今日は土曜日。昨日みんなで遊ぶ時の予定を立てたのだ。なんか変な奴も出てきたが退けることに成功した。そして楽が起きた後小咲と霊夢を迎えに行った。3分もしないうちに二人は出てきてそのまま歩いて駅に行った。昨日俺が「楽の約束の場所に行ってみたい」といったところ、OKしてくれたので向かった。電車の中では少しだけ緊張した雰囲気が漂っていた。そんな緊張する要素がどこにあるというのだ。
時間というのは早いものであっという間にそこに着いた。そしてしばらく歩くと草原のような場所が見えてきたのでそこに向かった。そこから先は二人の領域なので俺たちは入らずに待っていることにした。何をしているのかと聞かれたが「昼寝でもしてるわ」といって俺たちはその二人を見失わない程度まで離れて野原に寝っ転がった。
「なあ・・・俺たちってさ・・・。何なのかな・・・」
「何よいきなり・・・」
「お前は生まれて以来博麗の巫女として生き、これからもそうだろ?」
霊夢は当たり前のようにうなずいた。
「それに比べて俺はもう人間を超える力を使っている。幻想郷じゃ普通じゃなくてもこういう場所とか俺の元居た場所とかでは異常なんだ・・・」
霊夢はその場に立ち上がり、俺のほうを振り向いた。
「それでも私は戦う使命がある。幻想郷のためならなんだってするわ」
この言葉には霊夢らしい強い信念を感じた。しかし、どこか迷っているような感じがした。
「過去に何があったのか教えてくれないか・・・?」
「ええ、いいわよ」
「私は昔、母さんと一緒に修行する年になった。人間だから年もとるわね。それで私が10歳のころ、お母さんが異変解決に向かったのだけど・・・」
「だけど・・・?」
「お母さんは帰ってこなかった。今もどこにいるかわからない」
「もういいよそこから先は話さなくても・・・」
それを話しているときの霊夢はとても苦しそうだった。さすがに見てられない。見たくない。そこから先の話はだいたい想像できたから、聞かないでおくことにしたのだけれど霊夢は俺の意思を読み取ったようで、意地を張って話をつづけた。
「紅霧異変の時がそうだった。私が初めて解決した大きな異変。その時はまだスペルカードシステムができたばっかで浸透しているわけではなかった。だから紅魔館に行く前に通る道ではほかにもたくさんの妖怪にあった。でもそんな奴らを私は」
「殺したくはないが、殺さなければ自分が殺される。だから殺すしかない・・か」
博麗の巫女は代々受け継がれているものなのだがいつかの代で何かしらの事件があり、結果的に霊夢の代まで続く羽目になってしまったということだ。
「私は妖怪だって生きていることを知っている。でも幻想郷では妖怪は人間を襲い人間は妖怪を退治しなければならないの。だから・・・・・」
霊夢の目にはついに涙さえも浮かんできてしまった。思い出したくない過去を思い出させてしまったのは俺の責任だ。
「それでも前よりはましになったほうなんだけどね・・・」
すぐに見抜ける。こんな作り笑いなんて何の意味もないことを霊夢は知っているはずだ。俺に弱い一面を見せたくないからだろうが、どう考えてもひどい。全然隠しきれてない。逆にばれるぞ・・・。俺も人間だから、もし俺が博麗の巫女だったら確かに妖怪を退治しただろう。退治しすぎれば、幻想郷は崩壊する。妖怪がいることで幻想郷は成り立っているのだから。
_____________それでも霊夢の顔にはまだ涙があふれるほどにたまっている。手を地面につけ、涙を流していた。考えないようにしていた昔の記憶。そういうものはいつまでたっても当事者を苦しめてしまうのだ。泣いているせいで服にはしみがついている。顔は真っ赤になっていて、髪の毛は汗で少し湿って首についている。
「霊夢・・・」
「何・・・ってちょっと!何してるのよ!」
俺は霊夢を癒すことはできない。俺の苦しみなんて霊夢からしたらたかが知れている。出来るのは苦しみをわかってやることだけだ。それしか俺にはできない。
「霊夢だけじゃない。俺だって昔は嫌なことがあった。でも俺はそれを受け止めて前に進むしかなかった。俺は霊夢みたいに強くはない。それでも今は博麗の巫女に死なれたら困るからな。頑張るんだ」
霊夢はそれを聞いて何かを感じたのか涙をぬぐっていった。
「ええ・・・!そうよ・・・ありがとう・・・航生」
「俺なんかでよければいくらでも手伝うぜ」
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この草原。ここは俺が昔約束をした場所。航生たちの独断と偏見で決まってしまったことなのだが正直俺も気になっていた。あの鍵穴のカギは小野寺のものなのかもしれない。だから今日確認しよう。
「なんか久しぶりだなぁ・・・ここに来るの」
「私も少し見覚えがあるなぁ」
「・・・・小野寺・・・」
「何?一条君・・・」
正直俺はこの時聞くのをためらった。もし、小野寺が約束の人じゃなかったら今まで通り接してくれるのか不安だった。しかしここで聞かなければせっかくのチャンスを無駄にしてしまう。だから俺は今日ここで鍵について聞くことにした。
「この鍵穴・・・小野寺の鍵で開けられるのかな?」
「試してみればわかるでしょ?」
そういって小野寺は首元から一つの鍵を取り出した。この鍵がもしかしたら俺の鍵穴に入るかもしれない。前に千棘のも入ったが、その時は回そうとしたとき折れてしまった。鍵は本体が同じ大きさなら大体は鍵穴に入るはずだ。
カチ・・・・
「「!!!」
鍵穴に入った。問題はこれで回るのかどうかということ。回らなければ意味がないのだ。そして恐る恐る小野寺はそのカギを回した。
カチャッ
「「!!!!!」」
この音は鍵が開いたときによくなる音だ。小野寺はそのあと鍵をゆっくり抜いた。
「い、一条君・・・・」
「お、小野寺・・・・」
小野寺はわかりやすいのですぐわかる。小野寺の顔には感動の表情が浮かび、そして顔に涙を流していた。
「よかった・・・。一条君約束の人で・・・」
「小野寺・・・俺もだ・・・・」
俺たち二人で安心した後、時間になるまで一緒に話していたのはまた思い出の一つとなった。