「寝ちゃったわよ・・・・」
ついさっき私は目を覚まし、航生と再会を果たした。そして話しているときに突然航生が体を布団に倒した。よく見ると目の下にクマができている。疲れていたのだろう。月曜日はみんなで遊びに行く予定だったのに行けなくなったのは私のせい。私がこんなことにならなければみんなで行けたのに・・・。
「はあ・・・それで・・・。どうしてフランがここにいるのかしら?」
「実は・・・」
そのあとフランからいろいろと話を聞いた。とてつもない妖気を感じた紫が加勢させるために連れてきたのだそうだ。あのスキマも割と仕事するんだな・・・。話によると博麗大結界は崩壊しているはずなのにこの世界とかとつながっていないのは、別の何かが押さえ込んでいるからであるらしくその力の源は何かわからない。などといろいろ話しているうちにもう午前7時だ。フランは変えるつもりだというが正直苦戦を強いられるだろう。今回だってフランが時間を稼いでくれたおかげで航生は私を助けにこれたのだ。いくら航生でもこんな状態を長持ちはさせられない。だからこそあと一人でも戦力が欲しい。
「なんだ・・・・?もう朝か・・・?」
そんな話をしているときに航生が目を覚ました。なんと良くも悪くもないタイミングだろう。そして、なんだこの透き通った気分は・・・。まるで自分の心の闇をすべて外に出したような・・・。まあ、気にしたって仕方がない。とりあえず家に帰ろう。しかし、体が動かない・・・。なんで・・・?
「そりゃそうだよ。あんだけやられてればさすがに体が思考に追いつかないさ。」
昨日の痛みはとんでもなく楽になったが、疲労だけは抜け切れていないようだ。ここは航生の言う通り安静にしておくべきか・・・。
「そうだよ、霊夢。今倒れたら心配するのは私たちだけじゃないんだから・・・。ほかにも心配してくれている人はいるんだよ?」
私はドアのほうを見ると話声が聞こえた。
「俺だ。楽だけど・・・入っていいか?」
「どうぞ~」
そこには同じ班だったみんながいた。友達としてみてくれているのはどれだけ幸せなのだろう。
その後は先生や同じクラスの子。その子たちの親も来てくれた。一番びっくりしたのは・・・。
「博麗霊夢さんですね?私、日本安全保安局局長、板垣一といいます。政府の系列です。今回は本当にありがとうございました。」
そう、この板垣と名乗る男の人は何やら国で起きた騒動をすべて記録している場所で働いているらしい。そんなこんなで話は続きいろいろ来ていた見舞いも今日は来なくなった。小咲たちが帰ったのは夜の6時ころでちょうどこちらも晩御飯の時間だった。航生はご飯買ってくるといって近くのコンビニに向かった。そして・・。
「随分とひどい有様ね?霊夢・・・」
「紫じゃない・・・。こんなところで何してるのよ?」
「フランを回収しに来たの。さすがに吸血鬼がここにいるのはまずいでしょう?」
確かにその通りだ。フランだけは非現実的すぎる。
「じゃあ、またね霊夢。」
「ええ。またねフラン。」
そういって二人はまた行ってしまった。これ以上迷惑はかけられない。今回だって航生とフランに迷惑をかけた。私は今は無力な女。といってもこれでも強いほうだと思うのだが今回の異変に限って言えば違う。私は無力な人間の子供。私なんて・・・。
「そんな自分を過小評価することはないだろ?」
「航生・・・」
毎度毎度こんな感じのことを言う。正直聞き飽きた。逆になぜそこまでして私をかばうのかもわからない。有難迷惑だ。
「ほっといてよ・・・私のことなんか・・・」
自分が弱い。それは誰もが抱える悩み。だから誰かが物申していいものではない。そして私だってそう思う時もある。それが今だ。
「ほっとけるかよ。今だってこうして傷ついて動けない状態なのに・・・」
「ほっといてって言ってるでしょ!」
(しまった・・・。つい・・・。)
いつもの癖が表に出てしまった。昔からそうでよくこうなる。思ったことをそのまま口にする。いくら覚妖怪の前でもこんなにならないのに・・・。なんで・・・。なんでなのよ・・・。
「・・・そうか・・・・。わかった。何かあったら連絡くれこれ渡しとくから。」
そういって渡されたのは携帯電話という道具だ。霖之助さんから聞いたことがあるが、これで遠距離の相手とも話せるらしい。しかし、それを受け取った後も航生の言葉には答えず、航生が部屋を出るまで下を向いたままだった。
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「はぁ・・・」
元のように元気になったのはうれしいがここまで言われると俺のメンタルがもたない。何が彼女を苦しめたのだろうか。親離れしたい子供のように余計なおせっかいだったのだろうか。そういう感じはしなかった。どちらかというと・・・。
「苦しみか・・・。」
自分の感じた苦しみ。感じさせてしまった後悔からくる悲しみ。それぞれだ。おそらく霊夢の場合、後悔からの苦しみだろう。確かに人につらい思いをさせるのは堪える。俺も耐えられない。俺は確かにいろいろと傷ついた。でも俺はこれっぽっちも心が苦しいとは思わない。みんなのためになるならなんだってする。そう決めたのだ。
「霊夢が気にすることないのに・・・・。」
病室を出て、俺は近くの公園のベンチに座っていた。ずっと空を見つめていた。夜の空に光る星々。そして一番の輝きを放つ月。きれいだが何か物足りない。心残りがある。
「ホントあなたって鈍感よね・・・」
そういって俺の目の前に現れたのは、千棘だった。
「あんた・・・。あの言葉だけが真実じゃないことぐらいわかってるんじゃないの?」
それは知っている。しかし、なぜ霊夢があんなことを言ったのか。それに千棘は気づいてほしいのだろう。そんなことは気づいている。しかし、この問題は俺が解決すべきもの。
「まあ、それでも俺が解決すべきことだから任せてほしい」
「そこまでいうなら・・・」
俺はその日は病院のバルコニーで一夜を過ごした。眠いが眠れない。霊夢の部屋に戻りたくても気まずくて戻れない。しかし、夜は戻らなければ風邪をひく。とりあえず俺は病室に戻った。病室の扉を開けようとすると・・・。
「さすがにちょっと・・・」
「いいえ。絶対大丈夫だと思うけど・・・。」
そう聞こえてきた。何を話しているのか内容まではわからないが、できればすぐに入りたい。
「入ってきたらどう?航生・・・」
「ばれてたのか・・・。」
俺の存在を気付いていたそうだ。なぜかわからないが千棘がまた病室に来ていた。どうしよう・・・。
「じゃあ、あとは二人に任せるわ。お休み・・・」
そういって千棘は足早に病室を出て行った。そして病室には俺たち二人が取り残された。何かと見つめたまま言葉を交わそうとしない・・・。その静寂を打ち破ったのは霊夢だった。
「あの・・・さっきはごめんなさいね・・・・」
なんか素直に言ってきたのは気持ち悪いが気持ちだけは受け取っておく。
「別に大丈夫だよ。気にしてないさ。それでも謝る理由ないよ。」
布団の前の椅子に座ると、霊夢が起き上がってきた。
「おいおい・・・大丈夫なのか?」
「心配しないで・・・」
無理に起きている感じがする。そんな必死にならなくてもいいのに・・・。少し力を入れるたびに体が震えている。もう見てられない・・・。
「ったく・・・」
そのまま霊夢の体を支えて座らせる。
「ふぇ!?え?ちょ・・・ちょっと・・・」
「大丈夫か?」
「//////」
「とりあえず今日は寝ろ・・・。明日からは外に出れるらしいからな・・・。」
「わ、わかったわ・・・。」
そのまま霊夢は横になると思ったら、支えている状況のまま倒れこんでしまった。
「ちょ!?おまっ・・・」
「少しものお礼よ・・・。有難く受け取りなさい。」
顔が赤面するが何とか精神を保つことができた。
「ありがとう。・・・・って・・・あれ・・・?」
そして俺の中にいる霊夢の顔に幸せの表情が浮かんだ。手を放そうとすると顔をしかめる。仕方なくこのまま布団に寝かせた。このままの体制だと一緒に寝てしまう。やばいわ・・・。大変だ。
「おやすみ霊夢・・・」
頑張りました!