航生の闇の事件から一夜が経過した。航生は今日の朝にはいつも通り目を覚まし、朝ご飯を食べた。一方私はというと昨日腹に開けられた穴がまだ完全にふさがっていないため、そんなに激しい動きはできない。航生曰く、次に大きな戦闘が来た時が異変解決のための戦闘になるそうだ。まだ時間はあるのでゆっくり休むよう言われてしまった。何度も死にかけている私はまだ未熟だなと実感してしまった。そして今日の朝面倒だと思ったことがもう一つあった。
「霊夢よ。昨日はすごかったなww」
魔理沙が朝からバカにしてくるのだ。確かに昨日私は唯一思いついた方法で航生を助けたが正直あれをやって後悔した。航生も目の前にいるが、そこだけは鮮明に覚えているそうで恥ずかしい。私にとっては地獄でしかない。わけではない。
「魔理沙。私たちがいない間何があったのか教えてくれない?」
「わかったぜ。めんどいところは省くぜ」
そういって魔理沙は説明してくれた。何度か紅魔館に攻めてきたが龍哉と彩夏がいたおかげで追い返せたそうで、さらには二人(龍哉と彩夏)が単独で敵の拠点に、突っ込んでいって難なく帰ってきたそうで、二人が倒した奴が魔理沙の能力を封じていた術師で魔理沙の能力が使えるようになったそうだ。一応幻想郷と外の世界の時間は同機いるが、ほとんど関係ない。私がこれを気にするのはいくつか理由がある。その中で最も重要なのは壊したものの修復だ。航生と私は幻想郷の時間が体に染みついているためあちらの時間軸通りに直さないとちゃんと直せないのだ。
いろいろ魔理沙に説明してもらった後私は紅魔館に行こうと立ち上がったのだが。
「無理すんな。いくら博麗の巫女でも人間なんだから」
と、航生に止められてしまった。腹に穴をあけられてまだ完治していない(航生に魔法で傷はふさいでもらったが、体に染みついてしまっている疲労感だけは魔法でも直せない)ためすぐにその場に座り込んでしまった。
「俺が代わりに行ってくるから霊夢はここで・・・」
「いや。私が行くぜ」
と魔理沙が名乗りを上げた。図書館にある魔導書でどうにか戦えないか調べたいそうだ。そういうので私は航生に休むよう言い、紅魔館は魔理沙に任せた。「任された!」というと魔理沙は箒にのって飛んで行ってしまった。私と航生はその場に残された。することがない。この前までいたあの世界に戻ってもいいのだが、一応状況を確認しときたいと航生が言い出すものだから待っている。そうはいっても帰る時間を遅らせているのはこの私なのだが・・・。
「霊夢。傷は大丈夫か?」
「大丈夫よ」と軽く反応した。
「その・・・ごめん・・・」
なぜ謝る?謝る理由がどこにある?私は何をされたのだ?
「あの時すぐに駆け付けられなくて、負担をかけた上に傷つけてしまって・・・」
そんなことか・・・。私はそんなことは気にしていない。むしろ助けに来てくれて感謝しているのだ。あのままなら私は死んでいたのだから生きているだけありがたい。
「そんなこと?まだ自分のせいだと思ってるの?」
ちょっと起こり気味で行ってしまったが大丈夫だろう。
「ありがとう。霊夢」
「謝る理由はないわ。逆にこちらから言いたいわ。ありがとう」
__________________
さてと・・・どうしたものか。もうすぐ夏休みだ。その夏休みで、何をするか全く決めていない。ちなみに俺と霊夢は魔理沙に話を聞いた後、ニセコイの世界に再び足を踏み入れた。そして今学校にいるのであるが・・・。
「俺は夢でも見てるのか?」
なぜこんなことを言うのかはすぐにわかる。いつもならこの時間に来ているはずの楽と小咲がいないのだ。今はもう授業の時間であり、いててもおかしくなかった。今連れてきてもいいのだが、おそらく今は・・・。
「絶対あの二人まだホテルだよね」
「霊夢もそう思うか?実は俺もだwww」
おとといの一件で恐らく帰り道で通る駅が戦闘になったせいで電車が全面通行止めなのだろう。少し罪悪感が残ってしまう。それでもこちらからすれば死と隣り合わせなのだから許してくれるだろう。
今日は結局二人は学校に来なかった。楽の家に居候させてもらっているのだが今日はいつも以上に騒がしかった。集英組の奴らが坊ちゃん坊ちゃん言うのでうるさくて仕方がない。晩御飯を食べさせ、みんなも風呂に入ったので俺も入って寝ようと思ったら。
「やっと帰ってこれたぁ~!」
という声が聞こえた。楽が帰ってきたのだ。そういうときに誰がどうするのかは容易に想像がつくだろう。
「坊ちゃん!おかんなさいませ!」
集英組のいつもの出迎え。よくこいつらもここまでやるなと思わずにはいられないだろう。
「ごめんな。迎えに行けなくて・・・」
「いいんだよ。仕方なかったんだから」
__________________
楽が返ってきた一晩がたった。とは言いつつももうすぐ夏休みということもあってみんな気が抜け始めている。霊夢なんて抜けているというレベルではない。幻想郷にいたころと似たような生活になっている。まあ、それが霊夢の霊夢らしいところではある。カレンダーを見ると夏休みまであと2週間を切っていた。そのため授業は詰め込むに詰め込まれた。その後の二週間は何事もなく過ごすことができた。そして夏休み前最後の日。授業というようなものはなかったのでだいたい成績表とかで時間がつぶれた。全校集会は憂鬱でしかなくみんなまともに聞いていなかった。
「さぁ~みんなぁ!今日から夏休みだ!楽しめよ!でもちゃんと宿題はしろよ!」
挨拶をしてみんなが凄い勢いで教室を出た。ある人はみんなで遊ぼうといってゲーセンに行き、ある人はお泊り会だとか言って話をする女子もいたし、さらには夏休みの間丸々一緒に過ごすとか言って夜更かし宣言をしていた男子もいた。俺たち二人はいつも通りの生活習慣が抜けないのでいつも通りになりそうだった。やっぱり夏休みなら海に行くのもありかな?
「みんなぁ。ちゅうも~く」
集がいきなり話しかけてきた。その場に残っていた俺たち二人と、楽、小咲、千棘とるりが振り向いた。
「俺の知り合いが用事で行けなくなっちゃったらしいので、海の家の宿泊チケットもらいました。ここにいる人数分あります!」
最近旅行なんて言ってなかった(行く暇がなかった)のですごく楽しみだった。霊夢は海を見たことがないのでどんな反応をするのか楽しみだ。
「海行くなんて初めてだわ」
「霊夢はそうだな」
「それじゃあみんな当日は一応楽の家の前集合な!」
「なんで俺のうちの前のんだよ!?」
そんなこんなで予定も組み終わった。
__________________
「霊夢たち今頃何してんだろうな・・・」
航生が言っていた。外の世界では今は夏休みだそうだ。おそらくまた帰ってくるだろうが私は航生たちが戻ってから紅魔館の図書館で毎日毎日魔導書を読んでいる。いい魔法が思いつけば自分で試してきた。そして今までに3つほど魔法を習得することができた。ただしこれを使う日が来ないことを祈りたい。
「魔理沙~」
話しかけてきたのはフランだった。今は夕方の6時だ。もうそろそろ日もくれるのでこの時間に話しかけてくるということはだいたい想像がつく。
「弾幕ごっこしよう!」
「望むところだ!受けて立つぜ!」
「やめなさい」
そういって紫が割って入ってきた。これからお楽しみなのになんだというのだ。
「ただでさえ結界が緩んでいるんだから、弾幕ごっこでも結界は緩むのよ?」
知らなかった。ということは異変のたびに霊夢と紫は博麗大結界を直していたということだ。
「まあ、それでも異変の時はの話だけど」
確かに今は異変の真っ最中。ただでさえ結界が緩んでいるのだから紫が止めるのも無理はないだろう。
「この条件下でならやってもいいわ」
その条件とは『残機は3。スペカの枚数は2』だそうだ。しかも、そんなに頻繁にやれば結界が傷つく可能性があるから、月に2回紫の見ているところでやらなければいけない。それでもフランが暴走する可能性は抑えられるからいいか。
「「ふぅ~」」
フランとの弾幕ごっこも終わった。一応私が勝ったわけだが、物足りない。異変が解決した後で存分にやるという約束をフランとした。そして私は再び図書館に行って魔導書をあさり始めた。
__________________
夏休み初日。俺たち二人は楽の家の前で話していた。一応数日後に幻想郷に行く予定ではあるが今は今日の旅行を楽しまないと。今日は霊夢と二人で山の中腹にある有名旅館に泊まるのだ。この前の戦闘の報酬で霊夢が俺に「和風のホテルに泊まってみたい」というので旅館を取ったのだ。とても人気なので取るのに苦労したのだが何とか申し込むことができた。そして俺たちは荷物を持って駅に向かっていたのだが・・・。
「これ買ってこれ買って!!」
などと幼稚園児のようなはしゃぎようだ。みっともない。いい年してそんなことしてんじゃねえよバカ野郎。
駅でいろいろ買えたので電車に乗ろうと思ったのだがめんどくさい。空飛んで行ったほうが早く着くのに・・・。
「めんどくさいから空飛んでいきましょうよ」
霊夢も同じことを言い始めた。飛んでいいよね?良いに違いないな。そういうことで霊夢を箒に乗せ俺たちは空に飛び立った
旅館に到着。することもなくチェックイン。霊夢は足早に部屋に走っていった。俺もそのあとをついていった。部屋に入ってみると有名な高級旅館ということでとてもいい内装だ。これ幻想入りさせたら儲かるぞ。それでも人里の中にこれは持っていけないな。そもそも旅行なんて幻想郷の住人には疎い話だ。さてさて晩御飯まで時間があるし、外の商店街でも見てこようかな。
商店街に出てきたのだが、一応観光地でもあるのでとても賑やかだ。こんなに非血がいるところは久しぶりだった。とても楽しそうにしている人たちを見るとやはり気分はいい。霊夢も楽しんでくれているしよかったよかった。
「じゃあ航生。明日のお土産はここで買うわよ。もちろん航生のおごりで」
「はいはい」
そういうお金の話に関しては一切緩まない霊夢であった。