「そんな・・・・・」
急いできたが遅かった。着く直前に霊夢の腹に槍が刺さってしまった。着いたときに霊夢の腹の槍が消え、霊夢がその場に崩れ落ちた。いつもだったら耐えられそうな攻撃も今では一撃必殺の威力を誇るものになってしまった。霊夢が倒れこんだ場所には円状に血が広がっていく。急いで霊夢に駆け寄り、傷を治した。しかし霊夢は目を覚まさず眠り込んでしまった。今回ばかりは本当に死んだと思ってしまっていた。そんな時に湧き上がってきたとても大きな感情。それは・・・。
「殺す・・・」
そう、殺意だ。何かをされた。大切な何かを失った時だけに出る感情。それで俺の心はいっぱいになった。
「死符『デスランス』」
再び霊夢に向かって投げていた槍を俺に投げつけてきた。その槍は威力こそ高いものの弱点はすぐに分かった。それは長く形を保ってられないということ。それなら俺に当たらない。
「死斬『Died End』」
闇には光。そんなものは今のこの状況では通用しない。威力が勝るのだ。こちらも闇の力をまとった斬撃波を飛ばす。そして衝突。すさまじいエネルギーが俺に伝わってきた。しかしそんなものに動じる俺ではない。
「そんな・・・俺の闇の力が通じないなんて・・・。」
そして斬撃波は直撃。真っ二つに斬れ、さして四散した。こいつらはいつもそうなのか?魔法を解除しようとしたのだが戻らなかった。そして俺はそのまま霊夢を神社に連れて行き、霊夢を横に寝かせ、横に座った時知らない声が聞こえてきた。
『タリナイ・・・マダタリナイ・・・』
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「霊夢!」
声が聞こえる・・・。魔理沙の声だ・・・。さっきまで戦っていたのになんでこんなところにいるのだろう・・・。
「霊夢!!」
二回目で私は意識が覚醒し、勢いよく起き上がった。その時に魔理沙におでこをぶつけておさえる。
「大丈夫か!?」
「航生は!?」
さっきまで一緒に戦っていた航生がいなくなっていた。いつもなら一緒にいるのになぜかいなかった。魔理沙は少し言いにくそうな顔をして口を開いた。
「今幻想郷で航生が暴れている・・・。なんでかはわからん・・・」
私にはすぐに分かった。航生が使った魔法。あれはすごいパワーを出すことが可能だが下手の慣れていない状態で使うと心を病みに覆いつくされるというものだ。
「とりあえず霊夢はここで・・・」
「私も行くわ。助けないと・・・」
これだけは譲れなかった。そんな状況の航生を助けてやりたいという気持ちがとても大きかった。魔理沙は少し考えて連れて行ってくれた。
紅魔館に着くとそこは壊滅状態だった。航生が暴れたせいで壁はボロボロになっている。門の前には航生がたっているのが見えた。剣を持って立っている。そして別の獲物を探しに行こうとしたのか振り向いたところを見つかった。とんでもないスピードで突っ込んできた。明らかに私を狙っているのがよく分かった。
「霊夢!逃げろ!」
魔理沙が助けに入ろうとしてきたが疲労によって立つのがやっとだったらしくその場に膝をついてしまった。私に向かって迫ってくる航生。普通ならこのまま食らえば命はない。それでも私のすることは決まっている。それは・・・受け入れることだ。航生を受け入れれば航生を乗っ取っている闇も外にはじき出され消滅すると考えたからだ。目をつぶり手を広げ受け入れ態勢抜群の状態だ。私は航生が剣を振るより早く航生に近づき、そして、抱きしめた。
「航生・・・。目を覚まして・・・。みんなはここにいるわ・・・」
その時航生の体が明るく光り、光が消えたところから普通の航生が出てきた。戻っているのかどうかはよくわかる。先ほどの邪気が感じられないからだ。
「れ・・・い・・む・・・」
航生の目には涙が浮かび始めていた。なぜ涙が出ているのかはわからないがどんな状態でも受け入れるのだ。
「霊夢・・・」
泣きながら航生が抱きしめてきた。いつもなら殴り飛ばすところだが、今回だけは大目に見ることにした。
「おかえり・・・航生。そして・・・」
「お疲れ様・・・」