び出した!? 三人まとめてやればいいだろう!!」
右手は自分の胸を鷲掴みにして、震える口で、無理矢理に怒りで恐怖を押さえつけながら叫び問いかける。
「だってお前だけ逃げるかもしれないじゃん、なぁ?」
そんな真藤の感情を受け流すかのようにあっさりと黄泉川は返す。
「禁ジストロフィー治療実験被験者、唯一の成功例。奇跡の
続けた黄泉川のその一言で真藤の感情、表情は驚愕一色に染まる。
(俺の過去を……!)
そんな真藤の考えを見透かしたように、
「私は教師だぞ? 当然知ってるじゃん、最後の
つまり、黄泉川は真藤の逃げ道を塞ぐために二人を先に呼んで気絶させたと得意満面で人差し指を立てながらつらつらと説明しながら倒れている2人に近づく。
「そうだ、二人は無事なのか!?」
「ああ、ついつい力が入りすぎて気絶させちまったじゃん。」
さっきの大きな音はそれだ。と最後に付け加え、黄泉川は倒れている二人を抱き起こし、ぐったりと俯せの姿勢から呼吸の確保なのか。二人を仰向けの姿勢に正す。
その顔はオシオキと言いながら二人を気絶させた行動とはかけ離れた、どこか母性を感じさせるものがそこにはあった。
何かがおかしい。真藤は先程の恐怖、怒りが霧散し、黄泉川の顔を見て毒気を抜かれる。半ば混乱したまま何をすべきか途方にくれていると、黄泉川は真道の方を向き、先程の顔とは違い、真剣そのものの顔で真道に問いかける。
「さぁ、過去の様にまた逃げるのか? この二人を見て何とも思わないのか? その能力は何の為にある!? 生きて惨めに逃げ続ける為か! 過去を乗り越え戦う為か! 答えるじゃん!
真藤は息を飲み込む。
『
たかだか
この世で最も憎い研究者に嘲笑のネタに付けられた名前に過ぎないのだが。
そんなことまで知っているのか、真道はビクリと身体を震わせ目の前の状況を改めて見て思う。
力も何もない友人達が理不尽な教師の力によって蹂躙された。これはまぎれも無く怒りの感情だ。体の芯から熱くなるのを自覚する。
もう過去の自分とは違う。
真藤は踏み出す。逃げるためでは無い。戦うための一歩を。
「……こんな状況見せられて……逃げたら……こいつらに見せる顔なんてねーよなぁ!」
真藤は吼え、目の前の
「よくぞ吼えたじゃん! さぁ、こい!」
黄泉川は笑顔で目の前の
「俺が勝ったら補習は無しだぞッ!」
更に真藤は吼える。
「それは駄目じゃん!」
黄泉川はあっさりと返す。
「ちっくしょー!!」
真道は吼えた。割と本気で。
そして生徒と教師の
中々強引な展開でもありますが、勢いと妄想で読んでいただければ幸いです!
今回もご精読ありがとうございました!